今回は、中条彩乃さん(ロック所属)について、H30年11月中の京都DX東寺での公演模様を、もうひとつの一周年作「中条サンバ」を題材に、「中条彩乃を骨まで愛したい」という題名で語りたい。

 

 

 今週のDX東寺は開館54年記念になる。そして毎年恒例で第51回金銀銅杯が開催。この金銀銅杯には各劇場の看板クラスが出演し、昔は本当に投票で金賞・銀賞・銅賞を決めていたと聞く。昨年のロックの代表は真白希美さんと小向美奈子さんで、今年は小宮山せりなさんと中条彩乃さんがロック代表となった。

 

 周年作「中条サンバ」は非常に盛り上がる演目である。

 今週の初日11/11は日曜日で関東から遠征客がたくさん来ていたので「中条サンバ」でステージが大いに盛り上がったと聞く。ところが、二日目から平日になると盛り上げてくれる客がいないので演じていないらしい。この演目は中条さん自身かなりこだわりがあって、お客さんがたくさん入っている時かつ盛り上げてくれる人(つまり「中条コール」の掛け声を出してくれる人)がいないと演じないことにしているようだ。私のように初見だと「中条コール」の掛け声を出せないので盛り上がらないもんね。演じる側の気持ちとしては当然だろう。

 そのため、周年作「トレジャーアイランド」は東寺に顔を出した最初の日11/14(水)から拝見できたが、もうひとつの周年作「中条サンバ」はその日に観れなかった。「この演目はすんごい盛り上がるけど、お客さん参加型だから、今日の場内だときついかも・・・(笑) 楽日までいるってことなので、盛り上がりそうな日に出そうと思うよ。お楽しみに!!」一体どんな演目か興味津々になる。

 運よく翌日11/15(木)の4回目ステージで拝見できた。既に初日に「中条サンバ」を観て盛り上げられる東洋常連客がたくさん来たからだ。私はその日三回目ステージで帰る予定だったが、急遽残って拝見することにした。「4回目、きっとご予定とか忙しい中やったやろうに、サンバ観てくれてて嬉しかったです。ありがとう!! 4回目とか、初見じゃない人がたくさんいると、あんな感じで盛り上がります。」

 その後、平日も夜になると多くの東洋常連客が来てくれたお陰もあり、平日の四回目ステージはずっと「中条サンバ」をやることになる。土曜日11/17日曜日11/18は2,4回目と二度やって盛り上げた。楽日前11/19と楽日11/20も客が多く土日と同じパターンにした。

 この演目のせいか、怒涛の十日間という感じだった。平日にはゆっくり過ごせるかと思い気やとんでもなかった(笑)。「ゆっくりできるかと思いきや、怒涛の・・・ってすごい共感しました。まぁ東寺だしな・・・ってなめてたとこもあります(笑)」

 

 まず、この演目「中条サンバ」で感じたことは、これだけ盛り上がるステージはなかなか無いということ。本当に素晴らしい演目をみおり舞さんに作ってもらったな!と感激した。

 今回の金銀銅杯を通じて、一番ポラを売ったのも中条さんだったし、一番盛り上がったのも中条さんであった。間違いなく金銀銅杯の金賞に値する。

 まさしく中条さんはこの一年でブレイクした。関西出身で、関西スト客に親しみをもたれ、今年は東洋4回、東寺2回と計6回も関西に来てくれたことで一気に顔馴染になり人気に火が付いた。しかも、関東からの遠征客がすごく多い。今や全国的に新人№1の人気と言って過言でない。

 先の観劇レポートで述べたように、私としては一年間応援してきて感無量である。

 

 

 さて前置きが長くなったが、さっそく周年作「中条サンバ」の内容をご紹介する。

最初に、おどろおどろしいイントロ曲に合わせ、黒いマントに頭から身を包んだ姿で現れる。手には中条彩乃の大きな写真を遺影のように慎ましく持っている。そう、これは葬式のシーンである。中条新聞№3に次のように解説されてあった。「冒頭の雰囲気で『えっ?』って思う人、多いだろうな・・(笑) この作品のモチーフは、メキシコのお祭り『死者の日』。本名が死んだ日って意味で、最初にお葬式をしてるんです。」

そして、すぐにマントを脱ぐ。下には、オレンジと黄色を交互に重ねたハイカラな衣装を着ている。肩出しで、胸から下を、きんきらと目に眩しい鮮やかな色彩のロングドレス。腰には金のベルト。首には銀のネックレス。頭は左右に編み込み。

金のハイヒールを履いて、ノリノリの音楽に合わせサンバを踊る。

音楽は「Brazil」という曲。 オリジナルは1939年、ブラジル出身のAry Barroso。

ARY BARROSO / アリ・バホーゾ。1903年11月7日~1964年2月9日 (60歳死没)、活動期間:1921年〜1960年。

音楽がBeth Carvalho の曲「Firme e Forte」に変わる。ベッチ・カルヴァーリョ(Bp:Elizabeth Santos Leal de Carvalho - エリザベッチ・サントス・レアウ・ヂ・カルヴァーリョ、1946年5月5日 -)は、ブラジル・リオデジャネイロ出身のサンバ歌手の1人。ベッチは富裕層出身の白人の女性でありながら、貧しい黒人のサンバを世に広めた人物として知られる。

ここで袖に入り衣装を着替える。なんとリオのカーニバル風に、頭にオレンジ・青・赤・黄色の大きな羽根を立てて現れる。上下セパレートの衣装。濃紺の羽根状の、ブラとミニスカート。中条さん自慢のヒップラインと脚線美が艶めかしい。最高にセクシー♡ 私はお尻好きなので、思わずこのお尻をお土産に持って帰りたいと思ったよ♡

お客はこの姿で完全に悩殺されている。恥ずかしさをかなぐり捨てて、大声で「中条コール」を始める。「中条コールは計12回。(笑) 喉つぶれない程度に叫んでください。」 私も最初観たときは唖然としたが、二回目からは我を忘れて中条コールしていたよ(笑)。

音楽がランバダに変わる。ランバダ(ランバーダ, Lambada)とは、南米から発祥し、1980年代後半に世界的に有名になったダンス及び音楽である。最高にノリノリになる♪

ここで頭の羽根を外して、軽快なリズムにのってサンバを踊る。

舞台の袖のところで、衣装を脱ぐ。黒いパンティのみとなって、大きなオレンジのマラボーを身体に巻き付ける。そのまま盆に移動しベッドショーへ。

ベッド曲は映画「リメンバー・ミー」の主題歌である。日本語で女性ボーカルが歌う。いい曲だし、日本語なので感情移入しやすい。

最後の立上り曲は「サンバ・デ・ジャネイロ(Samba de Janeiro)」で、ノリノリの音楽の中、次々とポーズを決めていく。

この曲はドイツのバンドグループ「Belini」の楽曲。1997年に発売されたBeliniのデビューシングル。ラテン系のノリノリのダンスミュージックでドイツ国内だけでも500万枚以上ものCDを売り上げた。ブラジルの旧首都「リオデジャネイロ」と名前が似ているが、「○○デ・ジャネイロ」がポルトガル語で「1月の○○」という意味なので、当楽曲を訳すと「1月のサンバ」という意味になる。ちなみにリオデジャネイロは「1月の川」という意味である。なお、サビはブラジルのパーカショニスト「Airto Moreira」が1973年に発売した「Fingers」というアルバムに入っている「Tombo in 7/4」という曲が元ネタ。日本ではサッカーや高校野球・プロ野球の応援歌で使用されることが多い。

 

いや~選曲がいいですねぇ~。聞き覚えのあるリズムなので大いに盛り上がるね。

まさしく中条新聞№3に記載されている通りの内容です。「マントを脱いでからのステージはもう見ての通り。私らしさ全開。本名としての私が死んで、中条彩乃としての私が生きて、一年が経った今、最高にハッピーだよって事をとにかく伝えたかった。楽しくて楽しくて仕方ないっていう気持ちを共有してもらえたら幸いです。構成、振付は、みおり舞姐さん。デビューのきっかけや今の気持ちを話したうえで、せっかく10結だし、ハロウィンっぽいこともしたいなとか、中条のいろんな要素を丸っと解決してくれました。周年作に相応しい演目です。」

私からのいろんな質問にも丁寧に答えてくれた。「サンバも、サンバの衣装絶対似合うから!ってゆってくれたり、中条コールも、全部舞姐さんのアイデアです。私のキャラを理解している。」中条ファンの私からも、みおり舞さんに感謝・感謝です。

 

私は教えてもらった選曲をひとつひとつネットで調べていく中で、この演目は映画「リメンバー・ミー」を観ないといけないな!と感じた。冒頭の部分に出てくる葬式の場面からも、メキシコのお祭り『死者の日』がモチーフであるとの解説を受けていたので、ネットで映画「リメンバー・ミー」の触りを知った瞬間に、映画に対する関心が強まった。そこで、観劇レポートを「トレジャーアイランド」のついでのように簡単に済ませる気にならなくなり「レポートは少し待ってほしい。次の栗橋のときに渡すね。」と話した。「リメンバー・ミー、観てからの方がいいかもです!! 栗橋楽しみにしてます。」との返事をもらう。

 

翌週すぐにTSUTAYAでレンタルして観てみた。

<『リメンバー・ミー』(原題:Coco)は、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作によるアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション・ファンタジー・アドベンチャー映画。全米で2017年11月22日、日本で2018年3月16日公開。キャッチコピーは「それは、時を超えて―家族をつなぐ、奇跡の歌。」。>

最後に涙が止まらなくなるほど感動した。感じることが多々あったが、それを前回の「トレジャーアイランド」観劇レポートのようにひとつひとつ解説するより、演目「中条サンバ」と絡めて童話(小説?)にしてみたいと感じた。長くなりそうだが取り組むことにした。

 

 

平成30年11月                             DX東寺にて

 

 

 

ストリップ小説『骨まで愛して -ディズニー映画「リメンバー・ミー」を観て-  

~中条彩乃さん(ロック所属)の一周年作「中条サンバ」を記念して~

 

 

この話は、ストリップを通じたある父と娘の物語です。中条彩乃さんの一周年作品「中条サンバ」のモチーフである「死者の日」を反映し、かつ周年作のベッド曲で使用された映画「リメンバー・ミー」の主題歌を踏まえ、実際に映画を観てのインスピレーションに基づいてフィクション化している。そもそも映画「リメンバー・ミー」が「死者の日」の物語である。主人公の名前を彩乃をもじりアヤカにし、中条彩乃として踊り子デビューしたという設定になっている。

ちなみに、いつもはストリップ童話と銘打っているが、文量がけっこう多く、内容も短編小説のようになっているので、今回はあえて‘ストリップ小説’とした。

 

 

Ⅰ. 主人公はアヤカという少女

 

アヤカは、晴れて今年の四月から東京の大学に入る。

アヤカは関西出身で、母子家庭だった。小さい頃に父はいたが、あることが原因で母と喧嘩して父は家を出ていってしまった。母は看護婦をしていたので生活力はあり、幼いアヤカのことを一生懸命に育ててくれた。アヤカが何不自由なく明るく元気に育ったのは母のお陰だ。母には心から感謝している。今でも母は関西で、大きな病院の現役バリバリの婦長として働いている。

父はアヤカがものごころ付く前に家を出ていったので、父のことはもうほとんど忘れてしまった。家には父の写真もないから顔も分からない。ただ小さい時に、いつも抱きしめてくれていた父の温もりだけは記憶に残っていた。

 

 

Ⅱ. アヤカの父

 

 アヤカの父は作家であった。

 大学時代から童話や小説を懸賞に投稿していて何度か表彰されたことがあった。これでやっていけると思ったのか、そのまま作家になった。しかし、その手応えも彼の思い込みであったのか、作品は全く売れず、生活は苦しかった。ずっと貧乏だったので、とても嫁さんなんてもらえないと鼻から結婚を諦めていた。

 でも成人男性として普通に性欲はあったので、お金のかからないストリップにたまに通うといった程度だった。

 ある日、彼は喫茶店で小説の原稿を書いていた。そこに若い女性が入ってきて、彼の物書きしている姿に目をとめた。彼はふつうに男前だった。髪は少しぼさぼさだったが、眼鏡もしていないし、少し痩せ型のすらりとした長身。優しい顔つきだったが、原稿用紙に向かっている目つきは精悍な印象を与えた。

 彼女はビビッと来た。彼はけっこう年上だったが、母子家庭に育った彼女は父親の雰囲気を醸している彼の容貌に強く惹かれた。そして彼女の方から彼に声をかけた。彼の方はというと「こんな若くてキレイな女の子から声を掛けられるなんて夢のようだ」と彼女に一目惚れする有様。

 それから二人の交際が始まり、めでたく結婚する。若い二人にはお金がなかったので結婚式は挙げず、六畳と四畳半という質素なアパートで新婚生活を始めた。彼女の方は大きな病院に勤めていたので生活はなんとかやりくりできた。売れない作家である父はまるで彼女のヒモみたいな感じであった。母は夜勤もやっていて家を留守にしている時間が長かったので、父が家にいて執筆活動をしていた。父は気晴らしに外に出かけたが、若い頃からのストリップ通いがやめられず、たびたび劇場に出入りしていた。母は父の趣味であるストリップ通いを知っていたが、惚れた弱みもあってか見て見ぬふりをしていた。

 結婚して一年もしないうちにアヤカが妊娠した。父は子供ができたことをたいそう喜んで、大きなお腹の妻の面倒をみて、また産後も赤ん坊のアヤカの世話を自分から積極的に行った。今でいうイクメンかな。とてもいい父親であった。

 ところが、アヤカが三歳になって公立の保育園に預けられるようになってから、またストリップの虫が疼きだした。母が病院で働いていて、アヤカを預けると、時間を縫うように劇場に通い出した。

 父はストリップに通うために小さな嘘をついた。「今日は雑誌の編集長と付き合いがあるから遅くなる」等々。小さな嘘でも繰り返しているうちに、嘘はやっぱりバレちゃう。些細な嘘とはいえ、次第に母は父の嘘が許せなくなった。

「ストリップは浮気じゃないよー。単なる遊びだよ。気休めに過ぎないから~」と何度も父は母に説明した。しかし、母は既に堪忍袋の緒が切れていた。「もう二度とストリップに行かないと誓いなさい!そうしたら許してあげる!」

 しかし、その約束もすぐに破られた。「黙って出ていって!」母にそう言われて、父は泣く泣く家を出ていくことになる。

 その後、母によって、家の中にあったストリップに関わるものは一切燃やされ、父に関する写真や思い出の品までも全て捨てられることになる。そして父の記憶はぷっつりと途切れた。母の顔色を見ればとても父のことを聞ける感じでなかったし、母の前でストリップなんて言葉は絶対に禁句だった。

 

 

Ⅲ. アヤカ、スト女になる

 

 アヤカは大学生活を謳歌していた。

 ある日、コンパで飲みに行ったとき、男女数人でストリップ劇場に流れた。面白半分、酔った勢いで男性陣の後に付いて入っていった。

 まぶしいスポットライトがステージを照らし、大きな音楽が鳴り響いていた。まさに光と音の世界に、煌びやかな衣装を着た綺麗な女性が登場して音楽に合わせ舞い踊った。アヤカは本当にキレイだと思った。「なんてステキな世界なの・・・」

 ショーアップされたステージはアヤカの心を捉えた。そして踊り子が衣装を脱ぐ。男性たちの視線が刺すように鋭い。スポットライトとは別の視線シャワーを浴びながら、女性の裸体がまるで若鮎がはじけるようにうごめいた。男性客はじーっと視線を集中している。踊り子は感極まる。踊り子が決めるポーズに合わせて、大きな拍手が鳴り響く。場内は興奮のるつぼと化していた。

「お父さんが憧れていた世界とは、こんなステキなところだったのね・・・」

 

 アヤカの他にも一緒についてきた女性たちが同じ感想を抱いた。それ以来、その女性グループは今でいう‘スト女’になっていった。

 今や、ストリップは男性だけのものではない。今どきの女の子は、飲み屋、パチンコ、競馬場など、今まではおじさんの聖域であった場所に次々と進出していた。ついにストリップもそうなったわけだ。

ストリップは女の子が好きになる要素に満ち溢れていたと云えそう。楽しい音楽やダンスや衣装がある。踊り子は宝塚のスターみたいに憧れの対象になる。彼女たちには踊り子が追いかけたいカリスマ的存在になる。このようにストリップには、かわいいもの、美しいもの、光るもの、楽しいこと、そうした女性が本能的に好きなものが詰め込まれているのだ。ただエロスだけが抵抗がある。しかし、男性と同じく女性だって本質的にエロスが好きなはず。恥ずかしさや抵抗感を取っ払ってしまえば、そこは天国と化した。アヤカはその世界に強く興味を惹かれ憧れた。そしてスト女として通い始めたのだった。女性グループで行くことも多かったが、一人で行くことも増えていった。

 劇場はほとんどが男性客。しかし男性の中に入っていく抵抗感は殆どなかった。というのは、ストリップに嵌る男性というのは、中身はスケベであるものの、結局は女性に相手をされない気弱で可哀そうな男性ばかり。そう、牙のない狼たち。場内を見渡しても、最近はギラギラした若者は少なく、ほとんどが高齢者の集いのような感じであった。場内で他の男性客と接すると、みなさん紳士で女性客にとても優しかった。ある意味、こんな居心地のいい場所もそうそうない。

 

 いつしか、アヤカは卒業を考える時期に来ていた。卒業後の就職をどうするか?

