今回は、中条彩乃さん(ロック所属)について、H30年8月頭の小倉A級での模様を、演目「私と今 -2018-」を題材に、「等身大の私」という題名で語りたい。

 

 

H30年8月頭の小倉A級に初日から三日間遠征した。彩乃さんとは前回の6月中の東洋以来一カ月半ぶり。前回の東洋では前半四日間しか観劇できなかったので後半から出した新作を残念ながら観れなかった。そのため今回の小倉行きは6月中の東洋の時に決めていた。「小倉、大変じゃなければ、都合がよければいらして下さい。初乗りでドキドキハラハラなので、太郎さんがいたらいいな。新作の思い入れとか早くお話したくて仕方ない。東洋初日に間に合わなかったの悔しい。」と彩乃さんと話していた。予定通りの遠征である。

今週の香盤は次の通り。①左野しおん(道後ミュージック)、②夕樹(天板)、③寿恋花(晃生)、④瀬能優(ロック)、⑤中条彩乃(ロック)〔敬称略〕。瀬能優さんとも久しぶりなので嬉しい。

小倉は私が会社生活をスタートさせたところ。35年も前になる。当時はストリップに嵌っていなかったが、小倉A級劇場には月に1~2度行っていた。すぐ近くに他の劇場もあったのに、今や小倉A級が九州唯一の劇場だもんね。ストリップファンとしては情けない限りである。絶対に残ってほしい劇場である。

 

それにしても、今年の夏は気が狂うほどの暑さだ。日本国中が報道上「命にかかわる」という枕詞がつくほどの猛暑に見舞われている。

 そのうえ、7月に入り西日本は梅雨による集中豪雨(平成30年7月豪雨)で200人を越える死者の出る大きな被害を受けており、更に今回の台風12号の迷走で交通機関が乱れていた。運よく台風12号が通過した後だったので予定通り小倉に移動することができた。

 大阪をWILLER高速バスで前日深夜22時40分に出発した。小倉行きのJR高速バスがなかったので初めてWILLER高速バスを利用した。大阪駅からWILLER大阪梅田バスターミナルへの経路がけっこう分かりづらく時間がかかった。

 早朝6時半頃、小倉駅新幹線口に到着。快晴。大阪に比べれば暑さが幾分弱い気がしたものの、やっぱりこの時期はどこに行っても暑いね(笑)。

 すぐにA級劇場のある小倉駅の反対側に移動する。目印の小倉祇園太鼓像が無くなっている(小倉駅南口二階だった。どうも私は思い込みが激しいね(失礼!))。駅前の風景が少し変わっているようだ。懐かしい商店街。小倉A級はすぐに見つけた。従業員らしき人が看板のところに居て新聞をとってシャッターを閉めた。場所取り用の新聞紙を置いてからマンガ喫茶に移動した。まずはシャワーを浴びて汗を流したかった。マンガ喫茶で踊り子さんに渡す手紙等の準備をする。

 11時半の開場に合わせて少し早めに劇場に戻る。初日とはいえ平日だし、暑いので客は誰もいない。15分ほど前になって漸く常連さんが一人来た。kさんという小倉A級の主のような方だった。親切に小倉A級のことを説明してくれた。私が重い荷物をもっていたので二階へ運搬までしてくれた。「私は半分従業員みたいなもんですから」と気さくにしてくれて朝からすごくいい気分になれた。

 開場して、一階の受付で入場料を支払い、らせん状の階段を上がり二階へ。扉を開けて場内へ。冷房されていて気持ちがいい。

 小倉A級は随分久しぶりなため、盆の位置など劇場内の構造まで全く忘れていた。ステージの高さが随分低いという記憶があったが実際はそうでもなかった。35年も前とは云えステージ周りを改造しているはずもなく私の記憶違いも甚だしいところ。どこに座ればいいかも分からず、Kさんが「この辺がいいですよ」とかぶりのいい席を勧めてくれたほど。(笑)

 開演は午後1時から。一公演が約三時間。外出も一時間程度はOK。従業員の応対もよく、居心地はいい。

 初めての劇場みたいなもんだから、仕組みやルールが気になる。ポラは1枚1000円。一回目ポラ時のみパンツポラ。おそらく警察のガサ入れ対応か(一回目に踏み込まれた場合に備えるため)。

