From ななころ
プライベートオフィスより
レオパレス問題が止まりません。
オーナー、入居者、株主を巻き込んで大きな問題に発展しています。
レオパレス社の存続は大丈夫なのでしょうか?
◆レオパレスオーナーから厳しい声
先日10日に東京都内の本社で行われたオーナー向け説明会では、レオパレスオーナーから厳しい批判が相次いだとの報道がありました。
界壁の問題に加えて、新たに明らかになった問題は、外壁の断熱材に使われていたのが、建築基準法で定められたグラスウールではなく、耐火性能が低い発泡ウレタンが使われていたというもの。
問題のある建物オーナーは1163人に及び、行き場の無い怒りをぶつけていました。
相変わらず社長は説明会には出席しなかったようですが・・・。
~ 記事一部抜粋 ~
施工不良で批判の声相次ぐ レオパレス本社で説明会
レオパレス21による賃貸アパートの施工不良問題で、10日、東京都内の本社で行われた説明会では、オーナーから厳しい批判の声が相次いだ。
説明会の音声データ
「やっぱり無視してきてたでしょ。真剣に対処してこなかった」
「今回の代表責任者である社長はどうなってるんですか」
「こういうことが起きるということは、役員の方が常々直接オーナーの前に行って、顔を出して、生の声を聞いていないから、こういうことが起こるんだと思うが、いかがですか」
10日の説明会は以前から予定されていたものだったが、施工不良問題が明らかになり、オーナーらがレオパレス側を厳しく追及する場面が相次いだ。
(2019年2月11日 FNNニュースより)
~ ここまで ~
◆株主からは落胆の声
レオパレス社の株主優待は、グアムのホテルの無料券や国内ホテルの50%オフ宿泊券が配布され人気がありました。
レオパレスリゾート グアムの場合、ハイシーズンだと1泊3万円ですので、優待券2枚で6万円得することになります。
この優待券2枚が年に2回もらえる訳ですから、かなりお得です。
しかし、底の見えない不祥事連発に、株価は連日のストップ安となり、大幅に値を下げています。
~ 記事抜粋 ~
<東証>レオパレス、連日ストップ安 19%安の335円で取引成立
レオパレスは12日の大引けと同時に、連日で制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前週末比80円(19.3%)安の335円で取引が成立した。8日発表した2018年4~12月期連結決算は、最終損益が439億円の赤字(前年同期は128億円の黒字)となった。7日に建築基準法違反の疑いがあるアパートが新たに見つかったと発表して急落したのに続き、決算発表を受けてブランド力低下などを懸念した売りも出た。
(2019年2月12日 日経新聞記事より)
~ ここまで ~
大幅赤字に転落した結果、未定とされていた期末配当は見送りが決定しています。
株主からは落胆の声が漏れているようです。
「平成 31 年 3 月期通期の業績予想を踏まえ、平成 30 年 10 月 29 日では未定としておりました期末配当につきましては、誠に遺憾ながら、見送りとさせていただくことといたしました。(レオパレス社「特別損失の計上による業績予想の修正及び配当予想の修正に関するお知らせ」より)」
※レオパレスリゾートグアム正面
◆入居者からは悲鳴の声
そして、問題の発覚した建物に住んでいる入居者からは、悲鳴の声が聞かれています。
問題発覚を受けて、レオパレス社から一方的な「引っ越し要請」が届いているからです。
当初8000人弱と報道されていましたが、最大で1万4000人あまりに転居を求める事態にまで発展しています。
それはそうです。
突然住んでいる部屋が「危険」と言われて、「引っ越してください」と言われるのです。
同じ大家としてあんまりな対応だと感じます。
~ 記事一部抜粋 ~
レオパレス施工不良物件の実態 オーナーが 住人が...悲鳴
建築基準法違反で、アパートの住民に転居を求めることになった「レオパレス21」の施工不良問題で、施工不良が見つかった都内のアパートを取材すると、住民の多くは大学生で、この時期の引っ越しは厳しいと、困惑した様子だった。
部屋に住む大学生「(急に引っ越すのは?)難しいですね」、「大学が近いから住んでいる。新入生が部屋を決める時期。時期的に厳しいのでは」
レオパレス21は、この物件を含めた最大で1,324棟の1万4,443人の住民に転居を求める予定。
しかし、この時期は、春の引っ越しシーズンと重なり、期日までに転居できない人が出てくる可能性も指摘されている。
(2019年2月9日 FNNニュースより)
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◆ここでもキックバックが横行か!?
レオパレス社の建物が増えた背景としては、低金利と相続税対策ブームに乗ったというのもあるかと思います。
しかし、ここでも紹介料というキックバックシステムによる銀行の暗躍が囁かれています。
銀行が業者に対してオーナーを紹介すると、建築代金の3%が紹介料として支払われていたというのです。
スマート社のかぼちゃの馬車などのシェアハウス投資や儲からない1棟マンション投資は、スルガ銀行が積極的にサラリーマン投資家を勧誘していた実態がありました。
(紹介料の件は、証拠不自由分ということで、有耶無耶になっています。)
~ 記事一部抜粋 ~
銀行と業者が結託 アパート経営で地方地主の破産相次ぐ
冒頭の千葉県の男性がサブリース契約を結ぶ時、背中を押したのは、6千万円の融資をした銀行融資担当者の一言だった。
「家賃保証が付いているこのビジネスモデルはすばらしい」
だが、このビジネスモデルにはカラクリがあった。
ある地方銀行の融資担当者はこう打ち明ける。
「銀行が不動産管理業者にアパート建設の顧客を紹介した場合、業者から紹介手数料を受け取る契約を結んでいる」
銀行と業者間の手数料のやり取りはあまり知られていないが、昔から存在する。一般的に業者が銀行に支払う手数料は建築価格の3%以内とされ、銀行関係者は「銀行が銀行窓口で生命保険を販売する見返りに受け取る販売手数料と同じようなもの」と話す。
金融庁は3月30日、銀行などに対し、顧客本位の融資を実現するよう注意を勧告。利益相反の適切な管理や手数料の明確化などを求めている。
(2017年8月28日 AERA記事より)
~ ここまで ~
◆商売の基本を忘れたレオパレス社
商売の基本として近江商人の経営哲学の一つに「三方よし」が広く知られています。
「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方です。
私たち不動産投資家にとってもとても大切な考え方だと思います。
しかし、今回のレオパレス問題。
オーナー、入居者、株主、三方に迷惑をかけている。
これでは商売が長期に渡って続くわけがない。
遅かれ早かれ問題が発生することは必然だったのだと思います。
それでは、レオパレス社の今後どうなってしまうのでしょうか?
レオパレス社は存続できるのでしょうか?
レオパレス社の第三四半期の決算報告書から興味深いデータがあったので、次回シェアしたいと思います。
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◆編集後記
レオパレスの問題といい、かぼちゃの馬車の問題といい、不動産業界というのは本当に怖い世界ですね。。。
とはいえ、不透明な世界だからこそ、買主と売主と業者との間に差が生まれ、歪みが生じて、大きく儲けることもできる世界なんだとも思います。
【知識量、情報量、経験量】
・売主 or 業者 > 買主 → 売主 or 業者が儲かる
・売主 or 業者 < 買主 → 買主が儲かる
※量の差が、儲ける額の差につながる
つまり、日々情報収集を怠らず、勉強していけば、それだけ儲けることができる世界でもあるんだと思います。