ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、2020年1月頭の大阪東洋ショー劇場でのお正月公演の模様(第2弾)を、二周年作を題材に、「三年目の脱皮」という題名で語ります。
ただ今、3月中のライブシアター栗橋を前にして、お正月公演のやり残した宿題に取り掛かろうとしています。そう、二周年作のレポートです。
お正月公演では、演目名や曲名を確認できず、時間もなかったので簡単なレポートにしましたが、最後に曲名を教えてもらったのでゆっくり確認できました。また、やはりMIKAさんの振付なのですね。しっかり観劇レポートを残しておきたくなりました。
初めてステージを拝見したとき、おおーっ!という特別なインパクトは感じなく、従来の路線の延長だなと思いました。しかし、何度か拝見するごとに「彩乃さん、成長したな。なにか変わった感じがするな」と直感的に感じました。それは一体何なのか、、レポートを書き進めながら探ってみたいと思います。彩乃さんの場合はいつも、選曲を聴きこんでいくと想いが見えてくるのでやりやすい。その分、時間がかかるけどね。
では、2周年作のおさらいから始めます。
最初に、黒いコートを羽織り、頭を黒い三角フードでおおう。一周年作「中条サンバ」の出だしを彷彿させる、おどろおどろしい雰囲気。さらに両手首をそれぞれ黒い紐で結ばれている。
なんか暗黒のしがらみにとりつかれている様子。
音楽は、聴いたことのない荘厳な楽曲だ。『UnChild』(アンチャイルド)は、プロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]:Aimer(サワノヒロユキヌジークエメ)の1枚目のアルバム。
これは、アニメ『機動戦士ガンダムUC』とその音楽を担当する澤野弘之、主題歌担当のAimerによるコラボレーション・アルバム。
彩乃さんの大好きなAimerが、ガンダムの主題歌を歌っていたとは驚き。ついに最終章を迎えた『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』episode 6及びepisode 7の主題歌を歌っていた。そして『機動戦士ガンダムUC』の音楽を担当する澤野弘之と新プロジェクト“SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer(サワノヒロユキヌジークエメ)”を結成していたのだ。しかもAimerが英語で歌っている。Aimerは日本語の歌詞ばかり聴いていたので耳がびっくりした‥‥でも確かに新たな一面が見れます。とくにガンダム好きには神曲に聴こえるだろうなと思う。
一曲目が終わって、一旦暗転する。そして、がらりと雰囲気の違う「喜びのインスト曲」が流れる。
黒いコートを取ると、一転、かわいい黄色い衣装になる。
肩出しで、首から下に黄色い花柄のワンピースが流れる。胸元に大きな黄色い花がワンポイントで付いている。腰に黄色い布を巻く。スカート部は前上がり後ろ下がり。足元は銀のハイヒールを履く。
明るい音楽に乗って、元気に楽しく踊る。
楽曲は、絢香の曲「にじいろ」。2014年6月18日にリリースされた13枚目のシングル。私も観ていたNHK連続テレビ小説『花子とアン』の主題歌。
絢香(あやか、1987年12月18日 - 現在32歳)は、女性シンガーソングライター。 大阪府守口市出身。血液型は O型。身長157cm。夫は俳優の水嶋ヒロ。シェリル・クロウ、吉田美和を敬愛している。好きな歌手はザ・ビートルズ、DREAMS COME TRUE、平井堅、Mr.Children等。 フィギュアスケート女子シングル選手の安藤美姫と生年月日が一緒であることから親交を持つようになった。2007年3月に東京で開催された世界選手権のエキシビションでは絢香の「I believe」の生歌唱に合わせて安藤が演技を披露した。
暗雲がパーっと晴れたイメージかな。ここに、なにかを吹っ切れたような心境の変化を読み取れる。では、それは何か?
