ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第78章 東京オリンピック開催とコロナの猛威 の巻

                          

                                    

 2021年、夏場を迎えた。ストリップ太郎としては、今年の夏も昨年同様、猛暑とコロナ禍の二重苦と考えただけで、うんざりした。昨年のことを思いだすと、コロナ二年目となる今年の夏はストリップ通いを少し控えようと思っている。

 それには理由がある。

 ひとつは、高齢となり猛暑が身体にきついという体力的な問題。思い返せば、昨年の夏は例年通り、せっせと毎日毎日、遠征を始めストリップ通いに励んだが、汗をかきかき、マスクをしての炎天下の行動にへろへろになった。

 また経済的な問題もある。

 

 そして、なんといってもコロナの問題。

 コロナについては、これまで述べたように、ストリップ劇場からコロナのクラスターは発生していない。周りでコロナにかかったという話も聞こえてこない。ターゲットは専ら飲食店で、劇場は規制の対象から外されている。自主規制はしているものの、営業は続けている。また私自身も、昨年から、これだけ頻繁にストリップ通いしているわけだが、コロナにかかるような気は全くしなかった。だから焦ってワクチン接種しなくても大丈夫かなと高をくくっていた。

 ところが、気にかかることが起こった。ストリップ太郎は毎日のように、スト仲間20人ほどとLINE交信している。ストリップの情報交換しているわけだ。彼の方がまめに発信しているわけだが、相手からもだいたい返信があった。ところが、今年の夏場頃から、返信してこなくなったスト仲間が二人いた。返信が遅れることはよくあることだが、いくらストリップ太郎の方から送信しても一向に返信が来ないので心配になっていた。

 その一人Iくんは、夏前に一度、ある友人が劇場で会ったらしい。そのときの彼は30kgも痩せて元気がなかったという。彼はもともと100kgほどの太目なのだが、やはり30kgも急激に痩せたというのは大問題だ。その話を聞いたスト仲間はみんな、彼は癌ではないかと心配していた。もう連絡が取れなくなった。その後の安否が気になる。しかも医療崩壊を起こしているので癌もコロナも同じ状況にある。

 もう一人Yくんは、これまで東洋の踊り子さんの周年イベント幹事をしていた。そのため、関係者たちは今年もYくんに幹事をお願いしようと考えていたのに、連絡が取れなくなり困っていた。今年の夏にYくんがコロナにかかったことは確認がとれた。ところが東京では医療崩壊が起こり病床がなく自宅療養せざるをえない状況だった。彼は昨年脳梗塞になったばかりなので、コロナで重症化した恐れがある。仲間内から、どうも亡くなったようだとの情報が入っている。

 二人とも、仲間内でよく呑みに行く仲良しだった。ストリップ太郎は遠征先でもよく呑んだ。二人とも年齢が近く、またお互いストリップを趣味にしているので話ははずんだ。そんな身近な友達が亡くなったという話を聞くにショックが隠せない。

 一気にコロナが他人事ではなくなり、怖くなり、慌てて、コロナのワクチン接種を夏場に申し込んだ有様だった。しかしながら既に予約が多く、ようやく二度目のワクチン接種が終わったのは秋場になった。

 

 今年の夏は東京オリンピック&パラリンピックが予定通り開催された。コロナ対応で、ほとんどが無観客になったのは致し方なく、それよりもよく開催できたものだと思う。

 これと時期を同じくして、コロナの猛威が日本全土を襲った。2021年6月下旬頃から始まったコロナ第5波は、全国では8月20日に過去最多となる25851人の新規感染者数を記録した。東京都は連日2000人を超える数字が続いた。大阪も一時は東京を上回るほど酷い状況であった。特に、東京では病床が足りなくなり、自宅療養せざるをえない医療崩壊が起こった。一時、東京都内だけで4万人を超える自宅療養・宿泊療養者がいたようだ。その中に、先ほど話したようにストリップ太郎の友人も犠牲になっている。

 こうした爆発的なコロナの猛威に対して、東京都では7月12日から緊急事態宣言が出た。これは通算で第四回目となる。8月2日から埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府も追加で宣言の対象になった。ようやくコロナも下火になって9月末に解除となる。その間、飲食店や交通機関など相変わらずのコロナ規制が続いた。

 

 劇場としてはコロナ対策を徹底したうえで、時間短縮はあるものの、営業は続けている。どうにかストリップの火は消えずに済んだ。

ストリップ劇場としてはクライスターが発生していないものの、水面下ではコロナになった踊り子や客がけっこういるようだ。劇場外で感染したらどうしようもない。

ストリップ観劇は可能ではあるものの、飲食店や交通機関などがコロナ規制しているため、ストリップ観劇するにもかなりの足かせになった。

 

 こうした中、ストリップ太郎は、今年の夏場はできるだけ自宅にいて、オリンピック観戦、そして最近始めたばかりのブログにせっせと励んだ。

 ストリップ通いはかなり頻度を落とした。

 

 コロナの猛威は、9月に入り減少に転じた。それ以降、減少の速度は落ちることなく順調に新規感染者数は減少してきた。

 ストリップ太郎もコロナのワクチン接種が済んだわけだが、全国的にワクチン接種率が大きく進んだ結果と考えられる。9月末時点で全国民の7割に及ぶ。

 

                                     つづく

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第77章 ストリップ太郎のブログ開設 の巻

                          

    

 4月14日の警察ガサ入れの行政処分が正式に出て、シアター上野は6月11日から来年の2月5日まで八か月間の休館になった。スタッフ達は他の劇場に回された。

 警察に連行された方は二週間ほど拘束されたと聞く。もちろん罰金も払わされたことだろう。踊り子のさくらさんは、そのショックから踊り子を辞めてしまった。また戻ってくれるものと期待していたが、本人のショックはかなり大きいようだ。

 

 ストリップ太郎は、さくらさんを応援していたファンの一人として、今回の警察ガサ入りには憤りを隠せなかった。また、その事件の当事者として、これまで考えていたストリップの違法性を整理することにした。事件から一か月ほどかけて、A4用紙で55ページに及ぶ長いレポートにまとめた。それが、ストリップ太郎のストリップ講義録「ストリップは違法なのか」である。

 

 さっそくコピーして、親しくしている踊り子さんに渡した。文章が長いし、内容が難しいかなと心配したが、気になる話題として、たくさんの踊り子さんが読んでくれ、高い評価をくれた。「あやふやだった知識がこれを読んではっきり分かったわ」「ストリップ愛にあふれていて涙がこぼれた」など。長いので後でゆっくり読んでもらえればいいと思っていたが、けっこう読みやすかったらしく、渡して次のステージまでの間に(1時間ほどで)読み切った踊り子さんもいた。

 ストリップ太郎はこれに気をよくし、このレポートをたくさんの人に読んでもらいたいと考えた。

 

 そこで長い間やろうと思っていて中々手を付けていなかったブログ開設に踏み切った。どのブログがいいのか? 開設の手続き、操作方法を友人に聞いたり、ネットで勉強した。ところが画面の設定に凝り出すとなかなか進まない。画面の飾りつけや写真・動画に凝り出すとキリがない。時間ばかりかかる。文章だけで味気ないものの、とりあえず始めることにした。

 これを機に、長年書き溜めていた童話やエッセイ、観劇レポート等を整理したいとも考えた。

 ブログを開設するにあたり調べると、それぞれのブログに特徴があることが分かる。それに合わせて、一度に三つのブログを立ち上げることにした。

①  FC2ブログ「ストリップ童話館」

これには短い童話とポエムを片っ端から放り込むことにした。20年間書き散らしていたのでかれこれ300編近いものがある。もう忘れているもの、原稿を無くしたもの、ワードが壊れていて開けないもの等がけっこうある。たまたま紙にプリントしてあったので再度書き直したものもある。やはり一度きっちり整理しておかないとダメである。

②  アメブロ「ストリップの森」

これにはレポートとストリップ観劇記、エッセイを載せる。最初に、一番の目的である、長文のストリップ講義録「ストリップは違法なのか」を掲載したのだが、目次がとれず四苦八苦した。うまくいかずブログそのものを諦めかけたが、途中で細かい装飾にこだわらないことにして、とりあえず始めることにした。

③  小説投稿サイト「ハーメルン」

長めの童話や小説などを掲載した。

既にある小説、童話、映画、漫画、アニメなどをネタにして書いたものは著作権にひっかからないか心配したが、このサイトには、そういう二次作品がたくさん掲載されていた。著作権の問題はあるのだろうが、黙認されており(ある意味では原作の宣伝にもなるためか)、今では、そういう市場があるようだ。以前は厳しかったディズニーものもOKになっている。