 アヤカはスト女常連として通っていた劇場の扉をノックした。劇場経営者は諸手を挙げてアヤカのストリップ・デビューを歓迎した。

 ダンス経験は全くなかったが、若い頃に陸上で鍛えた肢体が自慢であった。案の定、アヤカのヌードはビーナスのような輝きを放った。元踊り子の先生にダンス指導してもらう。そしてデビュー作を作ってもらい、面接から二週間後に早くもデビューを迎えた。

 劇場側は、若いアヤカを華々しく売り出した。最初は、小鹿のように足を震わしていたが、次第に持って生まれたダンスセンスと舞台度胸の良さ、そして可愛い笑顔でお客の心を掴むようになっていく。なによりも彼女の強みは、気さくで明るい性格にあった。周りのお姐さんにも好かれ、当然のように固定客がどんどん増えていった。

 

 

Ⅳ. 父との運命的な再会

 

 アヤカは関東でデビューした。芸名を中条彩乃とした。

 関東の劇場をひととおり回った後、地方の劇場にも出演することになる。関西出身だったので、関西の劇場からオファーがあったとき最初は親バレとかマズイかなと思った。しかし、ストリップに無縁な母にばれることもないと思い、出演を承諾した。

 

 その関西の劇場でアヤカはある男性と運命的な出会いをする。

 彼はその劇場の常連客でリボンを投げていた。白髪で初老の男性だった。しかし長身で清潔感あふれるロマンスグレイなタイプ。年齢は60歳前後かな。第一印象としては、すてきなおじさまだと思った。

 彼はリボンさんなのでいつも劇場の壁際に立っていた。場内の後方か横の壁際でタンバリンを叩いているか、舞台前方からリボンを投げるか、どちらかだ。だから席に座って観劇する人ではなかった。朝早くからかぶり席でギラギラした目つきで眺めている客とは全く違う。なんか遠くから優しい眼差しで見守ってくれているような印象を受けた。

 彼もアヤカのことを気に入ったみたいで、ポラを撮ってくれて、すぐに「よかったら君のリボンになっていいかな?」と声を掛けてきた。アヤカは「こちらこそ、よろしくお願いします」と丁寧に頭を下げた。

 二人はすぐに意気投合する。

 彼はアヤカが関西の劇場に来るときは毎日のようにやってきてリボンを投げてくれた。広島や小倉にも遠征してくれた。

 彼はストリップ歴が長いこともあり、ストリップのことをよく知っていて、いつも適切なアドバイスをくれた。またストリップのマナーもよく、踊り子とファンの間の適切な距離感というものをしっかり身につけていた。客の中にはよく連絡先を教えろ!と迫ってくる人もいるが、彼は一切そんなことはしなかった。

 

 ちなみに彼はいつも手紙を書いてくれた。ストリップというのは意外にも踊り子とは会話がほとんど出来ない。基本はステージを観るだけなのだ。今はポラがあるのでポラタイムで挨拶程度に話すことはできる。しかし長い会話は無理。そのため彼は手紙で踊り子とコミュニケーションを図った。彼は、どの踊り子を応援するかを手紙の反応を見てから自分との相性を判断していた。まあ彼はもともと作家なので筆まめは当然であったわけだ。

  アヤカは彼の手紙が大好きだった。自分の演目を適切に文章で表現し、時にアドバイスをくれる。それ以外にも沢山のストリップの知識を教えてくれる。アヤカは彼の文書構成力、そしてワードチョイスが素晴らしいと思った。いつもその中に‘踊り子を元気にさせる魔法の言葉’がある。彼が創作した沢山のストリップ童話も読み、どれも面白くて感動した。そこには‘ストリップを愛する心’があった。

 

 そうそう、彼のことをみんながサワティと呼んでいた。なんでそう呼ばれているのかは知らなかった。このストリップの世界ではみんなが本名を名乗らないのが常識。お互いの素性を知らない。ある意味、ストリップはカオナシの世界であった。

 アヤカは彼との片言の会話の中で、彼が作家であり、またバツイチであることを知った。「いつも私のところに通ってくれてありがとう。お仕事やプライベートでも忙しいでしょうに。奥さんに恨まれないかしら・・・」と話したときに「ボクには家族がないんだ。昔はあったんだけどね。娘も一人いた。」とこぼしたことがある。

 そのときから、アヤカの身体の中で血が騒いだ。

「もしかして、この人は私のお父さんじゃないかしら!? ・・・」

 

 

Ⅴ. ストリップは見守る愛

 

 初めて広島の劇場に出演することになったある日のこと。

 遠征してリボンを投げてくれたサワティが、「広島は広島焼きというお好み焼きが美味しいので、よかったら近くのお店でご馳走しようか?」と誘ってくれた。彼と食事するのは初めてだった。私はふたつ返事でOKした。

 焼きそばの入ったお好み焼きである広島焼きは有名だが、他の焼き物も全て美味しかった。お魚入りのガンスというのが特にビールに適っていた。お酒が進んだ。

 アヤカは頃合いをみて尋ねた。「サワティは昔家族がいたって言っていたよね。今でも会いたいとは思わないの?」

「ボクはストリップが好きで家族を捨てたんだ。今更のこのこ戻れないし、ストリップ通いをやめれない。」

「どうしてストリップがそんなに好きになったの?」とアヤカは聞いた。

「ボクの性格に適っているのかな。一般の恋愛というのは相手を独占しようとする。しかしストリップは全く違う。相手を独占しようとして、おれが!おれが!というリボンや客もいるけど、そういうのは自然と淘汰される。ストリップは好きな踊り子をみんなで見守る愛なんだ。ふつうの愛とは全く違うけど、それもひとつの愛の形なんだ。

 ふつうの恋愛はSEXを伴うよね。妻を愛し、子供を産む。それも立派な愛の表現だ。

 しかし、ボクはもっとプラトニックな恋愛が好きなんだ。昔の文豪の中には、遠くに離れている恋人との文通の中に真の愛があったと述べている。相手に触れない愛もある。ストリップにはそういう愛があるんだな。

 ストリップは触れられない愛だと言ったけど、ボクはこんな風に感ずることがある。大好きな踊り子さんがベッドショーを演じている。するとボクの魂は‘見えない手’となって大好きな踊り子さんを優しく抱きしめるんだ。そんなとき、ボクの魂と踊り子さんの魂は一体になれるんだ。心のSEXとでもいえるかな。」

「作家らしいサワティの答えね。とてもステキだと思うわ。」とアヤカは頷いた。

「でもね、家族を捨ててしまって、家族には本当に申し訳ないことをしたと思っているんだ。もう後悔してもどうしようもないけどね。ボクはこの業を一生背負って生きていかなければならないと思っている。

 ボクはストリップが単に好きだという他に、ストリップを通じて書きたいことがたくさんあったんだ。ボクは文章を通じた表現者だった。だから、それを檻の中に閉じ込めることはできなかった。自分の想像の翼を伸ばすためには自由が必要だった。かっこよく言えば、世界中の読者にボクが書いた話を届けるために家族の元から羽ばたいたんだ。まぁ・・・今のところ全く売れないけどね。(笑)」彼は苦笑いをした。

「私もダンスを通しての表現者だから、サワティの気持ちはなんとなく分かる気がする。」とアヤカは共感した表情(かお)をした。

「これからもリボンとして応援させてほしい。」とサワティはアヤカに向って言った。アヤカは黙って頷いた。

 アヤカは確信した。(この人は間違いなく私のお父さんだわ。)

 

 

Ⅵ, 一周年を迎えて

 

 時が経つのは早いものである。デビューからもうすぐ一年が経とうとしていた。

 アヤカは一周年作の準備に取り掛かっていた。踊りの先生と相談して今回はサンバに挑戦することにした。先生には、自分が踊り子になった経緯、いま踊り子になって思っている心境を丁寧に話した。その上で、先生は今のアヤカによく似合う演目を準備してくれた。

 演目名は「中条サンバ」とし、サンバを中心とした選曲で、盛り上がりにはリオのカーニバルの衣装で踊り、観客から「中条コール」の掛け声を出してもらうようにアドバイスした。また「絶対にサンバの衣装が似合うからね」という先生の言葉通り、自慢のプロポーションが映えた。最高のヒップラインと脚線美に客は萌え萌え。お陰でステージは異様に盛り上がることになった。

 

 この演目の中には隠し味があった。それは映画「リメンバー・ミー」。ベッド曲では映画の主題歌を使った。感情移入しやすいように日本語の歌詞にした。そして、一番のポイントは冒頭の部分にあった。

 最初に、おどろおどろしい音楽の中で、黒いマント姿で登場。しかも中条彩乃の遺影を手に持って掲げている。これはメキシコのお祭り「死者の日」であった。

 アヤカは、この一年間の踊り子経験の中で、過去の自分を捨て去り、今の‘中条彩乃’こそが‘ほんとうの自分’であることを表現したかった。ストリップで家族を捨てたお父さんと同じ気持ちであることを暗に示していた。

 

 アヤカはリボンさんであるサワティに、事前勉強として周年作「中条サンバ」の内容を話す。この作品はメキシコの祭り「死者の日」をモチーフにしていること、そしてベッド曲に映画「リメンバー・ミー」の主題歌を使用していることを説明し、是非とも映画「リメンバー・ミー」を事前に観てほしいとお願いした。

 サワティはすぐにビデオをレンタルして映画を観た。

 そして、翌日早めに劇場に行って、アヤカと周年作におけるリボンのタイミングについて打ち合わせた。リボンさんと言えども、なかなか踊り子と話す機会はなく、今回は特別に時間を割いてもらった。リボンの話になる前に、サワティは昨日観た映画について感想を話し始めた。

「映画『リメンバー・ミー』を昨日レンタルして観たよ。すごく面白かったし、最後は恥ずかしながら涙が止まらなかったよ。いっぱい感動したので、話したいこともいっぱいあるんだ。

 音楽をやりたくて家族を捨てた、主人公のひいひいおじいさんにあたるヘクターに自分を重ねてしまい、完全に感情移入しちゃった。作中で、主人公ミゲルが『なぜ家族を捨てたの?』と尋ねる。その質問に対して、ヘクターと一緒に音楽をやっていたデラクルスの言葉にじーんときたよ。『おれは生まれながらの芸術家だから、運命に逆らうことなんてできない。家族には収まらなかったんだ。いわば世界がおれの家族なんだよ。』世界中のみんなに自分の音楽を届けたいという使命感が伝わってくる。これが表現者(アーティスト)の心意気なんだな。ひいひいおじいさんと同じく音楽の血を引いているミゲルは、その気持ちがよく分かったと思う。」

 ここまで聞いていたアヤカは心の中で思った。「お父さんの気持ちは今になって私もよく分かるわ。ストリップ好きになって、お父さんの遺伝子が私の中にあるのを感じるもの。」

 

 

Ⅶ. 骨まで愛して

 

 サワティは話を続けた。

「彩乃さんが話していた『死者の日』のことがよく分かったよ。死者の魂を慰めるという点では日本のお盆によく通じるけど、さすがメキシコは雰囲気が全く違う。すごくカラフルでポップな感じ。派手な飾り付けに、陽気な音楽。とにかく明るい。中南米は気候的な面もあるだろうし、抑圧された長い歴史も影響していると感じたね。

 しかも、さすがディズニーだね。その死者の日をこれだけファンタジックに描けるのだからね。

 なにより、ガイコツの表情が豊かでビックリしたよ。一見ガイコツなんてみんな同じ顔に見えるようなもんだけど、一人一人の表情が違うように描かれている。生前が美人なら美人に見えちゃう。人間が人前で表す表情(かお)や外見は、かなりの部分を骨が担っていることを改めて感じたよ。映画では、ガイコツの中にある目玉のコミカルな動きがまた良かったねー。最高の演出だよ。」

 話がガイコツに言及して、サワティは最近観たというNHKスペシャル番組「人体」について話し出した。数話にわたる人体の特集であるが、その中で骨に関する話がある。骨といえば、単に体を支える棒っきれだと思いがち。ところが、骨の中にはたくさんの細胞がうごめき、なんと体全体の“臓器を若くする”ための「特別な物質」を出していることが、最新の研究でわかってきた。骨は単なる棒っきれではなく、活動的に動く体を、メッセージ物質によって応援してくれている、そんな仕組みを備えた立派な臓器だと言う。そのメッセージ物質を「スクレロスチン」と呼ぶようだけど、医学専門的な話はこれ以上は言及しないね。

よく、老人が年老いて骨折すると途端に動けなくなり死期が近づく。まさしく、若さを保つコツにある。

サワティがいつも若々しくいるのはストリップのお陰だと言う。若い女性の裸体を見て興奮することほど男性にとっての老化防止はないだろう。ストリップによって骨からたくさんの若さを保つメッセージ物質が出ているんだ。きっと魂というのは骨のメッセージ物質に通じている。

思うに、人は死んだら魂になって死後の世界に行くという思想は世界共通だけど、日本と中南米では、その魂の表現方法が違う感じ。日本では一般的には人は死んだら身体を失って人魂になる。時に生きた人間の恰好で幽霊になることもある。ところが中南米ではそれがガイコツで表現される。つまり、魂とガイコツは同義なんだね。サワティがいつも「ストリップで魂を重ねたい」と言っているのは骨に通じているんだ。

サワティは最後に、アヤカに「君のことを‘骨まで愛したい’」と言った。アヤカはその言葉に骨までしびれた。

 

アヤカは改めて自分にはステキなお父さんがいると思った。いつの日か、ストリップ嫌いの母にストリップの魅力を理解してもらい、お父さんのことを許してもらいたい。そのために私が力を尽くす。踊り子を経験した私なら必ずできるはず。私がもう一度すてきな家族の絆を取り戻すんだ。

その日がいつになるか分からない。私が踊り子を引退する日かもしれない。

それまではお父さんがリボンさんとして私の側にいてくれる。・・・

 

いつもサワティが言っている「大好きな踊り子に魂を重ねたい」という気持ちを受け止めつつ、中条彩乃は今日もステージに立っている。

 

                                   おしまい

 

 

 

今回は、中条彩乃さん(ロック所属)について、H30年11月中の京都DX東寺での公演模様を、一周年作「トレジャーアイランド」を題材に語りたい。周年作は二つあるが、長くなるので、もうひとつの作品「中条サンバ」は別レポートにさせてもらう。

 

 

H30年11月14日(水)に京都DX東寺に顔を出す。そのままずっと残留中(笑)。今週は中条weekにするつもり。

今週の香盤は次の通り。①望月きらら(晃生)、②左野しおん(道後ミュージック)、③中条彩乃(ロック)、④浅葱アゲハ(フリー)、⑤小宮山せりな(ロック)〔敬称略〕。

 

今年5月中以来、二度目のDX東寺出演になる。また大阪東洋には既に今年四回出演している。関西のストリップファンにとって中条彩乃は既にお馴染みの踊り子となっている。新人でこれだけの頻度をこなしたのはまさに異例中の異例。それだけ関西のストファンに受けたということ。関西出身という親しみやすさもあったろうが、なにより彼女の明るく気さくな人柄が関西ストファンの心を掴んだということだろう。

そのことは一周年記念の葉書にある「心から感謝を込めて」という文章によく表れている。自筆でとても丁寧に書かれている。彼女の文章、その言葉がストレートに心に届いてくる。それは、これまでの中条彩乃が我々ファンに対して接してきたそのままである。なぜ彼女がこれだけ人気が出たか、よく分かる。

 

先月10月中の横浜ロックで一周年を迎えている。翌週に新宿ニューアートで、今回のDX東寺で三連投になる。疲れていることだろうが、今は乗りに乗っている感がある。「周年週は横浜で、その後ニューアートで、今。東寺の広さに戸惑いながらも、照明のキレイさに感動しつつ踊っています。」

驚いたのが、周年作が二つ、さらにデビュー作がリメイクされていること。「周年作は二つと、デビュー作はリメイクで出しています。そして好評だった『蝶と花』も持ってきて、毎日ランダムに四つ出しています。」「さっきのはデビュー作。衣装を全部変えていて、振り付けもちょこちょこ変えてて、まだちょっとしっくりきてないけど・・・大切にしてる演目なので、もっともっと進化するよ!」

まさしく、意欲満々。一周年で、これだけ成長した踊り子はなかなかいないだろう。ファンの後押しも凄い。

デビュー翌週のDX歌舞伎で初めて出会い、私を夢中にさせた踊り子の、まさに一周年の晴れ姿である。初めて出会ったときは「この子は踊り子の仕事を続けられるだろうか。応援してくれるファンがつくだろうか。」と心配したが、そんな懸念を吹き飛ばすようなこの一年間の快進撃であった。私としては応援した甲斐があったというか、まさしくファン冥利に尽きる気がしている。

彩乃さんの人柄や魅力は、我々お客に受けただけでなく、周りのお姐さん方にも好印象を与えているようだ。演目の振付をしてくれている、現ロックの女王ともいえるMIKAさんに「この子は将来のストリップ界を担っていく資質を持っている」と言わしめていたし、バレエの超スーパーダンサー・みおり舞さんが今回の周年作二つも提供してくれたことに私自身も驚き、かつ感激している。

 

この状況を一年前に想像できただろうか。普通の女の子であったのに、ストリップデビューを契機にしてシンデレラストーリーを駆け上がってきた感がある。「(本人曰く)デラカブで震えていたとき」が嘘のように堂々とした踊り子に成長してきている。

それは、もちろん本人の努力の賜物であると同時に、周りのお姐さんとお客さんの後押しという幸運に恵まれた成果でもある。その点は、彼女からの感謝の気持ちがよく伝わる。

そして、今回の周年作でとても意欲的な挑戦をしている。特に、演目「中条サンバ」の冒頭部分が印象的。中条新聞№3によると、「冒頭の雰囲気で『えっ?』って思う人、多いだろうな・・(笑) この作品のモチーフは、メキシコのお祭り『死者の日』。本名が死んだ日って意味で、最初にお葬式をしてるんです。」「本名としての私が死んで、中条彩乃としての私が生きて、一年が経った今、最高にハッピーだよって事をとにかく伝えたかった。」本名である昔の自分を捨て去り、今は中条彩乃という踊り子として生きていきたい、と明言している。

 

 

さて、まずは演目の内容を私なりに紹介しよう。

鳥の鳴き声や獣の吠える声など、ジャングルの中にいるような音色が聞こえてくる。「SE」(サウンド・エフェクトの略。音響効果の意。一般に、映画やテレビなどの画像に合わせて付加する効果音や短い音楽のこと)が多用されている。

少女がモスグリーンの探検着を着て、遺跡を探している。半袖、襟付きのワンピース服でネクタイをしている。スカートは短い。帽子をかぶる。水筒を小脇に抱える。黒いブーツを履く。小粋な探検着である。

首から大きなエメラルドのネックレスをしている。どうも、そのペアのネックレスの入った宝箱を探している模様。

音楽がショーン・メンデス(Shawn Mendes)の歌う「アンダー・プレッシャー (Under Pressure)」になる。軽快な音楽に合わせ踊る。この曲は、元々イギリスのロック・バンドであるクイーンと、イギリスのミュージシャンであるデヴィッド・ボウイの共作による大ヒット楽曲。これをカナダトロント出身の新進のシンガーソングライター、ファッションモデルである、ショーン・メンデス(Shawn Mendes、1998年8月8日 – 現在20歳)がカバーしている。

