ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、2020年1月頭の大阪東洋ショー劇場でのお正月公演の模様(第2弾)を、二周年作を題材に、「三年目の脱皮」という題名で語ります。

 

 

 ただ今、3月中のライブシアター栗橋を前にして、お正月公演のやり残した宿題に取り掛かろうとしています。そう、二周年作のレポートです。

 お正月公演では、演目名や曲名を確認できず、時間もなかったので簡単なレポートにしましたが、最後に曲名を教えてもらったのでゆっくり確認できました。また、やはりMIKAさんの振付なのですね。しっかり観劇レポートを残しておきたくなりました。

 初めてステージを拝見したとき、おおーっ!という特別なインパクトは感じなく、従来の路線の延長だなと思いました。しかし、何度か拝見するごとに「彩乃さん、成長したな。なにか変わった感じがするな」と直感的に感じました。それは一体何なのか、、レポートを書き進めながら探ってみたいと思います。彩乃さんの場合はいつも、選曲を聴きこんでいくと想いが見えてくるのでやりやすい。その分、時間がかかるけどね。

 

 では、2周年作のおさらいから始めます。

 最初に、黒いコートを羽織り、頭を黒い三角フードでおおう。一周年作「中条サンバ」の出だしを彷彿させる、おどろおどろしい雰囲気。さらに両手首をそれぞれ黒い紐で結ばれている。

 なんか暗黒のしがらみにとりつかれている様子。

 音楽は、聴いたことのない荘厳な楽曲だ。『UnChild』(アンチャイルド)は、プロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]:Aimer(サワノヒロユキヌジークエメ)の1枚目のアルバム。

これは、アニメ『機動戦士ガンダムUC』とその音楽を担当する澤野弘之、主題歌担当のAimerによるコラボレーション・アルバム。

 彩乃さんの大好きなAimerが、ガンダムの主題歌を歌っていたとは驚き。ついに最終章を迎えた『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』episode 6及びepisode 7の主題歌を歌っていた。そして『機動戦士ガンダムUC』の音楽を担当する澤野弘之と新プロジェクト“SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer(サワノヒロユキヌジークエメ)”を結成していたのだ。しかもAimerが英語で歌っている。Aimerは日本語の歌詞ばかり聴いていたので耳がびっくりした‥‥でも確かに新たな一面が見れます。とくにガンダム好きには神曲に聴こえるだろうなと思う。

 一曲目が終わって、一旦暗転する。そして、がらりと雰囲気の違う「喜びのインスト曲」が流れる。

 黒いコートを取ると、一転、かわいい黄色い衣装になる。

 肩出しで、首から下に黄色い花柄のワンピースが流れる。胸元に大きな黄色い花がワンポイントで付いている。腰に黄色い布を巻く。スカート部は前上がり後ろ下がり。足元は銀のハイヒールを履く。

 明るい音楽に乗って、元気に楽しく踊る。

 楽曲は、絢香の曲「にじいろ」。2014年6月18日にリリースされた13枚目のシングル。私も観ていたNHK連続テレビ小説『花子とアン』の主題歌。

絢香(あやか、1987年12月18日 - 現在32歳)は、女性シンガーソングライター。 大阪府守口市出身。血液型は O型。身長157cm。夫は俳優の水嶋ヒロ。シェリル・クロウ、吉田美和を敬愛している。好きな歌手はザ・ビートルズ、DREAMS COME TRUE、平井堅、Mr.Children等。 フィギュアスケート女子シングル選手の安藤美姫と生年月日が一緒であることから親交を持つようになった。2007年3月に東京で開催された世界選手権のエキシビションでは絢香の「I believe」の生歌唱に合わせて安藤が演技を披露した。

暗雲がパーっと晴れたイメージかな。ここに、なにかを吹っ切れたような心境の変化を読み取れる。では、それは何か?

 音楽が変わる。

back numberの「ミスターパーフェクト」。作詞:清水依与吏. 作曲:清水依与吏。2011年10月5日にリリースされた3rdシングル「思い出せなくなるその日まで」のカップリング曲。隠れた名曲だ。2ndアルバム「スーパースター」にも収録されている。

”失恋ソング”で人気を博している注目の若手バンド・back number。私は「ハッピーエンド」(福士蒼汰主演映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の主題歌)だけは知っていた。

back number(バックナンバー)は、日本のスリーピースバンドである。2004年 群馬県にて清水を中心に結成。バンド名は「付き合っていた女性をバンドマンにとられた。彼女にとって、振られた自分はback number(型遅れ)だから」 という意味で清水によって付けられた。

<現メンバー>

清水依与吏(しみず いより) ボーカル、ギター、作詞、作曲。1984年7月9日生(現在35歳)。群馬県太田市出身。

小島和也(こじま かずや) ベース、コーラス。1984年5月16日生。 群馬県伊勢崎市出身。

栗原寿(くりはら ひさし) ドラムス。 1985年7月24日生。 群馬県伊勢崎市出身。

(歌いだし)♪「ありがとうさようなら今までのいびつな僕よそのままの君じゃ生きていけなくてだからここで手を振るよ誰からも愛される人にならなくちゃ誰にも嫌われない人になればいいのさ」

 この歌を聴きこんで、漸く彩乃さんの心境の変化に辿り着いた気になった。このことは後で詳述したい。

 音楽に合わせ、花道で踊る。そして舞台に戻る。ここで衣装を脱ぐ。白いTバックに。

 袖に移動して、黒い花柄刺繍入りのドレスを羽織る。

 盆に移動して、ベッドショーへ。

 白いTバックを脱いで右太ももに巻く。パイパンが眩しい。

ヌードも久々のパイパンだし、もう隠すものはない!といった爽快感を感ずる笑。

ベッド曲は、泰基博の「鱗(うろこ)」。2thシングル。2007年6月6日リリース。

泰基博といえば、私は「ひまわりの約束」(2014年8月6日リリース、17thシングル、映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌)くらいしか知らなかったので、初期にこんないい曲があったのかと感動した。と同時に、ネットで検索して、秦基博とあだち充がコラボレーションしたPV『鱗(うろこ)×「タッチ」「MIX」スペシャルMV -あの夏から26年-』に驚いた。私は最近、タッチを題材に長編童話「踊り子になった浅倉南」を書いたばかりだよ。なんか色々と絡んできて不思議だ。この曲も演目のセカンド・キーになってるね。

(歌いだし)♪「少し伸びた前髪を かき上げた その先に見えた 緑がかった君の瞳に 映り込んだ 僕は魚 いろんな言い訳で着飾って 仕方ないと笑っていた 傷付くよりは まだ その方がいいように思えて」「夏の風が 君をどこか 遠くへと 奪っていく 言い出せずにいた想いを ねぇ 届けなくちゃ 君を失いたくないんだ 」「君に今 会いたいんだ 会いに行くよ たとえ どんな痛みが ほら 押し寄せても 鱗のように 身にまとったものは捨てて 泳いでいけ 君のもとへ 君のもとへ それでいいはずなんだ」

秦 基博(はた もとひろ、1980年10月11日 - 現在39歳)は日本のミュージシャン。宮崎県日南市生まれ・神奈川県横浜市青葉区育ち。身長178cm。血液型A型。3人兄弟の末っ子。既婚。通称「はた坊」。

立ち上がり曲は、リトグリの「世界はあなたに笑いかけている」で盛り上がる。Little Glee Monsterの12枚目のシングル。2018年8月1日発売。作詞:いしわたり淳治、丸谷マナブ / 作曲・編曲:丸谷マナブ。2018年〜2019年コカ・コーラ年間イメージソング。第60回日本レコード大賞 作曲賞を受賞。

Little Glee Monster(リトル グリー モンスター)は、日本のガールズボーカル音楽グループ。2012年7月結成。2014年10月29日に6人組ボーカルグループとしてメジャーデビュー。メンバーの加入と脱退を経て、現在は5人で活動している。略称はリトグリ。

最後に盆の上でドレスをきちんと着直して舞台に戻っていく。

 堂々とした二周年作です。演目名は決めたのかな。

 

back numberの「ミスターパーフェクト」の歌詞は意味深だね。すごく考えさせられる。

「ミスターパーフェクト」すなわち「完璧な男」になるために、いびつな自分を変えていこうとする。ところが足し算をしていくのではなく、いびつなところをどんどん引き算していく。そうすると最後には、何にもなくなってしまうというお話です。最後の歌詞「僕はこんなものになりたかったのか ここには誰一人 自分さえいないのに」に言いたいことが凝縮されています。

この曲は「完璧な人間」という言葉をテーマにしながら、”完璧じゃなくていい”と教えてくれるところがいい。人間は、どこかに不完全なところを持っているからこそ素晴らしいと言っている気になります。

 

これから先、自分のことを書きますのでご了承下さい。

私は足の不自由な身障者なので、まさしく‘いびつな人間’です。それに負けまいと努力もし、勉強はできました。一流の大学を出て、一流の会社に就職し、運よく結婚し子供三人の恵まれた家庭を築き上げました。そこまでは自慢できる美談でしょう。しかし、それが本当に望んだ自分の幸せなのか、ずっと自問自答していました。

40歳を過ぎて、ストリップに嵌り、あろうことか50歳半ばで家庭を崩壊させてしまった。今では60歳を過ぎ、仕事も辞め、ストリップ三昧しながら、好きな執筆活動をやっている。この歳になると、好きなことだけをやりたい。好きなものを見て、好きなことを書きたい。好きな人とだけお付き合いしたい。嫌いな人は相手しない。そんな生き方を模索している。

家庭を壊し、仕事もせず、ストリップなんかで時間を潰している・・そんなダメな人間、まさしく‘いびつな人間’の典型なんでしょう。身障者でありながら自堕落な生活をしている最低の人間と言えるでしょう。まさしく人間失格です。今年に入って太宰治の小説『人間失格』を興味深く読んだところでもあります。共感するところが多かったので、いずれこれを題材に書きたいこともあります。

 

今までの自分は、自分のいびつな部分を隠そうと思って生きてきました。

若い頃は女の子の前では身障者である自分を見せたくないと思いました。ところが恋をするとどうしようもなくなります。気が狂うほどに悩み、相手に告白しないでいれなくて結果すべて見事に散りました。こうして失恋の痛手を重ねてきました。大学時代に自分は一生結婚できないと思い、一人アパートにこもり自殺願望が過ったこともありました。情けない限りです。

私がストリップにはまり抜け出せなくなったのは、こうした青春の残り香なんだと感じています。ふつうなら綺麗な女房と結婚でき家庭を築けたのだから、それで満足すればよかったのです。ところがストリップには不思議な魅力があります。身障者の私ですが健常者と全く変わらずに遊んでもらえます。これまでの私は女性に対してコンプレックスを持ち常に引け目を感じていました。ところがストリップは対等の関係で遊べるわけです。とくに私には手紙という武器がありました。お陰で他のお客以上に楽しくストリップを楽しむことができています。

私は表現者でした。踊り子がステージで自分を表現するのと同じく、私は文章で表現できます。本当は好きな歌を表現手段にしたかったと思うことがありますがそれは夢で終わりました。

60歳を過ぎ、私は女の人の前で恰好よく見せようとは思わなくなりました。というか、いびつなままの自分をそのまま見せればいいと思えるようになりました。だから、彩乃さんに対して、こうして赤裸々に書いています。これで嫌われたら、それはそれまでと諦められます。

童話という空想の翼を得たので、かっこいい話にすることもできます。今まではそうしていました。でも今は、いびつな部分をそのまま書いてもいい、もう恥ずかしがる必要はないんだと自分に言い聞かせています。表現者であれば猶更です。

 

私もストリップ歴が20年以上になりましたので、心あるお姐さんにはストレートに話しだしました。MIKAさんには以前から話しています。彼女には全てを受け止めてくれる懐の深さと温かさを感じました。彩乃さんとも二年というお付き合い、しかも文章で意思疎通しているので内容の濃いお付き合いができていると思い、こうして赤裸々に私のプライベートなことを話すことにしました。本来、踊り子と客との付き合いは、そこまで話す必要のないものだと思います。でも私も表現者として、ある割り切りを感じ始めています。つい最近も、ある踊り子さんに(原田知世の「時をかける少女」にかけて)童話「時をかけるおじさん」を書いて渡しました。後でお見せします。よかったら読んでみて下さい。

 

踊り子も仕事柄、真っ裸なので隠しようもなく全て観られます。良くも悪くも観られるでしょう。そして、それを心ない言葉で話す人もいます。心が傷ついたり、心が折れたり、大変なことだと思います。それが表現者の宿命なのかもしれませんね。

これまでのお付き合いで彩乃さんの悩みは少しは理解できているつもりです。私はストリップの父として、また彩乃さんのファンとして、ステージを通して感じたことを手紙でもって返信してきました。

今回の二周年作で、暗雲が晴れて、踊り子として勇気が出てきているとしたら、ファンとして嬉しいことこの上ないです。これまでの苦労は必ず次のステップでの血肉になっています。三年目にはまた新たな中条彩乃の活躍が観れそうですね。楽しみです。

 

今回の観劇レポートでは、つまらない話を長々としてしまい申し訳ありませんでした。

 

 

2020年1月                             大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

 

 ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、2020年1月頭の大阪東洋ショー劇場でのお正月公演の模様を、二周年作&チームおんざろっく。第二弾を題材に、「新年早々に中条彩乃さんに会って感慨にふけるのも一興である」という題名で語ります。

 

 

2020年1月頭の大阪東洋ショー劇場に元旦から通う。

今週の香盤は次の通り。①あらきまい(東洋)、②中条彩乃(ロック)、③ゆきな(ロック)、④伊東紅蘭(東洋)、⑤水元ゆうな(東洋) 〔敬称略〕。

今週はお正月興行とあって、東洋の新旧看板娘三人とロックの人気者二人のチーム「おんざろっく。」が揃い、大賑わい。

 

 彩乃さんは大阪東洋には昨年8月結以来、約四か月ぶりとなる。東洋の人気者としては間隔が空いたね。過去の東洋の香盤を振り返ってみると、2018年は1月中に初乗り→4月中→6月中→9月結で年四回、次の2019年は3月頭→8月結で年二回となってしまった。ポン友のゆきなさんが2019年に5回ものって東洋タレント準専属になっているのに比べるとあまりに少ないね。2020年はお正月からスタートなのでもっと乗ってほしいね。

私としても昨年9月中のライブシアター栗橋以来ほぼ四か月ぶりになる。ファンとしてはずいぶん間隔が空いてしまい申し訳ありません。特に11月中のDX東寺(金銀銅杯)に行けなかったのが残念だった。その間をフォローしようと、ふだんは見ないのですが今回はTwitterをちらちらと眺めました。

 その間、彩乃さんは10月結に2周年を迎えている。今回の一回目ステージが二周年作なんだね。たしか振付はMIKAさんに頼む予定と言っていたね。

 他にも新作が出ている。11月結の小倉A級では「アボ恋~彼はアボカドアレルギー~」を初出し、また12月頭の広島第一では上野綾さんの演目「さんぽ」も譲り受けているのに驚く。

 そして、前回8月の東洋で大好評だったチーム「おんざろっく。」の第二弾を今回の東洋で初出し。

 彩乃ファンである私としては、未だに観ていない作品やレポート未提出の作品がたくさんあり、気合を入れ直している次第。笑

 

 さて、今回の出し物について簡単に感想を。(まだ曲名を確認していないので)

 一回目ステージは2周年作かな。振付がなんとなくMIKAさんぽい。(笑)

