キムチと云えば、真っ赤な色をした、白菜を主な材料とする韓国由来の漬物ですね。

 

昭和の時代には、キムチと云う名称も一般的でなく、朝鮮漬と呼ばれていました。

 

関東では、上野や川崎の朝鮮焼き肉屋では食べられていましたが、スパーやコンビニでは販売されていませんでした。

 

平成(1989年)になるとスーパーなどで広く販売されるようになり、2004年には浅漬けについで、日本国内で2番目に消費される漬物になりました。

 

 

また、日本で作られているキムチは韓国と異なり、白菜の浅漬けに唐辛子の粉など調味料を加えて作られています。

 

このため、和風キムチと呼ばれています。

 

韓国キムチとの違いは、乳酸発酵の有無にあります。

 

本来のキムチでは、アミや魚介の塩からが発酵し、濃厚なうまみと酸味が生まれます。

 

この酸味と強い発酵臭が日本では余り好まれず、色は強烈ですが味はあっさりした和風キムチが誕生しました。

 

個人的な思い出ですが、私が最初にキムチを食べたのは、昭和30年代の始めした。

 

戦前朝鮮半島で暮らしていた祖父が、復興した東京を見たいと冬の時期に上京してきたのです。

 

田舎の祖母から、キムチが好物だとレシピが贈られてきて、母が作ることになりました。

 

当時、母は妹を高齢出産した後、更年期が早くきたせいか体調が安定せず、塩アミや魚介の塩辛・ニンニクなど、材料の買い物を手伝わされたことを憶えています。

 

出来上がったキムチは、朝鮮風の本格的な白いキムチで、コクがあり本当においしかった。

 

キムチと云えば、真っ赤な漬物と思いますが、本来は白いものです。

 

 

韓国歴史テレビドラマの名作。

 

「宮廷女官、チャングムの誓い」を憶えていますか。

 

この作品は、16世紀前半が舞台となっています。

 

 

色々な韓国料理が紹介されましたが、赤いキムチは全く出てきません。


実は、この時代朝鮮半島には、唐辛子が渡来していなかったのです。

 

唐辛子は、メキシコが原産でコロンブスにより欧州にもたらされました。

 

朝鮮半島に唐辛子が持ち込まれたのは、豊臣秀吉による朝鮮侵攻の時とされています。

 

 

日本と異なり肉食が盛んな朝鮮では、香辛料として輸入品で高価な胡椒が用いられていました。

 

唐辛子は、朝鮮半島の土壌によく合い、良質なものが国内で栽培できます。

 

こうして、唐辛子は胡椒を駆逐して朝鮮全土に広がったのです。

 

朝鮮で、唐辛子を使った赤いキムチが作られだしのは、18世紀になってからのことなのです。

 

さて、韓国の飲食店では、無料のお変わり自由の副菜としてキムチが提供されていますね。

 

実は、この無料提供が経営上の負担になっているのです。

 

このため、韓国飲食店で提供されるキムチの90%は、安価な中国産キムチです。

 

中国産の輸入キムチで発生したのが、寄生虫卵混入事件です。

 

中国では、白菜の栽培に人糞を利用した有機肥料が用いられ、製造過程での白菜洗浄が不十分で虫卵が混入したのです。

 

現在も、韓国内の食堂で提供されるキムチは中国製で、不衛生なキムチ製造の映像がSNSで拡散。

 

不衛生な中国製キムチは、韓国内で大問題になっているようですよ。

 

これだけが原因ではないようですが、近年は韓国でのキムチ離れが進んでいます。

 

五月連休、安近短ということで、韓国を旅行した人が多かったようです。

 

安いお店で、副菜のキムチを沢山食べた人、寄生虫(回虫です)感染には注意して下さいね。