ロック所属の踊り子・鈴木ミントさんの令和元(2019)年9月結のライブシアター栗橋の模様を、新作「鈴」を題材に語ります。なお、本レポートは鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その18)になる。

 

 

 最初に、私は大変な勘違いをしていた。東洋常連のスト仲間とよくミントさんの情報交換をしていた。彼から「ミントさんは前から10周年で辞めるつもりのようだよ」という話を聞いていた。私は10周年週が10月頭の新宿ニューアートなので、それが引退週になるのかと心配していた。そんなとき、彼から「新宿ニューアートの前週が栗橋で、栗橋の香盤情報にミントさんが『栗橋ラスト』と出ている。やはり引退のようだよ。」と話してくれた。私もネットで確認したので、やはり引退されるのかとがっかりした。ともあれ、栗橋には必ず顔を出そうと計画した。

 たまたま東洋に出演していた踊り子に、ミントさんの引退の話をしたら怪訝な顔をした。彼女がミントさんに連絡して引退ではないと確認してくれ、私が勘違いしていることが分かった。劇場側のフライングだったんだね。ともあれ、私はホッとした。いつも通りの気分でミントさんに会いにいける。

 

令和元(2019)年9月結のライブシアター栗橋に、中日9/24(火)25(水)に顔を出す。ミントさんとは8月頭の広島以来。そのときの観劇レポートを仕上げて持参してきた。

今週の香盤は次の通り。①アキラ(道劇)、②西園寺瞳(ロック)、③藤咲茉莉花(ロック)、④雪見ほのか(ロック)、⑤鈴木ミント(ロック)。

 

 ミントさんは、今週もなんと9個出しらしい。

 一日目9/24、一回目ステージは演目「深紅」、二回目は演目「紫」、そして三回目に新作「鈴」が披露された。ちなみに二日目9/25は、一回目ステージは演目「言霊」、二回目は演目「蒼」、三回目「PINK」だった。

 新作「鈴」は、前週9月頭の横浜ロックで初出ししたもので、猫の演目で「栗橋の猫マロンに対抗して、スズちゃんです」とのこと。ミントさんらしい猫ではあるが、赤に染まったなんとも妖しい猫である(笑)。

 

  まだ曲名を確認していない段階だが、私なりに作品の内容を紹介しよう。

 最初の衣装は強いインパクトがある。なんと猫が赤い着物姿で登場する。帯が豪華。黒い生地に、金銀や赤の模様が彩られている。「着物と帯は母からもらったもので普段から来てるものですー!!」とのコメントをミントさんからもらう。

 髪型がかわいい。おかっぱ状のショートヘアに、定番の猫耳を付ける。猫耳は、外側は黒いが中は白い。左サイドに赤い髪飾りを付ける。髪に隠れているが金の鈴の付いたイヤリングがちらり。

 一曲目は、大阪発、平均年齢25歳の青春文學ロックバンド・BURNOUT SYNDROMESが歌う「吾輩は猫である」。この音楽に合わせて、裸足で猫踊り。

 二曲目は、篠崎愛の「悪い猫」。

 黒い帯を解くと、下には白い紐があり、それも解いて着物を脱ぐ。下には、透け透けの赤い襦袢。黒い下着が透けて見える。黒いガーターに、黒いパンティ。右足には黒い紐をクロス。左足には黒いストッキングを履く。

 首に黒い紐を巻き付ける。金の鈴が付いている。

 両手首にも、黒い布が巻かれ、白いリボンと金の鈴が付いている。

 演目名が「鈴」だから、あちこちに鈴が付いているのだね。鈴の音が心地いい♪

 そのまま、裸足で盆に移動し、ベッドショーへ。

 ベッド曲は、speenaの「月に鳴く」。

 近くに来たのでアクセサリーを目で追う。首には純金のネックレス。手足のマニキュアが豪華。金をベースにして、手には白も、足には赤も含む。

 立ち上がり曲は、椎名林檎の「ギャンブル」で締める。

 

 本作品で、妖しい赤い猫に化かされたい♡ 今週もストリップの妖精にメロメロになる♡

 

 

2019年9月                        ライブシアター栗橋にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボクとノンノンは人間と猫 』  

~鈴木ミントさん(ロック所属)の新作「鈴」を記念して~

 

 

 あるペットショップで、ボクは運命的な出会いをした。

 ボクは淋しさを紛らす目的でペットを飼おうと考え、その店の中に入っていった。一匹の若いメス猫がボクのことをじっと見つめてきた。愛らしくもあり、妖しい色香を含んだ眼差しだった。ボクは金縛りにあったように、そのメス猫の視線に釘付けになった。