 最初に、黒いコートを羽織り、頭を黒いフードでおおう。一周年作「中条サンバ」を彷彿させる、おどろおどろしい雰囲気。さらに両手首をそれぞれ黒い紐で結ばれている。

 黒いコートを取ると、一転、かわいい黄色い衣装になる。AKB48の曲「365日の紙飛行機」にのって楽しく踊る。暗雲がパーっと晴れたイメージかな。

 ヌードも久々のパイパンだし、もう隠すものはない!といった爽快感を感ずる笑。

 堂々とした二周年作です。演目名はあるのかな。そして曲名を教えてもらって、作品のテーマに迫ってみたいと思います。

 

 そして、待ちに待ったチーム「おんざろっく。」の第二弾。

 最初に、二人で、鳴子(なるこ)を両手に持って踊る。よさこい祭りだね。一気に元気が出て盛り上がる。

 次に、ゆきなさん、そして中条彩乃さんのソロ・バージョンが続く。ゆきなさんはピンクの着物姿、中条彩乃さんはアーミールックでそれぞれの味を出す。

 最後は、二人で、水玉の衣装で踊り、そしてベッドショーへ。

 チームショーのポラは長蛇の列で延々と続く。二人の人気の高さが窺える。

 

 お正月から楽しさMAX。ゆっくりできずに観劇レポートを書けないのが悔しい。

 

 考えてみれば、彩乃さんは私の娘と同じ年ごろ。下の娘は彩乃さんの一歳下。もう彼氏はできたかな。上の娘は結婚し、もうすぐ母親になる予定。ふと、娘たちがどうしているかなと思う。私にとって、彩乃さんを憧れの踊り子さんとして応援しているが娘みたいなもの。そう思って、一年前に童話「骨まで愛して」を書いたのが今更ながら懐かしい。

 子供たちは親の知らないところでいろいろな経験を積んで成長している。年頃になった子供に対して、親はある程度距離を保って見ていたい。あまり近づき過ぎると嫌がれるからね。困ったときにだけ手助けしてあげれればそれでいい。

 踊り子も同じかもしれないな。あまり近づき過ぎると嫌がられる。こんなおじさんにベタベタされると嫌だよね。黙って見守り、たまに小遣いをくれるくらいが丁度いい距離感なのだろう。

 彩乃さん、踊り子としてしっかり成長しておりますな。ゆきなさんや上野綾さん等いい仲間もたくさんいるようだし。もちろんファンもたくさんいる。

 ストリップのお父さんとしては、少し間隔が空き過ぎたことを反省しつつも、三年目となる2020年をより飛躍の年にできるよう見守っていきたい。

 

 

2020年1月                             大阪東洋ショーにて

 

 

 

■お正月興行の出し物

1回目 2周年作

2回目 チームおんざろっく。新作

3回目 さんぽ  上野綾さんの演目

4回目 チームおんざろっく。新作

 

■チームおんざろっく。2ndの曲名

 

1.     バーチャルパミュパミュ

2.     音の国  / きゃりーぱみゅぱみゅ

3.     響喜乱舞  / GARNiDELiA

4.     夜明

5.     フラッシュバック  / りりィ、さよなら

6.     We found love / リアーナ

7.     Dancemonkey / トーンズ アンド アイ

8.     We God the World  / アイコナ・ポップ

9.     キャンディーポップ / Twice

10.  不明

11.  Higher Climber /  HOWL  BE  QUIET

 

 

 

 ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、2020年7月中の大阪東洋ショー劇場での公演模様を、演目「君と花火」を題材に、「人生をいかに表現するか」という題名で語ります。

 

 

2020年7月中の大阪東洋ショー劇場で、七日目に新作「君と花火」が初出しされた。

「新作は夏の演目です。いつも7月、8月って浅草にのるので、自分の演目できないんだけど、今年は9月にズレたので!! 作るしかない!と思って!(笑)」「初出しドキドキー。いつになっても初めてのことって緊張するね。夏演目は『雨と太陽』ぶり!! 楽しむぞーう」

 なんと中条彩乃さんのソロ作品としては15作品目になるんだね。この他にチーム作品として二つある。三年目にしてはずいぶん頑張ってきたよね。私としては殆どの作品をレポートしてきたつもりだったが、ここにきて最新作二つ「アボ恋~彼はアボガドアレルギー~」「素晴らしい旅」をレポートしていないことを再確認できたので、是非ともこの二作品を拝見してレポートさせてもらいたいと思ったよ。

 今回お手紙で、過去の作品リストを書いて頂き、それを眺めながら思ったことを最後に述べたいと思います。

 

まずは、さっそく演目「君と花火」のステージ模様を私なりにご紹介させてもらいます。

ちなみに「この『君と花火』はみおり舞姐さん振付です」とのこと。最初のダンスのステップと、ベッドでの手振りがとても斬新だなと感じていたので、みおり舞さんの振付と聞いて納得しました。

また、選曲ですが、彩乃さんのこれまでの定番とも言えるAimer(エメ)が鳴りを潜め、今回はAimer以外の新しいミュージシャンがたくさん登場しているね。夏に相応しい曲を集めた中では、本タイトルに一番近いのはandrop『Hanabi』なのかな。他の曲が女性ボーカルで明るい曲調なのに、一曲だけ男性ボーカルで切ないソングになっている。お陰でぐっと心に沁みてくる。

総論はともあれ、具体的な内容は次のとおり。

最初に、ピンクの浴衣姿で登場。頭の右側に、薄い水色と黄色の大きな花飾りを付ける。

ピンクの帯を巻き、帯の後ろには黄色のリボン。その帯の後ろに団扇を挟んでいる。

茶色い下駄を履き、音楽に合わせ踊る。

一曲目は、めありーの「或るひと夏の追憶」。めありーによる、作曲者Orangestarの作品だけをカバーしたアルバム『彼はきっと魔法を使う。』に収録。童話のような曲だ。ハスキーだが芯のある声と、人間離れした高音が持ち味。

(歌いだし)♪「あぁ やっと目が覚めたかい君 あぁ 違うな むしろどっちが夢だか」

めありーは、ニコニコ動画などを中心に歌い手として活動中。自身のマスコットキャラクター「めあうさ」でイラストやグッズも作っている。 ⇒この「めあうさ」のイラストを見たよー、なかなかかわいいぞ♡

二曲目は、あいみょんの「真夏の夜の匂いがする」。あいみょんのメジャー8枚目のシングル。2019年7月24日に発売。作詞・作曲: あいみょん。本作は、石原さとみが主演を務めるTBS系火曜ドラマ『Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜』の主題歌として書き下ろされた。

(歌いだし)♪「真夏の夜の匂いがする 絵の具のソレと同じ香り さまざまな色恋も踊り出す 今夜は私もその一人?」

あいみょん(1995年3月6日– 現在25歳)は、日本のシンガーソングライター、作曲家、作詞家。兵庫県西宮市生まれ。5thシングル「マリーゴールド」でブレイク。

裾をめくったり面白い振付け。ここでのステップがいい。また帯に挟んでいた団扇を取り出して、振りながら踊る。

三曲目は、"東京系"アイドル・ユニット CY8ER(読み:サイバー)の「サマー」。

(歌いだし)♪「「いつか届くよう衝動ずっと抱いていたいよ. 心臓のヒビを愛撫しているような No no no. もし君がいない夜に慣れても. 世界中振動させてどうかーー. サマー、 君はもう帰れよ 呂律も回ってないみたいだよ. 小さな鼻は粉まみれの ...」

CY8ERは、"世界を騒がすガチマジアイドル"をコンセプトとする、苺りなはむ、小犬丸ぽち、ましろ、病夢やみい、藤城アンナからなる5人組アイドル・ユニット。新たなカルチャーを作り出すことを目指してオリジナル・メンバーの苺りなはむがプロデュースと所属事務所代表を務める。

ここで、帯を解いて徐々に着物を脱いでいく。下には赤いビキニ。袖のところで、全裸になる。

音楽が終わり、ここで一旦暗転し、着替える。

盆の上からスタート。

衣装は、首の後ろで結んだ肩紐で、胸から下を吊るしたベビードール。薄いふわふわの生地で、白・黄緑・紫が混ざる色彩。肩紐と胸元はショッキング・イエロー。スカートの裾はブルー。音楽に合わせ、裸足でベッドショーへ。ここでの手振りがユニーク。

右太ももに脱いだ黄色のパンティを巻く。ヘアがこんにちは。

ベッド曲は、andropの「Hanabi」。しっとりとした切ないソング。作詞作曲:Takahito Uchisawa(内澤崇仁)。

(歌いだし)♪「花火 みたいに綺麗な君を見つけたよ 素敵なんだまるで触れたらはじけて 消えてしまいそうで隣に居たいと思うんだよ 夜明けまで繋いだ話も 好きも嫌いも全部知りたかった晴れの ...」

 andropと聞いて、あっ!と思った。最近観た邦画の中でお気に入りが、俳優・高橋一生×女優・川口春奈のW主演映画『九月の恋と出会うまで』で、その主題歌 「Koi」を歌っていたのがandropだった。この映画で改めて高橋一生はいい役者だなあと思った次第。

androp(アンドロップ)は、日本の4人組ロックバンド。2008年にボーカル・ギターの内澤崇仁を中心に結成し、2011年にメジャーデビュー。内澤がandropのほとんどの楽曲の作詞・作曲・編曲を手掛ける。2014年には内澤が目標としていた国立代々木競技場第一体育館公演を行い、1万人を動員した。バンド名は英単語の「and」と「drop」を組み合わせた造語。内澤はインタビューで「自分たちの音楽が、聴く人にとって生活の中で寄り添うような音楽であってほしいと思っていたので、寄り添うという意味で〈and〉を入れました。そして、感情的な物を入れたいなという気持ちもあったので、喜怒哀楽を意味するもので、涙は形の無いものだけど、どの感情でも出てくるものだと思ったので、〈and〉と付随するものだと思い〈drop〉にしました。造語って意味の無いものだと思うのですが、あえて意味の無いものにしたかったんです」と語っており、また意味のない造語にした理由については、音楽活動を通して「androp」という言葉に意味を持たせていくことを挙げている。

立ち上がり曲は、Shiggy Jr.の「サマータイムラブ」。ノリノリで締める。「サマータイムラブ」は、Shiggy Jr.の1枚目のシングル。2015年6月24日に発売された。作詞作曲:原田茂幸.:原田茂幸。ハウステンボスの「水と冒険の王国」CMソングに起用された。

(歌いだし)♪「サマータイムラブ1時間だけ長く側にいられる神様 この季節がいつまでも続きますように 何でも打ち明けられる 大切な友達たった一つの気持が どうしても言えないよ いつだってあの子の話ばかりそれでも構わない ...」

Shiggy Jr.(シギージュニア)は、日本のバンド。2012年結成、2015年メジャーデビュー。メンバーは、ボーカルの池田智子。ギター担当及びリーダーの原田茂幸。原田がすべての楽曲を作成している。二人は同じ青山学院大学卒。ベースの森夏彦とドラムの諸石和馬は一歳年下で二人とも早稲田大学卒。池田が2018年の夏頃、喉に声帯結節の症状があると診断されたことから2019年6月5日に解散を発表。なお、原田、森、諸石の3名は解散後の2020年1月から Weekend Brothers で活動中。

 

 

最後に、私自身のことを話すので、笑って聞き流してほしいと思います。

私ももう60歳を過ぎてしまって自分の人生をやり直せない年齢になってしまいましたが、今更ながらに自分の人生を振り返って思うのが、「本当は自分は何をやりたかったのか? 何になりたかったのか?」ということです。

一流の大学を出て、一流の会社に入って、平凡なサラリーマン人生を送ってはきましたが、本当の自分はサラリーマンではなくアーティスト(表現者)だったと思うんです。では何をもって自己表現するか。手段は文章や絵や歌など色々ありますね。これまでの人生の後半30年は文章で自己表現しようと試みてきました。エッセイや童話などを書いてきましたが、最近ようやく小説も書き始めました。今回、私の処女小説をお渡ししたところです。

しかし、本当にやりたい表現は歌ではなかったのか、と感じています。本当になりたかったのはシンガーソングライターです。このことは映画「時をかける少女」で有名な女優の原田知世さんが歌手になっていることに触発されて書いた中編童話「時をかけるおじさん」で述べました。前にお渡ししたと思います。しかし、私の場合は小学二年生のとき怪我で左手が不自由になってしまい、ギターなどの楽器が扱えなかったので音楽の道は自然と諦めました。

ただ歌が好きなので大学時代からカラオケにはまりました。歌で自己表現できれば最高だと感じます。昨年、還暦祝いで田舎に帰ったときに、45年ぶりに会った同窓生たちの前でカラオケを披露し、私が歌い出した瞬間、場内が静まり返り盛大な拍手を受けました。思えば今までの人生、カラオケが私の人生を豊かなものにしてくれました。

あまり取り柄のない私ですが、自分の長所と思えるのは好きなことを続けられることです。継続は力です。今は毎日、文章を書き続けています。だから、たくさんの書き物が残されました。内容の良し悪しは別にして。だから、歌が好きなら、毎日歌を書き続け、歌い続けることも可能だったと思います。作った歌の出来が悪かろうが、人に認められなくても、自分の表現物として残せたと思うんです。

私がシンガーソングライターを目指したなら、目標とするのは大学の先輩でもあるオフコースの小田和正さんやチューリップの財津和夫さんだったと思います。学生時代ずっと憧れてました。今回の彩乃さんの作品を通じて、andropの内澤崇仁さんが青森県八戸市出身であることを知りました。私の出身の秋田からは高橋優さんもいます。こうした同じ東北人が作った音楽を聴いていると、自分と共通した土壌を感じます。音楽を志していたら彼らみたいになれたかなとふと思います。思うのは勝手ですからね(笑)。でも「何事も思うことから始まります。だから、まず思うことがとっても大事なんだ」と私はいつも思っています。

なにかを表現するには長く培ったものがないといけません。知識や経験、人生観などを持つには時間がかかります。若き天才たちとは別ですから、私の場合は文章で自己表現し始めたのは30代からです。結婚し子供ができて初めて童話に目が行きました。目標としたいのは同じ東北人である宮沢賢治でした。彼のように素晴らしい作品を書けるわけではありませんが、毎日こつこつ書いていると、自分の思うことをなにかしら表現できるようになりました。好きなストリップを観ていると勝手に物語が浮かんできます。それを瞬時に紙に落とすことができるようになります。何事も思うことと続けることが大切なんですね。

彩乃さんのように20代で、ステージで自己表現するのは凄いことだと思います。まさにこれまでの知識や経験、人生観などをテーマに、音楽を材料にして舞台を構成していきます。ふだん聴いている全ての音楽がステージに活かされてきます。音楽を聴くたびに「この曲、ステージに使えないかしら」と思うはずです。それが踊り子という表現者の本質です。

私も踊り子さんも、同じ表現者として、表現する楽しさと苦しみを知っているのだと思います。

中条彩乃としてのソロ作品15とチーム作品2を眺めてみると、中条彩乃そのものを感じます。もともと持っている感性・魅力、作品を作るためにもがいた必死さと、そして成長の跡を感じます。全てが中条彩乃です。それが自分であり、いや自分以上に自分であります。表現されたものはそういう意味を持ちます。

今回、改めて作品リストを見せて頂き、「意外とたくさんあるでしょ!!!  これからもどんどん作っていくよ!」と言う彩乃さんに多くの元気と勇気をもらいました。同じ表現者として、これからも応援させて頂きます。

 

最後に。

タイトル「君と花火」と聞いて、彩乃さんにどんな花火の思い出があるのかなとつい思いを馳せます。今年の夏はコロナのせいで多くの花火大会が中止になると聞きます。そんな中、大好きな踊り子さんの舞台で花火を味わえることはストリップファンとして嬉しい限りです。

花火といえば儚さの美学。花火のごとく踊り子にとってストリップ人生は短い。だからこそステージの上では華やいでいてほしい。そうした人生の哀歓苦楽を好きな踊り子とともに味わえることこそがストリップファン冥利に尽きるのだと思います。

 

 

2020年7月                             大阪東洋ショーに5

 

 

 ロックの踊り子・中条彩乃さんについて、2020年7月中の大阪東洋ショー劇場での公演模様を、演目「クルエラ」を題材に、「魅せるステージへの変貌」という題名で語ります。

 

 

2020年7月中の大阪東洋ショー劇場に六日目から通う。

今週の香盤は次の通り。①榎本らん(東洋)、②黒宮えいみ(ロック)、③涼宮ましろ(東洋)、④中条彩乃(ロック)、⑤真白希美(ロック) 〔敬称略〕。今週は黒宮えいみさんの東洋初乗り。

 

中条彩乃さんとはコロナ自粛期間前の2020年3月18日にライブシアター栗橋で会って以来。今回がコロナ明けのご挨拶になる。あのときに拝見した演目「放課後」は夜白小梅さんに譲るということで急いで観劇レポートを書き、今週お渡しする予定だった。

「今日は『さんぽ』と『クルエラ』という演目をやるよ!『クルエラ』は観たことなかった・・よね? この髪型の意味がわかると思う!(笑)」

 前回の栗橋で、右半分を白く染めていて、白と黒に分けた、ずいぶん斬新な髪型をしているなぁ~と思っていた。それが演目『クルエラ』と繋がっていたことを今回初めて知った。ちなみに、この新作は「すごくいいよ」とスト仲間から噂は聞いて楽しみにしていた。

驚いたのは次の点。「しかも『クルエラ』は今週ラストなんだ!! もう今後二度としないと思うので目に焼き付けておいてください。」 えー、これがラスト公演だったのー!? 中条彩乃さんの作品は全て観劇レポートに納めているつもりだったが、ここにきて演目『放課後』と演目『クルエラ』は危機一髪だったようだ。まめに応援していないとこうなるかと反省しきり。それにしても、演目『放課後』は後輩に譲るのは分かるが、演目『クルエラ』は素晴らしい作品なのに何故にこれで取り止めるのか気になる。

さらに「今週の新作は明日二回目初出し予定なのです。」 今週は二つレポートを書かないといけないという嬉しい悲鳴!