そこで、連載ものの長い童話「鬼滅のストリップ」「ウサギとカメの 森のストリップ劇場」「ちから姫」など、さらに短編ものを「日本の物語」「世界の物語」「ディズニーもの」「サスペンス集」「オリジナルなもの」にモチーフ分けし、それぞれシリーズ化して掲載を始めた。この小説投稿サイト「ハーメルン」では読者の反応がリアルタイムで分かり面白かった。三つのブログの中でも最も精力的に投稿した。

 

 三つのブログを毎日更新するのは、かなり時間がかかるが、すごく面白かった。そして過去のデータの整理をするいい機会になった。

 内容はすべてストリップに関するものである。だから読者はストリップに関心のある人ばかりで極めて限定的である。まったくフォロワーが増えない。そこで、私は踊り子さんを始め、知っている顔なじみのストリップ仲間に見てほしいとお願いした。ところが、ストリップ客というのは写真は大好きだが、文章ばかりで、特に長い文章は苦手という人が多い。私の仲良しのストリップ仲間も全く見てくれない。笑

 

 まぁ~、それでも彼自身がブログが面白いのだから、それでいいと割り切っている。

 最初のうちは「ストリップ太郎」と検索入力しても出てこなかったが、次第に、三つのブログとも出てくるようになった。それだけ記事を見てくれる方がいるからのようだ。内心よろこんでいる。

 

 ブログに記事を載せるにあたり、それぞれのブログの特徴がだんだん分かってくる。警告や要請が出ることもある。急に書き込みができなくなったりして慌てることがある。

 FC2ブログでは最初からR18限定としていることから「小学生」「幼児」という単語を書くと警告が出て記事が保留になる。幼児ポルノとしてAIでチェックがかかるようだ。そこで書き替える。ひらがなにするとOKになるのには笑えた。小説投稿サイトでは題名に「プロジェクト」という文字を入れたらロックされた。おそらく小説ではなくレポートと認識されたのだろうと思う。

 そんなこんなで、それぞれのブログに癖がある。

 そんな中、小説投稿サイト「ハーメルン」で大問題が発生した。

 トランプ大統領の名前を使ったエロ話を書いた。そうしたら翌日からブログがロックされてしまった。新たに書き込みができないだけでなく、これまで書いてきた記事も全てパーになってしまった。最初、機械の調子が悪いのかと思ったが、そうではなく、現役の有名人のことを書いたことが規約違反ということが分かった。既存の記事も復活できない。もう一度、ブログを再登録することも許されない。

 実は同じ記事をFC2ブログにも書いており、そちらは特に支障がなかったので特に問題と思っておらず安心していた。ところが、それぞれのブログにより、厳しさが違っている。これにはショックを受けた。今までの努力が一瞬にしてパーになってしまう。もう少し、対処の仕方があっていいのではないかと思う。例えば、いったん警告して、記事を保留にするなどの処置の仕方をすべきと思うが、こんな情け容赦のないやり方に憤慨する。

 いずれ別の小説投稿サイトに切り替えようと思う。かろうじて、データーは残っているので。

 ブログも面白いが、いろいろある。

 

                                     つづく

 

 

 

 

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第76章 上野ショックと第三回緊急事態宣言のダブルパンチ の巻

                          

                                         

 2021年4月14日(水)のシアター上野への警察ガサ入れのショックはストリップ業界全体に波紋を呼んでいる。ここしばらくガサ入れがなかったせいだ。

 劇場関係者や踊り子はかなりショックを受け神経質になっている。

 劇場関係者に今回の件を話すと皆一様に「しばらくなかったことなので油断してた」と驚いている。聞けばストリップ劇場の摘発は2013年1月のTSミュージック以来8年ぶりとのこと。「オリンピック前なので何らかの制限の指示はあるかなと思っていたが、まさか、このコロナ禍でガサ入れを実行するとは・・・」

 踊り子に、長い「ストリップは違法なのか」のレポートを読んでもらう。ある踊り子のコメント「上野の事はとてもショックでした。当事者ではないけれど、とてもメンタルをやられました。」みなさん同じ気持ちだと思う。中には「私は事件のちょうど一か月前の上野公演に乗ってました。しかもトップ。だから一か月前だったら私が被害に遭っていた。そう思うと背中が凍ります。私だったら、警察に逮捕されたら踊り子を即辞めます!」と話す踊り子もいた。8年ぶりということは、警察のガサ入れ自体を知らない踊り子も多くなってきている。特に、最近デビューした踊り子はそうだ。というか、デビュー時の面接で劇場スタッフからガサ入れの心配はないからと説明を受けて入った方もいる。彼女はSNSで「ガサ入れが無いなんて嘘じゃない!」とつぶやいている。劇場によっては警察と事前に調整して過激なエロボラを中止している劇場もあるが、その劇場自体は大丈夫かもしれないが、所属の踊り子が他の劇場に出演中にガサ入れされる懸念は残る。踊り子から、こうした話を聞いていると、大好きな踊り子を虐める警察が許せない気持ちでいっぱいになる。

 

 上野ショックの影響は全国に及んでいる。

 次々とスト仲間から連絡が入る。

 シアター上野が所属するTS系列の動きはどうか?

 ガサ入れのあった当日、同じTS系列の池袋ミカド劇場にも、目つきの鋭い数人の客が入っていて、彼らは私服警官ではないかと疑われたらしい。こうなれば疑心暗鬼の状態になる。翌日、ミカドは早々に「今週は都合により休館にする」と掲示された。

 ミカドは翌週21日から営業再開したが、パンツ興行(ポラ撮影でパンツを履くのはもちろん、ステージでもパンツを脱がないで演ずる)なのに客は驚く。万一、警察のガサ入れがあったとしてもパンツを履いていれば「公然わいせつ罪」にはならないから。苦肉の策とは言え、ストリップでパンツ興行というのは情けない話だ。いい香盤にもかかわらず客足は激減した。

 大和ミュージックも一回目ステージはパンツ興行だった。二回目からは通常に戻す。

ちなみに、シアター上野は5/1から営業再開したが、もちろんパンツ興行。

 TS系列は当然ながらかなり神経質になっている模様。

 

 また、遠く広島第一劇場にも警察のガサ入れが入ったとの連絡がスト仲間から入った。これには驚かされた。ただ、よく確認すると、広島の場合は警官がちょくちょく劇場に立ち寄っているらしく、とくに今回については5月20日付でもうすぐ閉館することもあり厳重注意扱いに留まった。そのためエロポラは取り止めになったらしい。せっかくの閉館記念興行にケチがついてしまったな。ストリップ・ファンとしては情けない話だ。

 

 他の劇場の状況はどうか。

 いち早く反応したのは大阪晃生ショー劇場。晃生では4/14の上野ショックを受け、翌日からすぐに過激なエロポラを禁止した。大阪遠征していたストリップ太郎はこれに驚いた。

もうすぐGW興行が始まる。当然に劇場側は客入りを期待している。しかしエロポラ無しとなると確実にポラ収入が減るので、劇場側としては痛いだろうな。

 とくにオリンピックの影響で東京都所在の劇場が神経質になっている。渋谷道頓堀劇場もエロポラは中止した。これで東京都内でエロポラ撮影できる劇場はなくなった。

ロック系の新宿ニューアートでは東京オリンピックを見据え、既に昨年の第一回コロナ緊急事態宣言前後からエロポラを禁止している。他にも既にエロポラを禁止している劇場は、全国的に見てみると、大阪東洋ショー劇場や岐阜まさご座などもある。こうした劇場は事前に警察対応をしており、それでも客入りはいい。こうした状況を鑑みると、従来はストリップと言えばエロボラであったが、いずれエロボラはなくなる可能性があるな。

 いずれにせよ、エロポラが無くなれば、劇場としてはポラ売り上げが減り収入減になることは確か。しかし、背に腹は代えられないということになるだろう。

 

 コロナ禍の中、ストリップ業界は他の娯楽・観光業と同じく、客入りが大きく減少している。経営的にかなり厳しくなっている。エロポラだけの問題ではない。

 最初にギブアップ宣言を出したのが小倉A級劇場であった。2021年6月末で閉館すると発表。畳みかけるように、広島第一劇場が5月20日をもって閉館を発表。広島は営業的には好調だったものの、当初から都市再開発計画があり、その立ち退き時期が正式に決定されたわけだ。こうして西日本のストリップは壊滅状態になる。なお、直近情報によると、小倉A級については事業後継者が現れ閉館を取り止めることになったのは救いである。