少女はピッケルを持ってせっせと穴を掘っている。目的のものはなかなか見つからない。汗をぬぐい、水筒を取り出すも、もう水は入っていない。

疲れて途方に暮れているところに、一匹の蝶が現れ、少女を誘う。蝶の導くままについていくと緑の葉に埋もれた宝箱が見つかった。蓋を開けると中から探していたペアのネックレスが出てきた。

そこで一旦、暗転。

そのジャングルに住んでいる、黄色の上下セパレートの民族衣装を着た女性が現れる。

肩には宝石の付いている肩掛けを首の周りに巻く。胸の周りの布。両腕に布を巻く。黄色の腰巻の上に薄い金色の飾り布を巻く。頭にも黄色の髪飾りで、青い紐がフリンジしている。

女性の胸には、ペアのペンダントが二つぶら下がっている。中条さんの解説によると、女性はその一つを想い人に渡したかったようだが、それは叶わなかった。

音楽が、宇多田ヒカルの「FINAL DISTANCE(ファイナル・ディスタンス)」になる。2001年7月25日にリリースされた、宇多田ヒカルの8枚目のシングル。作詞作曲: 宇多田ヒカル。

バラード調のメロディに合わせて、彼女の切ない想いを舞い踊り、そのまま、ベッドショーに移る。

ここで一旦、暗転。

映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』のサントラ音楽が流れる。未知の世界に入ったことを醸すにはいい選曲だね。

宝箱にうつ伏せて眠っていた少女が目を覚ます。民族衣装の女性のことは夢の中の話だったことに気づく。少女は、その女性の切ない想いを汲んで、取り出したペンダントを元の宝箱に返し、ジャングルを立ち去る。

 

以上の内容である。

一回観ただけですーっと内容が理解できたわけではなかったが、中条さんが云うように「トレジャーアイランドは、二回以上見ると、ストーリーが分かってくる人が多いみたいで、もう一回観たいと思わせたい演目です。」

 手紙とポラコメでのやり取りと中条新聞№3で段々内容が分かってきた。三回観たらほぼストーリーは理解できた。 

「脚本、構成、振付、そして選曲もみおり舞姐さんです。舞姐さんが実際に、発掘氏の方と出逢ったときに思いついた物語だとおっしゃっていました。」 

「ベッドの振付は私で、おそらく感情移入しやすいように、日本語曲を入れてくれたのだと思います。夢の中での彼女が、何を想っていたのか・・・正解は特に無くて、観た人の感じたままでいいと思っています。」

 

 以下に、本作を観た私の感想をいろいろ書き綴ってみたい。

 

■自分探しの旅

 

私には、今回の周年作二つのテーマは‘新しい自分探し’ではないかと感じられた。

彩乃さん自身も言っているように、デビュー前の自分と踊り子になった今の自分とは隔世の感があり、ある意味「周年作はどちらも過去との決別」であり「本名捨てて、戻るつもりもなく、中条として生きていきます」との決意表明。そして、今回の周年作が、これまでの路線を超えた、ストーリーものへの挑戦であり、サンバという踊りへの挑戦である。そのためにも、「死者の日」が示すように、今までの自分を壊し(心理学で言われる「親殺し」に近い一種の「自分殺し」)、新たな自分を発見していく‘自分探しの旅’を示唆しているように感じられた。

演目名「トレジャーアイランド」は宝島という意味である。今回はペアである片方のペンダントを探す冒険譚ではあるが、それはもう一人の別の自分を探す旅を意味する。ストリップのステージという新たな舞台を見つけたからには、今までの(本名の)自分は捨て去ることになるわけだ。

 

私はペンダントの数の推移が気になった。

中条新聞№3によると、「とある少女Aが主人公。彼女Aは、自分の持っているネックレスのペアを探しているようだ。ある日彼女Aは、きれいな蝶々に誘われて宝箱を見つける。」その中に探していたネックレスのペアを見つける。そのまま持ち帰るのかと思い気や、彼女Aはそのペンダントを元の宝物の中に戻して、去っていく。なぜか。彼女Aはその場で夢をみた。夢の中に、一人の女性Bが出てきた。彩乃さんの説明によると「夢の中でみた女性Bは過去の人。女性Bは2つのネックレスのうち、ひとつを渡したい相手がいたけれど叶わず、宝箱にしまう。現在、少女Aが遺跡を探し宝箱を見つける。けど大事な想いを感じて、取らずに、しまってあげる。」ということらしい。だから、夢の中の女性Bは最初に二つのペアのペンダントを持っていて、それを想い人に渡したかったけど渡せず、その渡せなかったペンダントを宝箱にしまう。元々彼女Bが持っていたペンダントは巡り巡って、とある少女Aの元へいった、という時系列の流れになる。彼女Aは、夢を見ることでそんな女性Bの気持ちが分かり、せっかく見つけたペアのペンダントではあるが取らずに元の宝箱に戻すことにする。

ふと、少女Aとしては、自分の持っているペンダントも合わせて宝箱に入れて、完全なるペアにしてあげるという選択肢もあったのではないかと思えた。本当にBのことを考えたら、その方が、女性Bとその想い人は一緒になれるからね。(元々ペンダントが三個あって、宝箱に二個入っていたとしたら別ですが)

 

だから、今回の演目が‘自分探しの旅’であるならば、(中条さんが踊り子という新しい自分を発見できたんだから)、私はラストシーンで全てのペンダントを置き去る方がしっくりすると感じた。私としては、今までの自分に一切のこだわりを残さないためにも、ペンダントのような物欲には目もくれないとしたかったところ。女の子は光りものが好きなので持っていたものを失うのは嫌なのかも。まぁ、そのへんは男と女とでは発想が違うかな(笑)。

 

■本当の自分とは

 

今回の話の中に、蝶が目的のペンダントの在り処に導き、それを発見した途端に夢に陥るところを観て、私は「胡蝶の夢」という有名な中国の故事を思い浮かべた。有名な話なので知っていると思うが・・・夢の中で胡蝶(蝶のこと)としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、という説話である。

中条さんは今の踊り子の自分は夢のような気分なのかもしれない。本名の自分は別にいる。一体どちらが本当の自分か、分からなくなる。

これからは中条彩乃という踊り子として生きていくと決意表明したわけだが、本当の自分はどちらなのかは判断が難しいのかもしれない。

 

ふと、ペンダントって魂かなと思った。女性Bは想い人とペンダントを揃えることで魂を重ね合いたかった。本名の自分、踊り子の自分、どちらの自分を選ぶかは、自分の魂をどちらに重ねたいのか、ということではないのかと。

 

■宇多田ヒカルの曲「FINAL DISTANCE」について

 

 私は、本作品を理解するとっかかりとして最初に、夢の中で女性が現れたときに使用されている宇多田ヒカルの曲「FINAL DISTANCE」にこだわった。ネットで調べて、次の事実が分かった。

< 2001年にリリースされた「FINAL DISTANCE」は、宇多田ヒカルがある少女に贈った曲なんです。その事件とは、「池田小児童殺傷事件」であり、その事件の被害者で、宇多田ヒカルのファンである、女の子に捧げられた曲なんです。実際に最初の曲「DISTANCE」をレコーディングしてる最中に事件が起こり、被害者が宇多田ヒカルのファンだという事を、父(宇多田照實)から聞いたことがきっかけとなり、急遽、距離の意味を表す「DISTANCE」に、究極・最後などの意味を表す「FINAL」を付けた「FINAL DISTANCE」をリリースした。もとの曲「DISTANCE」はテンポのいいメロディだったのを、曲調もわざとバラード調に、変えて歌っている。

附属池田小事件は、2001年(平成13年)6月8日に大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で発生した小学生無差別殺傷事件である。 本事件の犯人は宅間 守(たくま まもる)死刑囚である。> 「Yahoo!知恵袋」より抜粋

 

元々の曲「DISTANCE」を聴いてみた。とてもいい曲である。こちらの方が好きという人もたくさんいる。

歌詞の中には、DISTANCE=距離について意味深なフレーズがたくさん並んでいる。「二人でdistance 縮めて」「ひとつにはなれない」「いつの日かdistanceも抱きしめられるようになれるよ」など・・

驚いたことに「FINAL DISTANCE」も歌詞は全く同じである。ヒカルとしては池田小事件を知った時に歌詞を変える選択肢もあっただろうに、歌詞を変えずにメロディだけ変えた。そして全く別の雰囲気の曲にしている。

この「FINAL DISTANCE」を聴いているだけで二時間ドラマを観ている気分になってくる。宇多田ヒカルは歌手界のトップと言われている事がよく分かる気がしてきた。

 

池田小事件そのものはヒカルとは全く関係ない事件である。なのに、殺された少女が自分のファンであったことを知り、やるせなくてたまらなくなったのだろう。少女には普通の人生があったはずなのに、なんの罪もないのに運悪く宅間犯人から命を奪われた。たまたまそこに居合わせただけで、なぜ彼女は死ななければいけなかったのか。ヒカルはいたたまれない気持ちに襲われたことだろう。

その死んだ少女が自分と関わる人ととらえた瞬間に、その少女の存在に自分の魂を重ねたのである。一瞬にしてDISTANCE=距離はなくなった。

宇多田ヒカルのいう「FINAL DISTANCE」とは何を意味するのか? DISTANCEというのは人との距離を意味する。今の自分と昔の自分に一体どれだけの距離があるのだろう。ましてや、自分と他人との距離はどうか。

この曲は、今の自分ではない別の自分、また自分と関わっている全ての人に対して、魂を重ねることで、自分と同じ気持ちで接したいという想いが込められているように思えてならない。

 

今の自分はたまたまここにいる。しかし、別の自分はここじゃないところに生きているのかもしれない。その別の自分からペンダントを奪うことはできない。自分には今あるペンダントで満足しなければならない。別の自分の分まで奪うことはできない。だから、元の場所に返した。

 この点に関して、中条さんから次のコメントをもらう。

私は『FINAL DISTANCE』の曲の中で、『もう会えない人』をイメージしています。池田小事件のこともそうだし、ネックレスは渡したい人に渡せなかった。だから二つ持ってベッドして、一つは大事なキモチとともに箱にしまう・・そんなキモチです。 

大枠のストーリーはもちろん舞姐さんが決めているけど、そこらへんの感情とかは、細かく指定されなかったんです。私の考えるままに、と。  

最後夢オチで終わる・・そこにゾクッとしたキモチを持っていきたくて。まだまだ表現が難しいけれど、短編映画のようなステキな感動をお届けできたらと思います。」

 

■踊り子との「FINAL DISTANCE」について

 

 私は以前からストリップ・エッセイの中で「踊り子と客は適度の距離感を持たなければならない」と持論のごとく繰り返してきた。踊り子と長く仲良くしていくためには適度な距離感が要るのである。踊り子にあまりのめりこむとろくなことはない。適度な距離感をもって応援し続けるのが長くストリップを愉しめるコツなのである。

 

 ストリップは触れてはいけない。だから目で愛する。ストリップは究極‘見守る愛’という、ひとつの愛の形なのである。

私の踊り子に対する愛し方は、時にステージを観ながら、‘見えない手’になってベッドの上の彼女の身体を抱きしめる。彼女の上に魂を重ねていくのである。

そして、もうひとつがステージを通して感じた踊り子の気持ち=真意を少しでも汲み取っていく作業をする。それが観劇レポートに繋がっていく。これも実は、大好きな踊り子さんの魂に自分の魂を重ねていく同化作業なのかもしれないな。言葉は言霊(ことだま)というからね。

ステージを味わうとは、踊り子さんとのDISTANCE=距離を縮め、魂を同化させ一体化する作業なのである。

 

一方で、中条さんは、本名の自分を捨て去り、踊り子である中条彩乃を本当の自分であると認識しようとする。

私の魂は、おそらくは本名の女の子を好きになったのにもかかわらず、目の前にいる中条彩乃という踊り子を愛そうとする。ときには本当の中条彩乃はどこにいるのか混乱しながらも必死で追いかける。そしてステージを観ては一生懸命に魂を同化しようと試みる。それが私のストリップなのである。

しかし、ある日、突然に大好きな踊り子が目の前から消える。私の魂は悲しく彷徨う。でも、それがストリップなのである。そうした空蝉の世界と分かっていながら、限られた時空間の中で精一杯大好きな踊り子を応援するのがストリップなのである。

 

ストリップが好きだから出会えた。ちょっと時代が違っていたら会えなかった。

でも、こうして出会えた。気に入って応援する。すごい‘縁’である。

先ほどの宇多田ヒカルの「FINAL DISTANCE」におけるヒカルと池田小のファンの少女と同じく、全くの他人が自分と繋がったわけだ。

魂を重ねたい・・・

ストリップという縁を通して出会った踊り子とファンは、適度に距離を保ちながらも、DISTANCE=距離を縮め、魂という深い世界で時空間を愉しんでいきたい。

私は京都にいながら、そんな思索を巡らしていた。

 

 

平成30年11月                             DX東寺にて

 

 

 

 

 

【中条彩乃さんからのお返事】

(1回目ポラ)

レポートありがとうなのです!! すごい感動したぁ・・。

感想については、明日までに渡せるようにするつもり!! お返事も書きたい。

ひとまず、ひとつだけ訂正。トレジャーのラストシーン、発掘氏の少女が宝箱に入れたネックレスは二つ。ペアにしてしまってます!!  

ごめんなさい。私間違って説明したかも。

 

(2回目ポラ)

レポ、演目内容もそうだけど、2週目デラカブから観てもらってる太郎さんに、一年間のこと書いてもらって嬉しかった。

 

(お手紙)

連日DX東寺での観劇、そしてトレジャーアイランドのレポートを本当にありがとうです。そして、お疲れ様です。(笑) たしかに長かったー!!(笑) でも読み応えありました!!

やっぱり私は、太郎さんの文章の構成とか、ワードチョイスが好きだなぁと改めて実感。

内容はないよーなんて言ってたけど(笑) 全然そんなことなくて、私にとっての宝物がまた一つ増えました!!

周年作をつくるにあたって、本当に色々と悩んだんです。まず、一年続けてこれた喜び、支えてもらった感謝、新しいことへの挑戦、多くのことを表現したくて。みおり舞姐さんは、すごく親身になって相談を受けてくれました。どうしてストリップを始めたのか、なぜ今も続けてるのか、これからどうしていきたいのか・・・そういったことを全部やろうと思ったら、作品が一つに収まらなくて(笑) それで二つ頑張ってみました。

周年週の横浜は、本当に過酷だったー。毎朝7時からスタジオ行って・・夜もレッスンしたり、飲みに行ったり(笑) でも、そのお陰で、自分でも納得のいく周年作になったと思ってます。デビューして一年間で、演目四つ。そして周年作二つと、デビュー作のリメイク。まだまだやりたいこと、使いたい曲、衣装、動き、ポーズ、増えていく一方です。この東寺が終わって、オフになったらまた新作作るよー!!

なんとか頑張って、栗橋に間に合わせたいところ。太郎さん、レポ大変だよー(笑) しっかりついてきて下さい!!♡

2019年はめでたく浅草から始まるので・・・年内ラストの栗橋で、思いっきり楽しもうと思ってます。あ、もちろん東寺の楽日もぬかりなく!!

 

「中条サンバ」のレポートは、太郎さんの言う通り、映画「リメンバーミー」を観てからの方がいいかもです!!

次の栗橋でお会いできるのを楽しみにしてます。

 

 

 

 

【一周年の挨拶状】

心から感謝を込めて

新宿ニューアートにて、ストリップデビューをしてから早1年。中条は一周年を迎えました。

デビュー週の私は、知らない世界が恐ろしくて、ステージは砂浜のように不安定で、手も足も震えて、息の仕方も忘れるくらいに苦しくて、立ってることが精一杯でした。

一年が経った今。

やっぱりこわいし、震えるし、苦しいけど、それでも楽しいんです。

そう思えるようになったのは、デビュー日から今日この日まで、暖かく見守り、支え、励まして下さった皆様がいたからです、今、これを読んでいる貴方のおかげなんです。

本当に、本当に、ありがとうございます。

踊り子、と呼ばれるにはまたまだ踊れぬ子ですが・・・“立ってることが精一杯”だった私の、“今の精一杯”を、日々更新しながらお見せしていけるよう努めます。

いつまでも応援したくなる、と思わせられるような私になります。今後とも、引き続き中条を宜しくお願い致します。

 

【中条新聞№3】

周年作①中条サンバ

冒頭の雰囲気で「えっ?」って思う人、多いだろうな・・(笑)

この作品のモチーフは、メキシコのお祭り「死者の日」。本名が死んだ日って意味で、最初にお葬式をしてるんです。マントを脱いでからのステージはもう見ての通り。私らしさ全開。本名としての私が死んで、中条彩乃としての私が生きて、一年が経った今、最高にハッピーだよって事をとにかく伝えたかった。楽しくて楽しくて仕方ないっていう気持ちを共有してもらえたら幸いです。中条コールは計12回。(笑) 喉つぶれない程度に叫んでください。構成、振付は、みおり舞姐さん。デビューのきっかけや今の気持ちを話したうえで、せっかく10結だし、ハロウィンっぽいこともしたいなとか、中条のいろんな要素を丸っと解決してくれました。周年作に相応しい演目です。

 

周年作②トレジャーアイランド

初のストーリー演目。内容を簡単に説明します。・・・とある少女が主人公。彼女は、自分の持っているネックレスのペアを探しているようだ。ある日彼女は、きれいな蝶々に誘われて宝箱を見つける。・・・夢の中の女性は何を思っていたのか、夢から醒めた彼女は何を考えたのか? そこは皆さんの想像力と私の演技力で結末を感じてほしいです。脚本、構成、振付、全てみおり舞姐さんです。衣装も全部オーダーのこだわりっぷり。この演目をやってみて思ったことは「舞姐さんすげぇ。」です。いやまじで。演目に助けられてる。今はまだ、私がおまけの存在。でも、私の表情、仕草、一つ一つでもっと完成度を上げていきます。これもまた、新しい挑戦。

 

今回は、中条彩乃さん(ロック所属)について、H30年8月結のライブシアター栗橋公演の模様を、新作「雨と太陽」を題材に、「夏のビーナス」という題名で語ります。

 

H30年8月25日(土)、ライブシアター栗橋に顔を出す。

大阪から夜行バスで来たが運よく台風20号の影響を受けずに東京に来られた。台風が来て一雨降る毎に秋に近づいていくものだが、当日はまた真夏の猛暑に逆戻りしたかのような暑さに見舞われた。劇場前に並んでいるだけで倒れてしまいそうだ。