 

 さて、この演目『クルエラ』はどんな特別な意味をもつのだろうか?

 というか、今までの中条彩乃作品と全く違うニュアンスだ。ひとつは全曲が洋楽であること。これまでの作品鑑賞は日本語の歌詞を味わうことが基本だった。今回はそれができない。歌詞よりも雰囲気を味わってほしいのか。たしかに、これまでとは違う妖しい女に変貌している。一言でいうと「魅せるステージへの変貌」か。

 すぐに、タイトルの『クルエラ』について調べた。二曲目の「Cruella De Vil」から来ている。クルエラ・ド・ヴィル(Cruella de Vil)は、アニメ映画『101匹わんちゃん』(1961)に登場するディズニー・ヴィランズの一人であり、抜群のファッションセンスを持つ悪女。アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100チャートで39位を獲得した。本名はクルエラ・ド・ヴィルだが、作中でロジャー・ラドクリフが彼女の残忍さと名前(Cruel"「残酷な」と"Devil"「悪魔」「デビル」)をかけクルエラ・デ・ビルと呼んでいる。

彼女は有名なデザイナーだが、犬を殺して毛皮を剥ぎコートを作る危険な毛皮マニア。左右で黒と白を分けたストレートな毛髪が特徴。袖なしの黒いロングタイトワンピース、白い毛皮に真っ赤な裏地のコート、真っ赤なロンググローブとパンプスを着ている。

この映画の主人公はポンゴ(Pongo)とパーディタ(Perdita)の2匹のダルメシアンである。クルエラ・ド・ヴィルはダルメシアンの子犬たちの毛皮で特製のコートを作ろうとたくらむ。目的のためには手段を選ばない性格で、手下のホーレスとジャスパー・バダンを使い、ポンゴとパディータの子犬15匹を含む、99匹ものダルメシアン犬を集める。

なるほど、中条彩乃さんの変わった髪型はクルエラ・ド・ヴィルだったのが漸く判明!

 

 さっそく、ステージ内容について紹介する。

 最初に、白と黒の毛皮を羽織り登場。右側が黒、左側が白。毛皮の裏地は赤。ちなみに、髪型は右が白、左が黒と逆になっている。

 音楽に合わせて、妖しく踊る。

 一曲目は、マドンナの「Girl Gone Wild (ガール・ゴーン・ワイルド)」。流行のエレクトロに乗せたマドンナのキャッチーなメロディ。米ミシガン州出身のシンガー・ソングライター、マドンナの12枚目のスタジオ・アルバム「MDNA」(2012年3月26日リリース)からの2曲目のシングル曲。全米シングルチャートにて最高38位を獲得。アルバムは全米、全英、ヨーロッパなどのアルバムチャートにてナンバーワンを獲得。アルバムタイトルの『MDNA』とは、マドンナの省略、または"マドンナDNA"を意味すると言われている。

「Girl Gone Wild」を直訳すれば、「ワイルドになっちゃったガール」。狂っちゃった、とか、おかしくなっちゃった、という意味です。歌詞の中にも「狂喜乱舞した女の子 羽目を外したグッド・ガール(いい子ちゃん) 私はまるで羽目を外したグッド・ガール(いい子ちゃん)」が繰り返される。まさしく本演目のスタートを飾るべくぴったりの選曲。

 音楽が変わり、赤いライトに照らされる。毛皮を取ると、下には黒いブラと黒いパンツ・ルック。腕には赤いロング手袋。足には黒の斑模様のストッキング。足元は、底の高いハイヒールを履く。SMっぽい妖しさを醸す。

 二曲目は、Selena Gomezが歌う「Cruella De Vil」。

セレーナ・マリー・ゴメス(英: Selena Marie Gomez、1992年7月22日 - 現在27歳)は、アメリカ合衆国の女優、歌手、ユニセフ親善大使。身長165cm。ディズニー・チャンネルのオリジナルドラマ『ウェイバリー通りのウィザードたち』のアレックス・ルッソ役で最も知られ、全米ティーンには絶大的な人気を誇る。女優である一方で、ポップロックバンド「セレーナ・ゴメス&ザ・シーン」のボーカルを務め、2008年にレコード会社ハリウッド・レコードと契約を締結。

生い立ちは、1992年7月22日アメリカ合衆国テキサス州グランドプレーリーで、メキシコ人の リカルド・ゴメス(当時17歳)とイタリア系アメリカ人母マンディー・ティーフェイ(当時16歳)の元に生まれる。 5歳の時、両親が離婚しマンディーに引き取られる。

 ここで一旦、暗転。

 ヒョウ柄の薄いマントを羽織る。襟もとは白い毛皮で、金のフリンジが垂れる。

 コートの下は、上半身は裸で、下半身のみ、ガーター、パンティ、ストッキングと黒ずくめ。足元は同じく赤いハイヒール。

 音楽に合わせ、妖しく踊る。

三曲目は、Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ) の「Not Myself Tonight(ノット・マイセルフ・トゥナイト)」。

クリスティーナ・マリア・アギレラ(Christina Maria Aguilera、1980年12月18日 – 現在39歳)は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター。身長156cm。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第58位。

彼女の生い立ちは、・・・エクアドル出身のアメリカ陸軍軍曹の父ファウスト・ハビエル・アギレラと、ドイツ人、オランダ人、ウェールズ人の血を引くアイルランド系アメリカ人でスペイン語教師である母シェリーとの間に、ニューヨーク市のスタテンアイランドで生を受ける。日本を含む世界各地の米軍基地で育つが、7歳の頃に父親の虐待が原因で両親が離婚、妹のレイチェルと共に母に連れられ、祖母の住むペンシルベニア州ウェックスフォードに移り住む。母親の再婚後は継父と3人の異父弟妹と共に暮らしていた。本人によると、3歳から6歳まで日本に住んでいた。→先ほどのセレーナ・ゴメスと同じく幼い時に両親が離婚しているんだなぁ~

赤いハイヒールを履いたまま盆に移動して、ベッドショーへ。

 ヒョウ柄のコートを盆の上に敷く。黒いパンティを脱いで、右手首に巻く。ヘアがこんにちは。

 アクセサリーとしては、黒と透明な硝子が交互になっているT字型のネックレス。マニキュアはなし。

 ベッド曲は、これまたセクシーな曲。Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)の「Gimme More(ギミ・モア)」。2007年に発売したシングルCD。5thアルバムの『ブラックアウト』に収録されている。この曲はブリトニーが2人目の子供を妊娠しているときに書かれたものであり、アップテンポな曲調と挑発的な歌詞が特徴である。

2007年10月6日オーストラリアで『ブラックアウト』に先行する形で発売されカナダのビルボードチャートでNo.1を獲得、アメリカのビルボードHot 100では1999年に1位を獲得したデビューシングル「ベイビー・ワン・モア・タイム」以来の高順位となる3位にくいこんだほか、多くの国でCDチャートのトップ10に入るなど好成績を残した。イギリスとオーストラリアでも3位に入り、アメリカとオーストラリアではプラチナ・ディスクを獲得している。

またこの曲のプロモーションビデオでは、ブリトニーがストリッパーのようにポール・ダンスを踊り大きな反響を呼んだ。

ブリトニー・ジーン・スピアーズ(Britney Jean Spears , 1981年12月2日 – 現在38歳)は、アメリカ合衆国のポップ歌手。日本での愛称はブリちゃん。1990年代末から00年代半ばにかけて、アメリカのポップシーンを代表する女性シンガーとして活躍した。現在は二児の母。身長163cm。

立ち上がり曲は、レディー・ガガの「ジューダス」(英: Judas=ユダ)で締める。ガガの3作目のスタジオ・アルバム『ボーン・ディス・ウェイ』からの2枚目のシングル。2011年4月16日リリース。ガガとレッドワンによって書かれ、プロデュースされたこの歌は、ダンスソングである。

選曲も全てアメリカを代表するセクシーシンガーである。しかし、彼女たちの経歴を読むと、たしかに素晴らしい才能に恵まれると同時に、苦労も多い波乱万丈な人生であり、まさしく本物のアーティストばかりだ。そう見てみると作品『クルエラ』は凄く味わい深いステージ作品である。

 

 

2020年7月                             大阪東洋ショーにて

 

 

【中条彩乃さんからのコメント】

「さっそくレポートありがとう。『クルエラ』はなんと!浅草でプロデュースしてもらった演目なのです!! だから私っぽくない選曲!(笑) 音覚えるのが大変だった(笑)

 

⇒この『クルエラ』の同じ演目を、浅草の同じ週に、前半にALLIYさんが演じ、後半に中条彩乃さんが演じたらしい。

浅草がプロデュースした演目なので、ひととおり各劇場で披露したら、もう封切りしてしまうことになる。

 

 

 

 

中条彩乃さん(ロック所属)について、2020年3月中のライブシアター栗橋での公演模様を、演目「放課後」を題材に、「女子高生のノリ」という題名で語りたい。

 

演目「放課後」を初めて拝見したのは2019年6月10日、ライブシアター栗橋だった。その週の香盤は次の通り。①西園寺瞳(ロック)、②ゆきな(ロック)、③中条彩乃(ロック)、④雪見ほのか(ロック)、⑤清水愛(ロック)〔敬称略〕。その週の出し物は、「一回目の演目は三作目『私と今-2019-』だよっ。衣装や振りをリニューアルしました。三回目に放課後をやります。」二回目は、ゆきなさんとのチームショー『おんざろっく。』。

 その後、たしか大阪東洋で一度拝見したかな。

そして、2020年3月18日、またライブシアター栗橋で拝見する。その週の香盤は次の通り。①秋元みり(蕨ミニ)、②金魚(道劇)、③MINAMI(まさご座)、④ゆきな(ロック)、⑤中条彩乃(ロック)〔敬称略〕。その週の出し物は、「今回の栗橋は『放課後』『おんざろっく。』『蝶と花』の3作品。」

 演目「放課後」はあまり拝見できないでいたが、この演目を夜白小梅ちゃんに譲ると聞いて栗橋まで来た甲斐があったと思ったよ。これまでの作品は全て彩乃さんの思い入れが強い作品ばかりだけど、すぐに譲っちゃうところを見ると、本作品は思い入れという点では強くないんだね。

 ともかく、私としては彩乃さんの大切な演目として、この作品も忘れないようにしっかりメモしておきたい。

 

 彩乃さんの殆どの作品は深く考えて思いを込めたものが多いが、今回の作品は完全にノリの良さで作っているね。これも中条彩乃の一面である。というか、これがほとんど普段の姿かな(笑)。まだ青春真っただ中だもんね♪ おじさんが羨ましいくらいにね。おじさんにも乙女心はしっかり伝わってきたよー♪ ノリが良い分、インパクトは強い。

 

 ステージ内容は次の通り。

 最初に、女子高生ルックで登場。

 驚いたのはヘアカラー。右半分を白く染めている。かなり衝撃的。

 衣装は、普通の女子高生ルックで、白いブラウスに、赤いネクタイをリボン結び、その上に黄茶色のカーディガンを羽織る。スカートはモスグリーンなミニ。足の先は黒い靴下に黒い靴。

 音楽に乗って軽快にダンス。

 一曲目は、天月-あまつきの「おじゃま虫」。

(歌い出し)♪「『 好 す き』って 言 い って 『 好 す き』って 言 い って『すき』っていって 『すき』っていって; 說『喜歡』吧 說『喜歡』吧; 他 ほか に 何 なに もいらないからほかになにもいらないから; 其他一切都不需要; ねえ『 好 す き』  ...」

めっちゃインパクトのある曲だね。パフパフニニャーニャーのフレーズは最高だね。これで一気に観客の心を鷲掴みしてくる。

天月(あまつき)は、日本の男性歌手、声優。血液型A型。東京都出身。活動におけるイメージカラーは赤。青年的な高音域の声質と表現力でティーンの年齢層を中心に支持の幅を広げ、歌唱動画の総再生数は約3.8億回を超える。

 音楽が変わって、赤いネクタイを外す。

 二曲目は、CHiCO with HoneyWorksの「恋色に咲け」。女子高生の青春ソングが続く。作詞作曲:HoneyWorks。映画「ずっと前から好きでした。-告白実行委員会-」オープニング主題歌 ボカロカバー。

(歌い出し)♪「あの日の想いも今日の想いも駆け抜けてく息を切らしてまた明日を作ってく 独りぼっちに慣れちゃって心はおしゃべりで「ダメだなこんな自分好きになれないよ」 誰もが ...」

CHiCO(ちこ、1月27日 - )は、日本の女性歌手。ミュージックレイン所属。クリエイターチーム「HoneyWorks」とのコラボユニット「CHiCO with HoneyWorks」のボーカルとして活動している。

HoneyWorks(ハニーワークス)は、日本のクリエイターユニット。インクストゥエンター所属。通称ハニワ。2010年からニコニコ動画、YouTubeなど動画投稿サイトで活動し、2014年1月にメジャーデビュー。2014年5月からは、「CHiCO with HoneyWorks」としての活動も行っている。

音楽が変わって、カーディガンを脱ぎ、白いブラウス姿に。盆の上で踊る。

スカートを脱ぐと、ブルーのパンティが。ブラウスを脱ぐと、ブルーのブラが。

 三曲目は、ヲタみん の「恋空予報(コイソラヨホウ)」。女子高生の青春ボカロソングが続く。

(歌い出し)♪「どきどきどきしちゃってるこいつは全然気付かないな本当はもっと話したいのにしつこいなんて思われてもな授業中も上の空だしこんなの悔しいけど仕方ないな恋空予報 叶わないか...」

