突発性難聴は鍼灸治療だけでも回復するのか?
突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。突発性難聴は原因不明の感音性難聴で、片耳のみに急激な聴力低下が起き、多くの場合に耳鳴りを伴います。感音性難聴は音を感じ取る能力が低下する難聴ですから、突発性難聴の症状も「音が聞こえない」という状態と合わせ、音の聞き取りや聞き分け困難、音程のズレ、音割れなど様々な聞こえの異常が起こります。また、回転性めまいが発症初期に一度だけ出現し、以降は万税的な「めまい感」を訴える方もいます。図引用 https://www.hosoda-cl.com/ear/315/突発性難聴は今やメジャーな病気であり、多くの人は病気に対する「なんとなく」のイメージがあるでしょう。そのため、急激な聴力低下を自覚した場合はほとんどの方が耳鼻科を受診したり、あるいは激しい回転性めまいのために救急車で運ばれることもあるでしょう。突発性難聴は原因不明ではありますが、有力な原因説は二つあります。内耳循環障害説と、ウイルス感染説です。内耳の蝸牛には音を感じ取る有毛細胞があります。この有毛細胞に何らかのウイルスが感染して破壊してしまう(ウイルス感染説)、あるいは内耳の血流障害によって有毛細胞が酸欠を起こして衰弱してしまう(内耳循環障害説)。こういった説が有力視されています。図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html突発性難聴治療ガイドラインにおいて、発症後48時間以内のステロイド投与と、早期からの高気圧酸素療法を推奨しています。これは一般的に言えば時間経過とともに有毛細胞の衰弱が進行してしまうため、有毛細胞の死滅を防ぎ、酸素供給を積極的に行うことで聴力の回復を図るということを目的にしています。図引用 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/117/1/117_62/_pdfこうしたガイドラインの治療と合わせ、耳鼻科ではビタミン剤や星状神経節ブロック注射などの治療を行い、また患者さん自身の選択で鍼灸治療を併用する場合もあるでしょう。耳鼻科での治療だけではなかなか聴力の回復が難しく、患者さんは鍼灸や漢方薬、カイロプラクティックなどの代替医療に希望を賭けることがあるわけですが、そもそもなぜ、耳鼻科の治療だけでは聴力の回復が難しいのか。そして、西洋医学ではなく、それならば最初から鍼灸などの代替医療(ここでは鍼灸のみについて解説)だけでも聴力の回復はあり得るのか?今回はそこを解説します。繰り返しになりますが、突発性難聴の正確な原因は不明ですから、「○○すれば治る」だとか、「○○が原因だった」などの広告文はあてになりません。内耳循環障害説にしろ、ウイルス感染説にしろ、衰弱している有毛細胞の修復が治療の目的になりますが、そもそもなぜ、突発性難聴が起きるに至ってしまったのか。それは、内臓機能全般に異常があるといえるからです。ウイルスに感染してしまったのは、そもそも体全体の免疫機能が低下してしたのかもしれないし、自然治癒力の低下によって風邪などのウイルス感染症が長引いたのかもしれない。あるいは体全体の血流が低下していたり、血液の汚れ(オ血)が体内に蓄積していたのかもしれない。呼吸機能が弱くてウイルスが体内に長く残留したのかもしれないし、肝・腎の解毒機能が低下していて血液の解毒が間に合わないのかもしれない。こうした体全体の異常の結果、弱点部分に症状がひきおこされるわけで、突発性難聴患者さんの場合は内耳が弱点であったという可能性が高いということです。一般的な西洋医学の耳鼻科の治療では、あくまで「内耳」に対する対処療法しか行いません。また、鍼灸治療の場合は対処療法よりも原因療法(体質改善)に重きをおく傾向があります。ですから、ざっくり結論から言えば、西洋医学だけでは体質改善はできないし、鍼灸だけでは有毛細胞の衰弱を食い止めることはできないということです。衰弱している有毛細胞の死滅を防ぐにはどうしてもステロイドの作用が必要ですし、その修復には酸素供給を増加させなければなりません。合わせて、血液の解毒や内臓機能全般の異常も改善させていかなければなりません。このように、なにかひとつの部分だけを変えたとしても、全体が変わらなければ意味がありません。耳鼻科だけ、鍼灸だけではなくて、両方必要です。そして、耳鼻科の治療と合わせて他院の鍼灸院や代替療法など様々試しても改善が見られない場合、また違うアプローチ法が必要になってきます。当院は、耳鼻科や他院の治療でも改善しない方のみを引き受ける、突発性難聴専門鍼灸院です。参考までに。院長ブログはこちらをクリックhttps://ameblo.jp/sumiyoshi-oketsu/当院ホームページはこちらをクリック