製本アーティストの飛ぶ本こと山崎曜です。

さて、まずは、今日の「木」。

 

 

 

樹皮が、前に見た、ニレに似てるような気がするけれど、一体この木はなんの木でしょうか?

この木が一本だけの小さい公園で、植え込みには丁寧に植物名があったりするのに、木には何もついてないです。

 

むう。知りたいです。

 

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さて、毎日曜の夜は、ヒッポファミリークラブの、ヴォルフガング・パウリに関して調べるグループで輪読をしています。

 

今は、朝永振一郎先生の、『量子力学Ⅱ』(みすず書房)を読んでいます。

 

「ヒッポの方法」というのがあって、ともかく声に出してみんなで読んでみる、というのからやり、何度でもそれを繰り返していきます。

そして、毎回「聞こえたこと」についてしゃべりあいます。

 

これは本筋とは関係ないな、と思うようなことでも、少しでも気になったこと、引っかかったことはは、なんでもしゃべっていい、そして、それを否定したり馬鹿にしたりは、しない、というのが決まりです。

 

これをすることで、用語や言い回しについて、確実に親しんで行きますし、少しずつ理解が深くなっていきます。

 

私は、今では、量子力学に興味ありますが、多分、ヒッポに出会わなかったら、量子力学にも触れる機会がなかったかもしれないです。(それは、別のヒッポグループで読んでるチョムスキーの生成文法についても言えると思います。)

 

一昨日、zoomで10人くらいじゅんぐりに読んでいて、不思議で面白いと感じたのはボース粒子。

ちゃんと理解してないと思うけど、書いてみますね。

 

光を粒子と考えた「光子」という素粒子の性質です。

この粒子とあの粒子が区別されない、という性質があります。
 

a、b、二つの光子があって、二つの箱AとB、があります。二つの光子が二つとも二つの箱に入る時、

 

1、箱Aにa、b、が入る。箱Bは空

2、箱Aにa、箱Bにb、が入る

3、箱Aは空。箱Bにa、b、が入る
4、箱Aにb、箱Bにa、が入る

の4通りの場合が考えられます。これを使って計算をするとウイーンの式、という間違った式が導かれるそうです。

 

それに対して、aとbは区別されないとすると、上の2、と4、は同じことになるので、場合は3通りしかない、ということになります。3つの場合が、同様に現れるとして計算すると、プランクの公式、という正しい式が導かれます。

もの、っていう実在してるものをどんどん細かくしていくと、あれとこれとが区別できないものになってしまう、ということが、とても面白く感じます。

このことを朝永先生は、電光掲示板の光の点を例えに使って説明してくれます。(『量子力学と私』(朝永振一郎 著、岩波文庫、の「素粒子は粒子であるか」のところにも出てきます。)

 

が、私は、物ってほんとはないんじゃない?なんて、ごく軽く、思ったりします。

 

しかし、量子力学をやって行った先に、原子力が見出されて、というあたりも、またまた別のグループでの本読み『部分と全体』(ハイゼンベルグ著、みすず書房)で読んでて、特に、8月というこの季節に読んでいると、なんとも言えない気持ちになります。

 

 

ヒッポが『量子力学の冒険』他でお世話になっている(また『部分と全体』の翻訳者でもある)山崎和夫先生によると、パウリの排他原理で、

 

原子は安定しているという「原子の安定性」

原子はみんな一緒で区別がないという「原子の同一性」

 

という性質がわかるはずなので、そのことをちゃんと説明してください、という指令が出ているそうで、まあ、私などにはとても、遠ーいことだとは思うのですが、でも、「わかる」の片鱗でも味わえたらいいな、とグループの輪読に参加し続けようと思っています。