ヲタみん(1987年4月20日 - 現在32歳)は日本の女性歌手。 2008年に『ニコニコ動画』で歌い手として活動を開始した。

そのまま、ベッドショーへ。

 ベッド曲は、SILENT SIRENの「KAKUMEI」(かくめい)。Silent Sirenの8枚目のシングル。2015年1月14日に発売された。作詞: あいにゃん,作曲:クボナオキ。

(歌いだし)♪「 汚れた空気の中で強く綺麗に咲いた花は雨がふっても明日になれば起き上がるでしょう一人ぼっちだと思っていた 一輪の花にも今では守りたいものが溢れた 気が付いたら ...」

 SILENT SIREN(サイレントサイレン)は、Vo&G.すぅ(吉田菫)、Dr.ひなんちゅ(梅村妃奈子)、Ba.あいにゃん(山内あいな)、Key. ゆかるん(黒坂優香子)の4名からなるガールズバンド。略称はサイサイ。2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。全員が読者モデルの活動も行っている。原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、現在ブログのアクセス数は4人あわせ1日25万超える。

元メンバーで結成当初から曲作りに関わっているサウンドプロデューサーのクボナオキが曲のワンコーラスを先に作り、それを聴いたメンバーが歌詞を書くという、いわゆる曲先が9割である。誰がどの曲の歌詞を書くかは大体決まっているが、たまに共同で書くこともある。

 

2020年3月                       ライブシアター栗橋にて

 

 

中条彩乃さん(ロック所属)の、大阪東洋ショー劇場の令和元(2019)年8月結におけるステージ模様を、新作「お嬢の事情」を題材に、「踊り子になっても普通のお嬢様だよー」という題名で語りたい。

 

 

2019年8月結の東洋ショーに顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①坂上友香(東洋)、②中条彩乃(ロック)、③ゆきな(ロック)、④伊東紅蘭(東洋)、⑤水元ゆうな(東洋) 〔敬称略〕。

 

今週は、公演の目玉そのものが、中条彩乃さんとゆきなさんのチームショー「おんざろっく。」。東洋の人気者二人の初出しチームショーとあって連日の大入りで、チームショーはかなり盛り上がっている。「東洋でチームは、運動量がすごくて疲れるけど最高の疲労感です。」

中条彩乃さんは、今週は三個出しの予定。前半は、1,4回目にチームショー、2,3回目に「愛と憎」。後半は、「愛と憎」に代えて新作を披露する予定だった。しかし、実際には前倒しで新作が8/25(日)に初披露された。「本当は新作、明日からの予定だったんだけど、せっかく日曜日だし、太郎さんも来てくれてることだしってことで今日から。まだまだ表現不足なところが多いけど、育てていけるように頑張るね。」

私としては嬉しくなって、いつも通りすぐに選曲を確認する。タイトル名は「お嬢の事情」と聞くも、その『お嬢』とは誰?『事情』とは何?さっぱり分からない。一度拝見しただけでは何を演じているのか全く分からなかった。翌日、彩乃さんにテーマを確認する。すると次の解説文を頂く。そのまま記載させてもらうね。

「今回の演目は、表現力がかなり必要で、私の思う『お嬢』をまだまだ演じ切れてなくて申し訳ないです。友達に、趣味で小説を書いている子がいて、その子のお話をモチーフにさせてもらっています。その子が観に来てくれるのがすごく楽しみ!!」

「自分の意志とは別に、家系でお嬢に産まれた女の子。本当は身軽な服で走り回りたいけど、ちゃんとしなきゃいけない。でも、靴脱いで服も脱いで、頭飾りも取って、運命に決まった相手との恋愛なんて辞めちゃおう、そんな内容です。

その子の小説は、中国が舞台だったので、チャイナっぽい曲を探しました(笑)。

好きな人とは結ばれないけど、恋心を大切にして、お嬢として生きてくストーリーです!」

 

さっそく、私なりに内容をおさらいする。

本作「お嬢の事情」で10作目になる。「2曲目は仙葉由季先生振付」とのこと。

チャイナドレス風の衣装で登場。

頭には、真珠を散りばめたヘアバンドを付ける。茶色のボブヘアに似合う。

華やかな振袖のピンクの羽織り。花柄の刺繍入りだ。両肩の下に二つの紫の花がワンポイント。花の中央は銀色になっていて、銀の蔓が二本ずつ垂れている。

音楽にのって、白い毛の扇子を持って、銀のハイヒールを履いて、舞い踊る。

一曲目は、相対性理論の「ペペロンチーノ・キャンディ」。作詞:真部脩一/ティカ・α 作曲:真部脩一/やくしまるえつこ(ティカ・αはやくしまるえつこの別名義。だから作詞作曲とも真部脩一とやくしまるえつこによる共作)。アルバム『シンクロニシティーン』の6曲目に収録。

2000年代後半、一部の世間をざわつかせた(?)不思議系おしゃれバンド『相対性理論』。実験的な言葉選びとアレンジが非常に個性的。最初のミニアルバム『シフォン主義』の発表からもう10年が経とうとしている。結成当初はメディアへの露出がほとんどなく、謎に包まれていた。2ndアルバム「ハイファイ新書」で注目を浴びるまでは、ほとんど姿を見ることができませんでした。ようやくメンバーの写真が公開されるようになったのは、2009年後半になってから。中でも一番注目されたのが、ボーカルのやくしまるえつこ。相対性理論が注目される前から、歌声が超絶可愛いと評判だった彼女。解禁されたビジュアルも歌声に負けないぐらい可愛いと話題になりました。

音楽が変わり、髪飾りを取り、靴を脱ぎ、そして羽織りを脱ぐ。

羽織りの下には、紫の振袖のチャイナ風衣装。金の首輪が見える。襟が立っていて、胸元は花の刺繍、そして帯を締める。足元まで流れるドレス。

音楽に合わせて、裸足で踊る。

二曲目も、同じく相対性理論の『チャイナアドバイス』。作詞:真部脩一 作曲:真部脩一。同じくアルバム『シンクロニシティーン』収録。この曲は、アニメ「らんま1/2」で私もお馴染み。

音楽が変わり、袖で着替える。衣装を脱ぎ、最初のピンクの羽織りを身に着け、そのまま盆に移動。

三曲目はがらりと曲調が変わり、aikoの「KissHug」(キスハグ)。これはいい曲だ。2008年7月23日にポニーキャニオンよりリリースしたaiko24作目のシングル。2008年の紅白歌合戦でこの曲を披露した。 恋の終わりをイメージし制作された曲である。井上真央主演の「花より男子F(ファイナル)」の挿入歌であり、映画の挿入歌となるのは今作が初となった。

ベッドショーへ。白い紐パンを脱いで右手首に巻く。

近くに来たのでアクセサリーを目で追う。ネックレスが二つで豪華。上の細い方は純金のネックレスに♡型のプチペンダント。下の太い方は金の上に大きな銀や赤の宝石が五つも散りばめられている。手のマニキュアも緑と銀の組み合わせでキラキラしている。

ベッド曲は、平井堅の「トドカナイカラ」。2018年5月30日にアリオラジャパンから発売された平井堅の43枚目のシングル。前作「ノンフィクション」から約1年ぶりとなるシングル。 表題曲はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給映画『50回目のファーストキス』主題歌として書き下ろされた。主役の二人は山田孝之と長澤まさみ。山田孝之×長澤まさみ×平井堅という組み合わせから、『世界の中心で、愛を叫ぶ(セカチュー)』を思い出す。映画版『セカチュー』の主題歌は平井堅の「瞳をとじて」だった。この曲のリリースに際し、平井堅は「愛とは継続するものだけれど、実は日々忘れて思い出しての繰り返しの中で構築され、磨かれていくものなのかもしれない」とコメントを寄せている。

 立ち上がり曲は、「高橋瞳×BEAT CRUSADERS」の「ウォーアイニー」で盛り上がる。かわいい曲だ。2009年9月9日にgr8! recordsから発売された。作詞:タカハシヒトミ(#2 高橋瞳) 作曲/編曲:BEAT CRUSADERS。テレビ東京系アニメ「銀魂」14期エンディングテーマ。

今回のチャイナ娘は「らんま1/2」のシャンプーと「銀魂」の神楽をイメージしておけばよさそうだね。笑

 

さて、この演目「お嬢の事情」の本意はどこにあるのかな。単に友達の小説をモチーフに演じただけではないだろう。あくまで自分の問題として、このテーマを演じているはず。そのことは今までのお付き合いから何となく察せられる。

「お嬢」とは自分であり、「事情」とはストリッパーになった自分の事情と考えるのが自然な流れだろう。ステージを観ながら、彩乃さんの心の扉をノックしてみる。踊り子になって二年目に入る。今回の作品も、心の中のわだかまりを演目にしているように感じられた。その‘わだかまり’って何かな? ストリップの父を自任している私としては、娘である中条彩乃の心の声に耳を傾ける。「ストリップに忠実に生きていきたい」そんな踊り子になった覚悟みたいな声が聞こえる。

 

選曲から少し考えてみよう。

まずは一曲目の『ペペロンチーノ・キャンディ』。“ペペロンチーノ”といえばパスタの一種という認識が一般的かと思うが、こちら、本来のイタリア語では”トウガラシ”を意味する言葉。なので、曲名の『ペペロンチーノ・キャンディ』とは、”トウガラシ味のキャンディ”ということになる。そんな曲名を持つ『ペペロンチーノ・キャンディ』ですが、歌の方は「お嬢さん」をキーワードにナンセンスな言葉遊びをするという内容になっている。

 “ペペロンチーノ”も”キャンディ”も食べ物であり、”ペペロンチーノ(トウガラシ)”=”辛いモノ”と考えることができる一方、”キャンディー”=”甘いモノ”と考えることができる。『ペペロンチーノ・キャンディ』とは、”辛いモノ”と”甘いモノ”の対比関係を持つ言葉の並びだと言えそう。

 踊り子というのも、”辛いモノ”と”甘いモノ”がミックスしているよね。

 普通のお嬢さんだった娘が、ある日突然、中条彩乃という踊り子としてデビューした。しかし、本質は「普通のお嬢さん」であることに変わりない。歌詞の中に、次のフレームがある。

♪あの子はきっと本物のお嬢さん

ぐれてもきっと本物のお嬢さん

あの子はきっと家ではきっと

本物のきっとお嬢さん

あの子はきっとぐれてもきっと

心はきっとお嬢さん

「私はストリッパーになったけど、心はふつうのお嬢さんのまま。本質はなにも変わっていないわ。」という心の叫びが聞こえそう。

二曲目の『チャイナアドバイス』の歌詞の中にも、

♪もうわたしの虜になっちゃいなよ

♪いい加減に 大人になっちゃいなよ

♪さあ浮世を手玉に取っちゃいな

と、踊り子になろうとする娘をけしかけるフレームが並ぶ。

三曲目の「KissHug」(キスハグ)では、次の歌詞がある。

♪あなたに出逢ったその日から

変わってしまったのもあるけど

変わらない事の方が

あなたもあたしも多いよ

ここで曲調が優しくなる。踊り子にはなったけど、やはり私は「普通のお嬢さん」であることには変わらない。そのことを信じて!

四曲目の「トドカナイカラ」。この題名の通り、その想いはなかなか届かない。でも、この歌は「♪大好きさ 笑ってほしい」で締めくくる。

ラスト曲「ウォーアイニー」は、二曲目の『チャイナアドバイス』のフレーズ‘我愛尓’に呼応するとともに、この意味である「愛してる」を強調している。私の気持ちが届かなくても、私を「普通のお嬢さん」として愛してほしいという切なる願いが伝わってくる。

 

それをそのままポエムにしてみたよ。実は、レポートより先にこのポエムが出来上がったんだ。

 

 

2019年8月                          大阪東洋ショー劇場にて

 

 

 

 

 

 

 

ストリップポエム『踊り子になった私の覚悟』 

 ~中条彩乃さん(ロック)に捧げる~

 

 

 音と光があふれるステージ

 踊る汗と躍動感 そして爽快感

 たくさんのファンの笑顔と拍手

 今ここが私の生きる場所

 

 そう 私はここで生きるって決めたの

私はファンの声援に応えたい

 誰にも邪魔させない

 お父さん お母さん 私を信じて

 将来の旦那さんにも恥ずかしくない

 踊り子になって結婚できないなんて言うなら結婚しなくてもいい

 ひとりのお嫁さんになるより たくさんの観客のお嫁さんでいたい

 世間体とか貞操なんて関係ない

 だって私は何一つ悪いことはしていない

 私は精一杯いまを生きてるだけ

 

 ストリップはエロス

 エロスは悪いことなの?

 男と女がいればそこにエロスはある

 決してエロスは悪いことではない

 むしろ楽しくて素晴らしいもの

 このステージの上で 踊り子も観客も一体になってエロスを楽しむの

 

 エロスは隠すからいけないの

 裸でいることが悪いはずがない

 だって みんな裸で生まれてきたのよ

 エロスを認めない世間の方がおかしい

 私は何も隠さないから 私のすべてを見て! 私のすべてを受け入れて!

 きれいでしょ!?  私のすべてを感じて!

 ストリップでエロスを解放したい

 

 女の子はきれいでいられる

 かわいいドレスが着れて かわいいスカートがはける

 お化粧ができる

 整形だってかまわない

 TATOOを入れても平気

 私はとことんきれいでいたい

 だって 女の子はきれいになれる特権があるのよ

 もちろん男の子はきれいな女の子が好きだもんね♪

 

 男と女がいるから この世は楽園 ここはEDEN

 みんながアダムとイブになれる みんなが主人公

 ストリップで感じ合いたい

 エロスを全身で感じたい

 

 さあ 踊るわよ!

