昨日は「速報」が入ったため、
本日は2日前の記事の続きとなります。
◆前回までのあらすじ
過去に建設したアパートの施工不備が、
テレビ東京の番組「ガイアの夜明け」で、
今年5月に報道。
全棟調査を行っていく中で、
当初の想定より施工不備の数が増える見通しとなり、
補修工事などの損失引当金を積み増したレオパレス。
平成30年8月3日に公表した業績予想では、
115億円の黒字を見込んでいたところ、
50億~70億円の赤字へと修正する事態となりました。
では、どのくらい数の物件で、
施工不備があったのでしょうか?
その数は恐るべきものだったのです・・・。
◆レオパレス伝説は本当か?
レオパレス社の物件といえば、
「レオパレス伝説」を生み出すほど、
以前から問題になっていました。
・エアコンが勝手に切れる
・チャイムならされたと思って玄関を開けたら、四軒隣の部屋だった
・チャイムが聞こえ今度こそはと思ったけど、やっぱり隣の部屋だった
・ティッシュを取る音が聞こえてくるのは当たり前、携帯のポチポチが聞こえることも
・爪切りの音も聞こえる
・壁ドンしたら壁に穴が開いた
といったものから、
・壁に画鋲をさしたら隣の部屋から悲鳴が聞こえた
・右の隣の部屋の住人が屁をこいたら、左の部屋の住人が壁ドンしてきた
・すかしっ屁の音が聞こえる、というか臭いもする
といった冗談としか思えないものまで、
笑ってしまうものまでありました。
そして、施工不良の問題については、
いたる所で動画や画像がシェアされていたり、
僕も友人から聞いていました。
そんな施工不良の問題を、
不動産投資ポータルサイトの楽待も調査しています。
◆レオパレス伝説が証明された!?
今回赤字の原因となった界壁問題ですが、
同社は現在全棟調査を実施しています。
まず手始めに、問題とされている、
「ネイルシリーズ」「6シリーズ」について、
調査を行っており、
進捗と結果が同社のホームページで確認できます。
その調査結果を見ると・・・
【ネイルシリーズ 】
・918棟中 902棟調査完了 進捗率98.26%
・界壁なし・・・818棟
・不備あり・・・59棟
・界壁不備なし・・・25棟
【6シリーズ】
・13,791棟中 11,091棟調査完了 進捗率80.42%
・界壁なし・・・1,543棟
・不備あり・・・3,689棟
・界壁不備なし・・・2,392棟
・不明・・・3,467棟
グラフを見るとひと目で分かるかと思いますが、
・ネイルシリーズ・・・91%
・6シリーズ・・・78%
の割合で施工の問題があると判明したのです。
(施工不良の箇所)
まだ、優先的に調査した物件だけではありますが、
ほぼ施工不良の物件という結果になっています。
問題の無い物件の方が圧倒的に数が少ないですから、
レオパレス伝説として語られてきたことが、
ほぼ証明されてしまったようなのものです。
今後、他のシリーズの物件にも、
調査が入っていくと思われますが、
今後の調査の結果によっては、
さらに赤字が増えることも考えられます。
その動向が気になるところです。
◆赤字転落にはもう1つの原因が・・・
そして、レオパレス社が
赤字見込みとなった原因として、
界壁問題の他にもう1つ原因があったのです。
それは、所有していたアパート120棟を売却し、
75.6億円の特別損失(減損損失)を、
計上しているからなのです。
不動産投資家の我々からしたら、
ありえない金額で手放しているのですが・・・
次回に続きます。
(つづく)
◆編集後記
今回のレオパレスの問題は、
私たち不動産投資家にとっても、
いろいろな気付きがあります。
同社の施工不良の問題は、
以前から指摘されていて、
TVで放送されたことでようやく動きが出ました。
サブリース問題といい、施工不良の問題といい、
これまでうやむやにしてきた経緯があります。
「界壁」という言葉は、恥ずかしながら、
今回の件で初めて知ることとなりました。
同社の物件に買い付けを入れたことがありますが、
天井裏まで調査することはしていませんでした。
残念ながら指値が通らず買えませんでしたが、
もし買えていたらと思うとゾッとします。
新築で建てるにしろ、中古で買うにしろ、
・私たち不動産投資が建築についてももっと勉強すること
・購入前に建物調査(依頼も含む)をすることと
これらのことを怠っていては、
安定的に収益を生み出す物件を手にすることはできないと、
あらためて感じた次第です。
来年、購入前の建物調査方法を学べる勉強会を、
開催したいなと考えております。
どなたか建物チェックに強い、
不動産投資家の方をご存知ないでしょうか?
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