つれづれ 4 今日はニイニイそしてひぐらし | ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

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宮城県仙台市を中心に、ティーチプログラムを活用して自閉症の子どもの自立支援を行っております。アメブロには、日々のティーチみやぎの日々の活動を記録して参ります。

 

 

今日は7月14日、日曜日。私の住む仙台では梅雨明けはまだのようです。

東京や関西は猛暑というのに、ここ数日はエアコンなしでも過ごせる曇り時々雨の日が続いています。今日の午前中は仕事の日曜日で、午後ほっと一息、教室からの窓越しにすがすがしいピンクのねむの木の花が見える。そしてその林の奥から「チー ジー」と蝉の初鳴き。もちろん姿は見えないが、鳴き声から松尾芭蕉が奥の細道の山寺(立石寺)で読んだ「静けさや岩にしみいる蝉の声」で有名になったニイニイゼミであろう。この声を聴くと梅雨明けが間近い。

 遅い昼食の後は、久しぶりの昼寝、何と心地よいこと。午後はゆったりと趣味の時間。夕方はいつもの通り、犬の散歩。この頃運動不足でおなかで出てきた私にとって、それは犬を散歩に連れ出しているのか?犬に散歩してもらっているのか?どっちなのかは分からない。そしてその夕暮れ時、林の方から「カナカナカナ・・・・」とお馴染みのヒグラシの鳴き声。今日一日で2種類のセミの初鳴き、なんと素敵な日なのでしょうと、大きな幸福感に浸る。

考えてみれば、蝉など自然界の虫は鳴く時期や出現時期はほとんど変わらない。それに引き替え、私たちの食べるものは、自然界の時期とはずいぶんずれてしまい、季節感がなくなってしまっている。イチゴは本来なら6月に実のなるものを、12月のクリスマスには食べているし、秋のブドウはとっくに出回っているし、夏になるきゅうりは1年中であるし・・・。現代人は季節感がない生活に送っているのだなあと、つくづく思う。食べ物は本来の収穫時期に一番おいしいはずなのに、人工的に調節して、先取りして食べている。このように、何でも早く,早くの促成栽培。

もしかして最近の子どもの教育も促成栽培になっているのかな? 幼児期から習い事、塾通いと子どもたちは大人同様忙しく、季節感に浸っている暇もない。私立中学校などの中学進学は、小学生から大変な競争。では自閉症スペクトラムの子ども達はどうだろう?発達が緩やかででこぼこのある子どもたちに早く早くの促成栽培は全く似合わない。普通栽培どころではない。大切なことは一人ひとりの発達に合わせて、ゆっくりていねいに教え続け、その成長を待つことだろう。書家相田みつを氏は「待つ 待ってもむだなことがある まってもだめなことがある 待ってむなしきことばかり それでもわたしは じっと待つ」と書いている。子どもの発達と特性を見つめながら、その時をじっと待つってことなのかな?

 TEACCHプログラムの創始者ショプラー氏は「自閉症の人が自閉症のままに幸福に生きていくことができるように、自分たちは努力したいと思っているのです。」と言っています。それは、自閉症の子ども達を促成栽培で努力させるのではなく、子どものためによい環境を作るよう、私たち親や支援者が努力していくが大切ということなのでしょう。