 ステージに上がれば 私は羽ばたける

 音と光のシャワーを浴びて ビーナスの輝きを放つ

 

 私はここで生きていくの

 心の声に素直に従って生きていく

 そう決めたの

 

                                    おしまい     

 

 

 

 

【付録】スタンダールの小説『赤と黒』における個人的な「赤と黒」観

 

 

中条彩乃さんの作品「愛と憎」を観劇した瞬間、私の頭の中は衣装の「赤と黒」が残像として残り、そして同名の小説「赤と黒」が思い出された。

スタンダールが1830年に発表したこのフランスの長編小説は、後にサマセット・モームが『世界の十大小説』の一つに取り上げるほどに有名になった。「赤と黒」のあらすじは、社会の底辺からはい上がった主人公ジュリアン・ソレルが貴族の令嬢マチルドと婚約し出世を目前にして、過去に愛してくれた年上の女性レナール夫人を殺そうとする(但し、未遂に終わる)というストーリー。フランス革命期の世相を鋭く風刺している政治小説としての側面も強いが、やはり恋愛小説として読み応えがある。

先に、作品「愛と憎」の観劇レポートを書いたばかりなので、そのレポート内容に沿い、「赤と黒」という点にのみ徹底的にこだわって感想文を書いてみたくなった。

 

 なぜに、この小説が「赤と黒」という題名になったのか。作者スタンダールはこの点について何も述べていないために明確なことは分かっておらず、これまで多くの解釈が出ている。ネット検索のフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、<題名の由来は、主人公のジュリアンが出世の手段にしようとした軍人(赤)と聖職者(黒)の服の色を表していると言われている。また、ルーレットの回転盤の色を表し、一か八かの出世に賭けようとするジュリアンの人生をギャンブルにたとえているという説もある。> 一瞬なるほどと思った。ただ通説は、<赤を帝政期の栄光、黒を王政復古期の暗鬱(あんうつ)の象徴とみる解釈がもっとも流布している。>(日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)

 この通説を理解するため、また小説「赤と黒」を読み解いていくためには、当時のフランス社会を理解していないと難しいので、ここで少し触れる。

まず、舞台となったのは王政復古のフランス。王政復古は、1814年のナポレオン没落から、革命が起こる1830年の七月までの時代のことを指す。この時代は、ナポレオンの没落と同時に軍人として武勲を立て、立身出世をすることが難しくなった時代だ。ジュリアンはナポレオンを崇拝していたが、もはや武勲を立てて立身出世をするという方法を諦める。

当時は、フランス革命によってルイ16世が処刑され、ナポレオンが帝政を行い、その後帝政を破って王政が再び君臨した時代。

また、貴族と庶民の対立化も進んでいた。貴族側は、いつ庶民がフランス革命のような革命を起こすかわからないという恐怖を抱えていた。庶民側も、いつ貴族からの反撃をもらうか常に懸念していたという時代。そのため、ジュリアンは貴族と庶民のどちらにも属さず、権力と身の安全が保障されている聖職者への道を目指す。

そんな時代に、貧しい家で育ったジュリアンは上流階級に対して、当然ながら嫌悪の念を抱いていた。上流階級に対する怒り。それがジュリアンの立身出世の原動力だった。立身出世というジュリアンの大きな野心は、とどまることを知らない。

 これで通説が少しは理解できたと思う。

 しかし、私には、なんとなく、それだけかなぁと感じるものがあった。

 

 今回、観劇レポートで、テーマ「愛と憎」に「赤と黒」を重ねて見たことを活かし、この小説をもっと恋愛の表と裏から「赤と黒」を論じてみたくなった。そこで、作業として、この小説のストーリーを、恋愛を「赤」、それ以外を「黒」に色分けしてみた。そのうえで更に、「赤」の「恋愛」を愛である「赤」と憎である「黒」に色分けしてみたい。

 先の観劇レポートで、赤と黒の、色としての性質をもう一度眺めてみよう。

【赤】の性質・・・ドラマチック、スピード、決断力、目立ちたがり負けず嫌い

行動力情熱

【黒】の性質・・・孤独独立心旺盛完璧主義、粘り強い、ポーカーフェース

 いやぁー、赤と黒が、小説の要素に鋭く繋がっていて興味をそそられるなぁ~。

黒は無彩色だから、どんな色とも合わせられ、当然、赤ともマッチする。赤のビビッドさと黒のシックさが、心理的なコントラストを形成して、とても人の目を引く。服の色としては、そのアピール度の強さを利用して、ユニフォームやスポーツウエアなどに使われることが珍しくない。また、色の性質から窺われるように、経営者や管理職などの、決断力が必要な人達が赤と黒を好む傾向があるようだ。

 なるほど、赤と黒はジュリアン・ソレルの性格にぴったりだ。また、黒を当時の貴族や聖職者などに見立てることもできそうだ。

 さっそく、小説のストーリーに沿い、赤と黒の色別作業を試みてみよう。

 

 まず、主人公ジュリアン・ソレルの生い立ち。材木屋の末息子であり、金のことしか頭にない父親に育てられた。貧乏な境遇は言うまでもないが、幼くして母を亡くし、なにより彼は小さい頃に全く愛情を受けていない。まさしく真っ暗な「黒」の世界だった。そのどん底のような生活から抜け出すために、彼は大きな野望を抱く。(野望そのものを「黒」と解釈する見方もあるだろう。)

 ジュリアンはラテン語がよくでき、そして美男子であった。彼は19歳のとき、町長の家の家庭教師になった。町長の夫人はレナールといって、30歳でとても美しい人であった。ところがレナール夫人は男にはうぶで、恋をしたことがなかった。そのため二人は熱烈な恋に落ちた。

 ジュリアンにとって、人生で初めての「赤=愛」だった。ジュリアンには出世のためにはレナール夫人のような人と関係を持つことも必要だという野心があったのも確かだが、彼も19歳と若く、その恋愛は本能のままでピュアなものであった。しかし、世間的にはその恋愛は不倫であり、危険極まりなかった。この関係は町長の知るところとなり、ジュリアンは町を出ざるを得なかった。ジュリアンには初めて経験した「赤=愛」であったが、赤く染まり切れなかった。

 その後、ジュリアンは神学校に入学し、神父になることを目指した。ジュリアンは優秀な成績を修め、政府の要人であるラ・モール侯爵の秘書となった。ジュリアンは仕事がよくできたので、ラ・モール侯爵の信用を得た。こうして、出世という「黒」の世界を駆け上がろうとする。

 ここで、ジュリアンはラ・モール侯爵の美人で高慢な1人娘マチルドと出会う。最初マチルドに見下されたジュリアンは、マチルドを征服しようと心に誓う。マチルドもまた取り巻きたちの貴族たちにはないジュリアンの情熱と才能に惹かれるようになり、やがて2人は激しく愛し合うようになる。きっかけはどうあれ、身分が違い愛の障壁が高ければ高いほどそれだけ「赤=愛」は燃え上がるもの。ロミオとジュリエットみたいなものである。マチルドは妊娠し2人は結婚しようとした。ラ・モール侯爵は断固として結婚に反対し、ジュリアンを責めた。マチルドは父親を説得し、2人は結婚することにした。

そこでラ・モール侯爵はジュリアンを貴族にしようとした。ラ・モール侯爵はジュリアンのことを調べようとして、レナール夫人にジュリアンがどのような人間かを問う手紙をだした。その返事には、ジュリアンはただ女を利用して出世を図る卑しい人間だと書かれていた。実は、この手紙はレナール夫人が教会の人間に騙されて書いたものであった。

 ラ・モール侯爵は結婚を破談にし、ジュリアンを追放した。こうして「赤=愛」は一気に「真っ黒」な事態に引きずり降ろされた。ジュリアンはレナール夫人のことを恨んだであろう。不倫関係のため別れたとはいえ、ジュリアンのレナール夫人に対する思慕はピュアなものであった。だからこそ、その感情は「可愛さ余って憎さ百倍」となったことは疑う余地もない。「赤=愛」は「黒=憎」に変貌する。これが愛の本質でもある。

ジュリアンはすぐさまレナール夫人のもとへ行き、彼女が教会でお祈りをささげているとき、後ろからピストルで2発撃った。弾は命中したが、命には別状なかった。

ジュリアンは裁判にかけられ、死刑を宣告される。

マチルドはジュリアンを救うため奔走する。ここでのマチルドの献身的な「赤=愛」も「真実の愛」だと思う。

そしてクライマックスの場面。レナール夫人が監獄にいるジュリアンを訪ねる。そして、レーナル夫人の手紙が本心からのものでなく、いまだ夫人が自分を愛していることを知る。ジュリアンは初めて「真実の愛」を見つける。彼は自分が心から求めてきた「赤=愛」に満たされ、全ての「黒」(憎しみの黒、出世欲の黒など)から解放される。

そして、ジュリアンは、死刑を運命として受け入れる。

レナール夫人はジュリアンから受けた傷はすっかり回復し元気になったが、ジュリアンが死刑になった3日後に彼を追うように死んだ。もしかしたら、ジュリアンはレナール夫人が憎くて殺そうとしたのではなく、彼女との恋を成就するために一緒に死のうとしたのかもしれない。

 こうしてジュリアンの心に長い間巣くっていた「黒い闇」は、レナール夫人を始めとした女性たちの「赤=真実の愛」によって解放されるのである。その最終地点が彼の死であったとしても彼は幸せな人生だったと言いたい。

 ジュリアンは死刑になったとしても「真実の愛=赤」を知ることによって救われたのだと思う。読んでいた私もこれで救われた気分になった。この小説は最高の読後感を味わわせてくれた。

 

「赤」は情熱を示唆するので恋愛と直結するが、全ての優しさや親切心を含む愛全般と捉えてもいいように感ずる。それに対する冷たい世間全般が「黒」ではないのかな。社会や仕事を含め、生きることは辛く淋しいものである。人間は常に「黒」の中だけでは生きていけず、「赤」を求めざるを得ない生き物なのだと思う。だから、こうしたドラマが生まれる。この小説は、こうした現実味のあるスリリングさによって、現代まで読み継がれる名著になったのだと思う。

 

 以上、彩乃さんは、私の読書感想文を読んでどう感じたことでしょうか。

 この小説「赤と黒」を読んだことがないと言っていたね。でも、感想文の中でおおまかなあらすじは掴めたと思う。そして、私がなぜに「赤と黒」にこだわったか、また、観劇レポートの付録としてどうしてもこの文章を記録しておきたかったのか、を感じてもらえたと思う。

 私は今週初めに中条彩乃さんの作品「愛と憎」を拝見してから、「赤と黒」にこだわり、そして小説「赤と黒」を読み返すことにした。だから観劇レポートに費やした時間の殆どを小説「赤と黒」に費やしたことになる。それほどに魅力的な小説である。

今は、長い間の課題であったものが、中条彩乃さんの観劇レポートでひとつクリアできたような爽快な気分である。

                                    おしまい

 

【中条彩乃さんからのお返事】

(ポラコメントにて)

昨日もそして今日もありがとう。レポート続きを読んで、そしてまたレポートを読み返して、なんだか追加分のお陰で、さらにレポートを味わえた気がする。なにより、小説をものすごく読みたくなったよ!!(笑) 太郎さんの、あらすじと感想がすてきすぎて、とても気になった!!!

 

 

 

中条彩乃さん(ロック所属)の、2019年5月結のDX歌舞伎における公演模様を、9作目「愛と憎」を題材に、「ストリップ愛とは」という題名で語りたい。

 

 

2019年5月結のDX歌舞伎に、初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①北川れん(道劇)、②ちるちる☆いちる(TS)、③青山ゆい(東洋)、④空まこと(ロック)、⑤木葉ちひろ(ロック)、⑥中条彩乃(ロック)、⑦羽多野しずく(ロック)、⑧桜庭うれあ(ロック)〔敬称略〕。特別興行にふさわしい豪華なメンバーである。

DX歌舞伎が6月末に閉館するため特別興行が先週から続いている。八人香盤なので三回公演。入場料金が8000円(早朝6000円)と高い。しかも全員のポラが1000円均一。普段に比べずいぶん割高なせいか、初日・二日目と客入りが悪かった。

 

さて、今週は中条さんの新作が観れると思ってやってきた。そうそう、つい先日、東洋のラウンジで、むーさんが「ぱふぱふにゃーにゃー」と言って私をからかってきた。私が「何をやっているんですか?」と言ったら「あらっ! 中条の新作を知らないのー!?」と言われる。そのときから新作は「ぱふぱふにゃーにゃー」と信じて疑わなかった。そこで今回の新作を拝見したとき、どこから「ぱふぱふにゃーにゃー」が登場するのかなぁ~と不思議に思いながら眺めていたところ・・・。これは違うと気づくのに時間はかからなかったが。笑 「8作目『放課後』は今週出しません。」こちらは次回に期待しよう。

 

今週は新作「愛と憎」の一個出し。一日三回ステージだが、新作を続けて観れて、観劇レポートを書くには好都合だった。

初めて拝見した瞬間「ずいぶん大人びた作品だな。赤と黒の衣装がとても印象的。この色彩がかっこよさとセクシーさを引き立てている。」という感想をもった。これに対して、中条さんから「大人っぽい演目だねぇと言ってもらえて嬉しかったです!! 今回は背伸びして、大人っぽく、エロかっこよく、踊れるように頑張っています。(笑) なおかつ、今までやったことのないポーズを2つ入れたり、ダンスベッドにしたりと、挑戦も多い演目です。むずかしい・・・。」とのコメントをもらう。

さらに「初出しは4結小倉の三日目?くらい。先週が川崎、今週で三週目です。3,5曲目はもちろん私の選曲で、洋楽はその2曲を引き立てるために、MIKA姐さんと相談して決めました。過去最高に、私の好きな構成です。演目を大事に大事に育てていこうとしている中で、私自身が成長できるようにしたいです。テーマはタイトル<愛と憎>です。」

私は本作品がMIKAさんの振付と聞いてますます興味が湧いた。

 

前作「ノンフィクション」と同じように、内面の感情を表現しようとしている。今回は<愛と憎>ということになる。これまた大きなテーマである。

いつも感じるのが、中条彩乃のステージにおけるAimerの存在感の大きさ。常にAimerの話題曲に影響を受けている。彼女のステージカラーと言ってもいいだろう。そして今回も中心にはAimerの新曲がある。

さっそく教えてもらった選曲をネットで調べた。3,5曲目は重いねー。これには驚いた。そして、周りを洋楽で固めているのもバランスがいい。さすがMIKAさんだね。

今回、私の第一印象が赤と黒という色彩のコントラストにあった。今回のテーマを表現する上で、この衣装のセンスは抜群だと感じた。衣装もMIKAさんと相談して決めたのかな?

そして、この色彩「赤と黒」と有名なスタンダールの小説「赤と黒」が重なってきた。ただ、観劇レポートの中に小説「赤と黒」を取り込むと長くなり焦点がぼけてしまいそうなので、巻末に参考として添付しておこうと思っている。ともあれ、書き始めたい。今回も長いレポートになりそうだ。

 

 

まずは、ステージ内容をおさらいしよう。

最初に黒ずくめの衣装で登場。黒いネクタイを締め、黒い長袖の上着を背広のように羽織る。黒いスカート。そして膝上丈の黒いロングブーツ。全体に黒ずくめであるが、どこかキラキラ輝いている。また、椅子の上に赤いドレスがかかっている。

音楽に合わせて、かっこよく踊る。

一曲目は、Gallant の曲「Gentleman」。声質もいいし、なんかゲイっぽい妖しい音楽だね。黒人のGallantにすごい音楽的才能を感じる。

Gallant (ガラント)は、メリーランド州コロンビア出身、現在はロサンゼルスを拠点に活動するR&Bシンガー・ソングライター。2015年からジワジワとEntertainment Weekly、NME、The Fader、Billboard、さらにはBBC Radio1、ZANE LOWE’S BEATS1 RADIO SHOWなどから注目を集めはじめている。既にComplexは「R&Bの流れを変えるアーティスト」と高く評価し、LA Timesは「Frank Oceanの緻密なソングライティングに、Sam Smithのエモーショナルに流れるヴォーカル」と賞賛し、NMEが「R&Bの定義を刷新する声」と予見している。さらには、あのElton Johnまでもが「Gallantはビッグになる」と語ったという。

音楽が変わり、キラキラした黒い帽子を小粋にかぶり、颯爽と踊る。

二曲目は、バルバドス出身のポップ歌手リアーナの「Diamonds」。この楽曲は、彼女の7枚目のスタジオ・アルバム『アンアポロジェティック』に収録され、アルバムからは1枚目のシングルとして2012年9月27日にリリースされた。各国の週間シングルチャートでは、全英シングルチャートで1位、全米のBillboard Hot 100で1位などを記録した。

リアーナ(Rihanna, 本名:Robyn Rihanna Fenty, 1988年2月20日 - 現在31歳)は、バルバドス出身の女性シンガーソングライター、女優、モデルである。身長173cm。全世界で2億5000万以上のアルバム&シングルを販売した「認定ユニットに基づく史上最も売れ行きの良い個人アーティスト」のトップ。セント・マイケルで生まれて、音楽プロデューサーのエヴァン・ロジャースの案内により、16歳でアメリカ合衆国に移った。