 

 さらに追い打ちをかけるように、4月25日(日)より5月11日までの二週間、東京都、大阪府、京都府、兵庫県の四都府県に限定して、第三回緊急事態宣言が出た。(後にこれは5月末まで延期となる。)

 大阪に遠征していたストリップ太郎は慌てた。劇場の営業はどうなるか? 宿泊はどうなるか? 交通機関はどうなるか? これによりストリップ観劇に大きく影響する。DVD試写室も営業自粛の対象になっている。しかし、いつも定宿にしているDVD試写室は運よく営業していた。さらに、劇場は休業要請の対象から外れた。ただ、営業時間短縮、酒類の提供禁止、場内での食事禁止などが打ち出される。このくらいは我慢するしかないね。

 どの劇場も高齢者や遠征客などを中心にして客足が激減している。

 上野ショックと第三回緊急事態宣言のダブルパンチで、ストリップ業界は瀕死の状態となっている。

 

 

 最後に、余談になるが、4月29日30日の二日間、池袋ミカド劇場に行ったときの様子を報告する。

この週は最後までパンツ興行だった。客入りが少ないかと心配されたが、GW初日ということもあり朝からほぼ満席だった。本来だったら、これだけいい香盤なら激混みなんだろうな。平日は客が少なかったこともあり、踊り子たちはこの客入りに喜んでいた。「パンツ興行でも、踊れるから嬉しい」と話している踊り子もいた。

 パンツ興行とわかっているのに、これだけの人が劇場に集まっている事実。

 私個人としては、パンツ興行だろうと普通の興行とそんなに違和感はない。おそらく、私と同様に、踊り子との触れ合い、ダンスパフォーマンスだけを求めて、みんな集まってきたのだ。我々のストリップ愛はそうした域に達している。

「性器の露出が問題だってー、何を言っているんだ、バカヤロー。それがなくったって我々のストリップ愛は負けないんだ!」 そう叫びたくなった。

 ただ、一般客は、やはりストリップといえば本来見られない陰部を見られると思ってやってくるのだろう。そうした人の客足が減ると劇場としては収益的に困る。そう思うと、パンツ興行ではなく、一刻も早く通常の興行に戻ってほしい気持ちでいっぱいになる。

 

                                     つづく

                                                2021.4

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第75章 シアター上野への警察のガサ入れの巻

 

 

ストリップ太郎が血相を変え息を切らしやってきた。

ちんぽ三兄弟は心配して「どうしたんだ?」と尋ねた。

「実は、さっきシアター上野に行ってきたんだ。すると入口のところに、5~6人の男たちがたむろしていた。私が劇場の中に入ろうとしたら『お客さんですか。残念ながら、今日は警察が立ち入りしているので入場できません。』と言う。彼らは私服警官のようだ。私はすぐにその場を立ち去り、近くからシアター上野に電話を入れた。案の定、電話は通じなかった。」

「ぼくは今週のシアター上野にお目当ての踊り子さんがいて、初日、二日目と通っていた。三日目は行かなかったが、今日の四日目は行くつもりでいた。たまたま来る途中で、修理を依頼していたノートパソコンを取りに行くためヤマダ電機に寄った。そのため劇場に到着するのが遅れ、トップの踊り子のステージが終わった12時半頃に到着したんだ。

 いつものように朝一から観ていたら警察のガサ入れに遭遇することになった。運が良かったといえるけど、劇場や踊り子さんたちのことが心配でしょうがない。」

 

 しばらくすると、シアター上野に朝一から行っていたという顔見知りのスト仲間二人がやってきた。神妙な顔をしている。

「朝からひどい目に遭ってしまった。ついに警察のガサ入れを実体験してしまったよ。調書をとられるやら、、、もちろん入場料はパーだし。さんざんな話だ。」

 彼らがそのときの状況を詳しく話してくれた。・・・

 平日(水曜日)なので朝一から客は10名ほどしか居なかった。当日はパンプレ企画があったものの平日としては少ない。トップの踊り子がステージで踊り、ボラを撮り、OPショーまで、一通り終わったところで、後ろの方で見ていた50代くらいの客がおもむろに立ち上がり前に出て「みなさん、そのまま動かないように。いまから公然わいせつ罪の現行犯として捜査します。」と警察手帳を掲げた。私服警官だった。

 外に待機していた私服警官30名ほどがどかどかと中に入ってくる。後の報道によると警官は全部で50人も動員されてたらしい。

 劇場スタッフ5名が舞台に上げられ一列になり手錠・腰縄をかけられた。トップの踊り子は別の警官と楽屋に入り取り調べをうけているようだ。客は全員、調書を取られる。調書の内容は、住所、氏名、生年月日、年齢、連絡先(電話番号)、職業(勤務先)などの基本的個人情報から始まる。所持品検査はなかった。今回ボラは一切捜査の対象ではなかった。(まだプリントもされていないのでボラの回収は無理かな!?)

 今回はあくまで公然わいせつ罪の立証が対象であり、「踊り子が陰部をさらし、それを見た」という証言を必要としていた。

 お客の中には女性客もいて、「ストリップがなんで悪いんですか」と反論していたらしい。

 そのままシアター上野の社長たちは警察に連行された。報道陣が事前に連絡を受けていた模様でその様を撮影している。お客らは全員、13時15分頃には劇場から解放された。

 

 以上が彼らからの聞き取り内容である。

 その後、TVや新聞にて報道される。そのまま転載する。・・・

警視庁保安課は16日、東京都台東区上野2のストリップ劇場「シアター上野」を摘発し、経営者の容疑者と女性ダンサー1人、40~60代の男性従業員5人の計6人を公然わいせつ容疑で逮捕したと発表した。

 逮捕容疑は4月14日(水)午後0時半ごろ、劇場に設置されたステージ上でダンサーが下半身を露出し、客15人に観覧させたとしている。照明を下半身に当てるなどの演出をして客を楽しませていたという。

 同課によると、容疑者は「取り締まりを受ける覚悟で営業していた」と供述。ダンサーら5人も「生活のためだった」などと全員容疑を認めているという。

 同劇場は上野地域で唯一のストリップ劇場として知られ、1回約2時間半の公演で5人のダンサーが出演し、入場料は5000円。1995年ごろから営業を始め、容疑者は2005年ごろから経営を引き継いでいた。約2年前から警視庁に苦情が寄せられ、同課が捜査を進めていた。・・・

 

 ストリップ太郎は、警察に連行された踊り子をすごく心配していた。彼女のことを応援していたこともあり、彼女への扱いが酷い!と憤慨していた。

 とくに彼女の場合、実名と実年齢に合わせ、顔写真までTVや新聞に報道された。これまでも実名と実年齢まで報道されることはあっても、顔写真まで出るのは初めて。ずいぶんひどい扱いじゃないかと彼は憤慨した。スト仲間が「彼女は複数回の検挙になるからじゃないか」と言う。本当に運が悪いとしか言いようがない。「そんなに心配しなくても、彼女ぐらいのベテランになったら肝が据わっているよ。」とスト仲間が慰める。それにしても、最長で二週間、これまでの例から、早くて2日から長い人で10日程度は抑留される可能性がある。しばらく会えないので心配が続く。

 

 

 ちんぽ三兄弟とストリップ太郎をはじめ、ストリップ・ファンは皆、こうした警察の対応に憤慨した。

「あるスト仲間からの情報によると、警視庁初の女性警視正(上野署長)が2/16に誕生し、そのご祝儀にガサ入れしたのではないか、と連絡が入った。そういえば、たしかに2月頃、女性署長就任の時、いろいろと憶測が出ていたな」と言う。

「警察のガサ入れについては、脱税や踊り子の麻薬所持などの要因もあるが、定期的に実績作り(点数稼ぎ)をやっているという話がある。今回は‘公然わいせつ容疑’と明言しているから完全な実績作りとなる。」

「今はコロナ禍でストリップ客が激減し、どこの劇場も経営が非常に厳しい。そんな中で実績作りなんかするか!? ストリップ関係者に死ねと言っているようなものだ。警察がそんな理不尽なことをするなんて信じられない。」

「これは弱い者虐めじゃないか。だいたい女性の警察署長が女性である踊り子を虐めてどうするんだ!」

「実績づくりなんて、スト客としては迷惑千万だ!警察は他にすることがたくさんあるだろう。こんなことにたくさんの警官をつぎ込んで、ほんとうに税金の無駄遣いだ。」

「ストリップは法律で認められているはずではないのか。これではストリップ業界全体が営業できなくなる。」

「オリンピック前だからかな。これだと関東の劇場は他も危ないぞ。」

 

