突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。

突発性難聴や急性低音障害型感音難聴など、感音性難聴の患者さんの抱える症状の一つに音割れがあります。
特定の音だけに反応する場合もあれば、聞こえる音すべてが割れて聞こえるという場合もあり、個人差が大きくあります。

この音割れという症状は伝音性難聴ではなく、感音性難聴の症状として出現します。この具体的な仕組みについて耳鼻科では説明がなく、「慣れてください」とか「気のせい、仕方ない」で終わってしまうことも多々あります。

今回は、感音性難聴の症状の一つである音割れについて解説します。


図引用 http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200910/homeclinic.html



感音性難聴は内耳以降の感音器官に異常をきたしたことによる難聴の分類名です。内耳以降は頭蓋内構造のため、
その実際の正確な病態を見ることはできません。

しかし、音割れの原因としてもっとも可能性が高いのは、内耳の蝸牛にある有毛細胞の損傷です。



有毛細胞は音の振動を電気信号に変換し、聴力を作り出します。この有毛細胞の機能が正常に働かなくなると、聴力低下や耳鳴り、そして音割れなどの雑音を発生させます。



音割れと有毛細胞の関係を詳しくみていきます。

有毛細胞は2種類あります。「外有毛細胞」と、「内有毛細胞」です。
両者の内、音の補正を担当するのが外有毛細胞になります。外有毛細胞が障害されると音の補正が正常に効かなくなります。すると雑音を含んだ音の電気信号を脳に送ってしまいます。これが音割れとして感じると考えられます。



図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html


人間の聞き取れる周波数は18~20000㎐です。有毛細胞はそれぞれの周波数を担当するものが決まっています。例えば、500㎐を担当する有毛細胞が障害されると、500㎐の音に対して音割れが発生します。



聴覚過敏(聴覚補充現象)も同じ仕組みで説明できます。外有毛細胞の役割である音の補正は、音を聞き取りやすいように調整するということです。
500㎐を担当する有毛細胞が障害されると、500㎐の音に対して補正が効きません。すると大きすぎる音をそのまま脳に送ってしまい、聴覚過敏の症状が現れます。この現象を聴覚補充現象といいます。

音の補正が効かないからこそ、音が割れて聞こえたり、音が反響したりハウリングしたりするのです。

外有毛細胞の修復が進むと、こうした音割れなどの不快な症状は軽減していきます。


耳の症状は長引きやすいという特徴があります。焦らずに治療することが必要です。








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