愛する魂の冒険者たちへ
人類に古くから伝わる「ビブリオマンシー」(書物占い)を、
「アマテラス!」の連載でお届けしています。
↓
https://amaterasu-hikari.jp/_ct/17256780
ビブリオマンシーとは、
パッとめくった本の1行に、
必要なメッセージが現れるという占術で、
タロットカードの源流ともされています。
「今、私と皆様に必要なメッセージをください」とお祈りしてから、
大好きな本を開いています。
今日は、こんな言葉が出てきましたよ。
「誰かのことを批判したくなったときには、
こう考えるようにするんだよ」と父は言った。
「世間のすべての人が、
お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
(スコット・フィッツジェラルド)
・・・この言葉が出だしの1ページに入っている
小説「グレート・ギャツビー」を、僕は何回読んだかわかりません。
「グレート・ギャツビー」スコット・フィッツジェラルド
村上春樹訳 中央公論新社
グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)
1,080円
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最初に就職した会社の先輩O川さんが勧めてくれて、
そのときに買った文庫本「グレート・ギャツビー」は、
野崎隆さんが翻訳した新潮文庫版でした。
グレート・ギャツビー (新潮文庫)
500円
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カバーを外して、いつもカバンに入れて持ち歩いていた新潮文庫は、
ボロボロになって、ついにどこかに消えてしまいました。
死期が迫ったことを悟った象は、群れを離れて、
この世のどこかにある「象の墓場」に消えていくのだそうです。
それと同じように、すり切れるほど読まれた本は、
この宇宙のどこかにある「愛読書の墓場」へと・・・
カバーを広げて、渡り鳥のようにゆったりと羽ばたいて、
宇宙をひらひら渡っていくような気がするんです。
さもなければ、僕の大事な本が、
こんなに何冊も勝手に消えてしまうわけがない・・・。
「誰かのことを批判したくなったときには、
こう考えるようにするんだよ」と父は言った。
「世間のすべての人が、
お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
(スコット・フィッツジェラルド)
「グレート・ギャツビーって、
ギャツビーって人の、どこがグレートなんですか?」
当時20台だった僕は、O川さんにそう聞きました。
すると、赤いワンピースがやたら似合う美しい奥さんと、
モーツァルトと、村上春樹の小説をこよなく愛していたO川さんは、
銀縁メガネを触りながら、マジメな顔でこう言いました。
「君も読めばわかるよ。グレートなんだ、とにかく、ギャツビーって男は」
で、本当に、その言葉通りだったんですよね。
美しくて、悲しくて、
人間ってこんなに、こんなに、こんなに、
おバカさんなんだ、
そして、だからこそ、すごいものなんだって、
感じさせてくれるような小説だったんです。
「誰かのことを批判したくなったときには、
こう考えるようにするんだよ」と父は言った。
「世間のすべての人が、
お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
(スコット・フィッツジェラルド)
それから25年くらい経って、
ようやく、この言葉の意味が、身にしみて理解できた気がします。
思慮を欠いた行動、思慮を欠いた言葉、思慮を欠いた人、
それらは確かに、存在するように見えるけれど、
簡単に批判できたもんじゃあないんだなって。
あなたのかけがえない日々が、ますます輝きますように。
あなたが「魂の望み」を叶えていくことを、いつも応援しています。
今日も命にありがとうございます。
西田普
にしだあまね
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