そういえば、渚あおいさんが行きつけの栗橋駅前のコンビニが潰れていてショックを受けた話をしていたが、私も定宿にしていたマン喫の快活クラブが潰れていてショックを受けた。この辺は人口が流動的なのか店舗の改廃が激しいなぁ~。

さて、今週の香盤は次の通り。①永瀬ゆら(栗橋)、②愛子(フリー)、③渚あおい(東洋)、④中条彩乃(ロック)、⑤雪見ほのか(ロック)〔敬称略〕。中条彩乃さんと愛子さんが初乗り。

 

当日1,2回目ステージは先日の小倉で拝見したばかりの演目「私と今 -2018-」をやっていたので今週はこれ一個出しかなと思っていたら3回目に新作を披露。いきなりで驚いた。

いかにも真夏にピッタリの水着の演目で、しかも今日は真夏日に逆戻りしたので丁度いいタイミング。前作「私と今 -2018-」も上下セパレートな衣装もあり少しは夏っぽくもあるが、完全に夏にヒットした水着の演目が持ち駒として欲しいところだなぁと正直感じていたので私も嬉しかった。そうしたら、今回の新作は既に小倉の中盤に初披露していたもの。小倉の時に、別の新作があるような話をGさんがしていたので漸く合点がいく。

 

さっそく内容を紹介する。

最初は、静かな音楽に合わせ、白い布にうずくまるようにして始まる。音楽は彩乃さんが大好きなAimer(エメ)の「Ref:rain」(Aimerの14枚目のシングル。2018年1月より放送のフジテレビ “ノイタミナ”「恋は雨上がりのように」のタイアップがきっかけで、製作された。)

この場面は、演目名を「雨と太陽」にしたことに繋がっている。歌の歌詞を味わうと分かる。彩乃さんの解説「最初は寝てるとこから始まるんです。起きて外を見たら虹がかかっていて、ウキウキする様子です。」「楽しみのある夏の予定に『雨降らなければいいな』と思う気持ちや、夏休みのウキウキワクワク、そしてドキドキ。雨が降ってもそれすら思い出だったり。」

突然、さっと白い布をはだけて、真夏のハワイアン風の衣装で現れる。髪は白いピン止めで後ろにひとつ結び。黒いブラジャーの上に、首からたくさんの花飾りを垂らす。赤・青・黄色・緑と鮮やかな色彩だ。長いスカートは鮮やかなオレンジ色。

音楽が、ディズニーのスティッチで流れてくるDisney Island Music「Aloha,E Komo Mai(アロハ・エ・コモ・マイ)」(歌は平井 大)に変わる。

 ノリノリの音楽に合わせて、フラダンスも交え、裸足で陽気に踊る。

 ここで一旦、暗転。

 黒いビキニ水着に着替えて、ハート型の大きなオレンジの浮き輪の中から登場。紐パンでTバックというセクシーさ全開。白と黄色の横縞のタオルを振り回したり、身体を拭いたり、首にかけてかっこよくポーズを決める。

 彩乃さんのストリッパーとしての最大のセールスポイントは抜群のスタイルの良さである。陸上で鍛えた手足の美しさは他の女性には出せない。カモシカのような脚線美なのでヒップラインが艶めかしい。形のいいバストもステキ。全身がまるでビーナスのように美しい。見ていてうっとりする♡ ストリップファンとして元気を与えてくれるヌードが嬉しい。彩乃さんが踊り子デビューしてくれたことを心から感謝する。

三曲目はclassの『夏の日の1993』。歌詞が心に沁み込んでくる。「まるで別人のプロポーション、ああ~水際のAngel・・・」

一転、しっとりした音楽に変わる。桑田佳祐のインスト曲「TSUNAMI (ウクレレver.)」

ウクレレの音色が美しい。

 全裸になって、最初の場面にあった白い布をバスタオルのように身体に巻く。

 そのまま盆へ移動。

 ベッド曲はTHE YELLOW MONKEYの「太陽が燃えている」。いい曲を使っているね。

「太陽が燃えている」は、1995年9月30日に発売されたTHE YELLOW MONKEY8枚目のシングル。発売元は日本コロムビア・トライアドレーベル。この曲で自身初となるシングルTOP10入りとなり、ブレイクを果たした。ファンからの人気も高く、解散後の2004年に行われたORICON STYLEの人気投票では第3位となった。THE YELLOW MONKEY(ザ・イエロー・モンキー、略称:イエモン)は、日本のロックバンド。1988年に結成し、1992年5月21日に「Romantist Taste」でメジャーデビュー。2001年1月8日に活動停止を発表後、2004年7月7日をもって解散。その後、2016年1月8日に再結成された。

 彩乃さんからのコメント「(今回は)裸ベッドに挑戦がしたかった。」まさしく裸で勝負!ベッドでポージングを次々と決めていく。

 アクセサリーを目で追う。手の指がピンクのマニキュアか。

 いや、その前に、彩乃さんのお顔の化粧が変わったことに気付く。目元、眉毛のあたりがくっきりしている。アイラインを変えたのかな? すごく綺麗になった。「化粧は目元・・・色を黄色にしたり、眉毛の色を変えたり、実は髪色を暗くしたので、それに合わせたんです。」との彩乃さんのコメント。

 改めて、ひとつひとつのボーズがとても綺麗だと感ずる。振付というのは動作の流れでもあるけれど、やはりひとつひとつの美しいポーズで構成されている。前回のレポートの時に話してくれたように、今できる精一杯の美しさを表現するというMIKAイズムがしっかりと浸透しているね。この気持ちさえあれば、全ての作品が美しく輝く。

「振付はアロハの曲のみ仙葉由季姐さんです。あとは自分で。ハートの浮き輪の案は仙葉姐さんのヒントをもらいました。」との彩乃さんからのコメント。

 ステキな演目をありがとう。「暑くて熱い夏を、劇場の中で感じてもらえたらと思います。」暑さを跳ね飛ばす元気をもらえたよ。ほんと栗橋に応援に来た甲斐があったよ。

 

平成30年8月                        ライブシアター栗橋にて

 

 

【中条彩乃さんからの手紙】

 

レポート読みました!!

改めて、太郎さんの視点や解釈に感動させられています。ありがとうございます。 

1曲目AimerのRef:rainが使われているアニメ「恋は雨上がりのように」は、陸上部の女の子が怪我をして部活を辞めて、放課後に始めたバイト先の店長と恋に落ちる物語なんです。この店長がおじさんなんですけど、新しいトキメキを感じたり、夢をあきらめず追ってみたり・・・主人公の女の子が陸上部だったこともあって、私とストリップになんとなく重ねて観てました。この一曲で、「あ、夏の演目やろう」って思ったんです。(笑) 今回は難しい振りとかはなくて、本当に「夏」を場内で再現したかったのが一番ですが、やっぱり「雨」がポイントかな。さっきのアニメの主人公。怪我をしたところが、雨の日に痛むんです。その時、「走れないツラさ」を思い出すのはもちろんですが、「走れていた時の楽しさ」も同時に思い出すんですよね。そして、「また走りたい」って気持ちに変わるんです。雨ってなんとなく憂鬱だったりするものですが、環境に良かったり、いい思い出もあったり、悪い思い出も懐かしかったり。そうゆうのがステキだなって思います。

ステージでこだわっているのは、TSUNAMIの最後、「思い出はいつの日も雨」のところで、身体に白いスーツを巻いて、テルテル坊主になっているんです。(笑) 気付く人少ないと思うけど、そこがポイントなんです。

夏の曲ばかりだけど、立上り曲は夏の曲じゃなくて、太陽の曲なんです。日はおちて、また上がる。季節はめぐる。雨だけじゃなくて、風の日も雪の日も、君の心に、私の心に太陽はある。そんな歌詞です。

思い入れや選曲にいて裏話を話すと長くなって、こんな感じですが、一番は単純に、本当に、みんなでタオル回して、盛り上がろう!!ってのがテーマなので、純粋に楽しんでもらえたら最高です!!

 

 

今回は、中条彩乃さん(ロック所属)について、H30年8月頭の小倉A級での模様を、演目「私と今 -2018-」を題材に、「等身大の私」という題名で語りたい。

 

 

H30年8月頭の小倉A級に初日から三日間遠征した。彩乃さんとは前回の6月中の東洋以来一カ月半ぶり。前回の東洋では前半四日間しか観劇できなかったので後半から出した新作を残念ながら観れなかった。そのため今回の小倉行きは6月中の東洋の時に決めていた。「小倉、大変じゃなければ、都合がよければいらして下さい。初乗りでドキドキハラハラなので、太郎さんがいたらいいな。新作の思い入れとか早くお話したくて仕方ない。東洋初日に間に合わなかったの悔しい。」と彩乃さんと話していた。予定通りの遠征である。

今週の香盤は次の通り。①左野しおん(道後ミュージック)、②夕樹(天板)、③寿恋花(晃生)、④瀬能優(ロック)、⑤中条彩乃(ロック)〔敬称略〕。瀬能優さんとも久しぶりなので嬉しい。

小倉は私が会社生活をスタートさせたところ。35年も前になる。当時はストリップに嵌っていなかったが、小倉A級劇場には月に1~2度行っていた。すぐ近くに他の劇場もあったのに、今や小倉A級が九州唯一の劇場だもんね。ストリップファンとしては情けない限りである。絶対に残ってほしい劇場である。

 

それにしても、今年の夏は気が狂うほどの暑さだ。日本国中が報道上「命にかかわる」という枕詞がつくほどの猛暑に見舞われている。

 そのうえ、7月に入り西日本は梅雨による集中豪雨(平成30年7月豪雨)で200人を越える死者の出る大きな被害を受けており、更に今回の台風12号の迷走で交通機関が乱れていた。運よく台風12号が通過した後だったので予定通り小倉に移動することができた。

 大阪をWILLER高速バスで前日深夜22時40分に出発した。小倉行きのJR高速バスがなかったので初めてWILLER高速バスを利用した。大阪駅からWILLER大阪梅田バスターミナルへの経路がけっこう分かりづらく時間がかかった。

 早朝6時半頃、小倉駅新幹線口に到着。快晴。大阪に比べれば暑さが幾分弱い気がしたものの、やっぱりこの時期はどこに行っても暑いね(笑)。

 すぐにA級劇場のある小倉駅の反対側に移動する。目印の小倉祇園太鼓像が無くなっている(小倉駅南口二階だった。どうも私は思い込みが激しいね(失礼!))。駅前の風景が少し変わっているようだ。懐かしい商店街。小倉A級はすぐに見つけた。従業員らしき人が看板のところに居て新聞をとってシャッターを閉めた。場所取り用の新聞紙を置いてからマンガ喫茶に移動した。まずはシャワーを浴びて汗を流したかった。マンガ喫茶で踊り子さんに渡す手紙等の準備をする。

 11時半の開場に合わせて少し早めに劇場に戻る。初日とはいえ平日だし、暑いので客は誰もいない。15分ほど前になって漸く常連さんが一人来た。kさんという小倉A級の主のような方だった。親切に小倉A級のことを説明してくれた。私が重い荷物をもっていたので二階へ運搬までしてくれた。「私は半分従業員みたいなもんですから」と気さくにしてくれて朝からすごくいい気分になれた。

 開場して、一階の受付で入場料を支払い、らせん状の階段を上がり二階へ。扉を開けて場内へ。冷房されていて気持ちがいい。

 小倉A級は随分久しぶりなため、盆の位置など劇場内の構造まで全く忘れていた。ステージの高さが随分低いという記憶があったが実際はそうでもなかった。35年も前とは云えステージ周りを改造しているはずもなく私の記憶違いも甚だしいところ。どこに座ればいいかも分からず、Kさんが「この辺がいいですよ」とかぶりのいい席を勧めてくれたほど。(笑)

 開演は午後1時から。一公演が約三時間。外出も一時間程度はOK。従業員の応対もよく、居心地はいい。

 初めての劇場みたいなもんだから、仕組みやルールが気になる。ポラは1枚1000円。一回目ポラ時のみパンツポラ。おそらく警察のガサ入れ対応か(一回目に踏み込まれた場合に備えるため)。

独特なのは毎回フィナーレ時にアトラクションゲームがある。要は踊り子さんとの野球拳。ジャンケンで客五人が選ばれ、各人が踊り子五人と三回ジャンケン。一番勝った人に劇場無料招待券、二番目はドリンク券、3~5番は入場割引券がもらえるシステム。私は初日にドリンク券、そして二日目になんと無料招待券をGET。ラッキー☆

 

 さて、彩乃さんの初乗りの状況を話そう。

 前日から前乗りしていた様子。初日からトラブル発生。なんと荷物が届いていない模様。先ほども話したように西日本地区は宅配便の遅延が起こっているニュースは聞いてたが、実際に彩乃さんに災難が降りかかってしまった。これは大変。一回目ステージの音源も間に合わせで作ったとのこと。音楽を聴いていて、私もいつもと違うのに気づいたほど。初日一回目ポラには「荷物が届かないハプニングもあり・・・今日は「蝶と花」の一個出しになりますが、明日からMIKA姐さん振付の新作です!!」。二回目ポラでは「無事に荷物きました・・。あぁとても焦った・・。初日に間に合いはしなかったけど、届いてくれただけで安心です。」。初日は楽しみにしていた新作を観損ねてしまったが、それどころではなかったね。こういうハプニングは仕方ないね。

 新作以外にも変化あり。二日目一回目ポラ時に「中条新聞」が初披露。№1「自己紹介編」と№2「浅草ロック座SOB2nd編」の二枚。初日に浅草の生写真五枚が同封されていたので、文章と写真が揃って浅草公演の様子がよく分かってとても嬉しかった。写真のピンクの髪の毛のDRAG QUEEN役にはビックリしたよ☆ 中条新聞は彩乃ファンには凄く嬉しい企画だね。最初に頂けて嬉しい限りです♪

 

 さて、お待ちかねの新作「私と今 -2018-」の内容紹介です。

 最初に、照明が点いたら、後ろ向きで登場。長い振袖が付いた着物姿かと思い気や、下はミニスカートになっている。ずいぶん斬新な衣装だね。黒地をベースにして白やピンクで花柄が描かれている。ミニスカートから長い脚が伸び、ピンク地にキラキラした銀色の模様の入ったハイヒールを履いている。とてもインパクトのある衣装!

 音楽はBUNP OF CHICKEN の「Saling day」。

 髪は後ろにひとつ結びして、軽快に踊る。

 二曲目が坂本真綾の「マジックナンバー」に変わり、着替える。上下セパレートの衣装だ。半袖で襟付きのブラ状上着とミニスカート。ピンク地で、よく見ると小さな動物の絵が無数の斑点のように描かれている。 髪型と足元は先ほどと同じ。真っ赤なハートのクッションを持ち客席に投げたりして踊る。

 ここで一旦暗転し、着替える。今度も、上下セパレートの衣装である。斜めにカッティングされており片方のみ黒い肩紐で吊るしたピンクのブラ状上着。下半身はピンクのパンツ。上下共に、たくさんの色彩の斑点とフレンジが垂れている。髪型と足元は同じ。

 音楽は、米津玄師の「ピースサイン」。デビュー作に引き続きお気に入りの米津玄師の曲を使ってきた。アイドル系の新人は男性曲を入れないという不問律があるらしいが、そんなのはお構いなしに渋い男性曲を使ってくるのが彩乃流ステージの大きなポイントである。それがとてもマッチしているよ。かっこよく踊れてる。

 しかも、彩乃さんの体型の良さがよく出ているね。陸上で鍛えたすらりとした長い脚線美と引き締まったウエストは惚れ惚れするね♡

 次に、音楽がAimer(エメ)の「六等星の夜」に変わる。

袖のところで衣装を脱いで、着替える。前上がり後ろ下がりのスカートを履き、その上にマントのように布を羽織る。どちらもオレンジのような明るい色彩。髪も解いて流す。

 ハイヒールを履いたままベッドショーへ。

 盆の近くに来たのでアクセサリーを目で追う。指先にピンクのマニキュア。足元はハイヒールの隙間からブルーのマニキュアがのぞく。

 立上りもAimerの曲「ONE」。

 二作品目「蝶と花」で使用したAimer(エメ)の代表作をまた使用してきたことにAimer(エメ)への強い思い入れを感じたよ。

Aimer(エメ)は、日本の女性歌手。プロフィール非公開。所属レーベルはSME Records、所属事務所はagehasprings。アーティスト名は、自身の長年の愛称である「エメ」に由来し、フランス語で「愛する」「好む」を意味する動詞である。

 

 

 まだ一回しか本作品を拝見していないのだが、最初に拝見した瞬間、とても夏らしく、明るく元気いっぱいの作品だとの第一印象を受けた。水着ではなかったけど、上下セパレートの衣装がぴちぴちしていて眩しい。初々しい彩乃さんの持ち味をMIKAさんが上手に引き出してくれている感じを覚えた。我々おじさんにとっては、この暑い夏を乗り越えるには若々しい彩乃さんの元気とパワーが(鰻以上に)効果があるもんね。素直にそう感じた。

 ところが、後から演目名が「私と今 -2018-」であること、そして「タイトルは自分で付けました。できないことも多くて、でもできないことばかりに目を向けずに、今の自分が一番きれいに見える最大限の踊りを。MIKA姐さんが教えてくれたことです。挑戦は続けるし、できないことは少ないにこしたことないけど、それ以上に、今できることを精一杯。」との手紙を受け取り、見る目が変わった。こりゃ、単純ではないな!!!