 こうした意見を踏まえ、ストリップ太郎は「ストリップは違法なのか」について持論を展開し始めた。

                                    つづく

 

 

 

 

 

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第74章 これまでのコロナ禍の状況を駆け足で報告 の巻

                          

                                         

 昨年の8月以降、他に書きたいネタがあったため、ずっとコロナの話を横に置いてきた。だんだん慣れっこになってきたせいもあるだろう。

しかしながら、コロナ禍は一向に収まっていない。そのため、ストリップ客は激減して、劇場は経営的にかなり深刻な状況にある。苦肉の策として営業時間短縮や出演人数削減をすることにより、働く場や時間を狭められた踊り子の生活も苦しくなっている。ストリップ業界始まって以来の危機的な状況にある。

昨年の夏頃に、A級小倉が閉館を発表。それに合わせ、広島や道後など、閉館の噂が聞こえはじめ、西日本からストリップの崩壊が始まりつつあった。

ストリップ界はコロナの影響で瀕死の状況であることは疑いのない事実。中には前売り券を発売して現金収入を得ようと必死になっている劇場もあり、事情は窺える。

そんな中、2021年4月14日、シアター上野で警察のガサ入れがあった。現在この上野ショックが全国に広まっている。

上野ショックについて話をする前に、どうしてもコロナ禍の状況をもう一度整理する必要性に迫られ、ここで駆け足で、最近のストリップの状況を追うことにする。

 

 

昨年の夏以降は、どこの劇場でも以前の状況にようやく戻ってきた。かぶり席にも座れるようになる(相変わらず、かぶり席を開放していないのは私の知っている限り広島第一のみだ)。しかし相変わらずのコロナ禍であることに変わりはなく、入場時の検温、場内でのマスク着用徹底、かぶり席での会話禁止、劇場スタッフによるまめな室内換気と座席等の消毒は行われている。

営業時間短縮も次第に緩和してきた。

 政府は一回目の緊急事態宣言以降の経済活性化を狙い「Go to トラベル」を行う。これが奏功し、ストリップの遠征も活発化してきて客足が伸びてきた。客同士で「こんなに安く遠征ができた」と自慢し合っていたものだ。ただ、このキャンペーンは私のように夜行バスと漫画喫茶という格安のプランには該当されない。私から言わせると金持ち優遇のキャンペーンだ。というか、いくら安くなったとは言え、夜行バスの便利さや劇場に近い漫画喫茶の利便性を考えれば、劇場から遠いホテルを利用する気にはなれない。

 ともあれ、ストリップの客足も戻りかけていた。しかしながら、コロナの猛威は収まらない。昨年2020年の年末にかけて感染者が急激に増えてきた。東京都で1000人超が続き、これはやばいなあ~と思った。

 案の定、正月明けに東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県知事がそろって政府に緊急事態宣言の要請をした報道を見て、私はすぐさま遠征していた大阪から東京に舞い戻った。予定していた広島遠征も一旦取りやめた。前回の緊急事態宣言のときに、交通機関の夜行バスが急遽運休になり遠征先から東京に戻るのが大変だった経験による。また前回のように緊急事態宣言により全てのストリップ劇場が一時閉館する可能性もある。こうして年始のストリップ・スケジュールが大幅に狂わされた。ただ、第二回の緊急事態宣言の措置は前回ほど厳しくなかった。私は様子を窺い一旦落ち着いたところで広島遠征を再開した。

 なお、二回目の緊急事態宣言は全国的なものではなく、地域を限定して実施された。

 このころ、コロナのやり玉は飲食店に集中した。

 これまでの経緯を振り返ると、ストリップ劇場では一度もコロナのクラスターを発生させていない。もちろんコロナ対策を徹底した前提ではあるが。こうすることで「ストリップは安全だ」という理解が広まったことが大きい。おかげで、ストリップ劇場の休業要請には及ばなかった。こうして年末年始のストリップ興行はなんとか実施できた。

 ストリップ・ファンとして弊害が大きかったのは、飲食の制限だった。場内の食事は相変わらずダメ(水分補給から飲料のみOK)だが、問題なのはのんびり終演を迎えて劇場を出ると食べるところがなくなること。テイクアウトのみとなる。しかも、いつも利用していた飲食店が次々と閉店している現実に空恐ろしくなる。

 二回目の緊急事態宣言は、コロナ禍が下火になり始め漸く解除された。

 

 このころから、海外で発生したコロナの変異体が日本でも広まり出した。同時に、海外で普及してきたワクチン接種が漸く始まった。変異体にも効果があるらしいので、期待は大きい。接種の普及が広まったイスラエルなどはマスクを付けない生活が始まっていると報道されている。日本ではオリンピックを間近に控え、最後の切り札になっている。

 ところが日本のワクチン対応は極めて遅い。そうしている間に、どんどんコロナの発症者数、なにより病床の使用率が悪化し、大阪では病床の確保ができず完全に医療崩壊を起こしてきた。

 こうした中、大阪や東京の知事が第三回の緊急事態宣言を国に要請した。こうして、2021年4月22日(木)に、東京都、大阪府、兵庫県、京都府が緊急事態宣言の対象と決まった。実施は4月25日(日)~5月11日(火)までの期間。まるまるGW期間中に、なんとかコロナ感染を抑制しようと必死になっている。

 ストリップ業界としては、正月興行に続き、GW興行が目玉なため、どうなることやと気をもむ。おそらく前回お正月の興行と同じになるだろうと予想される。営業時間が短縮することになっても閉館しなければヨシとしたい。

 ただ今、大阪に遠征中のストリップ太郎としては戦々恐々な気分である。

 

 

 

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第56章 コロナ禍における熱中症対策の巻

                          

                                         

 コロナが一向に収まらない。この状態で暑い夏に突入したらどうなるんだろうと不安に思っていた。なによりも、常にマスクをする生活がうんざりする。なにせ汗っかきだから。

 今年は梅雨明けが例年より遅くなり、少しホッとしていた。

 ところが、8月に入り漸く梅雨が明けたと思ったら、例年以上の猛暑が襲ってきた。

 コロナ禍のマスク着用と猛暑で、今年の熱中症は大変なことになりそうだ。ちなみに、8月21日時点でコロナによる死亡者は1168名(世界だと80万人にのぼる)に対し、熱中症での死亡者は直近2019年の統計値では1581名となっているので、コロナより熱中症の方が多い。今年はダブル・パンチなので熱中症に重点を置いた対策が求められる。学校では、マスクを外すことも指導しているようだ。

 

 そんな中、ストリップ劇場の対応を見てみよう。

 どこの劇場でもコロナ対策は徹底している。入場時には必ず検温している。37℃を越えると入場を断るケースも多い。早くから並んでいたのに検温で引っかかって入場できない可哀そうな人を何人も見ている。自分がいつそうならないと限らないので、検温の度にハラハラさせられる。今は駅から劇場まで歩いただけで汗だくだくだからね。でも、汗をかいている方がいいようだ。汗をかかない人ほど熱が身体に籠ってしまい体温を上げてしまうからだ。また、マスク着用は徹底している。マスクを付けてない人は入場させないし、観劇中も鼻や顎までしっかりマスクを着用していないと注意されるほどだ。

 劇場の換気はまめに行われる。この点の保健所の指導がかなり厳しいようだ。ときたま保健所の職員が様子を見に来るらしいので、劇場スタッフも神経質にならざるを得ない。そのためポラ撮影の度に換気を行う。場内の扉を開け、窓まで開ける。すると、せっかく冷えた場内が外気に触れ上昇し、ひどいときには蒸し風呂のように熱くなる。

 要は、コロナ対策をしっかりやるために熱中症対策がおざなりになる。これでは逆効果になる。観客としては快適に観劇できない。例年なら、劇場こそが最高の避暑地だったのが様変わりになり、本当にコロナが恨めしくなる。

 こんな状態だから、観客の足がどんどん遠のいていく。

 

 コロナ第二波の真っ最中、交通機関もかなり制限を強め始めた。便が減り不便になる。遠征客も減り、どこの劇場もかなり観客数が減っている。場内は一見満席に見えてもコロナ対応で客数を減らしているのが実情だから、満席でも従前より観客数は間違いなく減っている。劇場も経営的にかなり苦しいことだろう。そんな中、ストリップのお盆興行はどこの劇場もいいメンバーを揃えてきているが、無事行えるのか正直かなり不安だった。

 

