From:ななころ
プライベートオフィスより
◆週刊文春が追い打ち
次から次へと発覚するレオパレス社の建築基準法違反を含む施工不良の問題ですが、GW明け早々に、週刊文春で新たな問題が報じました。
本来、上下階を通るケーブルや配管の貫通部にできた隙間を耐火性素材で完全に埋める必要があるにも関わらず、何もしていない状態だという写真が続々と出てきたというのです。
~ 記事一部抜粋 ~
レオパレスに新たな“建築基準法違反”疑惑
賃貸アパート大手「レオパレス21」(東京都中野区)で、建築基準法違反を含む施工不良の物件が発覚した問題。耐火や遮音のために各住戸間を仕切る「界壁」などに不備があった物件は、3月末までに1万4599棟に達している。
だが、レオパレスの物件を巡って、新たな建築基準法違反の疑いがあることが、「週刊文春」の取材で分かった。
「週刊文春」は今回、レオパレスの物件を管理するオーナーと一級建築士が2月中旬に取りまとめた資料を独自に入手。そこに添付されているのが、数十枚に及ぶ“証拠写真”だ。
界壁の不備も指摘された「ゴールド・レジデンス」シリーズのある物件は、ガス管を下の階から上の階に通すための貫通部に大きな穴が開けられたまま、放置されている。「コングラツィア」シリーズのある物件でも、ガス・浄水・排水・換気用パイプを下の階から上の階に通すための貫通部に大きな穴が開けられたままだった。
(週刊文春 2019年5月16日号より)
~ ここまで ~
◆最終赤字は690億円!?
そして、施工不良の補修費などの特別損失を計上したことで、3月期の決算で最終赤字が690億円に拡大する見通しだと発表しました。
細かい決算の内容については後日見ていくとして、予想以上に悲惨な状態です。
ざっくりと決算を見ると、昨年12月末時点の預金893億円に対し、直近で670億円の現金流失(補修費用 540億円+有利子負債130億円)が予定されています。
これ以上の施工不良が見つかったり、補修費が発生したり、空室率が上昇すると目も当てられません。。。
これから1年が正念場になりそうです。
~ 記事一部抜粋 ~
レオパレス 最終赤字690億円に拡大 施工不備の補修費で
建設した建物に施工の不備が相次いで見つかっている「レオパレス21」は、補修にかかる費用がさらに膨らんだことなどから、ことし3月期の決算で最終赤字が690億円に拡大する見通しだと発表しました。
補修が必要な物件の数が、想定より増え、補修費用として117億円を特別損失に追加で計上するほか、施工不備の影響で空室が増加し、賃料収入が落ち込んだことなどが要因だとしています。
業績悪化を受けて会社では、役員報酬について新たな減額を追加することにし、今月から11か月間、深山英世社長の月額の報酬を60%、そのほかの取締役と執行役員など28人の月額の報酬を35%から55%減額することも明らかにしました。
(2019年5月9日 NHK NewsWebより)
~ ここまで ~
◆ついに深山社長が退任
そのような状況の中、ついに深山社長が退任を発表しました。
さすがに写真から疲労感が滲み出ているのが分かります。
~ 記事一部抜粋 ~
レオパレス21 施工不備問題で深山社長退任へ
建設した建物の施工の不備が問題となっているレオパレス21は経営体制を刷新するため、深山英世社長が今月30日付けで退任する人事を発表しました。
後任の社長には宮尾文也常務が昇格し、深山社長は取締役にとどまります。
(2019年5月10日 NHK NewsWebより)
~ ここまで ~
5月10日付けの同社のプレスリリースにおいても、人事を発表しています。
社長が会社に留まることのデメリットはあるにせよ、絶対的な立場だった深山社長が降りたことは、大きな出来事だと感じます。
(「代表取締役及び執行役員の異動に関するお知らせ」)
◆レオパレス物件、利回り23%超で投げ売り?
そしてついに、こんな物件まで売りに出されています。
平成11年築のレオパレス物件が、利回り23%超です。
建築基準を違反している可能性があるため、融資はほぼ不可能でしょうから、現金買いとなります。
利回りは良く入居需要があればいきたいところですが、この物件に現金3000万円近くを払って買う勇気は私にはありません。。。
「現況6/14稼働」
「界壁・外壁施工不良あり(レオパレスにて修繕予定)」
この他にも、「レオパレス」とサイトを検索しただけでも、相当数のレオパレス物件が出てきます。
しかし、利回り20%を越えている物件などなく、利回り10%前後が多いようです。
そこには、手放したくても安値では手放せない、レオパレスオーナーのジレンマを感じるようです。
◆令和時代の不動産投資はどうなる?
思い返してみると、昭和から平成に移り変わる時、日本はバブル崩壊を経験しました。
高騰していた不動産の価値は、まさしく泡のように消えていきました。
平成3年(1991年)のことです。
そして、平成から令和に移り変わる今、高騰していた収益不動産の価値は泡のように消えていこうとしています。
異次元の金融緩和によって偽られていた不動産の価値は、次々と剥がれ落ちていっています。
今日配信のメルマガでも書きましたが、ここまでくると、あとはどうなってしまうか、私には想像できません。
さらなる闇も暴かれていくことでしょう。
ただ、予想としては、落ちるところまで落ちるでしょう。
リーマンショック後の水準まで、収益物件の価格は下落するのではないかなと考えています。
この健美家レポートにある2011年、2012年ごろの水準です。
「「高価格・低利回り」傾向、変わらず(不動産投資 年間レポート <2018年>)」
なぜなら時代の流れは振り子のように揺れるからです。
振れた分だけ逆に振れるようになっているのです。
5,6年かけて大きく下落していくのではないでしょうか。
じっくりと構えて、いつでも迅速に動けるようにしておきたいと思います。
◆編集後記
いよいよ昨日からオリンピックのチケットの抽選販売がスタートしましたね。
私が生きている人生では、おそらく最後になるであろう東京でのオリンピック開催です。
「これは一度は見に行かないと!」
息子たちが体操をやっているということもあり、「体操と大好きなサッカーは家族で観戦したい!」
そう思い立ってチケットを買おうとしました。
しかし・・・・・
サイトは、アクセス集中で1時間以上待ち。
深夜の2時ごろにやっとつながり、チケット購入まで辿り着いたのにも関わらず、最後の「電話認証」で一向に電話がつながらない。。。
結局、夜中の3時まで粘りましたが、結局買えませんでした(怒)