From:ななころ
プライベートオフィスより
◆どんどん問題が大きくなるレオパレス社
界壁と外壁の問題で世間を賑わせているレオパレス社ですが、外部調査委員の中間報告がなされ、記者会見を開きました。
当初より組織的な関与は否定していますが、いよいよ否定し続けるのは難しくなってきました。
私が不動産投資を始めた2007年ごろから、大家や不動産投資家としてレオパレス社や同社の物件に注目してきました。
2017年の年末にガイアの夜明けで問題が報道されてからは、頻繁に記事としても取り上げています。
一連の記事を時系列に読み直してみると、どんどん問題が大きくなっていくことが分かります。
今後、レオパレス社はどうなってしまうのでしょうか・・・
<過去取り上げたレオパレス関連の記事>
2018年1月15日「突然の家賃保証(サブリース)の解除通告・・・」
2018年5月31日「ガイアの夜明けが「かぼちゃの馬車」と「レオパレス」を一緒に取り上げた意図とは?(前半)」
2018年6月1日「ガイアの夜明けが「かぼちゃの馬車」と「レオパレス」を一緒に取り上げた意図とは?(後半)」
2018年10月30日「レオパレスが一気に赤字へ転落(1)「界壁問題の影響」」
2018年11月1日「レオパレスが一気に赤字へ転落(2)「驚愕の界壁問題の実態」」
2018年11月5日「レオパレスが一気に赤字へ転落(3)「赤字転落のもう1つの理由」」
2019年2月8日「ガイアの夜明けで追求されたレオパレス社、新たな不備が発覚!」
2019年2月12日「歯止めがかからないレオパレス問題・・・」
2019年2月13日「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?」
2019年2月14日「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?(その2)」
2019年2月15日「界壁に続き外壁にも問題、赤字400億円以上、レオパレス社は存続できるのか?(その3)」
◆第3社委員会の中間報告のポイント
第三者委員による18ページに及ぶ中間報告が、同社サイトに掲示されています。
詳しくは同報告書を読んでいただくと分かるかと思いますが、抜粋すると以下のポイントが注目されます。
~ 報告書一部抜粋 ~
株式会社レオパレス 21 外部調査委員会による調査の状況について
1. 小屋裏等界壁問題
・小屋裏等界壁問題は広く蔓延、意図をもって組織的に行われていたのではないか
・以前から小屋裏等界壁問題を認識していたとの疑いがある
2. 界壁発泡ウレタン問題
・発泡ウレタンの使用については、当時の社長からのトップダウンの指示
3. 外壁仕様問題
・外壁仕様問題を全棟調査の実施以前に認識していたとの疑い
5. 法規適合性及び品質・性能等のチェックに係る態勢
・本件不備に係る物件の商品開発が行われた当時、法的問題を専門的に扱う部署や担当者は存在しない
・商品開発段階における法的問題の検討の明確なルールはなかったものと思われる
~ ここまで ~
◆記者会見の様子
第三者委員より中間報告を受け取ったレオパレス社は、その後記者会見を行っています。
記者からの厳しい追求に答えに詰まる場面も多く、苦しい対応が見て取れました。
~ 記事一部抜粋 ~
全国のアパートなどの物件に施工不備が見つかったレオパレス21の中間報告書が公表され、「不備の背景となる問題は組織的・構造的に存在していた」と指摘しました。
レオパレス21が18日、外部の弁護士らによる調査委員会の中間報告を公表しました。報告書によりますと、壁に仕様と異なる部材を使用した点について、施工当時の社長の指示のもと行われ、十分な性能検証が行われなかった可能性があると指摘しました。
また、屋根裏の界壁の不備については2012年ごろのオーナーとの民事裁判の際に会社側が認識していた可能性があるとしました。問題の背景には、施工の効率化などが関係していた可能性があると指摘した上で、「問題は組織的・構造的に存在していた」「意図を持って組織的に行われていたかどうかはさらに調査が必要だ」としました。
(2019年3月18日 TBSNewsより)
~ ここまで ~
◆創業者・深山祐介元社長の関与
そして、今回の第三者委員会の中間報告の中で、ついに取りだたされたのが元社長の深山祐介氏の名前です。
