From:ななころ
プライベートオフィスより
◆レオパレス赤字拡大
レオパレス21の2020年3月期(第2四半期)の決算が悲惨なことになっています。
273億円としていた最終赤字の見通しに算定ミスがあり304億円に訂正を行いました。
30億円以上も赤字が拡大したことを発表しました。
=== 記事一部抜粋 ===
レオパレス 算定ミスで業績見通し訂正 赤字は304億円に拡大
不動産賃貸大手のレオパレス21は、アパートなどの施工不備の問題を受けて、7日、来年3月期の業績予想を下方修正しましたが、8日になって算定に誤りがあったとして訂正しました。最終的な赤字額は304億円に拡大する見通しです。
(2019年11月8日NHKWebニュースより)
=== ここまで ===
赤字額273億円が、304億円になったことにより、おそらく過去最高を計上するのではないでしょうか。
レオパレスの決算発表資料をご覧になっていただくと分かるかと思いますが、2017年の年末に「ガイアの夜明け」で問題が報道されてから業績は急降下です。
当時のガイアの夜明けの報道内容は、こちらの記事に書いています
・2018年01月15日「突然の家賃保証(サブリース)の解除通告・・・」
ところで、決算発表資料の上部にある説明書きが意味不明です。
資料を使いまわしているのですかね。。。
引用文「リーマンショックによる入居率・貸出家賃の低迷およびローン審査厳格化によるアパート新規供給の急減により、2期連続の営業損失を計上。」
◆入居率がついに80%を切る・・・
そして、ついに入居率が80%を割ってしまいました。
「80%」というラインは、オーナーへの支払いが家賃収入を上回って「逆ざや」となるラインとされています
・入居者 → レオパレス21 → オーナー
つまり、レオパレスが身銭を切って、オーナーへ家賃を支払うことになるのです。
=== 記事一部抜粋 ===
レオパレス、10月の入居率、約9年ぶり80%割れ
施工不良問題を抱えるレオパレス21は8日、主力のアパート賃貸事業の10月の入居率が79.49%だったと発表した。オーナーへの支払いが家賃収入を上回る「逆ざや」のメドとなる80%の入居率を約9年ぶりに下回った。物件調査と改修工事のため入居者の募集を停止している物件が多いためだ。入居率の改善が遅れると財務悪化が拡大する可能性がある。
10月の入居率は前月から0.58ポイント低下した。施工不良問題が表面化して以降、15カ月連続で前年実績を下回った。
レオパレスはオーナーからアパートを一括で借り上げ、入居者に転貸する「サブリース」事業を営む。一定期間オーナーに家賃を保証している。入居率が一定水準以下に下がると、レオパレスが受け取る家賃収入が、オーナーに支払う賃料を下回る「逆ざや」になる。
(2019/11/8日経新聞より)
=== ここまで ===
1年で10%も入居率が低下している危機的状況です。
9年ぶりと報じられていますが、その原因がリーマンショックによる危機でした。
退去が続出して危機的な状況となり、当時の社長肝いりで「終了プロジェクト」なるものを発足し、一方的にサブリース契約を解除していきます。
そこから業績を急速に回復しました。
しかし、今回はそういうわけにはいきません。
サブリース契約を一方的に解除しようものなら、とんでもないことになります。
入居率を回復することはできるのでしょうか・・・
◆レオパレスには誰も住みたくない
これまでのレオパレス伝説が、施工不良という形で解明されてしまった現在、レオパレスに住みたいと思う人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
=== 記事一部抜粋 ===
レオパレスに住んで後悔した人たち。「壁が薄くてオナラもできない」伝説は本当?
「二度とレオパレスには住みたくない!」と断言するのがカオリさん(仮名・36歳・自営業)。ずいぶん前のことではありますが、大学進学をきっかけに上京、物件探しをしている最中にレオパレスを見つけたと言います。
「田舎を出る前に遠隔で家探しをしていたんですが、東京の物件のあまりの初期費用の高さに驚愕てしちゃって……。そんな時、母とレオパレスを見つけて、『安いじゃん!』とすぐに飛びつきました。
初期費用は安めの入会金と前家賃のみ。在学中にキャンパスを移る予定があったので、敷金・礼金ゼロで転居費用が抑えられるのも魅力的だったんです(※現在レオパレス物件からレオパレス物件への住み替えは、条件を満たせば礼金不要、家賃最大7日分不要などの特典が適用される)」
初期費用の安さに惹かれて入居したカオリさんでしたが、いざ入ってみると「ありえない!」と叫びたくなる出来事が。
(2019/02/16女子SPA記事より)
=== ここまで ===
とはいえ、以前の記事では、レオパレス離れが起こったとしても、法人離れが進まなければ入居状況は安定するとななころは見ていました。
2019年02月15日「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?(その3)」
しかし、コストが第一優先の法人も、さすがにレオパレスを敬遠し出しているようです。
法人の入居が極端に下がってきています。
余談ですが、来年4月からななころの甥っ子が社会人となり働くのですが、会社から社宅として紹介されたのがレオパレスだったそうです。
しかし、甥っ子は「レオパレスは・・・」ということで違う部屋を紹介してもらったほど、「住んではいけないアパート」として認知が広がっているようです。
◆レオパレスの今後
以上より、レオパレスは今後さらに存続が厳しくなっていくことが予想されます。
新規アパート建築数は減る、入居率は下がる、住みたい人は増えない、修繕費はかさむ、、、
そして、今後は日本の人口は加速度的に減少。。。
2重3重どころか、3重4重と苦難が待ち受けています。
来年にはV字回復するような計画を立てていますが、まぁ、無理でしょう。
昨年から期初の計画を大幅に下回る結果となってしまっているからです。
「努力・執念・根性」で業績を回復させる時代ではなくなっているにも関わらず、無意味な計画を立てていることに気がつくことが、まずは必要なのかもしれないと感じた次第です。
(2021年3月期、2022年3月期計画)
(2019年3月期、2020年3月期の計画と結果)
◆編集後記
昨日の記事「スルガ銀融資の物件の売却手順について」は、興味ありとコメント頂いたのが4件のみだったため、個別に記事を送付する形とさせていただきました。
ここ最近、このブログは一日700人~1000人の方が読んでくださっており、10名ぐらいはコメントがあるかなと思っていましたがあまり興味を引くテーマではなさそうだったためです。
とはいえ、いつも読んでくださって、勇気を持ってコメントをくださっている人には記事を書きたいと思っていますので、引き続き以下↓からお申し込みください。
=== スルガ銀融資の物件を所有している方へ ===
スルガ銀行から融資を受けて物件を購入している場合は、新築区分マンションや1棟モノと違って、手放すまでの順序が少々異なります。
高値で掴まされているケースが多く、残債以上で売るのは困難だからです。
大きな額の損切りを覚悟しなければなりません。
一方で、フル or オーバーで融資を受けているため、返済比率が高く(70%以上は危険水域)、残債が減るまで所有し続けることも困難です。
給与収入からの補填や他物件からの補填にも限界があります。
そのため収支の悪い物件を所有している場合は、今すぐ対策を取る必要があります。
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