突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。



難聴は異常が起きている部位で分類すると、伝音性難聴と感音性難聴に分かれます。

外耳と中耳の伝音器官に異常が起きている難聴が伝音性難聴で、鼓膜損傷や耳管狭窄症が代表例です。

内耳、聴神経、脳の異常から起きる難聴が感音性難聴で、突発性難聴や老人性難聴が代表例です。


図引用 http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200910/homeclinic.html


伝音性難聴は異常個所を目視できるという特性から、比較的原因に対する治療法が明確であり、回復しやすいという特徴があります。

一方、感音性難聴はその詳しい病態が解明されておらず、したがって有効な治療法も確立していません。
感音性難聴の代表例である突発性難聴のみ、唯一治療可能であると耳鼻科では考えられていますが、それでも治療はあくまで薬物による対処療法が一般的です。


突発性難聴は音を感じ取る有毛細胞の衰弱が原因であると考えられています。


図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html


有毛細胞が衰弱すると電気信号を脳へと送信することができず、聴力低下となって難聴状態になります。

有毛細胞が衰弱する原因は解明されていませんが、有力な説の一つに内耳循環障害説があります。
内耳への血流が何らかの原因で滞ると、有毛細胞のエネルギー源となる酸素供給が不足します。その結果有毛細胞が酸欠を起こして衰弱するという説です。


耳鼻科では内耳循環を改善させるための手段として、血流改善薬や利尿剤、神経節ブロック注射などを行います。こうした治療法は理論上、有毛細胞の酸欠を解消させるのには有効であり、ステロイドと合わせてほとんどの耳鼻科で一般的に行われます。

こうした薬物治療で効果がある方ももちろんいます。有毛細胞の衰弱の程度が低ければ、薬物治療のみでも聴力が正常範囲にまで回復する場合もあります。

しかし実際には、循環改善薬などの薬物治療では聴力が回復しないことが多いのです。また、これらはあくまで対処療法であり、なぜ有毛細胞が酸欠に至ったのか、その根本的な解決にはつながりません。したがって、根本原因が解決していないのですから、仮に聴力が回復したとしてもいずれ再発の危険性があるのです。


有毛細胞が酸欠に至る原因として、内耳循環障害説が挙げられるわけですが、血流の問題以前に考えなければいけないことがあります。

それが呼吸です。

呼吸には大きく分けて二種類あります。

母体内にいる時から行われている、脳の呼吸である一次呼吸と、
一般的な呼吸である肺呼吸です。

今回のテーマとしては、肺呼吸との関係から有毛細胞の酸欠について解説します。




突発性難聴の患者さんの特徴として、呼吸が浅いという点があります。難聴を引き起こすに至った直接の原因は不明な点がありますが、難聴患者さんは強いストレスを日常的に長期で受け続けることで発症する方が多いです。

職場の人間関係によるストレスであったり、夜更かしや大酒、長時間労働などの肉体疲労、あるいは家族の長期間にわたる介護など、そういった強いストレスを抱えた方の多くが深呼吸ができないという傾向があります。



図引用 https://nyanyamaru.com


ストレスから身を守る防御反射によって、呼吸が浅くなるのが一般的です。深呼吸ができない、日ごろから呼吸が浅いということは、常に体内に二酸化炭素が残留し、酸素摂取量が低下するということです。


横隔膜を使った呼吸が深呼吸ですが、横隔膜は臓器と腹膜を介してつながっています。横隔膜をしっかり使った深呼吸をすることで、腹膜を介して内臓の動きを作り出し、内臓の癒着を防ぎます。そして内臓の血流を増加させ、内臓機能全般を向上させることができるわけです。

しかし呼吸が浅い、深呼吸できないそういったことが長期化すると内臓の機能が低下し、解毒機能低下や消化吸収困難、排泄異常などが引き起こされます。


こうした体全体の異常が体の弱点部分に異常を引き起こします。難聴患者さんの場合は耳に異常が現れたということです。



呼吸は単に酸素摂取、二酸化炭素排泄ということだけではなく、体全体の機能と密接に結びついています。呼吸は自律神経支配ですから、呼吸の乱れは自律神経の異常を引き起こします。


こうしたことは一般的な耳鼻科では説明されず、単に「耳」という部分しか診ません。だから対処療法になるわけで、残念ながら聴力の回復につながらないことが多いということです。



耳の異常は全身の異常で、呼吸は全身に異常を引き起こします。

当院では、単に難聴=耳といった安易なことではなく、体全体、考え方や性格的な部分までアプローチしていく治療法をとっています。





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