2005年にリアーナはデビュー・アルバム『ミュージック・オブ・ザ・サン』を発表した。アルバムはBillboard 200で最高10位を記録し、ヒットシングル「ポン・デ・リプレイ」を生み出した。デビュー・アルバム発表から1年も経たないうちに2枚目のアルバム『ガール・ライク・ミー』を発表。アルバムはビルボード・アルバム・チャートで最高5位を記録、最初の全米首位獲得シングル「SOS」、Hot100で最高10位を記録した「アンフェイスフル」「ブレイク・イット・オフ」を生み出した。3枚目のアルバム『グッド・ガール・ゴーン・バッド』(2007年)は、Billboard 200で最高2位を記録、「アンブレラ」「テイク・ア・バウ」「ディスタービア」という3つの全米首位獲得シングルと世界的なヒットシングル「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」を生み出した。アルバムはグラミー賞で9部門にノミネートし、「アンブレラ」が最優秀ラップ・コラボレーション賞を受賞した。

2017年までに14曲が全米1位(Billboard Hot100)を記録しており、これは全米チャート史上ザ・ビートルズ、エルヴィス・プレスリー、マライア・キャリーに次いで4番目の記録である。また、全米チャートトップ10以内にランクインした曲は31曲であり、こちらも歴代4位である。『グラミー賞』9回受賞(33回ノミネート)。

次に音楽が変わり、黒い上着を脱ぐと、下には黒いブラ。黒い首輪と袖に黒い布の輪。そして黒いスカートに黒いロングブーツと黒ずくめ。よく見ると、黒の中に金の線が見える。ブラの裾、スカートのベルト部、首輪にも袖の輪にも金線が入っている。

黒いネクタイを紐のように持ってSMっぽくセクシーに演ずる。

三曲目は、中条さんが好んで使うAimerの曲『I beg you』。主演:浜辺美波 / 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅱ.lost butterflyの主題歌。作詞作曲は梶浦由記。

この曲が本演目のテーマ「愛と憎」を担うメイン曲と思われるので、後ほど詳しく述べたい。

ここで一旦、暗転。

音楽が洋楽に変わり、今度は上下セパレートの赤いドレス着に着替える。最初の場面で椅子に掛かっていたものだろう。上は赤いトップレスブラ。首から胸元に黒い紐が逆三角形にかかる。下は裾の長い赤いスカート。足元は黒いブーツのまま。

四曲目は、先に紹介したリアーナ(Rihanna)の曲「アンフェイスフル(UNFAITHFUL)」。作詞:ERIKSEN MIKKEL STORLEER、作曲:HERMANSEN TOR ERIK。

そのままベッドショーへ。

盆の上で長いスカートを脱ぐと黒いパンティが現れる。そして黒いパンティを脱いで右手首に巻く。

ベッド曲はCIVILIANの「愛 / 憎」。作詞:コヤマヒデカズ,作曲:コヤマヒデカズ・純市・ 有田清幸。

最初聴いた時、中条さんがよく使う米津玄師の声かと思ったけど、また別の新しいミュージシャンなのに驚く。若いバンドなんだね。退廃的な世界攻撃的な楽曲が特徴。

CIVILIAN(シヴィリアン)は日本のロックバンド。ギターボーカル、ベース、ドラムの3人で構成されているスリーピースバンドである。2016年7月18日付でLyu:Lyu(リュリュ)からCIVILIANに改名した。同年11月23日、Sony Music Recordsよりメジャーデビュー。メンバーのコヤマ ヒデカズ(本名 小山 秀和)ボーカル&ギター、すべての楽曲の作詞、作曲を担当。 9月2日生まれ。東京都出身。O型。身長163cm。東京スクールオブミュージック専門学校渋谷卒業。VOCALOIDプロデューサー・ナノウとしても活動している。

この楽曲は、コヤマヒデカズがTVドラマ"黒い十人の女"の主題歌として書き下ろしたもの。私は初めて聴いたが、中条さんはこのドラマを観ていたのかな。

ドラマ「黒い十人の女」は”不倫コメディ”であり、とあるイケメンではない中年男性が複数の女性たちと不倫しています。その数…なんと9人! バカリズムが脚本、船越英一郎が主演を務める連続ドラマで2016年に放映された。原作は市川崑が監督した1961年公開の同名映画。9人の女と不倫しているドラマプロデューサーが愛人たちに殺害を共謀されるという奇妙なストーリーがスタイリッシュな映像で描かれており、未だに根強い人気を誇っている。

この不倫ドラマと主題歌であるCIVILIANの楽曲名「愛 / 憎」が今回の演目のテーマに繋がっていったのかと最初は思った。タイトルも「愛 / 憎」で同じだからね。

でも、Aimerの曲『I beg you』の歌詞を味わっていくにつれ、本テーマはむしろこの曲にあるように感じてきた。

 

そこで、Aimerの曲『I beg you』に入る前に、本作品を拝見して、最初に私が印象的だと話した「赤と黒」というカラーについて触れたい。ネットで調べると次の通り。

黒色(black)は、白色・グレイと共に色合いのない「無彩色」を構成する色。色の雰囲気・印象はクールで落ち着きのある色の代表格である。

黒は無彩色だから、どんな色とも合わせられ、当然、赤ともマッチします。

【赤】の性質・・・ドラマチック、スピード、決断力、目立ちたがり、負けず嫌い、行動力、情熱

【黒】の性質・・・孤独、独立心旺盛、完璧主義、粘り強い、ポーカーフェース

<色調にもよりますが、いわゆる原色としての赤・黒の直接的な組み合わせは、赤の華やかさと黒の重量感が組み合わせれることによって、ゴージャスなイメージを表出することができるのです。また、赤のビビッドさ黒のシックさが、心理的なコントラストを形成して、とても人の目を引きます。

服の色としては、そのアピール度の強さを利用して、ユニフォームやスポーツウエアなどに使われることは珍しくありません。しかし、一般の服装における赤黒のダイレクトな組み合わせは、過度な妖艶さを醸し出してしまう場合もあり、ときに下品な印象を与えかねない難しい配色の一つだと思います。> byヤフージャパン知恵袋から

そう、本作品「愛と憎」のポイントは、この妖艶さにある。だから、赤と黒というカラーがぴったしなんだ。

そう、そして、この妖艶な世界を表しているのがまさしくAimerの曲『I beg you』なのである。

 

Aimerの楽曲はどれも、切なくなるほどの美しさで溢れている。歌詞の中に入り込めば入り込むほど、その深い想いに胸が苦しくなる。

今回の『I beg you』の妖艶な世界にも、痛々しいほどの悲しみが隠されてる。この歌詞は実際には作詞作曲の梶浦由記さんが書いたものではあるが、Aimerはこの曲と出会い感激し、「是非とも自分が歌いたい!」と言ったらしい。『I beg you』はまさしくAimer自身の歌でもある。

『I beg you』の最初のところで、愛されるために憐れであり続ける様子を切々と歌っている。まるで自虐的な「悲劇のヒロイン」願望というか。虐められる中に愛を見出すM願望かとまで思えるほど。

狂おしいまでに愛を求めているが、それも嘘の世界という。嘘と分かっていても、どうしても愛を求めてしまう。そんな辛い体験を重ね、どんどん悲しみは積みあがていく。愛はいつしか悲しみを通り過ぎて憎しみにまで達してしまう。

これほどまでの悲しみを一体どう解決していくというのか。

歌詞の中に解決策を見つけた。「一つに溶けてしまいましょう 憎しみも愛情も むしゃむしゃと 頬張ってしまいましょう 混沌の甘い甘い壺の中で」

溶かして1つにしたいのは、憎しみと愛情。この2つが一緒になれば、辛い過去も救われる。つまり、憎しみと愛情も自分の中で消化し、自分の一部になるということ。

私には「全ては自分に収斂していく」という哲学がある。いい事であろうが、悪い事であろうが、全ての事象でこれまで無駄になったものはひとつもない。全てが今の自分を形作っている。だからこそ、いくらいい話を聞き、いくらいい本を読んでも、自分のこととして受け止めなかったら、なんも自分のプラスにならない。歌にせよ、ステージにせよ、自分のこととして受け止めてレポートしないと本当に自分のプラスにはならないのだと思っている。

 

 

ここで、私の自論「ストリップ愛」について述べたい。

ことストリップを楽しんでいる踊り子も客も皆、ストリップを愛しているのだと思う。しかし、愛し方が人それぞれ違っている。

たとえば、客のAさんは一人の踊り子をとことん好きになった。Aさんはその踊り子を追いかけて夢中で応援している。一方、客のBさんは沢山の好きな踊り子がいて、新人がデビューすると喜んで観に行く。AさんとBさんはスト仲間で、よく飲みに行く。酔った勢いで、一穴主義ならぬAさんは、Bさんのことを「おまえのやり方は邪道だ」と非難する。Bさんはそれを真に受けず、ただ笑っているだけ。いつしか、Aさんの好きな踊り子が引退すると、Aさんもストリップを引退して二度と劇場に来なくなった。一方のBさんはいつまでもストリップを楽しみ劇場通いを続けている。

極端な二つの例をあげたが、ストリップ業界として大事なのはBさんのタイプだろう。

観客はストリップを楽しむために、まずは目の前のステージに立つ踊り子を好きになることから始める。Aさんは一人の踊り子のみを好きになった。他の踊り子には興味がない。だから、お目当ての踊り子がいなくなればストリップそのものに関心が向かなくなる。一方、Bさんは今見ているステージの踊り子を気に入って楽しむが、他の踊り子も同じように楽しむ。Bさんは目の前の踊り子を好きになって楽しんでいるが、踊り子の向こう側にあるストリップそのものを楽しんでいる。だから、どんなに踊り子が変わってもストリップを楽しむことに変わりない。ストリップというのは常に踊り子の入れ替えが発生する。そうしたストリップの特質をBさんは理解してストリップを楽しんでいる。

 

次に、踊り子と客の関係について。

ストリップを楽しむためには、踊り子と客の間には適度な距離感が必要である。

Aさんは一人の踊り子を好きになっているので、本音は結婚してもいいとまで思っているだろう。彼には適度な距離感なんてなにもない。現実には踊り子は客を結婚相手としては見てくれないもの。だからAさんは途中で熱が冷めるかもしれないし、最後まで応援していたとしても、彼女の引退とともにさようなら!となる。そして、Aさんは二度と劇場に来ない。

一方、Bさんは沢山の踊り子を相手にするだけあって、適度な距離感を心得て、ストリップを楽しんでいる。踊り子さんも熱心に応援してくれるのは嬉しいが、度を超すと相手がうざく思うもの。Bさんは常に踊り子との適度な距離感をわきまえている。

 

最後に、踊り子と客の感情について。

一般に、踊り子と客が恋愛に発展して結婚するケースは殆どない。なぜなら、踊り子は人前で裸になる商売柄、まさに体を張った気の強い女性ばかり。また気が強くなければ踊り子は務まらない。一方、客の男性はふつうに女に相手にされない気の弱い男ばかり。こうした男女が結びついてもうまくいくはずがない。

しかし、踊り子と客はやはり男と女なので、そこに恋愛感情が発生してもおかしくはない。恋愛感情とまで言わなくても、単に好き嫌いという中で、相手に好感をもったり、時に不快感をもったりする。

それを今回のテーマ「愛と憎」に当てはめて考えてみよう。

 

お客というのも気まぐれなもので、これまである一人の踊り子を夢中になって応援していたのが、踊り子のちょっとした言動や周りの状況(他に可愛い踊り子がデビューした等)で急に嫌になってしまうことがよくある。この「愛と憎」こそが、おそらくストリップを楽しむ上での問題の、かなりな部分を占めるだろう。

一例を考えてみよう。彼はある踊り子Xさんを夢中で応援していたのに、ある日突然に手の平を返すように嫌われ、更に踊り子出禁にまでされたというケース。これまで応援に沢山の時間を費やし、遠征やプレゼント等で沢山のお金を費やしてきた。この苦労が一瞬にして水泡となる。彼はXさんに対して「可愛さ余って憎さ百倍」という気持ちになるだろう。この気持ちを彼はどう癒すだろうか?

彼に非があれば、いずれ時間とともに自分の非に気づくだろう。例えば夢中で追いかけていたがそれはストーカー的な応援ではなかったか。踊り子Xさんにうざいと思われなかったか。熱心な追いかけとストーカーは紙一重なところがあるからね。時間を置いて冷静になれば相手の気持ちもわかってくるもの。

ところが彼に全く非がないとする。誰が見ても、Xさんの気まぐれであり、皆が彼に同情する。そんな場合、彼は救われないだろうな。彼はどうすればいいか?

それを考える上で、太宰治の『お伽草紙』の中にある「カチカチ山」という面白い話を紹介する。ご存知「カチカチ山のタヌキ」という童話は、ウサギがおばあさんの敵討ちに、タヌキを泥船に乗せて殺してしまうという物語。その話をベースにして、太宰は、ウサギを十六歳の冷酷な美少女に、タヌキを愚鈍な中年男という設定にした。中年男は、その美少女に惚れ、どうにか気を引こうと全身全霊で尽くす。しかし最後は泥船に乗せられ殺される。「恋は盲目」とは言うが、彼は滑稽そのもの。

では、太宰はこの話で何が言いたかったのか。「恋する諸君、気を付けたまえ!」と言いたかったのか。いや「恋は盲目」だからこそ素晴らしいのだと反論したくもなる。先ほどの彼のケースを考えれば、身につまされるストリップ客もいるだろう。ちなみに、私は「惚れたが負けよ」と思った。最後に殺されようが、彼女に惚れたお前が悪いのさ。殺されるのも運命と思って受け入れなさい!と言いたくなった。

これはそのままストリップに当てはまる。もともと女に相手にされない中年男は、絶世の美女である踊り子に相手にされるはずがない。冷静に考えたら誰でも分かる。それでも男はストリップにロマンを求め、若い踊り子に惚れる。どんなに尽くし、どんなに裏切られようが、「そんな女と知らずに勝手に惚れたお前が悪いのさ」ということなのだ。

ここで先ほどのAimerの話に繋がる。「全ては自分に収斂していく」ということがポイントになる。

愛は必ずしも綺麗な部分だけではない。ときに嘘にまみれた汚い部分もある。それはストリップ愛も同じ。しかし、清濁あわせて飲み込むことにより、初めて自分の一部になる。そして、美しい思い出になる。悲しみや絶望が大きければ大きいほど思い出も美しいものになる。そう思いたい。

 

私にとって究極、「ストリップ愛とは踊り子を見守る愛だ」と思っている。許される限りで、時間と労力とお金を費やしていく。その際、大切なのは適度な距離感。彼女のプライベートな部分には立ち入らず、劇場という限られた時空の中で、必要なときだけ自分の可能な範囲でサポートしていく。そうであれば、余計な感情で楽しいストリップをつまらないものにしないで済む。「愛」の範囲内にとどめ、「憎」に踏み込まないようにする。そうすることで、自分のストリップ歴の中で、一人一人の踊り子を楽しい思い出として語り続けたいと思うのだ。

20年間ストリップを観続けているが、これがなかなか難しいのもストリップである。

 

 

つまらない話までしてしまい、長いレポートになってしまいました。すみません。

最後に、改めて今回の新作「愛と憎」を振り返ると、中条さん自身が言っている「過去最高に、私の好きな構成です。」ということがよく理解できる。

前作「ノンフィクション」で内面を演ずることに挑戦したが、対象が曖昧だったせいか客に伝わり難かった。今回はテーマを「愛と憎」とより具体的にしたことで、客にテーマが伝わりやすい。

しかも、伝え方がうまい。衣装を赤と黒にこだわったことでインパクトが強くなる。

かつ、選曲がいい。3と5の曲をメインにし、いい洋楽でまわりを固めた。やはり、日本語の歌詞だと客に言いたいことが伝わり易いからね。(実際には、この二曲の歌詞は難解だ~↓ 読み砕くのにかなり苦労したよー笑)

