「成長フェーズ」から「成熟フェーズ」へ
5月25日、波頭亮(はとう・りょう)氏を招いてのフォーラム「成熟日本への進路」が札幌時計台で開催されました(山口二郎先生主催)。
波頭氏は、国が90年以降226兆をも投入し、金融緩和もしたのに、経済的にほとんど効果がなかったのは、経済が「成長フェーズ」から「成熟フェーズ」に入ったにもかかわらず、今までの経済政策を続けてきたせいであると分析されていました。
そして、この経済の成熟に加え、超高齢化社会の到来、深刻化する貧困・格差問題などを解決するためには、社会のしくみ=国家ヴィジョンを再構築するべきであり、これからの時代に望ましい国家ヴィジョンは、国民の誰もが生活(医・食・住)が保障される社会であると主張されていました。
この新しい国家ヴィジョンの下での社会インフラは医療・介護生活保護等、生活安心のための社会保障であり、成長フェーズのインフラである道路・港湾など経済成長に寄与する国土整備から変更していかなければならないとも述べていました。
このヴィジョンを実現させるための方策としては、消費税アップ、金融資産課税、相続税率のアップなどが考えられるとのことでした。
近年の調査では、消費税率を上げることに以前よりも抵抗が少なくなってきてはいます。ただ、税金を取られる側としては、本当に必要な所に分配されればよいが、今のままでは、そうではない所に分配されてしまうからアップには反対と思われる方が多いと思われます。
これからの日本のヴィジョンを示し、そのためにはどの位お金がかかるかを示し、そしてその為に国民に負担を求める、このきわめてシンプルなことを政治家はおこなっていかねばなりませんよね。
次回の時計台フォーラムは6月10日(金)に、飯田哲也さんを迎えて開催されます。
興味がある方は是非、参加して下さいね。
静岡茶・・飲むべきか飲まざるべきか
テレビや漫画でおなじみの「ちびまる子ちゃん」では、ちゃぶ台の上にお茶とみかんが載っていて、お茶を飲みながら、「ああ~、幸せだねえ」といっている場面が多く登場します。これが、静岡人(清水人を含む)の典型なのですね。
静岡出身の私は大のお茶好きで、お茶を飲まないと生きていけない人種です(牛乳もないと生きていけないのですが)。
八十八夜を少し超えるとお茶が安くなりますので、今日やっと大量に購入した新茶が実家からやってきました。
新聞報道では、私の知る限り静岡茶については何の言及がされていませんでしたので(朝日新聞2011.5.21記事参照)、安心して飲もうと思っていたのですが、念には念を入れネットで検索してみますと、「静岡県の川勝知事が、厚生労働省が求めている荒茶の段階での放射線物質の測定を断った」という記事が見つかりました。理由はなんと、「消費者を混乱させることをすると、余計に政府に対する不信も高まりかねない」からだそうです(読売オンライン 2011年5月19日15時28分 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110519-OYT1T00073.htm
)。
ということはつまり、荒茶(生葉を蒸して乾燥させただけのもの)の段階では放射性物質の値が基準値よりも高くなってしまうので、検査自体を拒否しているということですよね。
何も出ないならば検査をしても構わないはずですから。
情報はきちんと出して、それを消費者なり市民が判断する。これが一番大事です。消費者が混乱するからと検査をしない態度は情報隠しをしていると判断されてしまいます。
私の手許にある静岡茶、飲むべきか飲まないべきか。
今飲まなくても、将来的にお店などに行ったときに出てくるお茶は静岡茶である可能性が高いことを考えると、結局は放射性物質を体内に取り込んでしまう可能性はかなり高いのですね。
う~~ん。どうしよう。お茶断ちは辛い・・・・。
危険な物は極力作らない、シンプルな考え方が一番大事なのではないでしょうか。
交通権
昨日は、江別市の大麻園町に住んでいらっしゃる先生の所に、お茶のお稽古に行きました。
先生の家へはJRで大麻駅まで行き、そこからはバスになります。
大麻園町は、きれいに区画整理された上に、皆さんお庭に花を沢山植えており、お庭を見ながら散歩するにはとってもよいところです。
ただ、この先生の家まで行くバス、本数がとっても少ないのです。少し前まではたしか1時間に2本はあったと思うのですが、乗る人が減少しているせいか、現在では、通勤時をのぞくと1時間に1本になってしまっています。
大麻の辺りも、段々高齢化し、車を持たない人の足はバスになっていますが、1時間に1本のバスではとっても不便です。また、このままでは、ますますバスの本数は減少していくでしょう。