 さて、コロナ禍でのお盆興行が始まった。どこの劇場もぼちぼちの客入りがあった。しかし例年に比べればかなり客数が減っている。

 そんな中一人勝ちのように大盛況だったのが、渋谷道頓堀劇場だった。デビューしたての人気若手をそろえ、ロックの人気嬢も加わり、最高のメンバーだった。熱心なストリップ・ファンは何度も足を運んだ。私のスト仲間も、かぶり席で観劇したくて、朝早くから並んだ。ふつうは劇場扉前に順番待ちの荷物を置いておき、開場直前に行く。この暑さでは暑すぎて長く並べない。それこそ熱中症になってしまう。

 ところが、早朝9時過ぎに劇場スタッフが来て、整理券を配った。早めに荷物を置いていた人は無視された。というか荷物を捨てられた。10時半頃に、その整理券に基づいて入場の順番が決められる。その情報が仲間うちからメールで入った。渋谷に行くんだったら朝9時から9時半頃までに整理券をもらわないと、かぶり席では観劇できないと分かる。

 そこで、早朝8時半から劇場前に並んだ。熱心な客が既に何人か来ている。ところが劇場スタッフは現れない。結局いつもの開場時間11時近くまで長い間待たせられた。この炎天下、かなりきつかった。

 楽日には、早朝7時頃から特別の掃除があったらしく、それまでに置いていた荷物を全て捨てられたらしい。私のスト仲間が何人も早くから1番と2番を抑えていたのに捨てられたと悔しがっていた。

 ようは、劇場スタッフの都合や気まぐれで順番とりが変わる。我々ストリップ客には暗黙のルールがあり、早く荷物を置いた順番に入れる。ずっと劇場前で待っていなくてもいい。開場時間の直前に戻ってくればいい。中にはそれで文句を言うやつもいるが、基本的に常連がそのルールを守っている。そうでもしなければ、炎天下にずっと待ってなければならないからね。

 ところが、今回の渋谷のやり方はそれを無視している。いいメンバーを揃えているわけだから強気なわけだ。「それが嫌なら来るな」という態度である。

 しかし、本当にそれでいいのだろうか。コロナ禍で客が激減している中、こんなに暑くても劇場に足を運んでくれる客は神客ではないのか。劇場は、コロナ対策もしっかりやらなければならないが、熱中症対策だってしっかりやらなければならない。要は、お金を落としてくれる客を守る義務があるべき。「暑いので早めに涼しい場内に入れる」というなら話はわかるが、平気で炎天下に客を待たせようとするのは如何なものだろうか。客を馬鹿にしていないか、そう思えてしまう。

 

 先ほど、観客が激減して、劇場の経営が立ちいかなくなるのではないかと心配した。

 そうしたら、その心配が的中してきた。小倉A級の8月結の興行に「閉館興行第1弾」と出た。他にも広島や道後など西日本の劇場が危ないという噂が出ている。

 非常にやばい状況になってきた。単に一劇場の問題ではなく、ストリップ界全体の大きな危機だ。踊り子も乗る劇場がなくなり仕事がなくなる。ストリップの危機がこのコロナのせいで加速してきた。以前は東京オリンピックとパラリンピックの開催による危機を懸念していた(「親父ギャグ」五輪でご臨終となったら大変!)が、コロナの方がダメージははるかに大きい。

 実際、踊り子も大変な状況とよく聞く。どうにかコロナ明けで再開できたものの、出演人数を減らしたり、営業時間短縮で四回公演を三回に余儀なくされているところが多い。当然、それに見合ってギャラがカットされる。そういえば、コロナ明けでいなくなった踊り子も多い。ストリップの先行きに不安を感じて消えていったものと思われる。

 ストリップファンとしては悲しいことこのうえない。

 

 このコロナ禍、なんとか乗り越えることができないものだろうか。

 今こそ、劇場も踊り子もストリップファンもみんなが一致団結してストリップを守るべきときに来ている。

 

                                   おしまい

 

 

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第54章 コロナ明けの新世界へ!の巻

                           ~浅葱アゲハさんに捧げる~

                                         

 

  このシリーズにおいて、コロナ・ネタは今回でもう七つ目(妖怪アマビエを入れると八つ目)になる。54章までで8つということは全体の15%にもなる。それだけコロナ禍はストリップの歴史においてもショッキングな事件といえるので、できるだけ詳細に記録しておきたいと思ってこれまで書き綴ってきたところである。

 当然、踊り子さんにとってもインパクトが大きく、コロナ・ネタを使った演目まで登場している。これまで、浅葱アゲハさんの「しんせかい」、京はるなさんの「COVID(新型コロナウイルス感染症)」、黒井ひとみさんの「黒井軒」などの作品が印象に残っている。

 今回は、その中で浅葱アゲハさんの新作「しんせかい」を紹介しながら、私がその作品で観劇レポートしたことを復唱してみたい。

 

 ひとつ、本題に入る前に話しておきたいことがある。

 コロナ・ネタと同じく、最近このシリーズで大きくとりあげているのが妖怪ネタである。童話「ちんぽ三兄弟」シリーズもそろそろネタ切れたかと思われていたところに、突然のごとく妖怪に興味を持ち始めた。きっかけはある踊り子さんのステージなのだが、きっかけはともあれ、妖怪の話はネタに困らないほどたくさんある。一気に話が盛り返してきて、とどまるところを知らない勢いになっている。

 くしくも、これを書いている今日7月27日は幽霊の日らしい。お岩さんで有名な『東海道四谷怪談』の初演の日にちなむそうだ。

 この「ちんぽ三兄弟」シリーズでは、最近、コロナ・ネタと妖怪ネタが微妙に絡んで進行している。たまたま妖怪アマビエのようにどちらにもマッチした内容もあったぐらいだ。

 例年、夏場になると、遊園地にあるお化け屋敷が人気になる。ところが、このコロナ禍のご時世だと、お化け屋敷はさっぱりダメらしい。遊園地などの感染防止ガイドラインによれば、オバケも人間とはなるべく離れ、大きな声も要注意となる。これでは誰も怖がらない。オバケもこれでは困ってしまうだろう。

 一方、私の妖怪ネタは踊り子さんに大好評。これだけ暑いと雪女には是非とも一緒に過ごしてほしいと思っちゃうだろうね。今年の夏は怪談もので冷ややかに過ごしたいと考えている次第だ。

 妖怪人気が夏に好評なのは分かるが、コロナもまた妖怪人気を誘うようだ。社会不安が高まればホラーがはやるとはよく聞く話だ。

 ちなみに、お盆に墓参りするが、それはご先祖さまの幽霊にご挨拶に行くこと。つまり、お墓参りは恒例行事として‘死’を意識する。今回のコロナ禍でも沢山の死亡者が出た。隣の国の武漢で最初にコロナが発生したときは他所の国の出来事と思っていたが、日本に飛び火し、馴染みのタレント・志村けんさんの訃報に接したとき誰もが身近なものとして死を意識したと思う。

 妖怪もコロナも、人に死を意識させる。死を意識すると人間は厳かな気分になる。いま生きている現実とは違う世界を意識する。死後の世界、妖怪の棲む異界、コロナなどの細菌が棲む未知の世界、そういうものがあることを無意識にも感ずる。

そのことがとっても大切な事だと思う。死ぬとは何か。オバケとは何か。答えのない難題を考えていくと、お前はいま、いかに生きているのか、との問いをオバケから突き付けられている気にもなる。

 

 

 さて、長い前置きになったが、浅葱アゲハさんの新作「しんせかい」の話をしよう。

この演目について、アゲハさんから「今回の新作『しんせかい』は、コロナ明けの気持ちの出し物」というコメントを頂いた。その言葉の意味を考えたい。

 最初に、アゲハさんが妖精のような恰好で登場する。

 一曲目は、RADWIMPSの「新世界」。作詞作曲:野田洋次郎。

(歌い出し)♪「僕と君なら きっと越えて行けるさ そう言った君の声が 細く震えていたんだ あといくつの『夜』と 『空っぽ』噛み締めたら辿りつけるのかも 知る人さえ皆無 『当たり前』が戻って来たとして」