音楽が変わる。
back numberの「ミスターパーフェクト」。作詞:清水依与吏. 作曲:清水依与吏。2011年10月5日にリリースされた3rdシングル「思い出せなくなるその日まで」のカップリング曲。隠れた名曲だ。2ndアルバム「スーパースター」にも収録されている。
”失恋ソング”で人気を博している注目の若手バンド・back number。私は「ハッピーエンド」(福士蒼汰主演映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の主題歌)だけは知っていた。
back number(バックナンバー)は、日本のスリーピースバンドである。2004年 群馬県にて清水を中心に結成。バンド名は「付き合っていた女性をバンドマンにとられた。彼女にとって、振られた自分はback number(型遅れ)だから」 という意味で清水によって付けられた。
<現メンバー>
清水依与吏(しみず いより) ボーカル、ギター、作詞、作曲。1984年7月9日生(現在35歳)。群馬県太田市出身。
小島和也(こじま かずや) ベース、コーラス。1984年5月16日生。 群馬県伊勢崎市出身。
栗原寿(くりはら ひさし) ドラムス。 1985年7月24日生。 群馬県伊勢崎市出身。
(歌いだし)♪「ありがとうさようなら今までのいびつな僕よそのままの君じゃ生きていけなくてだからここで手を振るよ誰からも愛される人にならなくちゃ誰にも嫌われない人になればいいのさ」
この歌を聴きこんで、漸く彩乃さんの心境の変化に辿り着いた気になった。このことは後で詳述したい。
音楽に合わせ、花道で踊る。そして舞台に戻る。ここで衣装を脱ぐ。白いTバックに。
袖に移動して、黒い花柄刺繍入りのドレスを羽織る。
盆に移動して、ベッドショーへ。
白いTバックを脱いで右太ももに巻く。パイパンが眩しい。
ヌードも久々のパイパンだし、もう隠すものはない!といった爽快感を感ずる笑。
ベッド曲は、泰基博の「鱗(うろこ)」。2thシングル。2007年6月6日リリース。
泰基博といえば、私は「ひまわりの約束」(2014年8月6日リリース、17thシングル、映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌)くらいしか知らなかったので、初期にこんないい曲があったのかと感動した。と同時に、ネットで検索して、秦基博とあだち充がコラボレーションしたPV『鱗(うろこ)×「タッチ」「MIX」スペシャルMV -あの夏から26年-』に驚いた。私は最近、タッチを題材に長編童話「踊り子になった浅倉南」を書いたばかりだよ。なんか色々と絡んできて不思議だ。この曲も演目のセカンド・キーになってるね。
(歌いだし)♪「少し伸びた前髪を かき上げた その先に見えた 緑がかった君の瞳に 映り込んだ 僕は魚 いろんな言い訳で着飾って 仕方ないと笑っていた 傷付くよりは まだ その方がいいように思えて」「夏の風が 君をどこか 遠くへと 奪っていく 言い出せずにいた想いを ねぇ 届けなくちゃ 君を失いたくないんだ 」「君に今 会いたいんだ 会いに行くよ たとえ どんな痛みが ほら 押し寄せても 鱗のように 身にまとったものは捨てて 泳いでいけ 君のもとへ 君のもとへ それでいいはずなんだ」
秦 基博(はた もとひろ、1980年10月11日 - 現在39歳)は日本のミュージシャン。宮崎県日南市生まれ・神奈川県横浜市青葉区育ち。身長178cm。血液型A型。3人兄弟の末っ子。既婚。通称「はた坊」。
立ち上がり曲は、リトグリの「世界はあなたに笑いかけている」で盛り上がる。Little Glee Monsterの12枚目のシングル。2018年8月1日発売。作詞:いしわたり淳治、丸谷マナブ / 作曲・編曲:丸谷マナブ。2018年〜2019年コカ・コーラ年間イメージソング。第60回日本レコード大賞 作曲賞を受賞。
Little Glee Monster(リトル グリー モンスター)は、日本のガールズボーカル音楽グループ。2012年7月結成。2014年10月29日に6人組ボーカルグループとしてメジャーデビュー。メンバーの加入と脱退を経て、現在は5人で活動している。略称はリトグリ。
最後に盆の上でドレスをきちんと着直して舞台に戻っていく。
堂々とした二周年作です。演目名は決めたのかな。
back numberの「ミスターパーフェクト」の歌詞は意味深だね。すごく考えさせられる。
「ミスターパーフェクト」すなわち「完璧な男」になるために、いびつな自分を変えていこうとする。ところが足し算をしていくのではなく、いびつなところをどんどん引き算していく。そうすると最後には、何にもなくなってしまうというお話です。最後の歌詞「僕はこんなものになりたかったのか ここには誰一人 自分さえいないのに」に言いたいことが凝縮されています。