近年、「交通権」を保障しようという動きがあります。 交通権、耳慣れない言葉ですが、交通権学会 によると、交通権とは「国民の交通する権利」であって、具体的には、「国民が自己の意思に従って自由に行動し、財貨を移動させるための適切な移動手段の保障を享受する権利」(憲法22条、25条、13条に基づく、新しい権利とする)とされています。
まあ、自由に移動する自由権としての権利は22条によって間違いなく保障されているのですから、移動の自由を実効あらしめるための手段の保障が認められるかが問題ですよね。権利としてはあいまいだし、予算の問題もあるし、どこまで認めるかも難しいので、請求権的側面を認めることは難しいでしょう。
憲法上の問題はさておき、実際にこの交通難民化状態の解決策としては、コンパクトシティー化を進めるか、コミュニティバス形式を採用するか位しか解決策がないかもしれませんが、これから皆で考えていかなえればいけない問題ですよね。
おまけ
釧路のおみやげとして、ししゃもパイを頂きました。
うなぎパイのパチもの?と思いましたが、白ごまが利いていて、なかなかおいしかったです。釧路観光のおみやげにもってこいではないでしょうか。
ししゃもパイ
ホタルの会
5月21日、 琴似発寒川市民フォーラム西区ホタルの会の通常総会に参加しました。
私が小さいときには、あまりきれいとはいえないような用水路にもホタルはいたのですが、近年ではめっきりホタルを見かけることはなくなりました。
北海道は自然がいっぱい残っていますので、ホタルもさぞかし沢山いるだろうと思っていたのですが、札幌市ではほとんど見かけなくなってしまったそうです。
この西区ホタルの会は、平成9年から活動し、現在では五天山公園にできたホタルの小川にホタルが自生できるように、小川の現状の調査・改善案の模索などをおこなっているそうです。
五天山公園
この取り組みの素晴らしいところは、他からホタルを持ってくるのではなく、この西区にもともといたホタルを、環境をよくすることで増やそうという試みであることです。
近年、別の地域から動物等を持ってきて繁殖させようとする取り組みがありますが、それらは生態系を壊す可能性があります。しかし、この取り組みは、西区にいたホタルを、環境をよくして増やしていこうという取り組みですので、生態系に悪影響を及ぼすおそれはありません。昆虫が住めないような環境は、人間にだってよくありません。是非、昆虫にも人間にもやさしい環境を取り戻していって頂きたいです。
ホタルの幼虫・・ちょっと気持ち悪いかも
そしていつか、クリスマスツリーのように何万匹もホタルが木にとまっている姿をみたいものですね。
おまけ
札幌大丸の地下で、デメルのケーキが売られていました。デメルは、「デメルを訪れずしてウィーンを語るなかれ」と言われる程、有名なウィーンのお菓子屋さんです。一番有名なのは、ザッハトルテですが、今回はザッハトルテの販売はなかったので、ショコラーデントルテを購入してみました。
味は、外国のケーキにありがちな甘・甘というものではなく、甘さ控えめでした。
デメルのケーキ
音楽セラピー
アメリカで長く音楽セラピーに携わっているHさんのお話を聞く機会がありました。
音楽セラピーというと、老人ホームなどでみんなが童謡を歌ったりするイメージがありますが、アメリカ流の定義によると、それは娯楽セラピーというもので、彼女が携わっている音楽セラピーとは全く違うものだとのことでした。
この音楽セラピーはアメリカでは資格制で、大学を出たら○○ができ、大学院の修士課程を修了すると××ができるというように決められているそうです(資格社会のアメリカらしいですよね)。彼女は、修士課程を修了していることから、人の行動から心理を読み取ることが可能ということでした。
では、この音楽セラピーで実際になにをやるかですが、これは患者さんそれぞれが好きなことをやるようで、一緒にピアノを弾くのもよし、太鼓を叩くのもよし、音楽を聴くのもよし、何でもありなんだそうです。音楽には、人の精神を解放する作用があるのでしょう。その音楽の力と心理学を融合させることで、望ましい状態に戻すのをお手伝いするとのことでした。
このセラピー、日本では保険の適用がないので、あまりメジャーではないとのことでした。
このような音楽セラピー、とっても楽しそうですから、保健の適用が可能となると、みんなが通いすぎて、医療費がかなりかかりそうではありますね。
しかし、現代のストレス社会で、鬱病などになる人が多いことを考えると、この音楽セラピーで、初期のうちに対処することが大事なのかもしれません。
白樺倒木運動?
