意識を失った人に対して、音声ガイドで使用法を指示し、心電図を自動解析して除細動を行う機器をAEDと呼びます。

 

日本では2004年から一般人の使用が許可され、現在では全国で50万台以上が設置されています。

 

従来のAEDは、「電気ショックが必要です。電気ショックボタンを押して下さい。」などの音声メッセージが流れ、救助者がボタンを押すことで除細動が実施されました。

 

この様なセミオート式では、救助者がボタンを押して良いか判断に迷い、タイミングが遅れたり、実施を躊躇することがあります。

 

この欠点をなくすため、機械が自動的に除細動の実施を行うオート式のAEDが開発されました。

 

現在、欧米諸国ではほとんどのAEDが、このオートショックAEDに置き換わっています。

 

我が国では、導入が遅れ2021年から販売が開始されました。

 

現状では、大半のAEDは従来のセミオート型です。

 

今後は、オートショックAEDが増えていきますので、両者の違いを説明します。

 

オートショックAEDでは、電気ショック適応と判断した場合には、「電気ショックを行います。3,2,1,ピー(ここで電気が流れる)」

 

「電気ショックが行われました。心肺蘇生を始めて下さい。」

 

と言う音背メッセージが流れます。

 

救助者がボタンを押す必要が無いので、より迅速かつ確実に除細動が行われる方法です。

 

欠点としては、救助者が患者にふれていても自動で電気ショックが行われることです。

 

救助者が、「患者から離れて下さい。」

 

と言うメッセージを聞き漏らすと、救助者が感電するリスクがあるんですね。

 

ただし、欧米での経験では救助者への感電事故発生は稀であり、感電しても軽傷で治療の必要はなかったようです。

 

日本では、当面このオートショックAEDと従来型のセミオート型が混在した状態が続きます。

 

オートショックAED発売開始のニュースは、十分に報道されているとは云えません。

 

身近にあるAEDをみたら、どちらのタイプのAEDか確認しておくことをお勧めします。

 

オートショックとセミオートショックAEDの構造上の差異は、通電ボタンがないことです。

 

ボタンをさがしてまごまごしていると感電しますよ。