血液の解毒の必要性について
突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。突発性難聴は原因不明の急性難聴で、その詳しい原因や病態は解明されていません。音を感じ取る内耳の有毛細胞が急速に衰弱したことで起きると考えられていますが、(患者の)内耳を目視で確認することはできないために未だ推測の域をでていません。図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html有毛細胞は内耳の蝸牛に存在し、中耳が増幅させた音の振動を電気信号に変換して脳へと送信する役割があります。有毛細胞が衰弱すると電気信号の送信に異常をきたすため、聴力低下や耳鳴りが起きると考えられます。突発性難聴の場合、有毛細胞の衰弱が急速に片耳だけに起きることで、片耳の急性難聴が起きるとされています。図引用 https://www.hosoda-cl.com/ear/315/なぜ有毛細胞が衰弱するのか、その詳しい原因は解明されていませんが、有力な説としては①有毛細胞へのウイルス感染②内耳血流障害による有毛細胞の酸欠が挙げられます。突発性難聴は風邪やインフルエンザなどの感染後1週間ほどしてから起きることがあり、ウイルス感染との関係が言われています。血液検査によってウイルスが認められれば、抗ウイルス薬による治療と合わせて一般的な難聴治療が行われます。最も突発性難聴の可能性として高いと言えるのが、内耳循環障害の影響です。図引用 http://morimoto-ent.jp/doctorblog/839.html有毛細胞のエネルギー源は血液が運ぶ酸素です。内耳の血液循環に異常が起きると有毛細胞への酸素供給が低下し、有毛細胞が酸欠によるエネルギー不足によって衰弱する原因となります。そのため、耳鼻科での治療では有毛細胞の状態悪化を抑える目的で抗炎症作用のあるステロイドの大量投与を行い、合わせて循環改善薬やビタミンB12などの薬を使って治療します。図引用 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/117/1/117_62/_pdf突発性難聴治療ガイドラインにおいては、突発性難聴には早期のステロイド投与と高気圧酸素療法を推奨しています。理論上、高気圧酸素療法は衰弱した有毛細胞の修復においては最も効果的な治療法であると言えます。高気圧酸素療法とは、大気圧よりも高い気圧をかけた室内で酸素を吸引することによって、赤血球と酸素の結びつきを強めて酸素運搬を効率的に行う治療法です。有毛細胞の修復のためには大量の酸素が必要ですので、高気圧酸素療法は理論上有効であると言えます。ところが実際には、高気圧酸素療法をはじめとして様々な耳鼻科の治療法を受けても聴力が回復しないことが多くあります。有毛細胞がまだ生きていることを前提として、理論上効果的であるはずの治療を行っても、なぜ聴力が回復しないのか。それは、酸素にしろ、薬剤にしろ、それを有毛細胞に運ぶのは血液だからです。どんなに有効であるとされる治療をおこなっても、肝腎の有毛細胞にそれを届ける血液に何らかの問題があった場合、それらの治療法も効果を発揮することはできなくなります。血液の問題といってもいろいろありますが、東洋医学で特に重要と考えるのが血液の汚れ、すなわちオ血の問題です。オ血とは老廃物を多く含む循環しなくなった古い血液で、全身に存在する毛細血管よりもさらに細かい微小循環と呼ばれる部分に蓄積します。このオ血が多く体内に蓄積したオ血体質だと、血液の酸素運搬能力が低下している状態ですので、いくら高気圧酸素療法などを行っても効果を発揮させることができません。舌の裏にある舌下静脈は、健康な人の場合は透明ですので色は見えません。ところがオ血体質の場合、舌下静脈が上記写真のように黒く怒張しています。オ血体質になる原因としては、肝臓と腎臓の解毒能力が低下していることが主な原因であると考えられます。とくに耳鼻科で処方される薬剤などは肝臓に毒素として蓄積され、さらなるオ血体質の悪化を招くことにもつながります。オ血を体外に排出させるオ血除去の治療を行うことが、オ血体質の方の聴力回復には必須のこととなります。一般的な耳鼻科にはオ血の概念はなく、他の鍼灸院でもオ血除去の具体的な治療法を持たないところが多いのが実際です。漢方薬ではシナモンやベニバナなど、オ血除去を目的とした薬を処方しますが、吸収して効果が出るまでに時間がかかります。オ血を体外に排出させる最も効率的で簡単な方法が、当院のおこなう刺絡治療です。刺絡とは、オ血が溜まっている部分(細絡)に特殊な針で傷をつけ、オ血を排出させる治療法です。写真のように指先から行う場合や、耳たぶ、首筋、背中など細絡ができやすい部分に行います大量のオ血を排出するには、刺絡を行った部分をカッピングで吸います。すると、下図のようなネバネバのオ血の塊が排出されます。オ血は老廃物の溜まった血ですから、鉄の臭いがしないのが特徴です。当院では刺絡治療を積極的に行い、オ血体質の改善と合わせて聴力回復を目的とした治療を行っています。院長ブログはこちらをクリックhttps://ameblo.jp/sumiyoshi-oketsu/当院ホームページはこちらをクリック