テーマに興味がもてたお陰で、自分の自論を長々と整理することができた。(もう少し、深く細かく追及したいところ。笑)

 とにかくMIKAさんといいタッグが組めたねー。私自身もすごく嬉しいよ。

 

 

2019年5月                             DX歌舞伎にて

 

 

 

【中条彩乃さんからのお返事】

(手紙にて)

今回も長いレポートをありがとう。読み応えがあって、いつも通り、読んでる時間がすごく楽しかったです。楽しみに待っていてよかったぁ。(笑)

そして今回驚いたことが・・・。太郎さんは、私の事がなんでもお見通しなのでは・・と思ってしまうほどに、レポートの内容がぴたりと合っていたこと。鳥肌が立つほど。

ここ最近の私は、選曲しているときの感情や、出来事などが全部曲に表れます。曲を決めてから、衣装、構成、振付師を考えています。(ちなみに衣装も全部自分で決めます) 

6ページの真ん中あたり。お客さんとの距離感での一例で、まさにこの演目の選曲をしているときに起こったことでした。昔から応援に来てくれていた方が、少し過剰な愛となり、結果憎まれてしまった。私の中で、これを作品にすることが、「一つに溶けてしまうこと」だったと思います。そのお客さんに、すごく嫌がらせもされたし、もう二度と会いたくないと思ったけれど、この演目は観てほしい・・・そんな矛盾の中にいます(笑) 私も、その人も、愛と憎が紙一重なんだなぁ・・

 

 

今回は、中条彩乃さんとゆきなさん(二人ともロック所属)について、H31年2月結のDX歌舞伎での公演模様を、チーム「おんざろっく。」を題材に語りたい。

 

H31年2月結のDX歌舞伎に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①西園寺瞳(ロック)、②埃(DX歌舞伎) 、③中条綾彩乃(ロック)、④ゆきな(ロック)、⑤鈴木千里(ロック)、⑥熊野あゆ(ロック)〔敬称略〕。埃さん以外はALLロック。今週は、熊野あゆさんがDXK初乗り。

 

  今週の目玉は、中条彩乃さんとゆきなさんのチーム「おんざろっく。」。二日目の22日から初披露。なお、初日は演目「ノンフィクション」一本。

 二日目から、1,3回目は演目「ノンフィクション」、2,4回目にチームショー。

 初日に久しぶりに演目「ノンフィクション」を観た。昨年12月頭の栗橋でステージを二度ほど拝見し急いで観劇レポートした。そのせいか記憶が薄れていた。何を思い違いしたか、レポートを書くときに四曲目「歌うたいのバラッド」を作詞作曲者であるオリジナルの斉藤和義さんのことが強く印象に残っていて男性曲だと思い込んでいた。一瞬、曲が変わったかと勘違いしてしまった(笑)。笑い事ではないね。大変失礼しました。

 それにしても、初出しの時と随分感じが違った。難しい作品を踊りこんで自分のものにしてきたね。素晴らしい。髪も長くなって、憂いの表情が出ているし。感心しました。

 

さてさて、今回のチーム「おんざろっく。」を前にして、中条彩乃さんとゆきなさんがどんなチームになり、二人のチームショーがどんな魅力を持つかを考察してみよう。

お二人が仲良しであることは今回初めて知った。どんな相性なのか私には分からないが、まずお二人の共通点と言えば、2017年組という同期であること(しかも年齢=学年も同じ)、底抜けに明るいところ、ポラの時の声が高いこと(笑)。これだけ並べても確かに気が合うだろうね。このお二人のチームとなると、よく言えば明るく楽しいことであり、悪く言えば‘かしましい’ところ(失礼↓)、かな。

いずれにせよ、チームというのは1+1=2ではなく必ず2以上の相乗効果がある。一人だけでもセクシーなのに、二人でこれでもかこれでもかとセクシー攻撃してくるのだから男性はたまりません。感想を尋ねられたら「最高です」という答えしかない。

とくに、若手の元気のいい二人のチームショーだから、元気100倍で観ている方としては楽しくてたまらない♪ 両方のファンのみならず、片方のファンであっても、いやファンでなくても、必ずこのチームショーを楽しめる内容になっている。

 

一般的なチームショーの特徴と魅力について考えてみよう。私がこの20年のスト歴で感じているチームというのは、大きく二つのタイプに分かれる。

ひとつは、同じタイプの二人がきれいに揃って踊るという‘左右対称の妙’が売り(ここではAタイプと呼ぶ)。これには同じダンスのレベルじゃないとダメで、ダンスでぐいぐい押すケースが多い。

もうひとつは、違うタイプの二人が一緒に踊り、違うからこそ‘組み合わせの妙’が楽しめるもの(ここではBタイプと呼ぶ)。ストーリーが楽しめるものも多い。

今回の「おんざろっく。」を考えた場合、先ほど述べたように共通する二人にAタイプを狙わせたのだろうが、実質はBタイプになっている気がした。

というのは、二人は共通しているように思えて、実はかなりタイプが違う。一人一人のステージでは感じなかったが、二人で並んで演じることにより、その違いがより際立って見えた。

ゆきなさんは色白で華奢な体形。それに対して、スポーツ女子である彩乃さんは身体がひと回り大きく筋肉質に引き締まっている。宝塚で言えば、ゆきなさんが娘役で、彩乃さんが男役という感じなのだ。また面白いのが、ゆきなさんが使う曲は女性曲だけだが、彩乃さんは男性曲も積極的に使う。彩乃さんの作風にはそれがマッチしていると感ずる。だからというわけではないが、宝塚風に演じてみるのも面白いと思うのだが、ともあれ、今回のチームショーではお二人が同じ衣装で左右対称のダンスで押す構成にしている。

以上が、最初にステージを二度拝見した私の率直な感想だった。

 

ともあれ、ステージ模様を私なりに紹介する。なお、いつもなら選曲について納得いくまで調べてレポートしていたが今回は曲名をあげるに止める。

 

最初に、二人で紺の音楽隊のような制服姿で登場。頭はブルーのリボンでひとつ結び。

上半身は長袖で、白い襟と金色のリボン、サスペンダーとベルトの飾り、そしてミニスカート。サスペンダーの横とスカートの裾に金線が入る。胸元から金の釦が縦に並ぶ。彩乃さんは黒いストッキングを履き、ゆきなさんは履いていない。そして、足元は黒いロングブーツ。

音楽に合わせ、二人そろって踊る。

一曲目は、欅坂46の「ガラスを割れ!」。おっおっおっ!という掛け声で始まる。

二曲目は、BiSHの「サラバかな」。

ここで、一旦、暗転し、ゆきなさんのソロバージョンになる。

ゆきなさんがピンクのドレス姿で登場。上半身は、胸元が開いており、背中部も空いている。上半身はポチポチの宝石でキラキラしている。スカートは足元まで流れる。

音楽に合わせ、裸足で踊る。三曲目は、アイナ・ジ・エンド (BiSH)の「きえないで」。しっとりした曲だ。舞台から盆に移動し、ベッドショーへ。

近くに来たのでアクセサリーを目で追う。銀のネックレス。左手首にガラスのブレスレットを二本。手足に赤いマニキュア。

ベッド曲は、洋楽で、Ellie Goulding(エリー・ゴールディング)の「Love Me Like You Do」。名曲である。

また、一旦、暗転し、次は彩乃さんのソロバージョンになる。

彩乃さんはブレザーでかっこよく決めてくる。黒いコルセット状の上着の上に、赤いブレザーを羽織る。ブレザーの襟元は大きな丸い黒、そして裾から黒い布を垂らしている。下半身は、黒いパンティに黒いガーターと黒いストッキング。足元は赤いブーツ。という感じで、黒と赤がコントラストしている。頭は同じくポニーテ―ルにひとつ結び。

音楽に合わせ、かっこよく踊る。

五曲目は、中島美嘉の「LIFE」で、六曲目は中島美嘉・加藤ミリヤの「Gift」と、中島美嘉のメッセージ色の強い二曲が続く。

上着を脱いで胸をはだける。そのままベッドショーに移動。近くに来たのでアクセサリーを目で追う。左手首に純金のブレスレット。

ベッド曲は、七曲目で初めて男性ボーカルになる。BUMP OF CHICKENの「カルマ」。BUMP OF CHICKENは彩乃さんの演目「私と今 -2018-」の一曲目でも使われたお気に入りのバンド。すごくマッチしている。

一旦暗転し、ここから後半戦になる。最初に、ゆきなさんが登場して、トークを始める。

その間、衣装替えして二人が揃う。

頭には白い髪飾り。上下セパレートの衣装。上半身は肩紐でブラを吊るす。胸元中央に銀のワンポイント。スカート部はふわふわ。両手首にふわふわの布を巻く。彩乃さんは黄色、ゆきなさんはピンクという基調色で、髪飾り、胸元のリボン、左腰のリボンにその色彩を付ける。足元は花柄の刺繍が施された白いシューズ。

音楽に合わせ、二人でダンス。八曲目は、NMB48の同期である山本彩&吉田朱里の「アボガドじゃね~し…」で楽しく踊る。九曲目は、TANAKA ALICEの「Waiting For U」。ここで、青と黄色・ピンクという色層の大きなバスケットを運んでくる。上にはパンダとうさぎのぬいぐるみを置いてある。その中から、ネグリジェを取り出して着替える。色彩は同じく、彩乃さんは黄色、ゆきなさんはピンクという基調色。

そのまま、二人でベッドショーへ。パンティを脱いで胸元に結ぶ。10曲目のベッド曲は、Little Glee Monsterの「だから、ひとりじゃない」。

最後に、着替える。二人のチーム「おんざろっく。」の白い記念Tシャツ。バドワイザーのような絵柄の中に「おんざろっく。」と記載されている。スカート部はふわふわで、ゆきなさんがピンク色、彩乃さんが黄色。手首にも白い布を巻く。白いシューズで、音楽に合わせ踊る。

ラストの11曲目は、本作二回目の男性ボーカルで、WANIMAの「シグナル」。元気に盛り上がる。

 

今のロックで勢いのある二人のチームショー。ヤングパワー爆発で盛り上がらないわけがない。お互いのファン層を取り込んで、ますます人気がブレイクするだろう。

チームショーというのはソロに比べ大変だが、頑張った分以上に必ず自分のプラスになる。彩乃さんのポラコメに「去年からずーっと言ってたチームショー、実現できて本当にうれしい。レッスンオフは2頭の10日間。そのあとは姐さん東洋、私は川崎でそれぞれレッスンをして、今デラカブ。本当によくやったと思う。(笑)」とあった。頑張った跡がよく出ていたと思う。そして、この苦労は間違いなく二人の成長の肥やしになる。

新しいことへの挑戦の中で、また新しい自分を発見できる。僕ら中条ファンは、いつでも新しい中条彩乃を見てみたい。新しいことに挑戦する姿に元気とパワーをもらえるよ。

 

平成31年2月                           DX歌舞伎にて 

【中条彩乃さんからのコメント】

 

「レポート、ありがとう!! やっぱりよく観てるね! 

昨日もらった質問に答えます♪

チーム結成の経緯は・・・本当に仲良かったからだと思う(笑) 同い年で、同期で、こんな気が合う人って本当にいない。二人でチームやりたいですって、上の人にお願いしたんだ。

選曲は、それぞれまずざっくりと演目のイメージや構成を決めてから、使いたい曲や使えそうな曲を出し合って、それから絞ったり増やしたり・・。振付は、浅草の振付をやってるLise先生にお願いしました。チームショー、本当にやって良かったと思うし、今週終わりたくない気持ちでいっぱいです。」

「今回のチーム、ちゃんとテーマみたいのがあって。ゆきな姐さんのソロは、悲しくて辛い失恋の曲。私のソロでそれを救いあげて・・・二人のベッドは、『だから、ひとりじゃない』で、OP曲は『一緒にいこう』 Greeeenの曲を使ってるの。歌詞も味わってみてね。」

 

 

 

 

 

中条彩乃さん(ロック所属)について、H30年12月頭のライブシアター栗橋での公演模様を、新作「ノンフィクション」を題材に、「作品を感じ、そして育てる」という題名で語りたい。

 

 

H30年12月1日(土)、ライブシアター栗橋に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①アキラ(道劇)、②御幸奈々(栗橋)、③玉(TS)、④本城ナナ(道劇)、⑤中条彩乃(ロック)〔敬称略〕。

 

 今週の演目は、周年作二個と、リメイクしたデビュー作を気分に応じて出している。

 さて、新作の方はどうか。これについて、私と中条さんとのやり取りをメモしておく。

前回のDX東寺で栗橋にてMIKAさん振付の新作を出すと聞いていたので、気になって尋ねる。「太郎さんが四日間いるとのことなので。3,4日目新作だそうと思います。今、衣装にアレンジをしていて、ちょっとドタバタだけど、年内ラストポラ館だし、太郎さんにどうしても見てもらいたいし、無理するよ!(笑) 振付MIKA姐さん。」

 いやぁ~私の日程に合わせてもらって恐縮至極。期待に胸が膨らむ。

「明日から新作出せるように、今日も早朝からレッスンに行ってきたよー!!!! MIKA姐さんが、振付してくれた日に、私のことをブログに書いてくれたんだ。すごく優しくて温かくて、今回の演目もまた、大事な大事な作品になると思う。せっかくつけてもらった振付。精一杯すてきに踊れるように努めます。」

 これを聞いて、すぐにMIKAさんのブログを拝見した。これを読んで、ますます私のテンションが上がる。ちなみに、タイトルが「彩乃ちゃんの✨」で時間が2018-11-30 23:41:00となっている。今週栗橋の直前日である。一体いつから新作のレッスンしているのか気になって聞いてみた。「MIKA姐さんに振付をもらったのは、29日の深夜、そのまま30日はまるっと一人でレッスンして、栗橋の間は早朝レッスンしています。私は振り覚えが遅いから根詰めてやらないと逆にいつまでも覚えられないので、このくらいビシバシやる方が、性に合ってるかも(笑) いつも一週間くらいはレッスンしてるかなぁ。」

 私は新作の観劇レポートを今週中に渡したかったので、すぐに観劇レポートが書けるように準備しておきたかった。そこで調べるのに時間のかかる曲を事前に勉強しておくために、演目名と選曲を教えてほしかった。頼んだら、すぐに快く教えてくれた。その他に「孤独、淋しい、一人ぼっち・・そんな悲しいようなキモチを、優しさで包み込む・・・そんな演目にしたい。選曲は私です。構成、振付はMIKA姐さん。余裕があれば映画『塁-かさね-』のあらすじを見てほしい。」とのコメントを付けてもらった。

「明日1,3回目で出すつもり。二回観てもらいたいからね。暖かく見守ってね。失敗もあるかも(笑)」

 

 思えば、初披露前に、踊り子さんに演目名と選曲を聞いたのは初めてだ。おそらく事前に教えてくれる踊り子さんはいないと思う。これまでの観劇レポート、特にこの周年作ふたつの観劇レポートが彼女との信頼関係を深めたのだろう。

 観劇レポートのために事前に勉強しておく経験も初めてだよ。前日、深夜遅くまで選曲について調べた。やり出したら興味深々になり止まらなくなる。

 ふつうに考えたら曲は聞き流すもの。これだけ関心をもって真剣に曲を調べるというのも、それが大好きな踊り子さんの選曲だからだ。彼女がどんな想いをその曲に抱いてステージに使いたいと思ったかを是非とも知りたい。激しく衝動に駆られる。時間をかけて歌詞を確認する作業。知れば知るほど、その歌手の世界にのめりこんでいく。こんな素敵な歌手がいたのかと、思わず好きになる。こうして、踊り子のステージを通じて、私とその歌手との出会いがある。素晴らしい縁をとりもってくれたことに感激と感謝の念でいっぱいになる。今回、その選曲の四曲すべてにおいてそう感じた。