 選曲と歌詞を味わってみる。一曲目のBUNP OF CHICKEN の「Saling day」。初めて聴いた。「ONE PIECE」の歌なんだ。ハイテンポな曲だが、意味深な言葉が並んでいる。「精一杯 存在の証明」というフレーズが心に残る。このバンド、いいねぇ~他の曲もいい。また素敵なバンドを紹介してもらって嬉しくなったよ。

二曲目の「マジックナンバー」も初めて聴いた。アニメの曲だね。「めいっぱい傷ついて/せいいっぱい走って/何十回転んで/泣いて/それでもまだ/あきれるくらい/明日を信じて」 ここでも精一杯のフレーズが出てくるね。

米津玄師の「ピースサイン」もアニメ「僕のヒーローアカデミア」の歌。「遠くへ行け遠くへ行けと僕の中で誰かが歌う」ヒーローになるための元気が出る歌だね。

そして、Aimer(エメ)の「六等星の夜」はしんみりと、「ONE」は元気いっぱいに、勇気を与えてくれる。

 

 まだ一年目、そして三作目としては、夏を前にして夏らしい作品にしたいと普通は思うだろう。新人のうちはどうしても持ち駒を増やしたい気持ちが先走るもの。しかし彩乃さんの場合は少し違うような気がする。ひとつひとつの作品を作り上げていくのに自分の成長を入れたい。そんな彩乃さんの思い入れを強く感じる。

 彩乃さんとお手紙のやり取りをする中で、私が文章に織り込もうとした真理みたいなものを凄く敏感に感じ取ってくれる。書き手としては凄く嬉しいこと。感性の豊かさ、それが彩乃さんの最大の魅力でもある。しかもそれが真面目さとペアになっている。いいものを感じとって、それを自分にも身に付けたいと強く思う。そう、それが成長の鍵である。何も感じなければ成長なんてないもんね。で、頑張ろうとする。その意欲が素晴らしい。しかし、何事もそう簡単には身に付かない。中条新聞の№2「浅草ロック座SOB2nd編」でも、ゆきなさんと一緒に頑張った苦労話が載っているね。どんな動きや振付にも基礎的な筋力みたいなものがあって、そう簡単にできるものではない。ゆきなさんができたのに自分ができないもどかしさを感じたり。そして今できないものはステージには表せない。つまり等身大の自分しかステージには出せないんだね。「2018年現在、今の私がステージで表現できる精一杯です」というタイトルなのだと感じた。

 MIKAさんが教えているように、今は「今の自分が一番きれいに見える最大限の踊りを」すればいいんだ!

 彩乃さんは賢いから分かっていると思う。ひとつひとつが全て勉強になることを。

 物事には身体で覚えることと頭で覚えることがある。全てのことが無駄ではない。私の文章からもたくさん学んでほしい。失敗も努力も、全てが目標となる夢に繋がっている。

 踊り子の成長は、我々応援しているファンの喜びであり希望である。「私と今 -2018-」をしっかり観て受け止めてあげたい。今の彩乃さんを愛したい。そして私も彩乃さんのステージから元気をもらい、彩乃さんと一緒に成長したいと強く思う。

 

 

平成30年8月                            小倉A級にて

 

 

 

 

【中条彩乃さんからのお返事】

一回目

ポラ裏(昨日一度しか新作をお見せできなかったので、レポートは次回かなと思っていたのに、早々に持ってきてくれ、しかも私の少ない言葉でここまで読み取ってくれて、本当に涙が出ました。ありがとう。) 

手紙(昨日のたった一回でここまでたくさん書いてくれると思ってなかったし、私の気持ちをしっかり読んでくれて、そのうえで、今の彩乃さんを愛す、と受け入れてくれたことが嬉しくて、とても感動しました。本当にありがとうございます。   

MIKA姐さんの振付のこと、私の想い、もっと話したいことがあるので、三回目までにお手紙を改めて書きます。三回目の「私と今」を観てから、また読んでもらえたらいいなと思います。(レポートを三回くらい読み込んでたら返事書く暇なかった(笑))

 

二回目

ポラ裏(小倉遠征、初日から三日間本当にありがとうございました!! 高速バスを使ったことや、久しぶりに訪れたことを知って、ありがたさや嬉しさでいっぱいです。栗橋でも会えるんですね!! 楽しみ) 

手紙(新作についてのレポート、本当にありがとうございました。新作への想いをお話させてもらいますね。一作目はアン・ルイス、二作目はブルーハーツを使っていて、ダンスの苦手な私でも、世代の方が楽しめるような選曲をしていました。つまり、曲の力を借りてたんです。けど三作目は‘自分’を観てほしくて、今の私を感じてほしくて、そんな気持ちを歌った曲を選びました。ステージに立った時、少しだけ孤独を感じるんです。でも歌詞に勇気づけられて、支えられて、私が私と向き合ってる、そんな気分です。

私は今まで、仙葉由季姐さん、MIKA姐さんしか振りを付けてもらったことがないですが、由季姐さんはスタジオで曲をかけて、動きながら振りを固めてく・・・という感じ。それに対して、MIKA姐さんはスタジオでレッスンするまでに、きっちり振りを決めてきて下さります。そして、実際に一緒にやってみて、私ができないところの振りを変更してく・・・という感じ。新作の初出しが東洋だったこともあり、広いバージョンと、ふつうバージョンの二つを用意して下さりました。本当はそこらへんの手直しやアレンジは、自分でしなきゃいけないので、MIKA姐さんには頭が上がりません。姐さんは、前にも書いたように「今の自分を最大限にきれいに見せる」これを大事にしていて、お尻や手足の長さが映える振付をして下さったように思います。ただ本当に、苦手な動きもあって、MIKA姐さんにたくさん踊りやすいように振りを変えてもらいました。悔しくて悔しくて、姐さんが帰ったあとスタジオで一人泣いたり・・・これは内緒です(笑) しかもレッスンも、東洋の前の週の横浜にいるときに、終演後スタジオに行ってやってました。遅い時間にわざわざ来て下さった姐さんにも大感謝です。横浜中に振り写し、東洋前半で練習して、中日に出せた・・って感じです。MIKA姐さんの踊りは本当に素敵で、魅了するってこのことだろうなと感じます。私も、こうなりたい、と思ったからこそ、自分の出来なさに心が折れました。  

MIKA姐さんに振付をお願いするとき、私「踊りたい」って言ったんです。だから1~3曲目たくさん踊る内容になっていて。でも、私の「踊りたい」って、「踊れるようになりたい」だったんだなって痛感しています。まだまだ壁にぶつかりまくっている三作目ですが、最大限にきれいな私をお見せできるよう努めていきます。是非歌詞とダンスと私に注目して、今後も応援してもらえたらと思います。   

ちなみに全曲大好きですが、やっぱり一番は立上りの「ONE」。

―誰かが決めた君の‘君らしさ’なんてー 

ーふりだしから踏み出す一歩は前よりもずっと強いー 

―叶えたい夢失くさないで輝けるその日までー  

私の想いを抱きしめて、大切に踊りたいと思います。 

いそいで書いたので字が少し雑になってしまいましたが・・・帰りの時間潰しになればと思います。 )

 

 

 今回は、ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、H30年4月中の大阪東洋ショー公演模様を、新作「蝶と花」を題材に語ります。

 

 

H30年4月中の大阪東洋ショー劇場に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①松本なな(東洋)、②青山ゆい(東洋)、③中条彩乃(ロック)、④あすかみみ(ロック)、⑤徳永しおり(ロック) 〔敬称略〕。

 

 中条彩乃さんとは前回の1月中の東洋以来、三カ月ぶりになる。このくらいのタイミングで東洋にのってくれると嬉しいな。「お久しぶりです。東洋ショー劇場での生活も六日が過ぎ、太郎さんに会えないまま終わってしまうかと思っていました。今回もお会いできて良かったです。」顔を出すのが遅れて申し訳ありません。

 

 今回は新作をもってくるだろうと期待していました。それを含めて、三カ月ぶりの変化を感じましたので、最初にそれを述べさせてもらいます。

 ひとつは、たった三カ月で‘ストリッパーの顔’になっていたこと。劇的な驚きでした。別人ではないかと見間違えるほどに綺麗になっていました。思わず、ポラタイムで言葉をこぼしました。「キレイになったねと言って頂けて嬉しかったです。髪もだいぶ伸びていろんなアレンジも楽しめるようになって、そんな所も見てもらえたらと思います。」その後、手紙で詳細が分かる。「浅草で2~3kg程落ちて、髪も伸びて、少し前と変わった中条を感じてもらえたら嬉しいです。浅草では、友坂麗姐さんに化粧を教えてもらったり、矢沢ようこ姐さんに踊りのコツを教えてもらったり・・・本当に充実してました。その後一カ月のオフがあり、新作のレッスンに打ち込みました。」 なるほど、友坂麗さんに化粧の仕方を習ったのか。また、動きも前作のときに比べてシャープかつエレガントになり全体として堂々としてきているから、矢沢ようこさんの指導も功を奏しているんだね。彩乃さんは素直に学ぼうとするからお姐さん方も教え甲斐があったんだろうね。

 新人の成長は、その変化率の大きさにある。変化へのチャレンジ精神と素直に学ぼうとする姿勢が大切だね。変化を愉しむくらいの心の余裕があったらいい。

 

 次に、新作に絡めて感じたこと。

 私は初めて作品を見るときに、その踊り子が表現したいテーマを見極めようとする。テーマは大概、演目名に直結している。だから今回の作品を拝見したときに、演目名を自分なりに考えたものの、正直まったく分からなかった。演目名が「蝶と花」と聞いて、初めて細かいところがつながっていった。あぁ~そうか、最初の小道具は五枚の葉っぱか(初めは何かなと思った(笑))、最後の場面で赤いドレスを薔薇の花に見立てていること等。

 個々のステージ作品というのは、その踊り子さんが持つ「女の子としてのメルヘンの世界」を細切れに表現したものと思う。彩乃さんの中にある「蝶と花」というメルヘンの世界が今回の作品に描写されていることになる。ふつうの女の子なら、花の小道具を持ちこみ、自分が大きな羽根を付けた蝶になって表現するのかなと思う。その方が観た瞬間にテーマを理解させやすい。その点、彩乃さんは隠喩っぽい。まさに‘隠し味’的にテーマを表現している気がする。きっとダンスや表情によってテーマを表現したいという気持ちが強いんだね。確かに、この方が作品の趣きが増す。

「今回の演目の選曲も私で、デビュー作のときよりも明確にハッキリとやりたいことのイメージと、なりたい自分を思い浮かべて作りました。仙葉由季姐さんに振りをつけてもらいましたが、ベッド入りから立上りや、衣装をバラに見立てたりするのは自分で考えたものになります。だからこそ、迷いや悩みが多い(笑) ピンと来たり、しっくりこなかったり、最高に楽しかったり、あぁダメだーとなったり、デビュー作のときもそうでしたが、『理想の完成度』が固まっている今の方が、どうしよう、どう見せよう、と考える時間が多いように思います。まだまだ未完成で、試行錯誤中ですが、より良い演目にできるよう努めていきます。」 手紙で、作品解説してもらってよく分かった。

 これに関して、最近、ある踊り子さんと手紙でやりとりして感じたことを述べてみたい。

 渋谷道劇の水鳥藍さんが四周年作「モンマルトルの丘」で、詩の朗読をバックにダンスを踊った。私はステージ上で音楽なしで踊ったのを初めて観た。藍さんはバレエの先生だから様になっていた。しかし、一般の人には難しいかなと感じた。そうしたら別の踊り子さんから「先週は劇団四季『ライオンキング』を観てきました。ダンスの表現は様々で、音がなくても、ダンスは産まれてくることに気が付きました。心の表現がダンスそのものであり、喜び、悲しみ、嬉しさをどう形として伝えられるのかを大切にしたいと思いました。時空を越えたいです。」 ダンスで喜怒哀楽などの感情を表現するって凄いことだなって感じました。私はダンスに詳しくないけど、最近流行っているコンテンポラリーダンスやトライバルダンスというのは、そういう類なのかな。そして、彩乃さんが目指しているのはこれなのかな、とふと感じました。

 

 もうひとつ感じたのが、彩乃さんの作品には男性の曲がポイントになっていること。

デビュー作では一曲目の米津玄師がポイントだったね。そして、今回の新作では一曲目のback numberとラストのTHE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)がポイントになっている。いずれも渋い選曲である。実は正直言って、back numberもブルーハーツも、私は名前しか知らない程度だった。昨夜、選曲を調べていてブルーハーツにはまり、ずっと彼らの曲を聴いていた。もともと「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」くらいしか知らなかったが、彼らには本当に名曲が多い。そして、ボーカルの甲本ヒロト(愛称は「ヒロト」)とギターの真島昌利 (愛称は「マーシー」)の人間味に心酔した。こんなに凄いバンドだったんだと改めて感動した。これだけでも彩乃さんに感謝したいところ。

 アイドルの新人は女性ボーカルしか選曲できないというストリップ界の常識があると聞く。その点、彩乃さんは最初からアイドル系ではないんだね(笑)。いい女系としてストリッパーの顔になってきたんだと思うよ。

 

 さて、前置きが随分長くなったが、新作「蝶と花」の内容について紹介したい。

二作目「蝶と花」。選曲は自分。振付は仙葉由季先生。

 最初に、斬新なデザインの白いドレスで登場。右サイドは白い生地、左サイドは薄い花柄の生地で、クロスしている。栗色の長い髪の毛を後ろにヘアクリップでひとつ結び。

 一曲目は、back numberの「はなびら」(記念すべき1枚目のシングル。2011年4月6日リリース) 全作詞作曲:清水依与吏、編曲:back number 「出会いと別れの季節で、桜を見てわくわくする人もいれば、淋しい気持ちになる人もいるでしょう。一曲目は未練の歌です。でも、後ろ向きな歌詞・・というわけではなく、『もしまた君と会えたら』と願う曲です。」との彩乃さんのコメント。

  back number(バックナンバー)は、日本のスリーピースロックバンドである。2004年結成。所属芸能事務所はイドエンターテインメント。所属レーベルはユニバーサルミュージック内のユニバーサルシグマ。公式ファンクラブ名は「one room」。

現メンバーは三人。清水依与吏(しみず いより)1984年7月9日 生まれ、群馬県太田市出身。ボーカル、ギター担当。全楽曲の作詞、作曲を手掛ける。小島和也(こじま かずや)1984年5月16日 生まれ、群馬県伊勢崎市出身。ベース、コーラス担当。2005年10月加入。栗原寿(くりはら ひさし)1985年7月24日 生まれ、群馬県伊勢崎市出身。ドラムス担当。元メンバーの斎藤とは以前同じバンドに所属しており、2006年5月に加入した。

 音楽に合わせ、裸足で踊る。この曲の最後に大きな緑の葉を五枚舞台の上に置く。

 

 音楽が変わり、片方の薄い花柄の衣装を脱ぐ。白い軽装になる。左腕に薄い透明な布をひとつ巻いている。

 振付が、蝶の舞いを表現している。

二曲目は、aiko の「蝶々結び」。(aikoメジャー通算12作目のシングル。2003年4月23日にポニーキャニオンより発売。)「二曲目は、出会いを楽しむ、誰かの悲しみ(失恋)も救いあげる、そんな歌詞になっています。」「蝶々結び」は、"彼の靴の紐を結んであげれるくらい、近しい関係になりたい。"と言う意味とaiko本人が語っている。グリコ乳業『カフェオーレ』九州地区限定TVCMソング 。

aiko(あいこ、1975年11月22日 – 現在42歳)は、日本の女性シンガーソングライター。大阪府吹田市出身。buddy go所属。レコードレーベルはポニーキャニオン。身長152cm。血液型はAB型。

 

ここで暗転。

赤い花柄のベビードール姿で登場。肩紐で吊るしている。左足に緑の紐がクロス状に巻かれている。よく見ると葉も付いている。花の蔓をイメージしているのが分かる。

三曲目は、Aimer(エメ)の「蝶々結び」(Aimerの11枚目のシングル。 2016年8月17日に発売された。)「三曲目は『結ぶ』歌です。赤い糸か、人と人の縁か、幸せと幸せをか、想像は自由ですが、新しく結ぼう、しかも強く、固く結ぼう、という内容なのが素敵です。」という彩乃さんのコメント。

野田洋次郎(RADWIMPS)楽曲提供&プロデュース]によるバラード曲。日本テレビ系 「スッキリ!!」 8月テーマソング。

Aimer(エメ)は、日本の女性歌手。プロフィール非公開。所属レーベルはSME Records、所属事務所はagehasprings。アーティスト名は、自身の長年の愛称である「エメ」に由来し、フランス語で「愛する」「好む」を意味する動詞である。

 裸足のまま、盆に移動。

 オルゴール曲「情熱の薔薇」が流れる。バレエ調の決めポーズ。

 盆近くで見る。アクセサリーは特に付けていない。ただ、マニキュアが、手が赤で、足が緑。これは真っ赤なバラと緑の蔓・葉をイメージしている。細かい暗喩にハッとさせられる。

 立上り曲は、「情熱の薔薇」の原曲でTHE BLUE HEARTSが歌う。「立上りの情熱のバラは言わずも知れた名曲。今までのことがデタラメだったら面白いなんて、すごく前向きになれる歌です。でも、『答えはきっと奥の方』や『涙はそこからやってくる、心のずっと奥の方』など、過去を捨てずに思い出にして大事にしようと思えたり、涙がやってくる奥の方に、真っ赤なバラを咲かせよう、という歌詞にぐっときます。」という彩乃さんのコメント。

「情熱の薔薇」は通算9枚目のシングル。レーベル移籍第1弾シングルで、最初で最後のオリコンシングルチャート1位を獲得した作品であり、TBS系ドラマ『はいすくーる落書2』主題歌。2002年、中外製薬のグロンサン強力内服液のCMソングに起用され、2007年にはオリンパスのCMソングにも起用されている。2010年にはクロスカンパニー「earth music&ecology」(秋期)のCMで宮崎あおいが、2011年にはドコモスマートフォンのCMで新井浩文と渡辺謙が歌っている。さらに日本の高校野球では、「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」と共に応援曲として演奏されることがある。

 最後に舞台に戻り、赤いドレスを手にくるんで、それを赤い薔薇に見立てて終わる。

 

 私は、演目名「蝶と花」から、「夜の女たちが蝶になって花開く」ごとく「彩乃さんがストリップの蝶となって花開く」セクシーなイメージを受け止めた。

 彩乃さん自身はもっとロマンチックに考えており、選曲の解説にあるように「春は出会いと別れの季節で、桜を見てわくわくする人もいれば、淋しい気持ちになる人もいるでしょう。・・・春というこの今の季節にぴったりの演目だと思ってます。」とのこと。

 感じ方はいろいろあっていいのかも。彩乃さんが仕掛けた隠し味が個人の感性により様々に利くはずだから。

 

 

平成30年4月                           大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

 

 

【中条彩乃さんからのお返事】

・ポラコメにて「早速レポートを書いてきて下さって、本当に嬉しいです。お忙しい中、ありがとうございます。ネイルの細かいところに気付いてくれてたり、ブルーハーツにはまってくれたことなど知れて、ますます嬉しく感じました。新作の感想や太郎さん自身の解釈を聞けて、私も感動しました。またゆっくり返事を書きます。」

 

・手紙にて「改めて、丁寧なレポートを本当にありがとうございます。

太郎さんとお話することで、私の中にあるキモチを文章に整理できるし、それを客観的に見つめ直すこともできます。そして、お客さん目線の話も聞けます。踊り子として、ダンスや全体の構成・技術・表現方法はもちろん踊り子同士の方が細かく的確に話し合えるかもしれません。でも実際に、気持ちを届けたい相手はお客さんです。だからこそ、どんなふうに見えたか、どう感じたか、何を得られたか、教えてもらえることはものすごい貴重です。太郎さんはとても真剣に、そして細かくそれを伝えて下さるので嬉しく思います。まだまだ、蝶のように、とまではいきませんが、私なりに大きく舞い、お客さんと心を結び、花開ければと考えてます。三作目のレッスンも頑張ります。」

 

 

 

 今回は、ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、「すてきなペンフレンド」という題名で語ります。

 

 

H29年11月中のDX歌舞伎に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①浜野蘭、②聖京香、③西園寺瞳、④中条彩乃、⑤桃瀬れな、⑥南まゆ 〔敬称略〕。今週はALLロック大会。中条彩乃さんと南まゆさんは初乗り。なお、中条彩乃さんは前半11~15日出演。

 

中条彩乃さんがDX歌舞伎に初乗り。私とも初対面。すぐにプロフィール等を教えてもらったので私のストリップ日記にメモさせてもらうね。

・先月H29(2017)年10月21日、新宿ニューアートでデビューするものの、体調不良で25日から休演。心配されたが、今回のDX歌舞伎に元気にのってくれて安心した。まだデビューしたてのほやほやの新人さん。「まだ緊張もすごくて、足が震えて半人前丸出しですが、これから色んな場所で求められる、多くの方に応援していただけるような、踊り子さん目指して頑張ります。」

・AV経験なし。「今現在AVの予定はないです。今後もないと思います。」

・芸能人で似ているのは「いきものがかりのボーカル吉岡聖恵(ヨシオカキヨエ)さん」

・誕生日は1994年7月5日 →現在23歳か~若いねぇ~♪

・身長168㎝,B87(C),W60,H90 →大柄で少しぽっちゃりスタイル!