北海道の木というと、皆さん「白樺」を思うのではないでしょうか(北海道の木に選定されているのはエゾマツ)。
白樺は内地(北海道の人は北海道以外を内地と呼ぶのですよね)の人にとっては憧れで、現に私の父親などは、暑い静岡に無理矢理白樺を植えたのはよいのですが、きれいな白は出ないし、台風が来れば倒れるしで散々でした。
JR札幌駅から桑園駅までの間の歩行者道路は、きれいに白樺が植えられ、私のお気に入りの道なのですが、北海道に来てからすぐに白樺花粉症になってしまった私にとってはつらい日々が続いています。
スギ花粉のときは、どちらかというと鼻にきていたのですが、白樺花粉は目にくるようで、目がかゆく、掻くものだから、目の周りの湿疹と相まって、お岩さん状態です。
内地では増えすぎたスギをどうしようかよく議論されますが、北海道では白樺花粉のせいで白樺をどうにかしようという議論はまだされていないようです。
白樺花粉症の私がいうのも変ですが、花粉症に罹患する人が増えて、憧れの白樺の木を減らそうなどという運動が起きなければよいのですが。
怒らない技術
「短腹(たんぱら)」って、ご存じでしょうか?
北海道弁で「気が短い」ということですが、意味を知らなくても、なんとなく言わんとするところが分かる言葉ですよね。
かなりの短腹である私は、先日、いらいらすることがありましたので(といっても、今では何に怒ったのか忘れてしまいましたので、大したことではなかったのでしょう)、紀伊国屋へ何かおもしろい本はないか探しに行きました。
するとタイミングよく、入り口近くに『怒らない技術』(嶋津良智、フォレスト出版、2010)というピンクの目立つ本が積まれているではありませんか。私は吸い付くようにそこへ行き、購入したことはいうまでもありません。
短腹な人は是非読んで頂きたいですが、この本でいいたいことは、「結果が同じならば、怒ることで無駄なエネルギーを使うな」ということです。まあ、これは皆さん分かっているかと思うのですが、実践はなかなか難しいのですよね。
では、怒らないためにどうするかですが、この本で紹介され、すでに私が実践しているのは、「いらいらする対象から目を逸らす」ということです。
よく私は、窓口でいらいらすることがあるのですが、その場合、いらいらの原因を凝視してしまいます。この本を読んでからは、わざと見ないようにすることでエネルギーの浪費を防いでいます。
あと、まだ実践には至らないのですが、「怒りそうになったら、席をはずす」ということも簡単に実践できそうです。「ちょっと、お手洗いに行ってきてもいいですか」などと断って席を外す。頭に血が上りそうなときに有効な手だそうです。
怒らなければいけないときには怒るべきですが、それは、怒ることで何かを変えていかなければいけないと思うときでしょう。
そうでないならば、無駄なエネルギーを使わない、そうすることが成功する秘訣なのかもしれません。
おまけ
まだまだ、桜は満開です。
淡交会青年部北海道ブロック研修会
5月14日・15日、私が所属している裏千家淡交会青年部の、第40回北海道ブロック研修会が札幌グランドホテルで開催されました。
メインは、萩焼の岡田裕さんを招いての講演です。伝統を守りながらもその伝統を打ち破るような作品を作らなければならない大変さをお話下さいました。
研修では、もっと地元の作家や資源などを利用してお茶会などを開いたらどうかという提案が為されました。お茶の世界では、「○○のお席の場合は、××以上の物を出さないと」など、どうしても格式にとらわれがちな所があります。もっと自由に自分の目を信じてお茶会などを開きたいものですよね。
こういう席での一番のお楽しみは、呈茶席が設けられることです。1日目は札幌第四支部の先生方のお席で、2日目は札幌第四支部鈴華青年部のお席でした。
一日目のお席のお軸は、「龍鱗」で、青年部の会員を龍の鱗に見立てていたようです。お菓子はサザエ製のライラック色をしたかなり食べ応えのあるおまんじゅうでした(*^_^*)。お茶杓は大宗匠のお作で一会、お棗は近左の青貝で作られた鳳凰、お花はしらね葵でした(ちょっとうろ覚えなので、間違っていたらすみません)。