以前にも書きましたが、2006年に深山祐介元社長は会社の資金の私的流用で会社を追われています。
(その後、深山祐介元社長は(株)MDIを設立し、同様の業態で急成長していますが、その事については後日また触れたいと思います。こちらもかなり”問題アリ”です。)
スルガ銀行においても、創業家・岡野会長の私的流用が問題となっていましたが、創業者というのは「会社は自分のもの」という認識が強いのでしょう。
自分のものだから何をやっても許されると勘違いしてしまうのかもしれませんね。
当時の記事が残っていましたので、転載しておきます。
~ 記事一部抜粋 ~
レオパレス、不正流用で全役員減俸へ
アパート賃貸大手レオパレス21<8848>の大場富夫次期社長は31日、東京都中央区の東証で行った決算発表の席上、深山祐助社長が共済金の目的で入居者から集めた資金を不正に私的流用した問題で、全役員に対し報酬の10%を6月から3カ月減額する社内処分を検討していることを明らかにした。深山社長は同日付で引責辞任し、6月1日から新体制が発足する。
(2006年5月31日 ライブドアニュースより)
~ ここまで ~
◆レオパレス社オーナーは厳しい未来
レオパレス社の一連の問題は組織的な関与が明るみになるのも、時間的な問題になってきた気がします。
これまではノラリクラリとかわしてきましたが、これ以上は難しいでしょう。
同社の存続すら危ういと私は考えています。
一方で、厳しいのはレオパレス社オーナーです。
同社の経営が立ち行かなくなれば、施工不良や違法建築のままで、投げ出される物件オーナーも出てきてしまうからです。
レオパレスという名前だけで入居を避ける人や法人が増えて、入居率が著しく低下する恐れもあります。
オーナー説明会の席上で、同社は「2021年3月まではサブリース賃料の減額を求めない」と話しているとのことですが、どこまで守られることか・・・。
そのため、最悪の事態を想定して、
・売却できるようなら、損切りしてでも手放す。
・もし建物に問題がある物件を所有している場合は、なるべく早い段階で修繕対応を完了する。
・いつでも迅速に管理会社を切り替えて、高稼働を維持し、収支が回るようにしておく。
・どうしても収支が回らない(たとえば、家賃収入よりも返済が大きくなってしまう)事態に備えて、対策方法をいくつも用意しておく。
すでに、レオパレス社だと思われる物件が、次々に売却に出されていると言います。
楽待で「レオパレス」と検索しただけで、59件がヒットします。
かぼちゃの馬車を購入してしまった人からの相談に対して、スマート社が破綻することは目に見えていましたので、私はあらかじめ最悪のシナリオを想定したアドバイスをしていました。
予想通りスマート社はサブリース賃料を停止したのですが、あらかじめ最悪の事態を想定することによって、回避することこそできませんでしたが、冷静に事実を受け止めることができたようです。
最悪時の対応方法は、自身の痛みも伴う対応ではありますが、すでに心の準備もできていました。
レオパレス社は、スマート社のような計画破綻はしないと思われますが、ギリギリまで経営が苦しいことは明かさないでしょう。
その時は突然やってきます。
今後も同社の動きには注目していきたいと思います。
◆編集後記
来月4月13日(土)には、札幌で講演予定です。
不動産投資のことだけでなく、ホストファミリーについてもお話する予定です。
札幌での講演は今後しばらくはないかと思いますので、詳細だけでもチェックしておいてください。
▼詳しくはコチラ
ところで、今日は地元の中学校では卒業式が行われていたようです。
この時期は「旅立ち」の時期でもあり、当時を思い出すと少しだけ切なくなります。
私は公立の中学校に通っていましたが、長い友人だと小学校から9年間、ずっと一緒に過ごしてきました。
子供からだんだん大人へと変化していく中で、いろいろなことを分かち合った仲です。
それが高校になるとバラバラ。
多くの友人がここから違った道を進み始めます。
最近、そうした仲の良かった友人と、20年以上ぶりにつながることがまたできるようになりました。
最初は久しぶりで気まずいときもありますが、ちょっと話せばすぐにあの頃に戻れる。
やっぱり小学校や中学校の友人は、人生においても特別な存在ですね。