カラスミの作り方1

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イタリアからの輸入品が軒並み値段が跳ね上がっているので、ならば国内原料で作ろうのコーナー

第一段 


​自家製ボッタルガ(カラスミ)


カラスミのレシピです。


まずはしっかりとした素材を探さないといけません。あまり血がまわって無いものを



美しいですね 安いのは血が沢山ある物もありました。たぶん最良品 ボラの卵巣です。


こちらを血管から、まち針を消毒して、老眼鏡をかけて血管に刺して血抜きをします。イタリアではこんな作業しているのか謎ですが、日本式かな?


プチプチ 血がある場所を刺して血を抜きます


写真忘れましたが、0℃に保った真水に24時間漬けて血抜きをしますが、8時間ごとに水を替えます。 これをしないと臭みの原因になります。 塩水は血が抜けないのでNGです


一晩経ったら


白っぽくなり綺麗になってますね 


そしたら塩漬け 色々作り方はありますが、私は今回は24時間だけ塩漬けします。日本の高価なカラスミなんかは、1週間塩漬けしたりします。塩抜きにも同じだけ時間かかるので、だから高価なのかな?


満遍なく割れ目の間にも



お塩はやっぱり 生命の元 イタリア料理にはイタリアの塩を使うのが私のルール ゲランドとか日本の甘い塩とかは使いません。

シチリアなどの塩もありますが、私が使用しているのは、エミリアロマーニャ州 チェルビア 通称甘い塩 まぁ砂糖みたいに甘くは無いですけどイタリアらしいシャープな塩気の中に丸み、みたいな者を感じます


こちらはノーマルタイプ 前ローマ法皇献上品と言われていますが、実はリゼルヴァタイプが献上品 当店ではヘビロテ 煮込みやパスタの仕上げ塩やパンの塩もコレ


リンクとかは貼らないので興味のある方は、チェルビアの塩で検索して下さい


こちらは前ローマ法王に献上する為に作られていた特別な塩。他とは一線を画す小さな特別の塩田を使い、海水の引き込みから製造、収穫、製品化までを古代の手法を厳守して再現する試みを行っているため、旨味成分をより多く含んでいて収穫量が限られます。甘いですが旨味をしっかり感じます。

ノーマルタイプより旨味の強い味がします。

大量に使うので高価なので、こちらとノーマルをブレンドします


これでイタリア味になるはず



24時間塩漬けすると水分がかなり抜けます



1週間とか漬けないので触ると柔らかさを感じます。1週間タイプも挑戦したいですね



次に塩抜き24時間 お酒に漬けます 日本のカラスミだと日本酒と焼酎のブレンドですが、イタリアカラスミなのでやっぱり白ワイン


あんまり高級なワインは必要ありません。サンジョヴェーゼの白ワインと言うダントツの変わり者で漬けます。(私のサンジョヴェーゼ好きも大概にした方が良いですね…)


この時にお塩をワイン一本に対して30gほど入れます。塩抜きでありながら塩分の調整用です。


あとは10日ほど乾燥させるのみ


完成次第またご紹介します。


パンチェッタとかグアンチャーレに比べたら簡単ですよね?熟成タイプはまた違うんでしょうが失敗が怖いので厳選品じゃないボラの卵を使って試してみます。


うちのパンチェッタは完成まで2ヶ月かかりますし…  


大事なのは良い物を仕入れる事でしょうね


高級カラスミタイプも仕込んでみたいですね。1年熟成させたり2年以上の物もあるみたいです。自分で作るとまず売っていないレアなプチプチカラスミにも仕上げる事が出来るので面白いですね



感覚的な説明になるとこれで終わりですが、理論的に説明すると、まずは塩漬けして塩味をつけるのと、保存性を高めて、ボラの卵の匂いのする水分を全て出しきります。その後にお酒で水分を補い、その水分をじっくりと乾燥させて、お酒には酸化防止剤も含まれるので腐らずにゆっくり乾燥出来きると言う事だと思います。しかし、面白いですよね。イタリアやヨーロッパでも何故このボラを塩漬けにしようと考えたんでしょうね?中国からヨーロッパに伝わったのか、はたまたヨーロッパから中国に伝わったのか?調べれば解る時代ですが、調べない方が楽しい事もありますよね


まぁ謎のままにしておきましょう人類皆兄弟



て事で第二段は厳然品では無い普通に良品くらいの小さめを調子に乗って仕入れ過ぎてしまいました…、数を間違えた。。。



くっ 夜中の発注は老眼には大敵ですね


仕方ないので今から逆算して年末に仕上がるように熟成するように仕立ててお節に真空パックしてドドんとお付けします。(予定)白ワインとご一緒に厚切りで贅沢なお正月をどうぞ 削ってパスタになんかしても良いですね



美味しく出来るかな?ワクワク問題は店の貧相な冷蔵庫に大量のカラスミが入るのか問題… テトリスを極めるくらいに究極に冷蔵庫にきっちり入れても無理…そもそも暇なのに、暇なほど研究の仕込みが増えていき仕込みが多過ぎる問題……



今は猪のサルシッチャを3日乾燥させた後に真空にして、1週間熟成コーナーに(こうする事により、水分は飛ばさずに、お肉を熟成出来て風味を付けれます。)イベリコ豚ベジョータの4キロ分の2ヶ月乾燥コーナー 実験中の金華豚の自家製生ハムコーナー 実験中のフグのバッカラ風 塩漬けコーナーと  穴熊の丸1匹熟成コーナーとチルド冷蔵庫がパンパンパンパン 



って事で自宅に持ち帰る事になりそうな予感 自宅仕立てのボッタルガ 是非




次回  仕上げです





チャオ









チャオ