・血液型 O型

・出身地 兵庫県 

・趣味  読書、ピアノ(「わりとインドアなものになります。」)

・特技 陸上競技ハードル(「小3から13年間やってました。」体育会系のアスリートだね)

 また、ストリップに関しては、

・ダンス経験は全くないとのこと。

・踊り子をするきっかけは、「新宿を歩いていたらスカウトされました」

・やった感想としては、「難しい:楽しい= 7:3」

・今後は、「もちろん頑張りたいです!!」

 

 私の第一印象としては次の通り。

 デビュー週に拝見している私のスト仲間が中条彩乃さんのことを「部活帰りの女子高生みたいだ」と表現していた。初めて、お顔を拝見したとき、彼の言ったことがピンと来た。いきものがかりのボーカル吉岡聖恵さんに似ているという本人の弁も頷ける。「部活帰りの女子高生・・・(笑) 限りなく正解に近いです。ずーっと部活三昧で化粧もろくにしたことなかったので・・・そういった面でも、全てが新鮮なストリップの世界です。ないものねだり・・・というか、魅力を感じたポイントでもありました。」

髪型は肩までのボブでまとめている。若干おかっぱぽいかな。「髪型はボブで、単純に前髪を切り過ぎた・・ってゆうオチです(笑)」

 ステージを拝見した感想としては、デビューしたばかりでステージにまだ慣れていないので、当然に緊張もしているし、まだ動きもぎこちないところがある。ただダンスはすぐ慣れるだろうし、ダンスセンスがいいのでこれから伸びる素材と感じた。なにより、若くて、身長168㎝と大柄でステージ映えするのと、スリーサイズがB87(C),W60,H90という少しぽっちゃり体型がいい感じで肉感的なセクシーさを醸していて、ストリップファンとしては嬉しくなるヌード。最初のうちステージでは緊張した面持ちだったが、ポラでは元気で明るく、とても親しみやすい。是非とも仲良くなりたいと思った。

 そして、何より私にとっての彼女の最大の魅力は、私との手紙の相性が抜群にいいこと。綺麗な字でポラの裏にびっしりコメントを書いてくれるだけでなく、書き足りないからと丁寧にお手紙まで頂く。その文量と内容に感激した。私が渡した手紙や童話を読みこなし、自分なりに消化して反応してくる。素晴らしい手紙力である。こんなに文通が楽しいのは久しぶりのこと。心から喜べる新人に出会った。

 

 まずは、今回のステージ模様を私なりの筆致で語ります。

 今週は「デビュー作」一個出し。「自分で選曲しています」「振付は仙葉由季先生」

 次のとおりの内容。

 最初の曲は、米津玄師の『LOSER(ルーザー)』(メジャー5枚目シングル。2016年9月28日にリリース)。この選曲がポイントとなり全体の構成を決めている。

 衣装は選曲に合わせた感じで斬新な赤い着物のデザイン。赤い生地をベースとしながら、襟と帯がキラキラした黒で、かつ着物の下部に黒をベースにした花柄が描かれている。着物での赤と黒のコントラストがかっこいい。きらきらした銀のハイヒールを履いて踊る。仙葉先生が米津玄師の曲に合わせてうまく振付してくれている。

 二曲目が、アンルイスの『あゝ無情』(1986年4月21日発売)に変わる。

 華やかな上下セパレートの白地の衣装に着替える。ブラ部は白地の上下に銀の縁取り、ブラ下にはガラス繊維がフレンジ、そして胸の中央でリボン結び。スカート部は布を巻いた感じで左側腰にリボン結びし、左上から右下へと布が流れる。スカート下には白いフリルが付いている。近くで、上下の白地をよく見ると真珠玉入りの白い刺繍となっていて豪華な生地である。

 三曲目が、伊藤由奈の『Precious』(3枚目シングル。2006年5月3日発売)に変わり、ハイヒールを履いたまま、ベッド入り。

 白い紐パンを脱いで右足首に巻く。そしてベッドショーが始まる。

 若さがはち切れそうな、ぴちぴちした肌。B87(C)という豊かで形のいい乳房。ピンク色の乳首がぽちっとかわいい。ナチュラルなヘアが秘部をそそってくる。H90の迫力あるお尻がとても魅力的。肉感的でセクシーなヌードである。ポーズの切り方や見せ方を工夫するとどんどん良くなっていくだろう。

 アクセサリーは付けず、手先のマニキュアのみ深紅。若さが輝いているから余分なものは不要と思える。

 ベッドはインスト曲で、2017年ディズニー映画最新作「モアナと伝説の海」主題歌『どこまでも〜How Far I'll Go~』のピアノアレンジ版。

そして立ち上がり曲はaikoの『もっと』(35作目のシングル、2016年3月9日リリース)。

 

 少し選曲にこだわってみた。新人だから特にテーマはなく、かっこいい系の好きな曲を自分で選んだのだろうと最初に感じた。

 聴き覚えのある曲も多い。

アンルイスの『あゝ無情』は懐かしい。現在61歳になるアンルイスは、まさに私の青春アイドル。今はどうしているのかとネット情報を見る。「アン・ルイスはパニック障害が原因で芸能界から引退する。現在は父親の母国アメリカに在住しているらしい。桑名正博は元夫、長男はミュージシャンの美勇士。美勇士の話によるとアンが4年に1度、来日する機会があり、その際は桑名と会うように仕向けているという。」という記事に嬉しくなる。

 また、伊藤由奈の『Precious』(プレシャス)は耳障りのいい名曲だね。この曲は2006年公開の邦画実写映画で興行収入第1位となった『LIMIT OF LOVE海猿』の主題歌としてロングヒット。カバーも多い。ちなみにPreciousは‘貴重な、高価な’という意味。

 私にとって全く聴いたことのない曲が、一曲目の米津玄師の『LOSER』で、しかも、この曲が演目全体を支配するポイントのような気がした。米津玄師というミュージシャンは名前だけ聞いたことがあるものの、楽曲とか聴いたことがなかったので今回ネットで調べて何曲か聴いてみた。その結果、彼の音楽性と共に、米津玄師という人間にすごく興味を引かれた。「米津 玄師(よねづ けんし、本名同じ、1991年3月10日生まれ – 現在26歳)は、日本のミュージシャン、シンガーソングライター、イラストレーター、ビデオグラファー。徳島県徳島市出身。身長188cm、O型。所属レーベルはソニー・ミュージックレコーズ。別名義はハチ。第57回日本レコード大賞にて優秀アルバム賞を受賞。」との紹介。独特な天才肌のアーティストであると同時に、完璧なオタク系の若者で、デビューの経緯が面白い。もともと合成音声VOCALOIDの初音ミクとGUMIを用いて、「ニコニコ動画」へオリジナル楽曲を投稿していたのが、爆発的なヒットにつながり、それを機に2013年にメジャーデビューすることになった。その後も自分のことを「ひきこもり」「負け犬」とかと称して、表舞台には殆ど顔を出さない。そうした謎の部分が若者の共感を呼び、彼のたまらない魅力にもなっている。

 私は彼の生き様に興味を覚え、かつ彩乃さんが彼のどういうところに関心を覚えるのかを尋ねてみた。「米津玄師さんの曲は、ほとんどに共通して『どこにも行けない』といった表現があります。その裏には『本当は行きたい場所がある』『居たい場所がある』というキモチがあるのかなと解釈しています!」とのしっかりした返答。これには正直驚いた。

 また、四曲目のインスト曲は仙葉先生の選曲かと思ったら「ディズニーの曲も私です。本当は日本語か英語のやつを入れたかったのですが、ピアノver.しかなかったみたいで・・うまく編集して頂きました。このモアナもまた、行きたい場所がある、なにをしてても自然とそこに足が向かう、という内容になっています。」との返答。

 テーマがないと思ったのは私の大間違いだった。「今回の選曲については、ぼんやりとですが『孤独』と『承認欲求』みたいなものをイメージしています。」「ストリップという新しい世界、初めての舞台で、不安や孤独を感じながらも、憧れや期待を少しでも込められたら・・と思いました。実際ステージに立ったら頭真っ白で、それどころじゃなかったですが・・(笑)」との彼女の回答に圧倒された。とてもしっかりした感性と自分をもっていることに驚きと快感を覚えた。話していてすごく楽しい子だ。

 

 ステージに関することだけではなく、私が提供する話や童話にことごとく反応してくれる。「お手紙ありがとうございます。不安だらけの私にとって、すごく心強くて、勇気づけられる内容でした。どんな事でも、誰においても、‘最初’は存在するので、新人らしく今を大事にして頑張ります。」「今回のお手紙、今の私の悩みにピッタリすぎて三回読みました。」「文通うれしいです。お客さん目線の意見や助言を頂けるのは本当に貴重で、新人にとっては宝物です。」「太郎さんのお話は、共感があったり、ほっこり幸せになったり、新しい考え方(価値観?)に出会えているようで、読んでる時間は‘充実’の一言です。文章や言葉遣いの中から太郎さんの優しい人柄も伝わってきます。自分の中で、励ましであったり喝でもあり、本当にありがたいです。」「太郎さんとお会いできて、お手紙頂いて、すごく幸せです!! 太郎さんに頂いたお話を読んで、自分なりに考察したり、こうしてお返事を書いてる時間が、楽屋での楽しみです。」

とくに、私の話を前向きに捉える志向性に感激した。

「『人生は感動だ』本当に太郎さんの考え方は素敵です。人生を振り返ってみると(また23年しか生きてないですが・・)覚えてることって心が動いた時のことですね。そしてそれを思い返している間も、当時のワクワクやドキドキ、あるいはチクチクとして気持ちが蘇ってきます。それが感動であり、人生であり・・私もそう思います。今はまだ、姐さん方やスタッフさん、そしてお客さんに与えられてばかりですが、いつか私も与えられる、求められる存在になれるよう頑張ります。」

「失うことを恐れない、失うことで大切なものを得る、とありましたね。逆に言えば、大切なものを得ようとするなら何か失わなければいけない(犠牲にしなければいけない)ということですね。置き換えると、時間や自由、体力、失敗や恥ずかしさの代わりに自信、楽しさ、拍手などが頂けるんだなと考えます。まずは惜しみなく努力して、恐れず負けず、頑張ります。」

「『同族意識』のお話で、ふと、だいたひかるさん(お笑い芸人)のネタの一言を思い出しました。『みんなと同じことはしたくない、というみんなと同じセリフ』 思春期だったり反抗期だったりを想像しますが、ストリップの世界も思うことは同じだなと感じました。衣装やメイク、ダンス、それぞれの個性が表現されてあって、鏡のお話でもあるように『一番かわいい自分』を探したり見てもらったりすることで自信につながるんだと思います。私も、姐さん方を見習いつつ、自分なりに工夫したり、研究したりして、私の思う‘かわいい’がみんなにとっての‘かわいい’になるように努力を重ねます。」

 こうした手紙のやりとりが私を狂喜させた。物書きを趣味とする私として、こんなに刺激と励みになる子はいない。彼女は私にとって最高のペンフレンドになれると確信した。

 ストリップが縁で、また素敵な出会いを得た。是非ともファンとして応援させて頂きたい。ストリップの神様に感謝あるのみ。

 

平成29年11月                            DX歌舞伎にて

 

 

 

ロック所属の踊り子・鈴木ミントさんの令和元(2019)年9月結のライブシアター栗橋の模様を、新作「鈴」を題材に語ります。なお、本レポートは鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その18)になる。

 

 

 最初に、私は大変な勘違いをしていた。東洋常連のスト仲間とよくミントさんの情報交換をしていた。彼から「ミントさんは前から10周年で辞めるつもりのようだよ」という話を聞いていた。私は10周年週が10月頭の新宿ニューアートなので、それが引退週になるのかと心配していた。そんなとき、彼から「新宿ニューアートの前週が栗橋で、栗橋の香盤情報にミントさんが『栗橋ラスト』と出ている。やはり引退のようだよ。」と話してくれた。私もネットで確認したので、やはり引退されるのかとがっかりした。ともあれ、栗橋には必ず顔を出そうと計画した。

 たまたま東洋に出演していた踊り子に、ミントさんの引退の話をしたら怪訝な顔をした。彼女がミントさんに連絡して引退ではないと確認してくれ、私が勘違いしていることが分かった。劇場側のフライングだったんだね。ともあれ、私はホッとした。いつも通りの気分でミントさんに会いにいける。

 

令和元(2019)年9月結のライブシアター栗橋に、中日9/24(火)25(水)に顔を出す。ミントさんとは8月頭の広島以来。そのときの観劇レポートを仕上げて持参してきた。

今週の香盤は次の通り。①アキラ(道劇)、②西園寺瞳(ロック)、③藤咲茉莉花(ロック)、④雪見ほのか(ロック)、⑤鈴木ミント(ロック)。

 

 ミントさんは、今週もなんと9個出しらしい。

 一日目9/24、一回目ステージは演目「深紅」、二回目は演目「紫」、そして三回目に新作「鈴」が披露された。ちなみに二日目9/25は、一回目ステージは演目「言霊」、二回目は演目「蒼」、三回目「PINK」だった。

 新作「鈴」は、前週9月頭の横浜ロックで初出ししたもので、猫の演目で「栗橋の猫マロンに対抗して、スズちゃんです」とのこと。ミントさんらしい猫ではあるが、赤に染まったなんとも妖しい猫である(笑)。

 

  まだ曲名を確認していない段階だが、私なりに作品の内容を紹介しよう。

 最初の衣装は強いインパクトがある。なんと猫が赤い着物姿で登場する。帯が豪華。黒い生地に、金銀や赤の模様が彩られている。「着物と帯は母からもらったもので普段から来てるものですー!!」とのコメントをミントさんからもらう。

 髪型がかわいい。おかっぱ状のショートヘアに、定番の猫耳を付ける。猫耳は、外側は黒いが中は白い。左サイドに赤い髪飾りを付ける。髪に隠れているが金の鈴の付いたイヤリングがちらり。

 一曲目は、大阪発、平均年齢25歳の青春文學ロックバンド・BURNOUT SYNDROMESが歌う「吾輩は猫である」。この音楽に合わせて、裸足で猫踊り。

 二曲目は、篠崎愛の「悪い猫」。

 黒い帯を解くと、下には白い紐があり、それも解いて着物を脱ぐ。下には、透け透けの赤い襦袢。黒い下着が透けて見える。黒いガーターに、黒いパンティ。右足には黒い紐をクロス。左足には黒いストッキングを履く。

 首に黒い紐を巻き付ける。金の鈴が付いている。

 両手首にも、黒い布が巻かれ、白いリボンと金の鈴が付いている。

 演目名が「鈴」だから、あちこちに鈴が付いているのだね。鈴の音が心地いい♪

 そのまま、裸足で盆に移動し、ベッドショーへ。

 ベッド曲は、speenaの「月に鳴く」。

 近くに来たのでアクセサリーを目で追う。首には純金のネックレス。手足のマニキュアが豪華。金をベースにして、手には白も、足には赤も含む。

 立ち上がり曲は、椎名林檎の「ギャンブル」で締める。

 

 本作品で、妖しい赤い猫に化かされたい♡ 今週もストリップの妖精にメロメロになる♡

 

 

2019年9月                        ライブシアター栗橋にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボクとノンノンは人間と猫 』  

~鈴木ミントさん(ロック所属)の新作「鈴」を記念して~

 

 

 あるペットショップで、ボクは運命的な出会いをした。

 ボクは淋しさを紛らす目的でペットを飼おうと考え、その店の中に入っていった。一匹の若いメス猫がボクのことをじっと見つめてきた。愛らしくもあり、妖しい色香を含んだ眼差しだった。ボクは金縛りにあったように、そのメス猫の視線に釘付けになった。

 すぐにボクはその猫を飼うことにした。

 ボクはそのメス猫と仲良くなりたくて色々と試みるが、彼女はすまし顔をする。

 ボクが「これ食べるか?」とお魚を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

 ボクが「これで遊ぶか?」と玩具を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

 この仕草がかわいくて、ボクは彼女にノンノンという名前をつけた。

 

