私の選んだスペクトラム支援の名言(15) | ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

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宮城県仙台市を中心に、ティーチプログラムを活用して自閉症の子どもの自立支援を行っております。アメブロには、日々のティーチみやぎの日々の活動を記録して参ります。

 

 

「愛情というチャンネルが作動しない時には別のチャンネルに切り換える方がよい。」

 

これは精神科医の服部祥子氏の著書「子どもが育つみちすじ」の中の一文である。親と子の旅という章で、「長い親と子の旅である。子どもと共にいてごく自然にあふれる時には愛のチャンネルを、ぎくしゃくしてハーモニーに欠けると思うときには知性のチャンネルを、というふうに二つのチャンネルをできる限り自由に楽しんで使い分けてはいかがであろうか」と、記述している。

私たちの子育ての大半はまさに愛のチャンネルで、親なら誰でも子どもへの愛を前面に出して子育てをする。子どもに愛情をいっぱいそそぎたい、子どもへの愛をこめてどんなことでもやってあげたい。しかし思春期にはそうはいかない、親からの一方的な愛情だけではなかなか通じない。こんな時、子育てのチャンネルを愛情から理性に切り換えたらどうか?というのが服部氏の主張である。

親の愛情はややもすると、ブレーキがききにくくなり、時には愛情の押し売りになってしまう。親の愛が一方的になればなるほど、思春期の子どもは反発する。そんな時、冷静な判断、知性のチャンネルが必要となるのだろう。

これをスペクトラムの子どもたちに当てはめたらどうだろう。親の気持ちを察することが難しい子どもたち、子どもへの愛情を前面に出した子育ては全く通じない。それほどスペクトラムの子育ては難しい。そんな時、この子は親が伝えたことを理解しているかな?分かってもらうにはどのよう伝えたらよいかな?この子は何を伝えようとしているのかな?と、冷静に対応することが求められる。これが服部氏のいう知性のチャンネル。したがってスペクトラムの子どもの親は、子どもへの愛情をベースにしながら、親としてとても難しい対応、愛から知性へのチャンネルの切り替えを頻繁にするということではないだろうか?