ブナの森に聴く | ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

宮城県仙台市を中心に、ティーチプログラムを活用して自閉症の子どもの自立支援を行っております。アメブロには、日々のティーチみやぎの日々の活動を記録して参ります。

        ブナの森に聴く

 

  私の住む東北地方には、ブナの原生林そして世界自然遺産

 で有名な白神山地がある。そのブナについてドイツのペータ

 ー・ヴォールレーベンはその著書『樹木たちの知られざる生 

 活~森林管理者の聴いた森の声』の中で「ブナの木は仲間意

 識が強く、お互いに養分を分け合う。弱った木を見捨てない」   

 「樹木には驚くべき能力と社会性がある」と言っている。今

 までの既成概念では植物の世界は競争社会で、弱い木、病気

 になった木は誰にも助けてもらえず、病虫害の攻撃で衰弱し

 枯れてしまい、その空間と光は他の木に奪い取られてしまう、

 というのが常識だった。

  しかしドイツのブナの原生林では違っていた。一本一本の

 木同士が情報伝達を行っている。それは地中の菌類(きのこ

 の仲間)が根と根の間に入り込んで、インターネットの光フ

 ァイバーのような役割を担い、細い菌糸が縦横に走り、想像

 を絶するほどの密なネットワークを築き上げている。木と木

 が菌類を通してお互いに養分を分かち合っている。

  もしブナの原生林で弱い木が次々枯れていくと、林がまば

 らになって、その空間に光や風が直接入り込み、森林特有の

 湿った冷たい空気が失われてしまう。そんな空間が所々にで

 きると、今まで元気だった木も病害虫の被害を受け、時には

 大風で倒れてしまう。

  しかし丈夫な木、病気になった木などが助け合って、いろ

 んな木が密集していれば、強風がきてもみんなで集まって風

 を避けることができる。このようにブナの森は無条件で助け

 合っている。

  ただし人間の手で植林された中央ヨーロッパの針葉樹など

 の林ではそうはいかない。人工林では地中のネットワークが

 広げられないらしい。

  私は今まで3回ほど白神山地に行き有名なマザーツリー

 (樹齢約400年)に触れてきた。今度もう一度行って、天然

 の森の声を聴いてみたい。