独特なのは毎回フィナーレ時にアトラクションゲームがある。要は踊り子さんとの野球拳。ジャンケンで客五人が選ばれ、各人が踊り子五人と三回ジャンケン。一番勝った人に劇場無料招待券、二番目はドリンク券、3~5番は入場割引券がもらえるシステム。私は初日にドリンク券、そして二日目になんと無料招待券をGET。ラッキー☆

 

 さて、彩乃さんの初乗りの状況を話そう。

 前日から前乗りしていた様子。初日からトラブル発生。なんと荷物が届いていない模様。先ほども話したように西日本地区は宅配便の遅延が起こっているニュースは聞いてたが、実際に彩乃さんに災難が降りかかってしまった。これは大変。一回目ステージの音源も間に合わせで作ったとのこと。音楽を聴いていて、私もいつもと違うのに気づいたほど。初日一回目ポラには「荷物が届かないハプニングもあり・・・今日は「蝶と花」の一個出しになりますが、明日からMIKA姐さん振付の新作です!!」。二回目ポラでは「無事に荷物きました・・。あぁとても焦った・・。初日に間に合いはしなかったけど、届いてくれただけで安心です。」。初日は楽しみにしていた新作を観損ねてしまったが、それどころではなかったね。こういうハプニングは仕方ないね。

 新作以外にも変化あり。二日目一回目ポラ時に「中条新聞」が初披露。№1「自己紹介編」と№2「浅草ロック座SOB2nd編」の二枚。初日に浅草の生写真五枚が同封されていたので、文章と写真が揃って浅草公演の様子がよく分かってとても嬉しかった。写真のピンクの髪の毛のDRAG QUEEN役にはビックリしたよ☆ 中条新聞は彩乃ファンには凄く嬉しい企画だね。最初に頂けて嬉しい限りです♪

 

 さて、お待ちかねの新作「私と今 -2018-」の内容紹介です。

 最初に、照明が点いたら、後ろ向きで登場。長い振袖が付いた着物姿かと思い気や、下はミニスカートになっている。ずいぶん斬新な衣装だね。黒地をベースにして白やピンクで花柄が描かれている。ミニスカートから長い脚が伸び、ピンク地にキラキラした銀色の模様の入ったハイヒールを履いている。とてもインパクトのある衣装!

 音楽はBUNP OF CHICKEN の「Saling day」。

 髪は後ろにひとつ結びして、軽快に踊る。

 二曲目が坂本真綾の「マジックナンバー」に変わり、着替える。上下セパレートの衣装だ。半袖で襟付きのブラ状上着とミニスカート。ピンク地で、よく見ると小さな動物の絵が無数の斑点のように描かれている。 髪型と足元は先ほどと同じ。真っ赤なハートのクッションを持ち客席に投げたりして踊る。

 ここで一旦暗転し、着替える。今度も、上下セパレートの衣装である。斜めにカッティングされており片方のみ黒い肩紐で吊るしたピンクのブラ状上着。下半身はピンクのパンツ。上下共に、たくさんの色彩の斑点とフレンジが垂れている。髪型と足元は同じ。

 音楽は、米津玄師の「ピースサイン」。デビュー作に引き続きお気に入りの米津玄師の曲を使ってきた。アイドル系の新人は男性曲を入れないという不問律があるらしいが、そんなのはお構いなしに渋い男性曲を使ってくるのが彩乃流ステージの大きなポイントである。それがとてもマッチしているよ。かっこよく踊れてる。

 しかも、彩乃さんの体型の良さがよく出ているね。陸上で鍛えたすらりとした長い脚線美と引き締まったウエストは惚れ惚れするね♡

 次に、音楽がAimer(エメ)の「六等星の夜」に変わる。

袖のところで衣装を脱いで、着替える。前上がり後ろ下がりのスカートを履き、その上にマントのように布を羽織る。どちらもオレンジのような明るい色彩。髪も解いて流す。

 ハイヒールを履いたままベッドショーへ。

 盆の近くに来たのでアクセサリーを目で追う。指先にピンクのマニキュア。足元はハイヒールの隙間からブルーのマニキュアがのぞく。

 立上りもAimerの曲「ONE」。

 二作品目「蝶と花」で使用したAimer(エメ)の代表作をまた使用してきたことにAimer(エメ)への強い思い入れを感じたよ。

Aimer(エメ)は、日本の女性歌手。プロフィール非公開。所属レーベルはSME Records、所属事務所はagehasprings。アーティスト名は、自身の長年の愛称である「エメ」に由来し、フランス語で「愛する」「好む」を意味する動詞である。

