時空記者猫タマが報告した、ウクライナ戦争クリスマス休戦の未来記事は、半分誤りでした。

 

しかし、プーチン大統領はクリスマス休戦を提案し、旧暦のクリスマス期間中ロシア軍の本格的戦闘はありませんでした。

 

タマ記者の予想とクロ先生の解説は、ほぼ当たったとも云えます。

 

そこで、再びクロ先生に今後のウクライナ情勢について、話を聞いてきました。

 

学者猫クロ先生の解説です。

 

 

それじゃあ、教えてやろうか。

 

アメリカの文豪マーク・トゥエーンに、こんな名言があるにゃ。

 

「歴史は繰り返さないが、陰をふむ。」 じゃ。

 

みんな忘れてしまっているが、かってのソ連のアフガン侵攻と、その後のソ連崩壊が参考になる。

 

1975年4月30日、サイゴンが陥落しベトナム戦争は北ベトナムの勝利に終わったにゃ。

 

アメリカは、疲弊し威信も落ちた。

 

この結果、ニクソン大統領はソ連に対抗するため、敵だった中国に接近した。

 

一方、ソ連の威信は大いに上がり、ブレジネフ書記長のもと最盛期を迎えておったんじゃ。

 

 

中央アジアでは、サイゴン陥落の2年前、1973年にアフガニスタン王国がクーデターで倒れ、ソ連の支持を受けて社会主義のアフガニスタン共和国が成立する。

 

 

この時期は、冷戦期でもソ連の勢いが最も強かった時じゃった。

 

しかし、アフガニスタンの急激な社会主義化は、イスラム教勢力や地方の封建的な部族勢力の反発をうけて、政治は混乱し内戦状態にになった。

 

その一方で、政権内の対立抗争も起きてくる、悪循環じゃな。

 

アフガニスタン社会主義政権の弱体化を見かねて、1979年ブレジネフ書記長は、ソ連軍を侵攻させたのじゃ。

 

今回の、ウクライナと同じじゃ。

 

国土の大半はソ連軍と傀儡政権が支配するが、各地の部族や、イスラムのムジャヒディンはゲリラ戦で対抗するのじゃ。

 

1980年、ベトナムでの打撃から回復したアメリカは、ムジャヒディンに軍事援助を開始したのにゃ。

 

こうして、アフガンの大地は米ソの代理戦争の場となった。

 

800万人以上といわれる難民を出しながら、戦争は長期化する。

 

ソ連は兵力を増強し続け、最大兵力は12万人となったにゃ。

 

長期戦によりソ連経済は弱体化した。

 

また、軍事面でも米国が供与したスティンガー対空ミサイルにより、航空優位が失われたソ連軍の死傷者は増加していったのだにゃ。

 

軍事侵攻のほぼ10年後、ついにソ連軍はアフガニスタンから撤退する。


そして、その3年後ソ連は崩壊することになるのにゃ。

 

さて、ウクライナ戦争に話を戻してみるかな。

 

 

今のロシアは、冷戦期のソ連より仲間も少ないし弱体じゃ。

 

一方、NATO側は経済でも軍事技術でも遙かに優勢じゃ。

 

戦争が長く続けば、ソ連と同様、ロシアも崩壊になるわけじゃな。

 

プーチンも、過去の歴史はよく知っておるじゃろ。

 

ウクライナ東部の戦況は、まだ拮抗した状態じゃ。

 

5月中に東部戦線での戦闘に決着ついて、ウクライナ側の南部地域での反抗が始まった頃に、停戦の話しが出てくるじゃろう。

 

ロシアの経済力と軍事力では、国家崩壊を防いで戦争を継続できる時間はそう長くない。

 

一方、ウクライナ戦争によるインフレの進行や、低金利政策の副作用による金融バブルの崩壊に伴う銀行破綻など、西側の経済状況も思わしくない。

 

ウクライナの人口はロシアの三分の一、GDPは十分の一以下じゃ。

 

西側からの援助があって初めて、戦争が続けられる国だなー。

 

4月末から6月にかけての、ウクライナ東部2州と、南部サボリージャ州での戦闘がウクライナ戦争の天王山じゃ。

 

わしの予測では、遅くとも8月頃には、停戦となるにゃ。

 

来年の大統領選を前にして、プーチンはエリツィン同様、今後の身の安全を保障してくれる後継者を決めることになる。

 

停戦の前後に、プーチンは健康問題を理由に引退し後継者の政権が発足する。

 

西側の経済制裁はすぐにはなくならないから、ロシアの政治的混迷はまだ続くな。

 

ソ連の崩壊の時も、まず崩れたのはベルリンの壁じゃった。

 

そして、チェコスロバキア、東ドイツ、ポーランド、ハンガリーとワルシャワ条約機構の共産党政権は次々に倒れていった。

 

ウクライナ戦争終結後、ベラルーシでも現政権が続くのは難しいじゃろな。

 

おそらくロシアよりに先に、EUよりの政権が樹立されるのにゃだ。

 

歴史は繰り返さないが、韻を踏む。

 

ウクライナ戦争後の、世界情勢を予想してみるかにゃ。

 

アメリカは、ロシア崩壊を含む欧州での大きな体制変化を望んでおらん。

 

ロシアも戦後の経済立て直しには、石油の増産が必要じゃ。

 

石油の増産には、アメリカの技術が必要じゃ。

 

アメリカが真の敵と考えておるのは中国じゃ。

 

そして、中国の最大の弱みは、石油と食料の半分以上を輸入に頼っておる事じゃ。

 

これは、太平洋戦争中の日本と同じじゃ。

 

中国を倒すには、中国本土を攻撃する必要はない。

 

石油と食料の輸送路を絶てば良い。

 

それには、ロシアを仲間にする必要があるのじゃ。

 

アメリカとロシアには、お互いに手を結ぶ理由があるにゃ。

 

わしは、ポスト・プーチンのロシア政権は、中立を装いつつアメリカと手を組むと思ちょる。

 

まあ、今回はこんなところにゃ。