From:ななころ
プライベートオフィスより
◆決算発表再延期の理由
レオパレスが悲惨なことになっています。。。
2017年末、TV東京「ガイアの夜明け」で衝撃的な報道をされて依頼、一気に落ちていったレオパレス。
違法建築問題(レオパレスは施工不備と言う)が一向に解決されないまま、ずるずるともう2年以上も経っています。
こうやって過去の記事を一覧にしてみると、どんどん窮地に陥っていく様子がはっきりと分かりますね。
<レオパレス関連の記事一覧>
「ガイアの夜明けが告発!レオパレス社からの突然の家賃保証(サブリース)の解除通告・・・」
「ガイアの夜明けが「かぼちゃの馬車」と「レオパレス」を一緒に取り上げた意図とは?(前半)」
「ガイアの夜明けが「かぼちゃの馬車」と「レオパレス」を一緒に取り上げた意図とは?(後半)」
「レオパレスが一気に赤字へ転落(1)「界壁問題の影響」」
「レオパレスが一気に赤字へ転落(2)「驚愕の界壁問題の実態」」
「レオパレスが一気に赤字へ転落(3)「赤字転落のもう1つの理由」」
「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?」
「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?(その2)」
「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?(その3)」
「外部調査委員の中間報告、いよいよレオパレス社が追い込まれてきた!?」
「悲惨な事態になってきたレオパレス、最終赤字690億円」
「レオパレスが決算だけでなく、入居率も悲惨なことに・・・」
「レオパレス2020年3月期決算発表、過去最大の赤字へ、どうやって再建を目指す?」
そして、会社の業績はガタ落ちとなり、人員削減を余儀なくされ、社内体制もボロボロ。
当初8月7日に発表を予定していた決算が9月11日に延期。
さらに今度は、9月11日を9月末までに再延期となりました。
その驚きの理由が、「希望退職募集により、決算業務に従事する従業員が想定以上に退職」とのこと。
いかに社内が混乱しているかが分かる事態となっています。。。
=== 記事抜粋 ===
レオパレス21 決算担当者の希望退職応募で決算発表を再延期
経営再建中の(株)レオパレス21(TSR企業コード:291293581、中野区、東証1部)は9月9日、11日に予定していた2021年3月期第1四半期(4-6月)の決算発表を9月末まで再延期した。
当初、8月7日に発表を予定していたが、監査手続きの遅れなどで9月11日に延期していた。
再延期の理由について、レオパレスは緊急事態宣言の解除後も引き続き、在宅勤務や時差出勤などの対応を実施しているが、「希望退職募集により、決算業務に従事する従業員が想定以上に退職」し、「決算プロセスに更なる時間を要する見込み」としている。
レオパレスは9月8日、所属する一級建築士1名と元社員の一級建築士2名が施工不備問題に関連し、建築士法第10条の規定に基づき国土交通省より行政処分(免許取消)を受けたことを発表していた。
(2020.09.09 東京商工リサーチ記事より)
=== ここまで ===
◆会社が倒産する時の前兆
会社が倒産する時、共通する”前兆”があるということはよく言われています。
業績の悪化は当然ですが、「人の動き」にも前兆が表れのがポイントです。
その1つが、優秀な社員や役員が退職しだすというものです。
「決算業務に従事する従業員が想定以上に退職」は、もうその最たる例です。
会社の誰よりも会社の財務状況を把握している人たちですからね。
また、今後、給料の支払い日が遅れてきたり、未払いが発生していくことも考えられます。
誰だって矢面には立ちたくないですからね。
これで、社長がほとんど出社しなくなったらアウトですね。
船長が舵を放り出した大型船のような行く末となってしまうことでしょう。。。
◆レオパレスは再建できるのか?
悲惨な状況になってきているレオパレスですが、今後再建できるのでしょうか?
当初、ななころは、即倒産ということにはならないと考えていました。
なぜなら、レオパレスのメインの収益である賃貸業が安定していたからです。
実にレオパレス全売上の80%を賃貸業から利益を得ています。
ここが安定していたからです。
これだけの不祥事があったのになぜ安定していたかというと、「法人契約」「外国人入居者」を増やす戦略を取っていたからです。
50%以上が法人契約になっているのです。
この辺りは以前の記事にも書いてあるので抜粋します。
=== 以前の記事の抜粋 ===
提供してもらっている社員の方は、「別の部屋にしてください」などとは口が避けても言えません。
会社から補助してもらっている以上、多少のことは我慢するしかないのです。
このような理由から、企業にとってはコストが一番であり、多少のイメージダウンなどではおいそれとは解約しない傾向にあります。
レオパレス社が法人契約を増やそうとしている戦略は見事なものがあります。
個人や学生の契約が緩やかな右肩下がりである一方で、法人契約が右肩上がりになっていることが、その事実を如実に表しています。
そのため、今回のようなイメージ低下の問題があっても、賃貸業は安定しており、最終赤字は439億円にも関わらず、営業利益は65億円の黒字なのです。
=== ここまで ===
◆コロナで状況が一変
ところが、今年コロナで状況が一変します。
企業の業績が悪化し、社宅を抱えられなくなってきています。
外国人は日本に来れなくなり、外国人入居者は激減しています。
もはや入居率は悪化の一途。
すでに入居率80%を切ってしまっています。
そして、ここにきて冒頭にお伝えした決算発表の遅れ。
そのため、レオパレスの再建どころか、倒産もありえるのではないかと考えています。
果たして、どうなるでしょうか?
◆編集後記
レオパレスが経営再建をするためには、もう方法は1つしかないと思っています。
「サブリースを一斉に解除して、別会社を作って一部業務を移管し、管理委託契約にすべて切り替える」
この道しかありません。
ただこうすると、今度はオーナーが一気に窮地に立たされる可能性があります。
施工不備の改修工事も放り出されて、空室だらけのアパートと多額の借金だけが残されるオーナーが続出すると考えられるからです。
「そんな非道な・・・」と思われる方もいるかもしれませんが、レオパレスが倒産したら、いずれ同じ結果となってしまいます。
今回のレオパレス問題は、オーナーが最も窮地に立たされている感じている次第です。