この曲は「完璧な人間」という言葉をテーマにしながら、”完璧じゃなくていい”と教えてくれるところがいい。人間は、どこかに不完全なところを持っているからこそ素晴らしいと言っている気になります。
これから先、自分のことを書きますのでご了承下さい。
私は足の不自由な身障者なので、まさしく‘いびつな人間’です。それに負けまいと努力もし、勉強はできました。一流の大学を出て、一流の会社に就職し、運よく結婚し子供三人の恵まれた家庭を築き上げました。そこまでは自慢できる美談でしょう。しかし、それが本当に望んだ自分の幸せなのか、ずっと自問自答していました。
40歳を過ぎて、ストリップに嵌り、あろうことか50歳半ばで家庭を崩壊させてしまった。今では60歳を過ぎ、仕事も辞め、ストリップ三昧しながら、好きな執筆活動をやっている。この歳になると、好きなことだけをやりたい。好きなものを見て、好きなことを書きたい。好きな人とだけお付き合いしたい。嫌いな人は相手しない。そんな生き方を模索している。
家庭を壊し、仕事もせず、ストリップなんかで時間を潰している・・そんなダメな人間、まさしく‘いびつな人間’の典型なんでしょう。身障者でありながら自堕落な生活をしている最低の人間と言えるでしょう。まさしく人間失格です。今年に入って太宰治の小説『人間失格』を興味深く読んだところでもあります。共感するところが多かったので、いずれこれを題材に書きたいこともあります。
今までの自分は、自分のいびつな部分を隠そうと思って生きてきました。
若い頃は女の子の前では身障者である自分を見せたくないと思いました。ところが恋をするとどうしようもなくなります。気が狂うほどに悩み、相手に告白しないでいれなくて結果すべて見事に散りました。こうして失恋の痛手を重ねてきました。大学時代に自分は一生結婚できないと思い、一人アパートにこもり自殺願望が過ったこともありました。情けない限りです。
私がストリップにはまり抜け出せなくなったのは、こうした青春の残り香なんだと感じています。ふつうなら綺麗な女房と結婚でき家庭を築けたのだから、それで満足すればよかったのです。ところがストリップには不思議な魅力があります。身障者の私ですが健常者と全く変わらずに遊んでもらえます。これまでの私は女性に対してコンプレックスを持ち常に引け目を感じていました。ところがストリップは対等の関係で遊べるわけです。とくに私には手紙という武器がありました。お陰で他のお客以上に楽しくストリップを楽しむことができています。
私は表現者でした。踊り子がステージで自分を表現するのと同じく、私は文章で表現できます。本当は好きな歌を表現手段にしたかったと思うことがありますがそれは夢で終わりました。
60歳を過ぎ、私は女の人の前で恰好よく見せようとは思わなくなりました。というか、いびつなままの自分をそのまま見せればいいと思えるようになりました。だから、彩乃さんに対して、こうして赤裸々に書いています。これで嫌われたら、それはそれまでと諦められます。
童話という空想の翼を得たので、かっこいい話にすることもできます。今まではそうしていました。でも今は、いびつな部分をそのまま書いてもいい、もう恥ずかしがる必要はないんだと自分に言い聞かせています。表現者であれば猶更です。
私もストリップ歴が20年以上になりましたので、心あるお姐さんにはストレートに話しだしました。MIKAさんには以前から話しています。彼女には全てを受け止めてくれる懐の深さと温かさを感じました。彩乃さんとも二年というお付き合い、しかも文章で意思疎通しているので内容の濃いお付き合いができていると思い、こうして赤裸々に私のプライベートなことを話すことにしました。本来、踊り子と客との付き合いは、そこまで話す必要のないものだと思います。でも私も表現者として、ある割り切りを感じ始めています。つい最近も、ある踊り子さんに(原田知世の「時をかける少女」にかけて)童話「時をかけるおじさん」を書いて渡しました。後でお見せします。よかったら読んでみて下さい。
踊り子も仕事柄、真っ裸なので隠しようもなく全て観られます。良くも悪くも観られるでしょう。そして、それを心ない言葉で話す人もいます。心が傷ついたり、心が折れたり、大変なことだと思います。それが表現者の宿命なのかもしれませんね。
これまでのお付き合いで彩乃さんの悩みは少しは理解できているつもりです。私はストリップの父として、また彩乃さんのファンとして、ステージを通して感じたことを手紙でもって返信してきました。
今回の二周年作で、暗雲が晴れて、踊り子として勇気が出てきているとしたら、ファンとして嬉しいことこの上ないです。これまでの苦労は必ず次のステップでの血肉になっています。三年目にはまた新たな中条彩乃の活躍が観れそうですね。楽しみです。
今回の観劇レポートでは、つまらない話を長々としてしまい申し訳ありませんでした。
2020年1月 大阪東洋ショーにて