アトリエには好きな物しか置かない。というのは噓になる。掃除機や炊飯器など存在が納得できない便利なものが沢山ある。
それでも、好きなものに囲まれて生活したいと思う。一時の流行もあるのだから、統一感のない色々なものが溢れてしまう。
まとまりのない空間、現時点で嫌気がさしていないのだから、お互い仲良くやっているのだろう。
一昔、偶然聞いた歌謡曲から狼に執着した時があった。その歌謡曲は、デジタルデータからCDに姿をかえて、今はレコードに変化して棚に収まっている。形のないものから変化していった逆行した所有物である。
そのレコードは聞かれずに棚に収まっているが、狼のフィギアは、今も本棚の色々な段に存在していて、遠吠えをしている。お互いの方向を向いているから、仲間内で呼び合っているのかもしれない。
狼になりたいと思っていた時期もあった。狼になったら、隣で寝ている猫達は食べられてしまうのだろうか。財布は膨れているのだから、猫よりも精肉店に買いに行くだろう。そんなことを考えながら肉を食べたいと思う。
もう精肉店は閉店している。明日は狼になりたいと思うだろうか、日が変わる希望が少しわいてきた。