二日目のお席は、大亀老師作の茶杓で、かい先がくっと曲がった、かなり自己主張の強い茶杓でした。お花はエンレイソウです。お菓子はスズランを描いたお干菓子で、とってもかわいかったです。
一日目の夜には、懇親会が開かれました。そこでは、「スタンツ」と呼ばれる皆で踊るお座敷芸みたいなものが披露されます。初めてみたときには、「いまどき、こんなことをやるの?? 恥ずかしい・・」という感じでしたが、慣れとは怖いもので、今では結構楽しみにしています。
ダッシュ政権塾で一度お会いしたことがある、網走のHさんにもお会いでき、懐かしかったです。
最近行ったお店紹介・1
ブログを見てくれている友達が、「趣味が「B級グルメの食べ歩き」と書いてある割には、食べ物の話がほとんどないね」と指摘してくれましたので、B級グルメにあたるかわかりませんが、食事をした店などをたまに紹介したいと思います。
先週は、9日に、会議&飲み会が北海道正直村ハンズの横っちょ店でありました。東区役所まん前店の正直村さんは、私のブログをみて下さっていたようで、ペタを貼って頂いたことがあるのですが、今回はハンズ横の正直村さんにおじゃましました。
ここは幹事のUさんのお気に入りのお店で、正直村の会員になっているそうです。
ここの名物は果実酢(酒)です。酢などを自分で選んで作りますので、おいしくできるかは、各自のセンスによるようです。何杯か飲みましたが、体にいいのか酔っぱらうことはありませんでした。あまりお酒が得意でない人にお勧めです。
17日には、札幌駅の地下にあるPASEOの「ソンブレロ・メヒカーノ」というメキシコ料理店でブリトーという料理を食べました。
一人で食事をするのには、入りやすい店と入りにくい店があります。特にお夕飯は周りが飲んでいたりするのは避けたいので、慎重にお店を選ぶ必要があります。
その点、ここは外から中が見えるので、入りやすいのですね。 加えて、ここの料理は、それ程辛くないので食べやすいです。
14日には、時計台の北側のビルの半地下にある、札幌珈琲館時計台ガーデンテラスで食事をしました。
ボルシチシチューを頼んだのですが、パンが沢山付いてきたのにはビックリした。札幌の観光で時計台にいらっしゃった方、お茶を飲むならばここがお勧めです。
また、たまにお店レポートもしたいと思います。
下記は、道を歩いていたらたまたま見かけた幌馬車です。札幌観光の方、是非一度乗って下さいね。
「想定外」
今日は、2011年5月11日に行われた「第26回 フォーラムin 時計台」での、大澤真幸氏のお話の続きをしたいと思います。
大澤先生は、今回の東日本大震災に関してよく耳にする「想定外」という言葉についても解説されていました。
「想定外」というと、本来ならば、「知」識とか技術の範囲を超えた場合に使うのであり、日本で地震が多発しているということは皆知っているし、地震が海底で発生したら津波がくることも知っている。原子力発電所が損壊したら、放射性物質が漏れだして、多大な被害が生じることも知っている。 とすると、今回のことは、本来「想定外」とはいえはいばずである。
ではなぜ皆が「想定外」というのか。それは、知識はあったけれども、「信」じてなかったからだ、というのですね。
ではなぜ信じてなかったのか。それは、原子力発電所を筆頭に、現代の社会では、とてつもなく破壊的な被害が生じる可能性があるものがあるが、その破壊的な被害が生じる可能性は非常に小さい。そこで、それらが掛け合わされると、たいしたリスクには思えなくなってくるからだとのことでした(すみません。このあたり、大澤先生がおっしゃったニュアンスとは少し違うかもしれません)。
そして、これら被害は破壊的であるため、対策を取ることがとても難しい。
結局、昨日の結論とも同じになるのですが、将来世代をも考え、人間の対処が不可能な危険なものは極力排していく、これしかないのかもしれませんね。
次回の「フォーラム in 時計台」は、経営コンサルタントの波頭亮さんをむかえて、5月25日午後6時半から時計台にて行われます。興味がある方は、是非きて下さいね。