つれづれ 5 教えること、学ぶこと | ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

宮城県仙台市を中心に、ティーチプログラムを活用して自閉症の子どもの自立支援を行っております。アメブロには、日々のティーチみやぎの日々の活動を記録して参ります。

 教室の近くではやつでの白い花が咲き、さざんかのピンクの花が時雨に映えて美しい。一方次の日、街路樹のプラタナスの黄葉やもみじの紅葉が木枯らしに吹き飛ばされ、すぐそこまで本格的な冬が近づいている。
 私が自閉症スペクトラムの子どもたちと出会って23年、親子の教室を開いて2年半がたった。そして今も毎日スペクトラムの子ども達の支援にあたっている。子どもたちは一人ひとりちがい、それぞれが特有の生きづらさを持って生活している。パソコンを自由に使いこなせるのにそれ以外には興味を示さない子、友達と関わりたいのにどうしたらいいかわからない子、いっぱいお話ししたいのにどうコミュニケーションしたらいいのかわからない子、できないことがあるとすぐ怒ってしまう子、いつも不安を抱えびくびくしている子、等々。
 こうしたたくさんの子どもたちのの支援に関わって、今まで私に何ができたのだろうと、自問自答する。この20数年間、私はスペクトラムの豊かな生活を追い求め、TEACCHの仲間や保護者の方々と勉強会と実践を積み重ねてきた。しかしこれまで関わってきた子ども達に豊かな生活のみちすじを立ててやることができたのだろうか?
 毎日子どもたちと接しながら、自閉症の特性とその子の特性を学び、具体的な支援を手探りしている。こんな中で私自身も自分の生きづらさを感じ、こんな考えをしたらもう少し楽になるとか、気づいたりもする。自閉症を知れば知るほど、いつの間にか自分のことや人間のことなども分かってくる。60歳を過ぎた私が、今なお小さな子供たちやその親たちからたくさんのことを学んでいる。
 そんな時、アメリカの発達心理学者エリクソンの言葉「人と人との関係は、与えるものと与えられるものの双方が等しい価値をみとめあっている。」や「生徒から学ぶことのできない教師は本当の教師ではない。」が心にしみる。
 私は子ども達や保護者の皆さんにどれだけのものを与えているのか・・・・・。ただ言えることは、教室に来ている親子から学ぶという姿勢を忘れず、その子の特性を理解しようと懸命になりながら、支援の在り方を一緒に模索し続けているということだけである。