まさしく、今回の新作のタイトル名にもなっている、本作の核となる曲だね。ネットで調べた。・・・同曲は、2020年5月8日に放送されたテレビ朝日系『ミュージックステーション』出演のために書き下ろし、初披露された新曲。「番組にぜひメッセージを届けてほしい」という出演オファーに賛同した野田洋次郎(Vo・G・Piano)は、「最初にお話をいただいたとき、みんなが前を向けるような曲を作ろうと思い制作を始めました。ですが、段々とそれだけでいいのかと違和感が生まれていきました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は僕たちからたくさんのものを奪っていったと同時に、たくさんの気づきも与えてくれています。日常がいつか戻って来たとして、それは今までとは違う新しい世界なんだと思います。企業や社会の仕組み、教育現場、政治のあり方。これからを生きる僕たちが、どんな世界にしていくのか。みんなが想像し、創造できるようにと願って作りました」と楽曲制作について明かしている。

この記事に触れ、さすが野田さんだ!と感心させられた。映画『君の名は。』収録の曲「前前前世」を書いた野田さんらしい。最近よく叫ばれている「Withコロナ時代」の思想に通じます。

 

私は何度もアゲハさんの作品「しんせかい」を観るうちに、こんな感想を抱くようになりました。

このコロナ禍で、私はストリップ通いし出してから20年間で初めての経験をした。一か月以上もストリップ無しの生活を余儀なくされたのだ。これは私のストリップ人生最大の危機だった。一体このことは何を意味しているのかとずっと自問自答していた。

 アゲハさんの云う「コロナ明けの気持ち」とラップするかどうか分からないが、この新作「しんせかい」を観ながら感じたことを述べてみたい。

 

後半の水色の着物を着たアゲハさんを眺めていたら、ビーナスの妖精のようにも見えた。また別の見方をすると、私が最近凝っている妖怪シリーズの雪女にも見える(笑)。ここでは、神様や妖精と、人間と、妖怪などの異世界のものまで全てが共生しているような気になった。

更に、アゲハさんが空中ショーを始める。それを観ていると、アゲハさんや白いティシューは天上の世界と地上の世界の架橋のようにも感ずる。天国も地上も地獄もみんな繋がっている錯覚をおぼえる。

 アゲハさんの美しいヌードを眺める。男性にとって、現実の世界で女性のヌードをたっぷり観れるところなんて無い。劇場はその夢が叶う非現実空間である。そういう意味では、ストリップというのは、現実の世界と夢の世界を繋ぐところでもある。女に縁のない男に、女を感じさせてくれるところがストリップ劇場なのである。

 ストリップというのは、すべてのものを混沌とさせてくれる時空間なのである。

いまさら言うまでもないが、この世には男も女も、いやLGBTも含めて、一緒に生きている。いや人間に限らず、さまざまな生き物が一緒に生きている。コロナのような菌類も例外でない。我々と同じ生き物なんだ。それらが皆この地球号に乗っている。この世は、みんなが仲良く生きていかなければならない箱舟なんだ。

 

人間というのは、神様も妖精も妖怪もコロナウイルスのような菌まで全てのものを含めて、共に生きていかなければならない。我々人間は万物の長として、みんなが共生できるよう知恵を使わなくてはいけない。そういう使命を負っているのである。

昔の人はそのことが分かっていた。人間には生きる上で決められたテリトリーが存する。人間は明るい昼の世界で生きればよく、夜の世界を侵してはいけないと考えていた。人間は夜には寝ていればいいのだ。夜には夜を生き場とした生き物たちの世界がある。だから、子供たちに夜遊びをさせないように、夜には怖いお化けがいる話を作った。これが昔の人の、大人の知恵だったのだ。ところが人間は電気を発明して、夜の世界を侵してしまった。共存共栄を人間がぶち壊したのである。ましてや、科学技術で自然を破壊したり操作しようとまでしている。そうしたことは他の生き物が生きていくうえで邪魔以外の何物でもない。もっとお互いが生きていくうえでのテリトリーを尊重しなければならない。つまり同じひとつの地球号に乗っている乗組員として、人間以外の生き物とのお付き合いの仕方を学んでいかなければならない。コロナ禍はそのことを我々に警告しているのだと私は感じてならない。

コロナ明けの新世界をそんなイメージで捉えたいと心から思う。

 

                                    おしまい

 

 

 

 

 

 

【参考】

 

■2020年7月27日付け「天声人語」より

 

 化け物の話を一つ、出来るだけきまじめに又(また)存分にしてみたいーー。日本の民俗学を開拓した柳田国男の『妖怪談議』はそんな魅力的な一文で始まる。小欄も今日は似たような気分だ。

 

 聞くところによると最近、オバケたちは困っているらしい。新型コロナとの共生を迫られる時代。お化け屋敷も例外ではないからだ。遊園地などの感染防止ガイドラインによれば、人間とはなるべく離れ、大きな声も要注意。

 

 これでは誰も怖がらない。何とかならないか。お化け屋敷プロデューサーの岩名謙太さん(25)が思いついたのは3密回避のドライブイン方式。車内で窓越しにオバケに襲われるとの演出だった。今月初めに都内で始めると、恐怖映画に入り込んだような感覚だと話題になり、予約が殺到した。

 

 コロナ禍にお化け人気。少し不思議な気がするが、社会不安が高まればホラーがはやるとの説もあるらしい。「恐怖を感じながら、みんな死に関心がある。だから怖いものが気になるのでは」と言わなさん。

 

 確かにお化け屋敷とは死の世界に触れる疑似体験。死ぬとは何か。オバケとは何か。答えのない難題を考えていくと、お前はいま、いかに生きているのか、との問いをオバケから突き付けられている気にもなる。

 

 きょうは幽霊の日。お岩さんで有名な『東海道四谷怪談』の初演の日にちなむそうだ。あなたは霊の存在を信じますか。4年前の毎日新聞のアンケートで「はい」は49%。理由のトップは「否定する理由がない」だった。

 

                                    おしまい

 

 

 

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第52章 コロナ第二波襲来の巻

                                         

 

  コロナが少し収まりかけて漸く経済が再稼働を始めた。政府は経済再生の起爆剤として

観光業へのテコ入れとして「GO TO トラベル」のキャンペーンを企画した。これは、旅行代金を割り引く形や、観光施設や土産物店、それに飲食店や交通機関などで使えるクーポンを発行する形で実施され、7月22日から先行して、旅行代金の割り引きが始まる。特に、7月23~26日の四連休を利用して人の動きを活発化させようと目論んでいた。

 ところが、それを嘲笑うかのごとく、コロナ感染者が急増を始めた。特に東京都の数字が凄く高い水準で推移している。四連休が始まった初日7月23日の数字は366人という過去最悪の数字で、初めて300人を超えた。東京都で100人を超えるのは15日連続で、200人超えは三日連続。それに引きずられ全国各地の感染者数も上がり、一日の感染者が全国では981人に達する。大阪も102人で二日連続で100人超え。日本は東京を中心にして人の往来が発生するので地方に飛び火するのは当然である。菅官房長官は「東京問題」と言っている。こうしたことから「GO TO トラベル」のキャンペーンは「東京都を目的地とする旅行」と「東京都内に住む人の旅行」は対象外となった。

 政府としては、経済を活性化させたいのが本音だが、感染者が急増している現状に、対応が右往左往している。また東京都と政府で対応がちぐはぐになっているのが気になる。

 さて、この影響によりストリップはどうなるのか?

 

 ちんぽ三兄弟が今回の「GO TO トラベル」のキャンペーンについて騒いでいた。

「漸くストリップ劇場も通常の営業を始めた。もちろんコロナ対策を行っての前提条件付きであり、中には出演タレントが減ったり営業時間の短縮などもあるが、いずれにせよ元のように営業が行われてきて、ストリップファンとしては喜ばしいところだ。」

「俺たちは以前のように遠征も始めた。一部の高齢者常連はまだコロナ感染を怖がって遠征には慎重になっているようだが、だいぶ劇場にも活気が戻ってきたな。」

「ボクも前から、ストリップは遠征があるからこそ盛り上がると思ってきた。地方にたくさんの劇場があり、踊り子を追いかけて全国を駆け巡る。人の往来が多くなることで地方の経済は活性化する。だから地方にストリップ劇場があることの意義はすごく大きいんだね。地方の観光業もストリップと提携して盛り上がれる。温泉場にストリップ劇場があることは娯楽として最高の組み合わせだと感ずる。政府が企画した『GO TO トラベル』のキャンペーンはとっても意義があると感じたよ。」

「この『GO TO トラベル』キャンペーンをストリップの遠征に利用できないかなと期待していたんだ。ところが、急遽、東京が対象外になってしまった。なにせ都内に劇場が多いから、これだと制約が大きいな。このキャンペーンを利用するのは難しいかもな。」

