From ななころ
都内マクドナルドより
界壁に続き外壁でも問題が発覚したレオパレス社。
補修工事費用や入居者の引っ越し代の負担を見込んだ引当金等「434億円」を特別損失として計上。
最終赤字は439億円となり、同社がこの期間に計上する赤字額としては過去最大となりました。
「レオパレス社はもう存続できないのでは・・・」
といった声まで出ています。
しかし、先日発表された「2019年3月期 第3四半期決算概要」を読むと、興味深い事実が浮かび上がってきます。
◆売上高を見ると・・・!?
過去最大の赤字を計上し、損害がどこまで広がるか不透明なレオパレス社。
今後も存続していけるのでしょうか?
先日発表された決算書のデータを読むと、面白いことが分かってきます。
興味深いデータのまず1つ目は、売上高は3,763億円だということです。
前年同期比で見ると、たったの「2.4%減」に過ぎないのです。
営業利益をみると、たしかに「66.4%減」と大幅にダウンしています。
しかし、65億円の黒字。つまり本業は黒字なのです。
これは驚きませんか?
◆賃貸業で手堅く儲けている
なぜこれだけの問題を起こし、大きな赤字を計上しているにも関わらず、本業は黒字なのか?
レオパレス社の売上の構成を見ていくと分かります。
レオパレス社は主に地主にアパートを建築させて、その建築費で利益を出しているイメージがあります。
しかし、実際は売上の80%を賃貸業から利益を得ています。
同社の資料にもある通り、リーマンショック後に事業構造改革を断行し、賃貸事業の利益をベースとしたビジネスモデルへ転換しているのです。
インカムゲインによるビジネスは手堅いと言えます。
◆なぜそんな賃貸業が安定しているのか?
とはいえ、なぜレオパレス社の物件に入居者がそんなにいるの?
入居率90%なんて本当なの?
あんな建物と言ってはなんですが、構造にいろいろと問題のある建物であっても、立地がよくない場所であっても、人口減少の中にあっても、なぜ利益を出せるのか?
といった疑問が湧いてきませんか!?
これは入居者の属性を見ていくと、さらに面白いことが分かってきます。
レオパレス社というと、家具家電付きで手軽に入居できるイメージがあります。
手軽に入居できるということは、逆に言うと、手軽に退去できるということです。
さらに、CMに若者に人気の女優を起用したりして、学生や若者単身者をターゲットにしたイメージがあります。
学生や若者単身者も入居期間は短い傾向にあります。
つまり、レオパレス社の物件は、「入れ替わりの激しい」イメージを私は思っていました。
それにも関わらず、入居率90%は本当か?
(同社の入居率の計算の仕方にはいろいろと突っ込みどころがあるものの)
なぜそんなにも賃貸業でそこまで収益を出せるのでしょうか?
レオパレス社の決算報告書にその答えがあります。
また、そこからレオパレス社の存続の可能性が見えてくるとともに、私たち不動産投資家にもとても大切な気づきがあります。
(つづく)
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◆編集後記
今日は大宮に行って、ハーマンミラーという椅子を修理してもらってきました。
人間工学に基づいて設計された長時間座っても疲れない定価数十万円もする椅子です。
先日メルマガでお話ししましたが、この椅子を私は無料で手にすることができたのです。
とはいえ、座面が破れていたということもあり、仕事ついでにハーマンミラー社の日本法人の入っているビルのある大宮に直接持っていったのです。
実は修理までもいろいろと学びがあったのですが、割安で修理をしてらもらうことができたので、いずれまたメルマガなどでシェアしますね。
そして、30分ちょっとで修理は終わり、座面は新品に生まれ変わりました!
これでまた仕事がはかどりそうです(嬉)
<修理前>
<修理後>