 

 

 まだ一回しか本作品を拝見していないのだが、最初に拝見した瞬間、とても夏らしく、明るく元気いっぱいの作品だとの第一印象を受けた。水着ではなかったけど、上下セパレートの衣装がぴちぴちしていて眩しい。初々しい彩乃さんの持ち味をMIKAさんが上手に引き出してくれている感じを覚えた。我々おじさんにとっては、この暑い夏を乗り越えるには若々しい彩乃さんの元気とパワーが(鰻以上に)効果があるもんね。素直にそう感じた。

 ところが、後から演目名が「私と今 -2018-」であること、そして「タイトルは自分で付けました。できないことも多くて、でもできないことばかりに目を向けずに、今の自分が一番きれいに見える最大限の踊りを。MIKA姐さんが教えてくれたことです。挑戦は続けるし、できないことは少ないにこしたことないけど、それ以上に、今できることを精一杯。」との手紙を受け取り、見る目が変わった。こりゃ、単純ではないな!!!

 選曲と歌詞を味わってみる。一曲目のBUNP OF CHICKEN の「Saling day」。初めて聴いた。「ONE PIECE」の歌なんだ。ハイテンポな曲だが、意味深な言葉が並んでいる。「精一杯 存在の証明」というフレーズが心に残る。このバンド、いいねぇ~他の曲もいい。また素敵なバンドを紹介してもらって嬉しくなったよ。

二曲目の「マジックナンバー」も初めて聴いた。アニメの曲だね。「めいっぱい傷ついて/せいいっぱい走って/何十回転んで/泣いて/それでもまだ/あきれるくらい/明日を信じて」 ここでも精一杯のフレーズが出てくるね。

米津玄師の「ピースサイン」もアニメ「僕のヒーローアカデミア」の歌。「遠くへ行け遠くへ行けと僕の中で誰かが歌う」ヒーローになるための元気が出る歌だね。

そして、Aimer(エメ)の「六等星の夜」はしんみりと、「ONE」は元気いっぱいに、勇気を与えてくれる。

 

 まだ一年目、そして三作目としては、夏を前にして夏らしい作品にしたいと普通は思うだろう。新人のうちはどうしても持ち駒を増やしたい気持ちが先走るもの。しかし彩乃さんの場合は少し違うような気がする。ひとつひとつの作品を作り上げていくのに自分の成長を入れたい。そんな彩乃さんの思い入れを強く感じる。

 彩乃さんとお手紙のやり取りをする中で、私が文章に織り込もうとした真理みたいなものを凄く敏感に感じ取ってくれる。書き手としては凄く嬉しいこと。感性の豊かさ、それが彩乃さんの最大の魅力でもある。しかもそれが真面目さとペアになっている。いいものを感じとって、それを自分にも身に付けたいと強く思う。そう、それが成長の鍵である。何も感じなければ成長なんてないもんね。で、頑張ろうとする。その意欲が素晴らしい。しかし、何事もそう簡単には身に付かない。中条新聞の№2「浅草ロック座SOB2nd編」でも、ゆきなさんと一緒に頑張った苦労話が載っているね。どんな動きや振付にも基礎的な筋力みたいなものがあって、そう簡単にできるものではない。ゆきなさんができたのに自分ができないもどかしさを感じたり。そして今できないものはステージには表せない。つまり等身大の自分しかステージには出せないんだね。「2018年現在、今の私がステージで表現できる精一杯です」というタイトルなのだと感じた。

 MIKAさんが教えているように、今は「今の自分が一番きれいに見える最大限の踊りを」すればいいんだ!