「オレは夜行バスで遠征しているんだが、漸く便が以前のように増えて喜んでいたんだ。お盆興行なども発表されて、それに合わせて夜行バスの予約もとっていたんだ。ところが、ここにきてコロナ感染者の急増を受け、夜行バスの便が7月27日から激減する変更となる。予約していた安い四列シートは無くなってしまった。今や夜行バスの予約変更に大慌てという状況さ。」

 そこに、ちん吉くんが口を挟んできた。

「ボクは毎年のように夏は田舎の秋田に帰省しているので、今年も田舎の母親に電話で事前に話しておいて、夜行バスの切符を購入しておいたんだ。ところが、折り返し母親から電話が入り、今回は帰省を取り止めてくれ!と言われた。なぜなら、秋田では東京からの帰省者を拒むよう指導されているようだ。どうも東京からの帰省者が秋田に住む高齢者に感染させた等の事故が多発して非常に警戒しているようだ。万一、私が帰省するとなると、弟が会社を二週間も休まなければならなくなるという。それくらい厳しく規制しているんだな。状況はすぐのみ込めたので快く了解した。母親は残念がっていたが、コロナが収まってから、ゆっくり帰省してほしいと付け加えてくれたよ。

 ボクも一瞬がっかりしたが、これだけは仕方ないね。だから帰省できなくなった期間は、これ幸いと劇場通いしようと思っているんだ。」

「ちん吉くんは気持ちの切り替えが早いね。」

 

「しかし、まさにコロナ第二波は余談を許さない状況だな。政府としても、せっかく経済再生に舵を取り始めていたので、いまさら自宅での自粛生活に戻れとは言えないようだ。どうにか最低限のコロナ対策をしながらも、このまま乗り切っていきたいところだろう。小池都知事も、この四連休もできるだけ外出を控えるよう、お願いベースで報道している。ただ以前に比べれば、ずいぶん弱腰感があるな。」

「劇場としては、お盆興行に向かい、お客の呼び込みに力を入れ始めている。その矢先、こうしたコロナ第二波の影響が営業にどう影響してくるのか、ものすごく心配だ。」

「TS系のミカド劇場では、7月結の興行から香盤数を六人から五人に減らし、更に公演回数を三回に減らし始めた。他の劇場も追随しそうだな。シアター上野では前からずっと三回公演にしている。このくらいなら、まだ我慢できる。ようやく7月に入って、シアター上野では悪評だったかぶり席でのフェイスシールドの使用を止め、池袋ミカドも距離を開けてのポラ撮影を止めたところだったのにな。」

「なんとか、持ちこたえて、このままコロナを乗り切ってほしいと切実に思うよ。」

 

                                    おしまい

2020年7月24日朝に作成

 

 

 

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第44章 コロナ明け、いよいよ遠征開始!の巻

 

 

 6月中に入り、いよいよ、ちんぽ三兄弟も遠征を開始するようになる。

 すでに、6月に入り遠征してきたスト仲間からいろいろと話が聞こえてくる。

「小倉まで飛行機で遠征してきたんだ。飛行機は換気がいいのでコロナ対応はバッチリなので心配がない!

ただ、問題は小倉A級のコロナ対応。北九州市でクラスターが発生したため、劇場側が途中の外出を禁止していたんだ。クラスターが繁華街で発生したためらしい。そのことを知らないで入場したもんだから、外で食事ができず往生したよ!」と嘆いていた。なるほど地方によって特殊事情がある。

「おれは、東京駅から関西に向かうため夜行バスを利用したんだ。新幹線の半額と安いからと、いつもJRの夜行バスを使っているんだ。今回も安い四列シートを予約したんだけど、四列シートの夜行バスは一日一便しかなくなっていた。しかも、密にならないよう二席でひとつと座席数を制限している。この点は快適だった。発車時間も遅く、乗っている時間も長いけど、運賃が格別に安いので我慢して利用することにした。

 そこで、いつものように早めに行って待合室でゆっくりしようと思ったんだ。平日の夜に行ったら客がいない。いつも五人ほどいる切符売り場が二人で対応している。問題は待合室が閉鎖していること。照明も消えている。「えぇー、待合室がないのー」と係員に聞いたら、「すみません。東京アラートの関係で閉鎖しているんです。お困りですよね。ほんと早く待合室が利用できるようになってほしいです。」と同情される始末。仕方なく東京駅の構内で二時間も時間つぶしすることになる。

 夜行バスの乗客が極端に少ない。10人くらいかな。コロナ対策として、乗車時に検温チェック、マスク着用、手の消毒を義務づけている。なんか当日はよく眠れなかったよ。」

 一方、新幹線で移動した人からは「新幹線は平常ダイヤで運行している。だから本数は十分。しかも、平日は一車両に三人くらいしか乗ってなかった。マスク着用が前提だが外して寛げたよ。」「ちなみに、車内販売は、東京と大阪間は実施されているが、大阪と博多間はやっていない。JR系列の違いなんだね。」

 今の時期の移動方法は夜行バスより新幹線の方が絶対に便利だな。

 

「今は宿泊料金がめっちゃ安い。宿泊客が少ないため、高いホテルも安くしているし、安いところはもっと安くしている。外人向けに作られた二段ベッドの簡易宿泊施設なんか1000円を切っていると聞く。そういえば、いつも使っていたDVD試写室の宝島では宿泊料金の半額セールとカレーライスの食べ放題のサービスをやっていたもんな。これには驚いたよ。ホテル業界は東京オリンピックで需要増を見込んだのが完全に裏目に出ているな。まさに宿泊料金の価格破壊が起こっている感じだ。そのため経営的にかなり苦しくなり、統廃合が起こっている。」

 

 この二か月間のコロナ自粛期間中に街の中が様変わりしてきた。

 いつも食事に使っていた飲食店がなくなっているところもある。悲しい現実である。

  ともあれ、ようやく街に人が戻りつつある。

 しかし、観光などを始め県を跨いだ旅行は自粛ムードから解放されていない。

 ストリップも常連客が遠征を始めないと活気が出ない。

 今の経済は、人の移動があって初めて景気ずくようになっている。以前のように戻るにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

 

 ちんぽ三兄弟が西日本の劇場をご挨拶回りに遠征してきた。

 大阪東洋ショー劇場は、コロナ対策で場内の雰囲気が変わっていた。座席は客同士のソーシャルディスタンスから一個置きにしている。だから座席数は通常の半分50席となる。50人満席を前提にすると経営的には四人香盤になるのかな。一日四回公演で、いつも通り13時開演で、いつもより早めの22時に終演する。コロナ対策はかなり神経質に対応している感じ。入場時には検温、手のアルコール消毒。ポラ撮影でも手の消毒、距離を開けての行列など徹底している。ステージ一回毎に丁寧に清掃している。観客の中で一人でも感染者を出したら閉鎖されるという強い危機感だね。一番大きな変化は、扉を開けながら公演していること。もちろん換気を配慮してのこと。そのためラウンジの照明は暗くしてある。ステージからラウンジの明るさが漏れるとステージが台無しだからね。それにしても、暗いラウンジで食事を採ると気分も暗くなる。

 大阪晃生ショー劇場は、かぶりの一列目は端の四席のみ。二列目以降は一席置きにしている。ポラの行列も間隔を空けている。検温や消毒は同じ。四人香盤。

 京都DX東寺は、全席を一個置きにしている。検温や消毒は同じ。四人香盤。

 広島大一劇場は、かぶり一列目が座れない。二列目から一個置き。ステージ一回毎に換気で扉を開けると路上が見える。無断で人が出入りしないか心配になる。

 岐阜まさご座も四人香盤になった。

 

 出演メンバーが通常より少ないのがやはり残念。いろいろ観てくるとストレスを感ずる。

しかしながら、ストリップファンは誰しも、コロナでストリップがダメにならなくて本当に良かったと心底思っている。

 馴染みの踊り子さんが笑顔で迎えてくれることが心より嬉しい。「元気で会いに来てくれて本当にありがとうね」

 ちんぽ三兄弟は、遠征を含め、今はコロナ明けの挨拶回りをする毎日である。

 

                                   

2020年6月12日

ストリップ童話『ちんぽ三兄弟』

 

□第43章 コロナ対策に紆余曲折!の巻

 

 

 6月に入り、ようやくコロナ禍から解放され正常の経済に戻るかと期待されたが、緊急事態宣言解除後すぐに北九州市でのクラスター発生を始めとして一部地区では感染者が再び増加傾向に入り、東京都は6月2日には東京アラートが発令され再びコロナ感染の警戒を呼び掛ける事態になっている。