 猫好きのボクは、ノンノンのことが大好きになった。

 ノンノンは普通の飼い猫のように飼い主のご機嫌を窺うようなことをしなかった。すまし顔と言ったが、よく云えば品のある凛とした表情をしていた。

 最近はツンデレな女の子が人気があると言う。ふだんはツンツンしているのだが、二人っきりになればデレデレと甘えてくるタイプの女の子のことを指す。ノンノンもふだんはすまし顔だが、夜になると必ずボクに寄り添ってきて、一緒の布団の中に寝ていた。そういう意味ではツンデレのメス猫なのかもしれないな。

 時にノンノンはボクに妖しい流し目を送ってくる。素っ気ない態度をしているけど、ボクのことが好きだよ!という眼差しを感じる。ボクはそれだけで幸せな気持ちになった。

 つぶらな瞳、セクシーなボディ、妖しい身のこなし・・・彼女の全てがボクの心をとらえて離さない。形のいいバストとヒップを妖しく振って歩く姿は他のどんな猫も、いやどんな人間の女性だってかなわない。

 ボクは人間でありながら、猫のノンノンに恋をしていた。

 

 いつものようにノンノンに話しかける。

 ボクが「これ食べるか?」とお魚を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

 ボクが「これで遊ぶか?」と玩具を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

「一体ノンノンは何をしたいんだ?」とぼくは尋ねる。

 ノンノンは「恋をしたいの!」と答える。そしてボクの目をじっと見つめてくる。

 ボクらは愛し合っていた。しかし、ボクは人間、ノンノンは猫。ノンノンはあくまでペットにすぎない。

 

 ボクは数学の教師をしていた。いつも数字ばかり追いかけているわけだが、数学には必ず答えがある。物事を証明する数式がある。これを見つけ出すのが数学の魅力だった。

 ボクにはひとつの信念があって、数学で答えを見つけ出すように、全ての物事は‘願えば叶う’と信じていた。願いをかなえるために人は考え続け、行動をする。そして願いは実現する。実際にこれまで勉強も仕事も恋愛も全て願えば叶ってきた。もちろん相応の努力はするし、時間がかかることも多いが、必ず最後は願いが叶ってきた。

 毎日毎日ボクはノンノンのことばかり考えていた。そして、ノンノンと愛し合うための方程式を日夜考え続けた。

 ある夜、夢の中に神様が出てきて「あなたが猫のノンノンと本当に愛し合うためには、あなたが猫になるか、ノンノンが人間になるか、いずれかしかない。生物の進化論から言えば、人間は最終形なので、ノンノンが人間になることはあり得ず、あなたが猫に戻るしかない。あなたはそれにより大きな犠牲を払う。現在の人間関係、仕事、社会的地位など全てを失ってしまい、一度失うと元には戻れない。その選択肢を選べますか?」と責め立てた。ボクは一瞬ひるんだ。

 

 ある日、突然ボクの目の前に、外から戻って来たノンノンが現れたと思いきや、身体をふらつかせバタリと倒れた。ボクは驚いて彼女を抱きかかえ、そして看病した。

 目が覚めたノンノンはボクに語り始めた。・・・近所に悪戯な男の子がいた。男の子はノンノンが居眠りしている間にハサミでヒゲを切ってしまったのだ。猫にとってヒゲは大切なアンテナ。これを切られると平衡感覚がなくなり猫固有の俊敏な動きができなくなる。案の定、彼女はふらついて倒れてしまったのでした。

 

 ボクは決心した。「ボクが猫になって、ノンノンを守る!」と。

 ボクはノンノンに向かって言った。

「ボクが猫になって、いつも君の側に居るよ。そして、きみのヒゲの代わりになるから。」

 彼女は「ノンノン」と首を振った。

「あなたは人間です。私を飼っているご主人です。私と同じレベルに落ちることはいけません。」と目で訴えていた。

 しかし、ボクの気持ちは決まっていた。

「ノンノンのことを心から愛している。きみのことを守ってあげたい。」

ノンノンは、ボクの顔をじっと見つめながら、嬉しそうに涙ぐんだ。

 

 ボクらはいつも一緒だった。

散歩に行くときは、ノンノンはボクのしっぽを咥えながら後をついてきた。

 雨の日には、ボクはノンノンの傘になった。ノンノンを濡れさせたくない。

 風の日には、ボクはノンノンの壁になった。ノンノンに冷たい風を当てたくない。

 雪の日には、ボクはノンノンの家になった。ボクは毛布になってノンノンを暖めた。

 他のオス猫が近づいてきたら、ボクは勇士になって蹴散らした。ノンノンはボクだけの宝物。

 いつしか、ボクらにかわいい小猫が三匹生まれた。

 ボクはノンノンとこの子猫たちを必ず守ると心に誓った。

 夜空の星たちがボクらの未来をキラキラと照らしてくれていた。

                                    おしまい

 

 

ロックの踊り子/鈴木ミントさんについて、令和1(2019)年8月頭の広島第一劇場の公演模様を、演目「言霊」「EDEN」を題材に語ります。なお、本レポートは鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その17)になる。

 

 

  今年も暑い夏が続いている。原爆の日がある今週は、広島は特に暑いな。※.1945年8月6日には広島市、同9日には長崎市に原子爆弾が投下された。広島では十余万人、長崎では7万人を超す死者が出て、残った被爆者たちは今もなお苦しんでいる。以降この両日を忘れてはならない過去として刻むため、広島・長崎それぞれについて原爆の日、または原爆忌、原爆記念日とした。

令和1(2019)年8月頭の広島第一劇場に顔を出す。ミントさんとは今年3月頭にも広島でお会いしている。香盤にミントさんの名前を見たらどうしても会いに行きたくなった。大阪から夜行バスで行ったので早朝六時半頃に到着。もちろんトップで場所取りをして定宿のカプセルホテル・ニュージャパンの早朝サウナで寛ぐ。

今回も8/9(金)、8/10(土)の二日間の滞在。

今週の香盤は次の通り。①井吹天音(フリー)、②南美光(TS)、③大見はるか(ロック)、④鈴木ミント(ロック)。今回は私的にいいメンバーが揃って嬉しい。

開場は12時だが、四人香盤なので平日の開演は14時から。土日は13時から。

私はトップ入場で、かぶりセンター席で観劇。

 

少し前、我々ストリップ仲間の間で、広島第一劇場は8月いっぱいで閉館するという噂が流れていた。何度も閉館が延期されているわけだが今回はどうも本当らしいと・・・しかし、9月以降の香盤が発表され、今回も閉館の話は延期になったようだ。

とにかく、ここ広島でミントさんに会えるのもいつまでかと考えると、ミントさんに会いたくてたまらなくなり、やってきた次第。

 

 8/9のミントさんはさすがの四個出し。準新作「言霊」、演目「おそうじ」、新作「エデン」、演目「カレンダー」の順。ちなみに、四回目は花魁の作品「明日への手紙」と言っていたので、これは観たことがあり、さすがに四回は疲れたので早めに帰って寝た。ところが急遽私が観ていない演目「カレンダー」に変えたようだ。翌日一回目のポラ時、ミントさんに「どうして四回目いなかったの? 太郎さんが観ていない演目『カレンダー』にしたのに」と言われ慌てる。「今週は7演目出しているよー! 昨日のカレンダーというやつもお見せしたかったです!」私も残念↓

 8/10は、一回目「夜雨」、二回目「明日への手紙」、三回目「」と続き、私は帰る。

 

 ともかく、今回も、初見の作品が二つも。しかも、前週7月中の横浜ロックで初出しした準新作「言霊」と、今週の広島で8/7から初出ししたばかりの新作「EDEN」、まさに新作ラッシュである。広島まで来た甲斐があったと嬉しくなる。

 

 さっそく内容をおさらいする。

 まず、準新作「言霊(ことだま)」。

 最初に、黒い和装でおどろおどろしく登場する。演目名からして何かの霊か!?

  髪は後ろにひとつ結び。白い紐でリボン結びしているのだが、それはよく神社などで見かける綱模様。

 和装は、上半身が黒地、襟元は黒と銀の模様。長い振袖を垂らす。下半身は袴で、左側は黒地に花柄がプリント。右側は上下に黒と赤の二層。赤い帯を巻く。

 音楽に合わせ、金の扇子を持って、裸足で踊る。

 一曲目は、インスト曲「百花繚乱」。

 続けて、またインスト曲「TAKUMI2009」に変わる。

 ここで赤い帯を解く。

 ここで一旦暗転。

 音楽が変わり、着替える。

 白と黒が入り混じる花柄模様の着物姿。帯部にSMチックなボンティージベルト。また黒い手袋に、黒く長いストッキングがやけにかっこよい。着物とSMファッションが融合し艶っぽい。

 アクセサリーが凝っている。花札が垂れ下がるイヤリング(演目中は左耳だけだったが、ポラタイムでは両耳に付いていた)。黒い首輪の下に、もうひとつ純金のネックレスがあり、神社のほこりの飾りが付いている。「人間と妖怪が手を結んだイメージを汲み取ってほしい」とのミントさんのコメント。

 音楽に合わせ、裸足で踊る。

 三曲目は、本演目のメインテーマになっている、サザンオールスターズの「愛の言霊」。

 そのまま、ベッドショーへ。

 足の指先が銀のマニキュア。

 立ち上がりは、名曲「テテ」で締める。

 

 次は、新作「EDEN」。

「楽園をさがす青の少女と楽園にいざなうピンクの少女の物語」とミントさんから教えてもらう。

 事前のステージ準備にけっこう時間がかかっていた。それもそのはず、舞台のセットに天井から四角状の花壇のような蔓を張っている。蔓には、たくさんの葉や花が付いている。

 最初に、‘青の少女’が登場。アラビアン風に上下セパレートの青い衣装を着ている。頭から足元まで長いターバンを垂らしている。ランプを持って、裸足で踊る。

 次に、インスト音楽に変わり、‘ピンクの少女’が現れる。花柄のピンクの、上下セパレートの衣装を着ている。彼女も頭からターバンを巻いて垂らす。手首に黄色、ピンクの布を垂らす。

 吊るされている蔓から紫の花を一輪とって髪にさす。

 ここで一旦暗転する。

 インスト音楽が変わり、衣装を着替える。

 上半身が裸で、紺・水色・白のギザギザの布のスカートのみ履いて現れる。右足には白い紐がクロスされている。

 そのままベッドショーへ。

 改めて、アクセサリーを目で追う。紫の髪飾り。両耳に銀板。純金のネックレス。足の指に銀にコーディネイトされたマニキュア。

 立ち上がりは、日本の女性ボーカル曲で締める。

初めて「EDEN」を拝見して「この作品、すんごくエーでん!!!」と思ったよー。(笑)

 

 

 今回は、残念ながら、JKものの演目「カレンダー」を見損ねてしまった。次回の栗橋で観れればいいな。

 最近は一日四ステージを観るのはかなりきつい。とくに今回は暑い広島遠征だったので。四回目の演目が既に拝見している演目「明日への手紙」と思い込んで、三回目で切り上げて、広島焼きの店で少し飲んで、そのままカプセルホテルで寝る。

 そうそう、今日は演目「おそうじ」でミントさんからパンプレを頂く。かぶりセンター席にいた私と目があった。遠くから遠征してきた私への心遣いだろう。今夜ありがたく使わせてもらおう。そう思っていたので、寝る前に、ミントさんから頂いたパンプレをカバンから取り出す。するとミントさんの香水がぱーっと狭いカプセルの中に充満する。私は幸せな夢の世界を彷徨う。

 お陰で、童話「浦島太郎の玉手箱」が出来上がった。会心の作である。(笑)

 

 

さて、話は変わるが、広島第一劇場は8月いっぱいで閉館するという噂が流れていた話をしたが、なんと昨日8/7から照明がLEDに変わったらしい。常連さんの話では、照明以外にもトイレが和式からウォシュレット付きの洋式に変わったり、ステージの床張りや客席も一部改修したらしい。いま頃そんな設備投資するなんて、ほんとに閉めるつもりなのかしら???

最近は相変わらず客入りがいい。儲かっていれば税金にもっていかれるより修繕費を使った方がいいことはいいが・・・

 

 劇場の壁に、映画「彼女は夢で踊る」の宣材ポスターがたくさん貼られている。しかも映画の前売り券1400円やパンフレットが劇場内で売られていた。なんと、この映画はここ広島第一劇場が舞台となっている。そのため、踊り子や観客の中には、映画 彼女は夢で踊る オリジナルTシャツ(カラー2種 紺/紫)を着ている人が何人もいた。また、踊り子さんたちはポラタイムで、宣材ポスターにのっている、主役の踊り子を演ずる岡村いずみの艶やかなポーズを真似して、やんやの喝采を浴びていた。

 こうした背景には、この映画「彼女は夢で踊る」がここ広島第一劇場を舞台にした映画で、撮影もここ広島第一劇場が実際に使われたこと。そのため、広島第一ファンの間では既に映画を観ており、この映画に対する想い入れや愛着が半端じゃないことが伝わってきた。

 この映画の概要をネットで検索。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に次ぎのように記載されている。・・・

本作は、広島先行公開され、2019715日から横川シネマで、同年7月26日から福山駅前シネマモードで上映。2020年から全国順次公開予定。

時川英之が初監督を務めた2014年公開の映画『ラジオの恋』を東京で見た加藤雅也が、「広島で一緒に映画を作ろう」と同作主演の横山雄二(RCC中国放送アナウンサー、ラジオパーソナリティー)と時川監督に声を掛けた。

本作、ストリップ劇場「広島第一劇場」が舞台の映画『彼女は夢で踊る』の企画が持ち上がったのは2016年12月。時川英之監督、加藤雅也、横山雄二の3人で食事した際、「なにか3人で作品を残そう」という話になったことがきっかけとなる。

中国地方で唯一残った、広島県広島市・薬研堀に実在する昭和50年開館で創業44年のストリップ劇場「広島第一劇場」が舞台。これまで何度も閉館の危機を乗り越えてきたストリップ劇場として知られている。

加藤はいよいよ広島第一劇場が閉館されると聞き「この劇場を映像に残すのは映画に携わる人間としての使命」という思いから、広島で3作の映画を手がけた時川監督に映画制作を呼びかけた。

時川監督は同劇場の二代目社長や現役ストリッパーらから綿密に話を聞いて脚本を書き上げた。20173月に開始された撮影はオール広島市内ロケで第一劇場のステージや実在の飲食店で行われ、約1年間の編集作業を経て、流川や薬研堀など広島の街の風景も随所に出てくる昭和の香りも伝わってくる映画作品に仕上がった。 2019531日、試写会が広島第一劇場で行われ、時川英之監督、主演の加藤雅也、ヒロインの岡村いずみ、企画プロデューサーの横山雄二が登壇し舞台挨拶を行った。・・・

 内容は次のとおり。ネット「作品情報 - 映画.com」より。・・・

何度も閉館の危機を乗り越えながら、多くのファンに愛される広島県の実在するストリップ劇場「広島第一劇場」を舞台にしたラブストーリー。閉館の時が迫る広島の老舗ストリップ劇場で、社長の木下はかつてのきらびやかな時代を思い出していた。劇場のラストステージを飾るのは、この舞台で幕を引く有名ストリッパーや、謎めいた若い踊り子。最後の幕が上がり、観客たちはステージの踊り子たちの裸の先にある何かを見つめていた。劇場の終演に木下は、忘れていたありし日の恋、そして胸の奥に隠していたダンサーとの秘密を思い出していた。加藤雅也が社長の木下役を演じるほか、「仮面ライダービルド」の犬飼貴丈、「私は渦の底から」の岡村いずみ、現役ストリッパーとして活躍する矢沢ようこらが顔をそろえる。監督は広島を舞台にした「鯉のはなシアター」「シネマの天使」「ラジオの恋」などを手がけた同県出身の時川英之。・・・

 

直近の広島第一劇場の情報によると、来年1月末までは営業を続けると公表されている。その先は分からない。しかし、この映画の通り、何度も蘇り、このまま続いてほしいと心から願わずにいられない。

 

 

令和1年8月                           広島第一劇場にて

 

 

 

 

 

 

童話『浦島太郎の玉手箱』 

~鈴木ミントさん(ロック所属)に捧げる~

 

 

 ご存知、浦島太郎のお話です。

 浦島太郎は助けたカメに連れられて竜宮城に行きました。

 竜宮城にはそれはそれは美しい乙姫様がいました。太郎は一目惚れ。こういう女性(ひと)を絶世の美女というんだろうなと心底思いました。

 太郎は、亀を助けた御礼として酒宴を催してもらいました。たくさんの海の幸とお酒を振る舞われ、そしてタイやヒラメの舞い踊り。その酒宴は三日三晩も続きました。その間、乙姫様はいつも浦島太郎の側に寄り添ってお酌の相手をしてくれました。太郎にはまさしく夢のようなひとときでした。

 三日後、太郎は乙姫様に言いました。「ついついご厚意に甘えて、たいへん長居をしてしまいました。家では年老いた母親が心配していると思います。そろそろ御暇乞(おいとまご)いさせて頂きます。」

 乙姫様は太郎のことを気に入り、太郎の手をとり、太郎の目を見詰めながら「貴方さえ宜しければ、このままずっと竜宮城で暮らして頂きたいと思っていました。でも、貴方様のご事情もありますでしょうから致し方ありません。でも、また是非戻ってきてほしいです。私に会いたいと思いましたら、いつでもいらして下さいね。」と声をかけてくれました。

 太郎はとても喜びました。

 乙姫様は太郎の反応を見て大層喜びました。そして、「私のことを思い出しましたら、この玉手箱を開けて下さいね。」と言って、小さな箱をお土産に持たせてくれました。

 

 太郎は、また助けた亀に連れられて元の漁村に戻っていきました。

 元の生活は味気なく退屈なものでした。太郎はすぐに竜宮城の乙姫様のことを懐かしく思い出しました。そして、お土産に頂いた玉手箱を開けました。

 すると、中には乙姫様の使用済みの下着が入っていました。太郎は驚きました。手にとって広げると微かに沁みの痕跡があります。思わず、その下着を鼻孔に押し当て匂いを嗅ぎました。強烈な匂いに頭がくらりとしました。これがあの大好きな乙姫様の匂いです。そう思うと太郎は卒倒しそうになりました。太郎は股間に手を伸ばし激しくオナニーを始めました。美しく優しい乙姫様の笑顔が目に浮かんできます。太郎は夢の中を彷徨いながら果てました。