 彩乃さんは賢いから分かっていると思う。ひとつひとつが全て勉強になることを。

 物事には身体で覚えることと頭で覚えることがある。全てのことが無駄ではない。私の文章からもたくさん学んでほしい。失敗も努力も、全てが目標となる夢に繋がっている。

 踊り子の成長は、我々応援しているファンの喜びであり希望である。「私と今 -2018-」をしっかり観て受け止めてあげたい。今の彩乃さんを愛したい。そして私も彩乃さんのステージから元気をもらい、彩乃さんと一緒に成長したいと強く思う。

 

 

平成30年8月                            小倉A級にて

 

 

 

 

【中条彩乃さんからのお返事】

一回目

ポラ裏(昨日一度しか新作をお見せできなかったので、レポートは次回かなと思っていたのに、早々に持ってきてくれ、しかも私の少ない言葉でここまで読み取ってくれて、本当に涙が出ました。ありがとう。) 

手紙(昨日のたった一回でここまでたくさん書いてくれると思ってなかったし、私の気持ちをしっかり読んでくれて、そのうえで、今の彩乃さんを愛す、と受け入れてくれたことが嬉しくて、とても感動しました。本当にありがとうございます。   

MIKA姐さんの振付のこと、私の想い、もっと話したいことがあるので、三回目までにお手紙を改めて書きます。三回目の「私と今」を観てから、また読んでもらえたらいいなと思います。(レポートを三回くらい読み込んでたら返事書く暇なかった(笑))

 

二回目

ポラ裏(小倉遠征、初日から三日間本当にありがとうございました!! 高速バスを使ったことや、久しぶりに訪れたことを知って、ありがたさや嬉しさでいっぱいです。栗橋でも会えるんですね!! 楽しみ) 

手紙(新作についてのレポート、本当にありがとうございました。新作への想いをお話させてもらいますね。一作目はアン・ルイス、二作目はブルーハーツを使っていて、ダンスの苦手な私でも、世代の方が楽しめるような選曲をしていました。つまり、曲の力を借りてたんです。けど三作目は‘自分’を観てほしくて、今の私を感じてほしくて、そんな気持ちを歌った曲を選びました。ステージに立った時、少しだけ孤独を感じるんです。でも歌詞に勇気づけられて、支えられて、私が私と向き合ってる、そんな気分です。

私は今まで、仙葉由季姐さん、MIKA姐さんしか振りを付けてもらったことがないですが、由季姐さんはスタジオで曲をかけて、動きながら振りを固めてく・・・という感じ。それに対して、MIKA姐さんはスタジオでレッスンするまでに、きっちり振りを決めてきて下さります。そして、実際に一緒にやってみて、私ができないところの振りを変更してく・・・という感じ。新作の初出しが東洋だったこともあり、広いバージョンと、ふつうバージョンの二つを用意して下さりました。本当はそこらへんの手直しやアレンジは、自分でしなきゃいけないので、MIKA姐さんには頭が上がりません。姐さんは、前にも書いたように「今の自分を最大限にきれいに見せる」これを大事にしていて、お尻や手足の長さが映える振付をして下さったように思います。ただ本当に、苦手な動きもあって、MIKA姐さんにたくさん踊りやすいように振りを変えてもらいました。悔しくて悔しくて、姐さんが帰ったあとスタジオで一人泣いたり・・・これは内緒です(笑) しかもレッスンも、東洋の前の週の横浜にいるときに、終演後スタジオに行ってやってました。遅い時間にわざわざ来て下さった姐さんにも大感謝です。横浜中に振り写し、東洋前半で練習して、中日に出せた・・って感じです。MIKA姐さんの踊りは本当に素敵で、魅了するってこのことだろうなと感じます。私も、こうなりたい、と思ったからこそ、自分の出来なさに心が折れました。  

MIKA姐さんに振付をお願いするとき、私「踊りたい」って言ったんです。だから1~3曲目たくさん踊る内容になっていて。でも、私の「踊りたい」って、「踊れるようになりたい」だったんだなって痛感しています。まだまだ壁にぶつかりまくっている三作目ですが、最大限にきれいな私をお見せできるよう努めていきます。是非歌詞とダンスと私に注目して、今後も応援してもらえたらと思います。   

ちなみに全曲大好きですが、やっぱり一番は立上りの「ONE」。

―誰かが決めた君の‘君らしさ’なんてー 

ーふりだしから踏み出す一歩は前よりもずっと強いー 

―叶えたい夢失くさないで輝けるその日までー  

私の想いを抱きしめて、大切に踊りたいと思います。 

いそいで書いたので字が少し雑になってしまいましたが・・・帰りの時間潰しになればと思います。 )