 しかし、一度動き始めた経済活動を戻すわけにはいかない。我々は緊急事態宣言解除時に示された今後のコロナ対策を前提にして走っていかなければならない。

余談になるが、今回のコロナに対する政治家の対応を振り返り、とくに顕著な働きをしているのが東京都の小池都知事と大阪府の吉村知事だった。この二人の政治家は率先して迅速で具体的な手を打ち、株を上げた。

 

 

 ストリップ界は、6月に入り、全劇場が再開に足並みを揃えた。

 しかし、コロナの惧れがなくなったわけではなく、観客数が激減している中、営業再開に踏み切っている。殆どの劇場は、入場時の検温や入場とポラ撮影時の消毒の徹底、ソーシャルデスタンスに基づき客席を離したり、ポラ撮影ではツーショット禁止や握手やハイタッチの接触禁止、等々のコロナ対応を採っている。観客数が減っていることもあり客席を減らすことでなんとか対応しているが、土日は密にならざるをえない状態である。もともと客をたくさん入れることが宿命の劇場なのだから大いなる矛盾をはらむ。

 TS系は踊り子を守ろうと独自の対応をとっている。

池袋ミカドはポラ撮影時に、劇場スタッフが客と踊り子の間に入り対応する方式。いつもの東洋に近い方式か。ポイントは客と踊り子との距離を1.5mほど取ること。いつものように客は盆前で撮影するが踊り子の位置は舞台の上と離れている。その間にスタッフが入り客からポラ代金徴収と手の消毒を実施、ポラ返却も踊り子からもらい客に配るという徹底ぶり。踊り子と客が接触しないよう、スタッフが客と踊り子の間を行ったり来たりする面倒なやり方である。エロポラOKなのでズームを使って大きく撮影しようとする客もいるが、手振れしてポラはなんとなくボケている。

大和ミュージックは、ポラ撮影時に客と踊り子の間にビニール簾を垂らす方式。これだとビニールが反射して変な光がポラに入ってしまう。この撮影は最悪である。殆どの客はビニール簾の下からカメラを差し入れて撮影しているようだ。スタッフは毎回ビニールの清掃が大変そう。これならミカドのように離れて撮った方がましな感じ。

また、シアター上野では、正面かぶり四席に座る人にフェイス・シールドをかぶせる方式。かぶった人の感想を聞くと、まるでガラス越しに観ている感じ、マスクやメガネの上にかぶると暑苦しい・息苦しい、汗が付くがきっと使い回ししているから不衛生だ、等々すこぶる評判がよくない。舞台前方の花道左右の席を座れないようにしているため座席数が少なくなり増々過密な状態になっている。苦労の跡は分かるものの、どれも評判が悪い。

 夜22時までに終演させるために三回公演している劇場も多い。そのため、会社帰りに劇場に寄ってもあまり見られなくなっている。これが観客数減に拍車をかけている。

 関西の劇場は四人香盤になっている。終演時間の関係の他に、客が減って経営が苦しいこともあるようだ。もともと五人香盤なので四人香盤は物足りない。六月いっぱいは四人香盤だが早く五人香盤に戻してほしい。

 また、感染者が多数発生した北九州では、小倉A級は外出禁止にしているようだ。外出している間に万一繁華街で感染しないようにとの予防策。これも外食ができず大変だ。

 そんなこんなから、遠征客が全国的に減っているようだ。ストリップ客が遠征をしないとなると、やはりストリップ界は盛り上がらない。

 ストリップ業界全体が、コロナ対策で紆余曲折している状態なのだろう。

 

 ちんぽ三兄弟も今までのように遠征しないようにしている。

 なんやかんやと劇場内の規制が多く閉口している。彼らはもともと息苦しいマスクが嫌いだった。こんな状態が暑い夏まで続いたら一体どうなるのかと心配している。

 しかし、ストリップ中毒の彼らはストリップ始動せざるをえず、コロナ明けの挨拶回りを兼ねて劇場を回っている。

 同じくコロナ明けした常連客とも挨拶を交わす。みなさん、コロナに負けずに元気にしている様子。

 物知りのおじいさんがひょっこり劇場に顔を出した。「わしも劇場が再開したと聞いて我慢できなくなった。正直、高齢で持病持ちにつきコロナが怖いので、もう少し外出を抑えたいところなのじゃがな。

 本当にコロナが収まるのは、1年か1年半ほど先にワクチンができるまで待つしかないだろう。今後はインフルエンザと同じような対処法になっていくのかなと思う。」

 そして、こう付け加えた。

「そういえば、最近のおまえたちは妖怪ブームと聞いている。

 妖怪というのは本来は神様や妖精が姿を変えて化けたものだ。だから、妖怪とは怖がるだけではなく上手なお付き合いをしなければならないものだ、とわしは考えている。

 それと全く同じように、コロナも妖怪みたいなもんじゃないのかな。怖がるばかりじゃなく、人間はコロナと上手に付き合っていくことを考えなければならない。

 最近、そんな風に思えてならんのじゃ。」

                                

2020年6月10日

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナ閑話休題

 

コロナ対策に対する各国の指導者に発言してもらおう。

 

中国の習近平国家主席:

「中国の武漢からコロナを発生させてしまったが、中国に悪気はありません。」

 

アメリカ合衆国のトランプ大統領:

「今回のコロナ対応について、世界保健機関(WHO)は『中国寄り』なので資金の拠出を打ち切ることにしたよ。」

 

フランスのマクロン大統領:

「私は率先してコロナ対策に取り組んできました。他の国は手ぬるいと思う。」

 

ドイツのメルケル首相:

「私は科学者なので、科学的対処を積極的に採ってきました。効果はあったと自負しています。」

 

イギリスのボリス・ジョンソン首相:

「私はコロナに罹って休んでいました。えっ、先進国の指導者としてそれでいいのかって!? 私は就任早々だし、これからはEUから離脱するのでかまわないでしょ!」

 

ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領

「ブラジルは感染より経済を優先します!」

 

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長:

「コロナの苦し紛れに、“南北融和の象徴”南北共同連絡事務所を爆破してやったわー!」

 

世界各国にはいろんな指導者がいるものです。自分勝手な人も多いねー。

さて、日本の指導者はどうでしょうか?

 

安倍晋三首相:

「私は国民ひとりひとりに‘アベノマスク’と10万円の‘特別定額給付金’の支給を行いました。この実績をもって私の政権支持をよろしくお願いします。

 この10万円を使って、是非ともストリップ劇場に行って下さい。入場時には‘アベノマスク’着用を忘れずに!」

 

小池百合子東京都知事:

「私は率先してコロナ対策に取り組んできました。私の頑張りと成果は認めて頂けたことと思います。次の再選でも支持をよろしくお願いします。」

 

吉村洋文大阪府知事:

「若い私の積極的な采配を見て頂けましたでしょうか。前任の橋下徹氏に負けないことを証明したつもりです。これで、橋下徹なき維新の会のリーダーは私しかいないことが分かってもらえたと思います。」 やっぱりイケメンは得ですなぁ~

 

日本ではこの三人以外の指導者の顔は見えませんでしたね。

 ところで、生活の隅々までに亘ってコロナ対策を説明されていましたが、ひとつ大切なことが抜け落ちていました。ソーシャルディスタンス(社会的距離)として三密を回避しましょう。その中で濃厚接触を避けるよう叫ばれていましたが、夫婦や恋人とのSEXはどうなのでしょうか?

 風俗業界はどのように対処していけばいいのでしょうか?

 ふつうに考えれば、キスなど粘膜接触はダメなんでしょうね。でも、夫婦や恋人など、どうしても我慢できないときはどうするか。

 この点も、できれば小池都知事あたりから一言説明があればいいですね。なにせ、小池都知事は政治家になる前に、風俗の代表格である「トルコ風呂」を現在の「ソープランド」に改名するのに尽力した方として有名ですからね。

 例えば小池都知事から「夫婦の性生活はできるだけ控えて下さい。それでも我慢できないときはバックポーズを推奨します!」と言って頂くとずいぶん楽になりますね。(笑)

 そこで小池さんは横文字が大好きですから。…パンデミック(世界的大流行)、クラスター(感染者集団)、オーバーシュート(爆発的患者急増)、ロックダウン(都市封鎖)…など数あるコロナ用語を駆使した上に、新たに東京アラート

なる新語を作ったわけですから、これもバックオーライ方針なんてどうかしら。(笑)

 合わせて「なお、独身男性については、ソープなどの濃厚接触する風俗は避け、接触のないストリップを推奨します!」と付け加えて頂くと助かりますなぁ~。

 

                                    おしまい