 以下に、ひとつひとつ紹介したい。

 

 まずは一曲目の、平井堅の「ノンフィクション」。この曲は、平井堅の42枚目のシングル。2017年6月7日にアリオラジャパンから発売された。

演目のタイトルにもなっているので、一番重要な曲なのだろう。

 私はこの曲を昨年末の『第68回NHK紅白歌合戦』で初めて聴いた。そのときにリオパラリンピック閉会式に出演した義足のダンサー・大前光市とコラボしているのが印象的だった。今回ネットで調べていて、この歌が自殺した友人に向けて作られたものと知る。ノンフィクションの歌詞を見ながらこの曲を聴いたら、言葉の一つ一つに今は亡き友人への強いメッセージが込められてるように思え涙が出てくる。平井堅さんがこの歌をうたう時にずっと花束持っている意味が初めて分かって感動した。

 合わせて、YouTubeでMVを観て衝撃を受けた。田辺秀伸が監督したミュージックビデオは夜の遊園地で撮影され、歌い上げる平井堅の周りを舞踏家の工藤丈輝が歌詞の世界観を体現するかのように舞う作品に仕上がっている。このMVのダンス(パフォーマンス)は鬼気迫るものがある。狂気とか絶望感とか、それでもどうにか這い上がろうとするんだけどうまくいかない葛藤とか。。そういう生々しさと、曲調や平井堅さんの美しい声との対照がよけい切ない。

他にも『2017 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)では欅坂46の平手友梨奈とのコラボが話題になっている。平手友梨奈のソロダンスも憑依系で鬼気迫るものがある。

<「ノンフィクション」という楽曲は、今年初頭に親しい人が突然命を絶ち、大きなショックを受けた平井が、その人に伝えたいことや人生の苦渋、苦難を歌ったミディアムバラード。今を必死に生きている者から死者へ〈何のため生きてますか? 誰のため生きれますか? 僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ〉と訴えかける、挽歌にもレクイエムにもなっている曲だ。となると、同曲の世界観を表現しているダンスは言わば“鎮魂の舞”。平手も工藤も大前も、曲の冒頭は生きることに絶望や悲観した様子を見せながら、平井の歌声の情感が増幅するにつれて、より大胆に動き、大切なものを抱きしめるように切ない表情を覗かせる。クライマックスにあたる〈叫べ 叫べ 叫べ 会いたいだけ〉の部分では、それぞれの形で感情を爆発させ、まさに叫ぶように踊っているのだ。>

 生と死という重いテーマを扱い、人間の暗部から突き詰めていくと、こうした暗黒舞踏に繋がっていくのかなと感じられた。

 

 二曲目のSia の「I'm In Here」。

とても美しい旋律の曲であるが、歌詞の内容は「私はここに居るの 誰か気づいて そして私を孤独や悲しみから救って!」という悲痛な叫びの唄である。

シーア・ケイト・イゾベル・ファーラー(英: Sia Kate Isobelle Furler、1975年12月18日 - 現在42歳)は、シーア([ˈsiːə])の芸名で知られるオーストラリアの歌手、ソングライター。

シーアが世界的ヒットシングル『シャンデリア』を生み出した歌手で、顔を公表しない天才ソングライターであることは知っていた。彼女のプライベートでは鬱病、鎮痛剤依存症とアルコール依存症、そして自殺未遂……とハードな人生を送っていたそうだ。顔を公表しないというのはそうしたことが原因かもしれないな。

彼女も、人間の暗部から歌を紡げる一人と云えそう。

 

 三曲目は、中条彩乃さんが大好きなアーティストAimer(エメ)の『Black Bird』。2018年9月5日発売Aimer 15th single は、映画『累-かさね-』(2018年9月7日(金)公開・主演:土屋太鳳×芳根京子)の主題歌である。

 中条さんのアドバイスに沿って、映画『累-かさね-』のことをネットで調べた。<醜い顔でありながら卓越した演技力をもつヒロインが、口づけをした相手と顔と声を入れ替えることができる口紅の力を使い、他人の顔を奪いながら舞台女優として活躍していく姿を描く。> 美醜をめぐる人間の業を描いた作品だ。

 これをAimerが見事に曲にしている。こうした人間の暗部を歌いあげられる唯一に近い日本のミュージシャン(表現者)である。

 

 四曲目のTiaraの「歌うたいのバラッド」。

Tiara初のカバーアルバム「Sweet Flavor 〜cover song collection〜」(7月4日発売)収録曲。Tiara(ティアラ、1981年11月11日 - 現在37歳)は、日本の女性シンガーソングライター。静岡県浜松市出身。

 この曲は前の三曲とはイメージが違う。中条さんが本演目で意図した「孤独、淋しい、一人ぼっち・・そんな悲しいようなキモチを、優しさで包み込む」のうち、前者を前の三曲が担い、後者の‘優しさで包み込む’をこの「歌うたいのバラッド」が担っている感じ。

 この曲のオリジナルは、作詞作曲者の斉藤和義で、1997年11月21日に発売された斉藤和義15枚目のシングル。

 隠れた名曲だ(いや私が知らなかっただけか)。 <2009年9月25日にテレビ朝日系で放送された『ミュージックステーション3時間スペシャル あなたとアーティストが選んだ新国民的名曲BEST100』で第77位にランクインした。また、ミュージシャンのゆずが同調査で本楽曲を挙げ、「歌手として言いたいことをズバリ言われちゃっている曲」と言う旨のコメントをしたVTRが番組内で紹介された。> こんな凄い曲を知っている彩乃さんに驚く。

 

 ひととおり曲を調べてから、初披露前に、以上の話を簡単に手書きで手紙で話したら、中条さんから次の返事をもらう。

「Aimerの曲は、新作出たー!と思って聴いてて、歌詞の意味とかを知りたくて調べてて、映画に辿り着きました。いつか演目で使おう・・と思ってたけど、映画や歌詞から、今回の演目に合うと思いました。

ノンフィクションと歌うたいのバラッドは絶対使いたい曲でした。タイトルを『ノンフィクション』にしたのも、私自身に起こった悲しい出来事から作った演目だからです。」

「今回の新作の選曲をしてるとき、個人的なことですが悲しいことがありました。お客さんに、応援を続けるのが難しいと言われたのです。踊り子を‘応援する・しない’はお客さんの自由です。理由は転勤、引っ越し、結婚、金銭面、健康面など・・・いろいろあると思います。私のお客さんも、やむを得ない事情でした。お客さんや、ストリップファンは、世の中にたくさんいるけれど、一人一人違う人間です。それぞれみんなのことが大切でしょうがないです。どれだけたくさんのお客さんが観に来てくれて、楽しく踊っていても、ステージはやはり孤独であると思います。さみしくて、ふるえて、もがいて、『私はここだよ』と叫んでるのが伝わればいいな。

そして最後の『歌うたいのバラッド』。‘嗚呼 唄うことは難しいことじゃない’踊りもきっと同じなんです。技術の部分や表現力とかそういった話じゃなくて、お客さんと、その瞬間を共有して心を通わせるのは、‘歌うたい’も‘踊り子’も同じなんじゃないかなぁと・・・歌うたいのバラッドは、最初の<愛してる>と最後の<愛してる>が過去と未来それぞれに向けているそうです。

その‘あるお客さん’が応援してくれていた過去も、その人がいつか私を思い出す未来も、今いるお客さんたちとの瞬間も、全てに向けて愛を。孤独ながらも、一方通行であったとしても、優しくみんなに伝えたいと思っています。」

  中条さんの本演目に込めた思い入れが凄くよく伝わってきた。私が歌だけから感じたものとかなり近い。私の解釈もあらかた間違ってはいなかったと思えた。

改めてAimerの『Black Bird』の中の歌詞「すぐに落ちていきそうだ  まるで一人のステージ  真っ暗闇で 声を枯らすよ」が心に響いてくる。

また、平井堅の歌詞「ただ会いたいだけ」と斉藤和義の歌詞「愛してる」がつながって聴こえてきた。

 

さて、以上四曲に基づいて、MIKAさんがどんな振付・構成をしてくるのか、これは簡単ではない。私の関心はそちらに向かった。 

さっそく、初披露の新作内容を私なりに紹介する。

最初がベッドショーからスタートする。MIKAさんの演目にも同じパターンがある。

ふわふわした、白というか水色というか、肩紐で吊るしたドレスを羽織っている。

一曲目の平井堅の曲「ノンフィクション」に合わせて、ベッドショーを演ずる。近くで観ていたのでアクセサリーが目に入る。腹部にガラスのリングを巻く。左手首に金のブレスレットがキラリ☆ 手のマニキュアもピンクできらきら輝く。

二曲目のSiaの曲「I'm In Here」に変わって、舞台に移り着替える。刺繍入りの白いドレス。上部はフード付きの布を軽く羽織る感じ。下部はふわふわしたスカート。裸足で踊る。

三曲目のAimerの曲「Black Bird」に変わって、上着を脱いで、青い(一部黄色い)布を羽織ったり、手にもって揺らしたりして舞い踊る。

四曲目のTiaraの「歌うたいのバラッド」になって、青い布だけを持って、再びベッドショーへ。

 

初出しが終わり、ようやく緊張がほぐれたようだ。次のコメントをもらう。「無事に・・・(?)初出し終了しました。布や衣装とケンカしまくりですが、仲良くできるように頑張ります(笑)  MIKA姐さんに近づけるように努めます。」

まさしく本作品はMIKAさんのカラーである。MIKAさんが中条さんに乗り移っているようにも見えたよ。

MIKAさんがブログで「新作は彩乃ちゃんの裸を存分に堪能できる演目になっております✨」と書いてた意味が分かった。ダブル・ベッドショーで、若くて瑞々しいヌードを二度も楽しめたことだね。

また、MIKAさんがよく言っている「いま表現できる最大限の美しさを出す」が、本作品にも十二分に出ていた。コンテンポラリーな動きに、中条さんの想いが美しく表現されている。

 

私の率直な感想を述べさせてもらうね。

観てすぐの、最初の私の言葉が「この作品は周年作と対極にあるね」だった。初出し直後のポラ時に話したね。

周年作ふたつが、ある意味で分かりやすく、ストレートなインパクトがあったのに対して、今回の新作は内面の感情を表現しているがゆえに難しく、作品全体は美しいものの、最初のインパクトが弱かった。私は事前に曲を教えてもらって内容を把握していたのでよかったが、一般の観客はステージを観ただけでは中条さんの想いはなかなか伝わらないのではないか、と感じた。

また、美しくまとめようとの意識が強いために、おとなしくなり過ぎている。先に話したように、平井堅の「ノンフィクション」を踊りで表現しようとすると、トップダンサーである工藤さんも大前さんも平手さんも、人間の暗部を突き詰めるために暗黒舞踊に突き進んだ。今回の前三曲をこのぐらいのインパクトを出す表現方法もあったのかもしれない。また、人間の暗部を表現するには、美しさではない方が合っているのかもしれない。かなり難しいけどね。これは振付けるのも演ずるのも大変ではあるが。

 

 今回の作品は「観せるステージ」ではなく「感じるステージ」なのだと思う。

 歌の歌詞がひとつひとつ意味深で重い。これを味わうためには時間がいる。

 中条さん自身が動きや表情で想いを表現するのにも時間が要るだろう。ある意味、この作品はすぐに観て分かってもらうのでなく、じっくり感じてもらい、踊り子と一緒に育てていく作品なのだと思う。だから、とても観劇レポートひとつで完結するような気がしない。

 

平成30年12月                       ライブシアター栗橋にて

 

【中条彩乃さんからのお返事】観劇レポートを渡した直後

(ポラ)

レポートありがとう!! 新作出す私もドタバタだったけど、レポート書く太郎さんもドタバタだったよね(笑) お疲れ様でした!! そして本当に、ありがとうです。楽しみにしててよかった!!

(お手紙)

レポートお疲れ様です。こんなに時間がなかったのにしっかり書きあげてくれて、本当にありがとう。

歌うたいのバラッドは好きな曲で、この演目を使いたいと思ったのは私だけど、それを四曲目にして、「優しさを」と言葉にしたのはMIKA姐さんなんです。すごいよね。私の、孤独だったり、さみしさだったり、そんな中の「あたたかい感じ」とか「愛にあふれた」とか、ふんわりした表現を、「優しさ」ってゆうワードにしてくれたMIKA姐さん。同じ踊り子として、大先輩として、きもちに寄り添って振付をしてくれたMIKA姐さんの優しさも、この演目にはあると思います。

まだまだ自分のものにするには難しくて、太郎さんの率直な感想も、とても分かります。この暗い演目の中にもっと重くて、熱くて、激しいものを表現できるように頑張ります。

 

 

【MIKAさんへ 私からの手紙】

あらかじめMIKAさん宛の手紙を書いておきますね。

時間との勝負で、なんとか中条さんに観劇レポートを間に合わせたんですが、その後で時間を置いて冷静にこの作品「ノンフィクション」を考えると、今の中条さんにとっては難し過ぎる感がありますね。

彼女の想いというのはすごくよく分かりますが、それを中条さん自身が今の時点で表現する力量には達していないと率直に感じます。

そのため、彼女が選曲した四曲を渡されても、仮に私が振付師だったら、同じ表現者として「これは今の君には無理だ」と突っ返したかもしれない。私はもちろん振付のことは全くの素人だが、仮に彼女の気持ちを文章で表現しようとすれば、かなり悩む。小説のテーマとしては面白いかもしれないが、うまくストーリーを作って表現するのは至難の業だと思う。

だから、振付師でもあるMIKAさんがどう対応したのか、むしろ私の関心はそちらに向かったんだ。

一度ステージを観たばかりで、勝手な感想を書いちゃって誠に恥ずかしい限り。

で、中条さんのお返事で、MIKAさんの想いが伝わってきて、こちらの方に感動した。

中条さんの気持ちに寄り添ってくれたんだね。私からも御礼が言いたい。中条さんが今回の振付で、いかにMIKAさんを慕ったか、痛いほど伝わってきた。振付の細かい技術はよく分からないが、この「人に寄り添った」姿勢が感動させてくれたよ。まさしくMIKAさんが演目で使っている半崎美子さんの唄と同じだね。MIKAさんの人柄・魅力そのものだよ。

この中条さんからのお返事を頂いてから、この作品「ノンフィクション」を観ると、中条さんの背後にMIKAさんが踊っているのが見えてくるんだ。

一粒で二つの味を楽しめるキャンディみたいだね(笑)。

この作品は、ずっと踊り続けて、観客と一緒に、じっくり育てていく作品だと思う。

 

 

【浅葱アゲハさんの感想】

中条さんに観劇レポートを渡した翌々日、たまたまDX歌舞伎にて、いいタイミングで浅葱アゲハさんに会った。そして、このレポートを読んでもらった。(前の、私のMIKAさんへの手紙は外しています)

すごく感動してくれ、丁寧に次の返事を頂いた。

(ポラ)

中条ちゃんとMIKAちゃんのお話めっちゃいいですね。その人に寄り添った振付してくれるなんてMIKAちゃんは振付もすごいんだなー!!

(お手紙)

今日はギャツビーの感想も、すてきな中条ちゃんとMIKAちゃんのストーリーありがとう。

初出し前から直後のレポートまで、中条ちゃんの忠実なナイトっぷり素敵です☆

なんか感動してしまいました。

出し物、一緒に観て下さるお客様と育てていくものだから、きっとこれからももっともっと素敵になりますねー!