孔子の食卓では、春秋時代に孔子が食べた主食を取り上げました。
今回は、おかず・肉と魚のお話です。
まずは、お肉から。
春秋時代、家畜として馬、牛、羊、犬、鶏、豚の六種類が飼育されていました。
この内馬と牛は、農耕・輸送など、主に使役用の家畜でした。
礼記には、特別な事情がないかぎり、諸侯は牛を食べてはいけないと記されています。
孔子のいた中原地方では、羊は余り飼われいません。
士大夫階級は、肉として豚と犬を食べていたようです。
孔子は飼い犬を可愛がっていました。
当時、犬が死ぬと肉として食べていたようですが、孔子は弟子に命じて埋葬させています。
三国時代が終わり、遊牧民族系の王朝が出現すると、犬食はタブー視されてきます。
野生動物や魚類は、入手できるものは全部食べられていたようです。
次は、魚です。
詩経に出てく食用魚は、全て淡水魚です。
名がでてくる魚は、チョウザメ、オイカワ、ナマズ、ライギョ、カマツカ、レンギョ、フナ、コイなどです。
(チョウザメ)
(おいかわ)
魚以外では、スッポンが食べられていました。
以上はすべて黄河領域の魚類です。
セイギョやソウギョなど、長江流域の魚類は出てきません。
もちろん、長江下流の上海がには食べられていませんよ。
また、現在の中国でよく食べられている、田ウナギやウナギも食べられていなかった様です。
最後に、孔子は食事についてこんなことを話しています。
子のたまわく。
飯は精白のものがよく、なますは細かく切ったものがよい。
飯がすえたり、味が変わったものは食べない。
魚は、腐って形のくずれたものは食べない。
色の悪いものも食べないし、臭いものも食べない。
調理しそこなったものも食べない。
季節外れのものも食べない。
肉の切り方が正しくないものも食べない。
それぞれに合った調味料を加えなかった料理は食べない。
以上です。
孔子様は、なかなかの食通だったようですね。