この世にこれほどの快感があるだろうか。大好きな乙姫様の匂いに包まれてのオナニーは最高でした。

 太郎は仕事もせず、飽きずにせっせせっせとオナニーに耽りました。

 いつの間にか、太郎は痩せ細り、頭は白髪頭になり、まるで老人のようになりました。太郎は「あぁ~こんな姿になってしまったからには、もう乙姫様に合わせる顔がないなぁ」と悲観にくれました。

 

 一方、亀の話をします。

 助けた亀はそのご恩返しとして浦島太郎を竜宮城に連れていきましたね。

 ところが、太郎が乙姫様といちゃいちゃしていた三日間、ずっとほったらかしの状態でした。さすがの亀も堪忍袋の緒が切れそうになりました。

 そのため、村に帰るまでの面倒はみましたが、それ以降は太郎の前に現れませんでした。

 太郎は、海に向かって「亀さんよー、戻ってきておくれよー」と何度も叫ぶのでした。

 

 太郎は、乙姫様に会えない憂さを晴らすために、ますますオナニーに励みました。

 あまりにも、匂いを嗅ぎ過ぎたのか、下着の匂いはどんどん薄れていきました。

 薄れていく匂いの中で、太郎は静かに息を引き取りました。眠るように死んでいった太郎の顔には笑みが浮かんでいました。まさしく大往生。めでたしめでたし

 

                                    おしまい

 

 

 

                                         

 

 

鈴木ミントさん(ロック所属)について、2019年6月中のDX歌舞伎での公演模様を、演目「夜雨(よさめ)」を題材に、「雨に抱かれて」という題名で語りたい。なお、本レポートは、鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その16)になる。

 

 

2019年6月中のDX歌舞伎に、七日目、今週二回目に顔を出す。

その日のミントさんの出しものは、一回目は演目「華」、二回目は新作「夜雨」、三回目は「深紅」だった。

その日に演目「華」の観劇レポートを渡したばかりだが、既にもうひとつ新作があった。前週の5月結のSNAで初披露されていた。新作を連続で拝見できて感激しきり。

 

さっそく新作「夜雨」を紹介します。

「梅雨のイメージで作りました」。梅雨の季節に合わせた、雨の演目である。「夜雨」とは字のごとく夜降る雨のこと。タイトルがずいぶん意味深だ。しかも、ステージでは大人の雰囲気がぷんぷん漂う。ポラ時にミントさんが「失恋した女性が雨に濡れ、立ち直っていくストーリー」と話してくれた。

私が一度観て気づいたのが、全四曲すべて男性曲であること。DEEN、玉置浩二、B’z、小田和正と最高のミュージシャンが並ぶ。我々の世代なら知らないはずがない。失恋した相手の男性はこうした魅力的な男性で、もしかしたら不倫じゃないのかなと思っちゃう。

 

前置きはさておき、さっそくステージ内容に入ります。

最初に、黒いワンピースドレス姿でビニール傘をさして登場。

髪は黒く、腰まで長く垂れ、髪先はカールしている。白化粧に赤い口紅がくっきり。妖しい美女というほどに大人の女性を強く感じさせられる。

右肩を露出し、左肩から斜めに流れるような黒いドレス。左袖は長くふわりと裾広がり。左手に薄い生地の黒い手袋。右手には黒いロングの手袋。ドレスは足元まで裾広がりで流れる。全て黒ずくめだが、首輪は銀色。

一曲目は、懐かしいDEENの「このまま君だけを奪い去りたい」。恋の終焉を感じる。

音楽が変わり、着替える。

今度は一転、白ずくめ。銀の首輪。白いワンピースドレスで薄い生地だが、キラキラした花の刺繍入りで気品がある。足元までドレスが流れ、裸足。

髪型と、右手の黒いロング手袋、左手の手袋はそのまま。

二曲目は、玉置浩二の「サーチライト」。心にしみ入る優しい歌だなぁ。

ここで、一旦暗転。

音楽が変わり、また衣装が黒の基調になる。

胸から下に流れる黒いドレス。上半身はきらきらした黒、下半身の薄地のスカートは黒いパンティをくるりと包むように腰から足元まで裾広がり。足元は裸足。

髪型、首輪、両手の手袋は同じ。

三曲目は、B’zの「もう一度キスしたかった」。ドラマチックな曲だ。

そのままベッドショーへ。黒いパンティを左手首に巻く。

立上り曲は、小田和正の「キラキラ」。(ラスト曲はてっきり徳永英明の「レニーブルー」で来るかと思ったよ笑。でも立ち直っていくには「キラキラ」の方がいいか。「キラキラ」は揺れる恋心と恋をして輝くことの素晴らしさを歌っているもんね。この歌を聴いていると何歳になっても恋をしていたい気分にさせられる。)

最後は、雨の音が聞こえ、傘をさして幕が締まる。ひとつのドラマを観ているようだ。

 

黒から白へ、そして黒へという色の変化が、女性の心の変化と重なっているのかな。

それにしても、先ほども話したが、全四曲が最高の大人のミュージシャンである。たしかにそれぞれ「雨」をイメージした場面が出てくる。まるで、この男性曲に濡れ包み込まれたい。いや、これら男性曲に抱かれたい! そんな気持ちがストレートに伝わってくる。ミントさんもそんなお年頃なんだよね。

 

2019年6月                           DX歌舞伎にて 

 

【参考】

●「このまま君だけを奪い去りたい」は、DEENのデビューシングル。1993年リリース。

作詞:上杉昇(WANDSのボーカル) 作曲:織田哲郎

 

●「サーチライト」は、玉置浩二の25枚目のシングル。2013年11月27日発売。

作詞:玉置浩二・須藤晃、作曲:玉置浩二

「サーチライト」は、自身出演ドラマ『東京バンドワゴン』のエンディング曲である。

 

B’zの「もう一度キスしたかった」。作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘。

私はこの曲だけ聞き覚えがなかった。この曲はシングルカットされていない。

曲の初出は、1991年11月27日にリリースされたB'zの5thアルバム『IN THE LIFE』であり、ベストアルバム『B'z The Best "Treasure"』(ファン投票で4位)、『B'z The Best "ULTRA Treasure"』(ファン投票で13位)、バラードベストアルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』に収録されている。 B'zの人気曲のひとつではあるが、シングルカットはされていない。

<歌詞の解説> とある男女の夏の出会いから冬の別れまでが描かれている。

稲葉が、作曲した松本に「単純なメロディーの繰り返しなので、歌詞に展開がないと間延びするかもしれない」と言われ、このストーリー性のある歌詞に仕上げた。 松本は「『もう一度キスしたかった』というフレーズが3回出てくるけど、「何でもう一度キスしたかったか」が違うんだよね。こういう稲葉の作詞のテクニックはすごいね」と絶賛した。

 

●「キラキラ」は、2002年2月27日に発売された小田和正通算21作目のシングル。

フジテレビ系テレビドラマ『恋ノチカラ』の主題歌。

 

 

 

 

『夜のとばりに』  

~鈴木ミントさん(ロック所属)の新作「夜雨」を記念して~

 

 

 

 ここは飛行場のあるパリの郊外。

ちょっと前まで少しばかりの霧雨が降っていたが雨はもう止んでいる。

 夜のとばりがおりる頃、外灯の明かりが灯る。外灯の下にはたくさんの花が咲き、その花の蔓が外灯に巻き付いている。

 

 黒い皮ジャンを着た男が外灯の下に佇む。黒い帽子を小粋にかぶり、黒いズボンに黒いブーツと黒ずくめの格好。外灯の明かりが無いと、黒い闇の中に紛れてしまいそうだ。

 胸に赤いスカーフをしている。少し夜露で寒いのかもしれないが、きっとオシャレな男なんだろう。

 手には赤い薔薇を一輪もっていた。今しがた別れた女性を思い起こすようにじっと見つめる。

 そして、外灯に手紙を挟んだ。彼女が来れば必ず目にとまるように。

 彼は飛行機に向かって歩き出した。

 

 しばらくして、赤いドレスを着た女性が外灯の下に現れる。

 彼女は彼が残した手紙に気付いた。

 彼が乗った飛行機は既に発っていた。彼女は、彼からの手紙を手に取り、しばらく考え込んでいたが、おもむろに破いて捨て去った。

「さようなら。楽しい思い出をありがとう。」と書いているのか、「必ず迎えに来るから待っていてほしい」と書かれているのか、そんなことは、彼女にはどうでもよかった。男の言い訳なんて聞きたくない。

 

 この一年、彼との思い出が走馬灯のように駆け巡った。

 外灯の下の花々が気の毒そうに彼女を見つめていた。

 大丈夫よ。家庭のある男性を好きになってしまっただけのこと。仕事が終われば彼は家族がいる国に帰って行く。そんなことは最初から分かっていた。

「けんか別れしちゃったなぁ・・・気持ちよく別れてあげればよかった・・・」

 もう恋は卒業・・・

 

 夜のとばりの中を、一陣の風が優しく彼女の長い髪をなでた。

 彼女の頬が濡れていたのは、夜露のせいか涙の跡なのかは分からない。

 

                                  おしまい 

 

 

今回は、鈴木ミントさん(ロック所属)について、2019年6月中のDX歌舞伎での公演模様を、演目「華」を題材に、「ミントという花」という題名で語りたい。なお、本レポートは鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その15)になる。

 

 

2019年6月中のDX歌舞伎に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①アキラ(道劇)、②牧瀬茜(フリー)、③坂上友香(東洋)、④広瀬あいみ(ロック)、⑤沢村れいか(ロック)、⑥清水愛(ロック)、⑦香坂ゆかり(ロック)、⑧鈴木ミント(ロック)〔敬称略〕。特別興行にふさわしい豪華なメンバーである。

DX歌舞伎が6月末に閉館するため特別興行が続いており、今週は閉館の前週になる。

 

今週のミントさんの出しものは、一回目は演目「深紅」、二回目は演目「華」、三回目は「紅葉狩り」だった。ALL和もの。ミントさんの和もの好きがよく分かるね!

演目「華」は先月5月頭のライブシアター栗橋で初披露(5月5日)されており、私も一度だけ拝見済み。ところが、今回のデラカブは栗橋時とは全く違って、豪華絢爛な舞台になっているのに驚いた。まるで別の作品を見ている感じ。栗橋では大きな花びらのスクリーン(幕)が間に合わなかったようだ。「これが本来の『華』の姿です」とのミントさんのコメント。観劇レポートしたくて果然張り切る私。

 

さっそく作品「華」のステージ内容を紹介します。

まずは舞台いっぱいに、たくさんの花びらを散りばめた白いスクリーンが中央の天井から左右に広げられる。この豪華絢爛さに度肝を抜かれる。

その中を、ミントさんが黄色地に銀と花柄模様の描かれた着物を着て登場。これまた豪華な衣装である。着物の裏地は白とピンクの格子縞。金の帯に、上から黄緑の布、下からピンクの布が覗く。

黒髪を後ろにひとつ結び。結び目にピンクの紐をめしべのように飾る。

右手に白い花を、左手に菊のような黄色い花を持って、音楽に合わせて舞い踊る。

一曲目は、吉岡亜衣加の曲「花びらの刻(とき)」。これはPS2ゲーム「薄桜鬼 随想録」のOP曲。吉岡亜衣加はすごく歌がうまいね。

吉岡 亜衣加(よしおか あいか、1986年12月25日 – 現在32歳)は、日本の女性シンガーソングライター。 所属事務所はロックンバナナ、所属レーベルはティームエンタテインメント。 静岡県出身、血液型はAB型。公式ファンクラブは「よしおかあいかFC」。静岡県立袋井高等学校を経て東放学園卒業。

次に、音楽が変わり、帯を解いていく。金の帯の下には、黄緑が。そして黄緑を取るとピンクの布が。どんどん着物を脱いでいく。

そして、白い襦袢姿になる。透け透けの生地ではあるが、ピンクの桜の刺繍が入っており、水色の襟、そしてピンクの帯と合わせ、高貴なイメージ。白い足袋を履いている。

二曲目が、とてもいい歌。いい声。暮部拓哉の「HANA」。作詞作曲:暮部拓哉。

2008年のNHK「みんなのうた」でかかっていたらしい。美しい言の葉とメロディー。

癒やしの歌声。この曲に出会えて本当に良かった♪ 心からそう思えた。

暮部拓哉(くれべ たくや、1979年8月9日 - 現在39歳)は、大阪府枚方市出身のシンガーソングライターである。血液型・O型。 <経歴>1998年、「六十歳の先生の唄」でヤマハTEEN'S MUSIC FESTIVAL '98全国大会出場(関西代表)。全国大会グランプリ、文部大臣奨励賞受賞。

 白い花を手に持ったまま、ベッドショーへ。

 近くに来たのでアクセサリーを目で追う。純金のネックレス。右手薬指に金のリング。足に赤いマニキュア。

 立ち上がり曲は、SOFFetの「花」。作詞:YoYo・GooF、作曲:YoYo。

 これも初めて知った音楽家だ。

SOFFet(ソッフェ)は、J-POP/ラップの分野で活躍する男性2人組である。ユニット名の意味は全くの造語で、語呂の良さで決まった。「Soffe」と表記していた時代もある。

<メンバー> ともに東京都出身。どちらも作詞作曲、歌、楽器演奏を担当する。

・GooF(1980年6月28日 - A型):作詞、エレアコベース、ウッドベース(アスタラビスタのメンバーとしても活動)

・YoYo(1980年8月19日 - 、O型):作詞、作曲、サウンドプロデュース、ピアノ、ギター

二人は小学校5年生のときに同じクラスになり、家も近かったので、家族ぐるみの付き合いをするようになる。15歳のとき、ラップと出会い、SOFFetの原型が出来る。

その幅広い音楽性でのライブはDJスタイル、アコースティック、バンドスタイル、さらには自ら楽器を弾きながらラップをするというオリジナルなスタイルを持ち、07年末にはSOFFetオフィシャルバックバンドTokyo Junkastic Bandを結成するなど、生のセッション感溢れるSOFFet独自のエンターテインメントを追及している。

 

 いつも思うのだが、ミントさんの作品は「すばらしい歌の玉手箱」。ミントさんのお陰で、今回も素晴らしい音楽家と歌と出会うことができた。

 たまたま演目のテーマが「華」だったので、花をテーマにした歌を集めている。

 花はただ美しく咲いているだけ。なにも人に語ろうとはしない。しかし人が勝手に想いを花に託す。それが花言葉だったり、ポエムになったり、歌になったりする。

 東日本大震災復興支援ソングである「花は咲く」もそうだったが、今回の歌たちにも花に託して素敵な想いが語られている。

 素晴らしい作品を見せてくれたミントさんに心から感謝したい。

 そして何よりも、ミントさん自身が美しい花そのものである。

 

 

2019年6月                           DX歌舞伎にて 

 

 

 

 

 

 

ストリップ童話『サボテンの花』 

              ~鈴木ミントさん(ロック所属)の作品「華」を記念して~

 

 

 ある国に冒険好きの王子がいました。王子は飛行機を自分で操縦して遠くまで冒険することができました。

 

 ある日のこと。

 王子は広い砂漠の上を飛行機で飛んでいるときに、飛行機の調子が悪くなり、砂漠の真ん中に不時着してしまいました。

 見渡す限り、砂ばかり。王子は海の方角は概ね見当がつきましたが、歩いていくには何日もかかります。途方にくれましたが、とにかく海の方向に向かって歩き出すしかありませんでした。飛行機に積んでいた非常用道具をかつぎ、一人で歩き出しました。

 

 四五日歩き続け、水や食料が底をつきました。

 日が暮れかかったとき、王子は体力の限界を感じ、その場に蹲(うずくま)りました。

 目の前に、一本の小さな小さなサボテンの木がありました。

「サボテンの木を切って、内の水分を頂こう」と思って、ナイフを取り出しました。

 ふと、小さな小さな一輪のサボテンの花が、王子の目に止まりました。花はまるで王子に向かって微笑んでいるようでした。

「なんてキレイなんだろう。。。こんな美しい花を咲かすサボテンの木を切るわけにはいかないな。。。」と思いとどめると、王子は急に疲れを覚え、サボテンの木のそばに横たわり、そのまま眠ってしまいました。

 

 美しい娘が、大きな瞳をキラキラさせながら、愛くるしい笑顔で王子を見つめていました。妖しい美しさをもち、どこかコケティッシュな雰囲気を漂わせます。娘は、王子を見つめたまま優しく声をかけてきました。

「私は、あなたに助けられたサボテンの花です。助けて頂いたお礼に、私があなた様が無事に帰還できるようお助けいたします。」

そう言って、娘は身に着けていた衣装を脱ぎ始めました。上下続きのドレス、肩ひもを外すと、張りのあるバストが現れました。王子はドキドキして見つめていました。そのままドレスが流れるように下に落ちました。きれいにきゅっと引き締まっているウエスト、そのため形のいいヒップラインが妖しいまでに大きく見えました。下半身の草むらはまるでオアシスのようです。この世にこれだけ美しいものはあるだろうか、王子は思いました。娘は王子の目の前に美しい裸体を晒しながら、「あなた様が助かるためのエネルギーを差し上げます」と言って、大切な秘部を王子の口元に近づけ、雫を飛ばしました。

 王子は口の中に満たされた愛の雫を味わいました。温かく無味無臭の不思議な味でした。でも王子はたまらないほどの幸福な気分に満たされました。

 娘は、「これから毎日エネルギー補給してあげますから、サボテンを携えて旅を続けて下さいね」と話して、そして消えました。

 

 朝、目覚めたとき、王子は身体がほてってエネルギッシュになっているのに気づきました。王子は、小さなサボテンの木を根元からきれいに抜き取り、土のついた根本を布で包みました。そしてサボテンの木を携えて旅をつづけました。

 サボテン娘は毎晩、王子の夢の中に現れ、愛の雫を捧げました。お蔭で王子は歩き続ける元気を保持することができました。一方、サボテンの木は少しずつ細くなっていきました。

 

 サボテン娘と出会ってからちょうど十日目、王子は海辺に近い人里に辿り着きました。もう大丈夫です。

 すると王子の耳元に「さようなら」というサボテン娘の声が聞こえました。王子は、急いで携えていたサボテンの木を見たら、木はすでに枯れていました。

 王子はサボテンの木を抱きしめ、「ありがとう」と何度もつぶやきながら、枯れたサボテンの上に涙をこぼしました。

 王子はサボテン娘のことを一生忘れることができませんでした。

 

                                    おしまい