【複製】原爆被爆の真実 ・・・ 医学豆知識
現在進行中ウクライナ戦争において、ロシア軍の原子力発電所攻撃や、核兵器使用のブラフが報道されています。ご存じのように、我が国は世界でただ一つの原爆被爆国です。広島、長崎の原爆被爆について、毎年マスコミによる情緒的な報道がされ続けています。しかしながら、純粋に科学的な被爆データについての分析や解説は殆どありません。こんな非科学的で幼稚な国だから、戦争に負けたのですね。今回は、広島と長崎の経験を基に、原子力爆弾による放射線被曝と血液腫瘍との関係について、お話しします。1945年8月の原爆投下後、白血病患者が被爆者の中にで始めたのは、被爆の2年後からです。1950年に、放射線影響研究所が設立され、同時にHE39プロジェクトとして、被爆者の白血病登録が開始されました。これらは全て、占領軍(GHQ)の指導によるものです。日本政府が、自主的に行った政策ではないことを、認識しておいて下さい。HE39プロジェクトは、地域在住の全住民を対象とし把握率はほぼ100%という徹底したものでした。この研究により、病型による過剰リスク、発病率の経年変化、推定被曝線量を用いた線量ー反応関係、リスク推定値が明らかになりました。白血病の過剰リスクの初期のピークが終息したころから固形がんの過剰リスクが始まり、今日まで上昇リスクが続いています。被爆者が高齢化し、がん好発年齢になったことが、最大の要因と考えられています。また、これと同時に高齢者に多い白血病関連疾患である、骨髄異形成症候群(MDS)の過剰リスクも明らかになってきました。この結果は、原爆の若年被爆者では、白血病・固形がん・MDSの過剰リスクは60年以上続いており、放射線の人体影響が生涯持続性であることを示唆しています。放射線による原爆被爆者の白血病・がん過剰発生が確認できる最低被曝線量は、200mSv 前後と結論づけられており、これが放射線誘発がんリスクの100mSv基準の基礎となっています。2011年3月の福島第一原発事故では、約30万人の小児を含む100万人の放射線被爆者を生みました。このうち、約1万人の被爆者に対して調査が行われ、最初の4ヶ月での最大被曝線量は23mSvであり、約半数の住民は1mSvであるため、白血病・がんの過剰リスクはまずないと報告されています。GHQの被爆地域全住民を対象とした調査に比べ、戦後60年を経た我が国の調査が、いかにずさんなものかお分かりですね。さて、原爆被爆のデータにもどります。まず、白血病発生率の経年変化についてお示しします。急性リンパ性白血病の過剰リスクは、どの被爆時年齢の群においても経時的に急激に減少しました。若年被爆者ともリスク軽減が顕著でした。急性骨髄性白血病の過剰リスクは、被爆年齢10歳以下の若年者では急激に減少しましたが、20~39歳の群は横ばい、40歳以上では経年的に増加しています。慢性骨髄性白血病の過剰リスクは、どの年齢においても急激に減少し、年齢による経年変化の差は認められていません。被爆後40年の時点より2010年現在までの、若年被爆者の白血病発症に関する検討では、急性リンパ性白血病と慢性骨髄性白血病には、以前と比較し変化がないが、急性骨髄性白血病に関しては、被爆40年後に再び増加傾向にあります。10歳以下の若年被爆者のMDS過剰リスクに関しても、高齢化とともにリスク上昇が認められています。以上、占領軍が指導した研究から、放射線被曝に関する唯一無二の貴重な成績が得られたのです。一方、福島原発事故に対する日本政府の取り組み、そして現在進行中の冠状病毒に対する政府の取り組み、まったくお粗末ですね。日本から何か役に立つ研究、情報などが、世界に発信されたでしょうか。これでは、国が衰亡して行くのを止めることはできません。( プーチン大統領は、現在進行中のウクライナ戦争でも核兵器の使用をちらつかせています)