 すぐにボクはその猫を飼うことにした。

 ボクはそのメス猫と仲良くなりたくて色々と試みるが、彼女はすまし顔をする。

 ボクが「これ食べるか?」とお魚を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

 ボクが「これで遊ぶか?」と玩具を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

 この仕草がかわいくて、ボクは彼女にノンノンという名前をつけた。

 

 猫好きのボクは、ノンノンのことが大好きになった。

 ノンノンは普通の飼い猫のように飼い主のご機嫌を窺うようなことをしなかった。すまし顔と言ったが、よく云えば品のある凛とした表情をしていた。

 最近はツンデレな女の子が人気があると言う。ふだんはツンツンしているのだが、二人っきりになればデレデレと甘えてくるタイプの女の子のことを指す。ノンノンもふだんはすまし顔だが、夜になると必ずボクに寄り添ってきて、一緒の布団の中に寝ていた。そういう意味ではツンデレのメス猫なのかもしれないな。

 時にノンノンはボクに妖しい流し目を送ってくる。素っ気ない態度をしているけど、ボクのことが好きだよ!という眼差しを感じる。ボクはそれだけで幸せな気持ちになった。

 つぶらな瞳、セクシーなボディ、妖しい身のこなし・・・彼女の全てがボクの心をとらえて離さない。形のいいバストとヒップを妖しく振って歩く姿は他のどんな猫も、いやどんな人間の女性だってかなわない。

 ボクは人間でありながら、猫のノンノンに恋をしていた。

 

 いつものようにノンノンに話しかける。

 ボクが「これ食べるか?」とお魚を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

 ボクが「これで遊ぶか?」と玩具を出しても、彼女は「ノンノン」と首を振る。

「一体ノンノンは何をしたいんだ?」とぼくは尋ねる。

 ノンノンは「恋をしたいの!」と答える。そしてボクの目をじっと見つめてくる。

 ボクらは愛し合っていた。しかし、ボクは人間、ノンノンは猫。ノンノンはあくまでペットにすぎない。

 

 ボクは数学の教師をしていた。いつも数字ばかり追いかけているわけだが、数学には必ず答えがある。物事を証明する数式がある。これを見つけ出すのが数学の魅力だった。

 ボクにはひとつの信念があって、数学で答えを見つけ出すように、全ての物事は‘願えば叶う’と信じていた。願いをかなえるために人は考え続け、行動をする。そして願いは実現する。実際にこれまで勉強も仕事も恋愛も全て願えば叶ってきた。もちろん相応の努力はするし、時間がかかることも多いが、必ず最後は願いが叶ってきた。

 毎日毎日ボクはノンノンのことばかり考えていた。そして、ノンノンと愛し合うための方程式を日夜考え続けた。

 ある夜、夢の中に神様が出てきて「あなたが猫のノンノンと本当に愛し合うためには、あなたが猫になるか、ノンノンが人間になるか、いずれかしかない。生物の進化論から言えば、人間は最終形なので、ノンノンが人間になることはあり得ず、あなたが猫に戻るしかない。あなたはそれにより大きな犠牲を払う。現在の人間関係、仕事、社会的地位など全てを失ってしまい、一度失うと元には戻れない。その選択肢を選べますか?」と責め立てた。ボクは一瞬ひるんだ。

 

 ある日、突然ボクの目の前に、外から戻って来たノンノンが現れたと思いきや、身体をふらつかせバタリと倒れた。ボクは驚いて彼女を抱きかかえ、そして看病した。

 目が覚めたノンノンはボクに語り始めた。・・・近所に悪戯な男の子がいた。男の子はノンノンが居眠りしている間にハサミでヒゲを切ってしまったのだ。猫にとってヒゲは大切なアンテナ。これを切られると平衡感覚がなくなり猫固有の俊敏な動きができなくなる。案の定、彼女はふらついて倒れてしまったのでした。

 

 ボクは決心した。「ボクが猫になって、ノンノンを守る!」と。

 ボクはノンノンに向かって言った。

「ボクが猫になって、いつも君の側に居るよ。そして、きみのヒゲの代わりになるから。」

 彼女は「ノンノン」と首を振った。

「あなたは人間です。私を飼っているご主人です。私と同じレベルに落ちることはいけません。」と目で訴えていた。

 しかし、ボクの気持ちは決まっていた。

「ノンノンのことを心から愛している。きみのことを守ってあげたい。」

ノンノンは、ボクの顔をじっと見つめながら、嬉しそうに涙ぐんだ。

 

 ボクらはいつも一緒だった。

散歩に行くときは、ノンノンはボクのしっぽを咥えながら後をついてきた。

 雨の日には、ボクはノンノンの傘になった。ノンノンを濡れさせたくない。

 風の日には、ボクはノンノンの壁になった。ノンノンに冷たい風を当てたくない。

 雪の日には、ボクはノンノンの家になった。ボクは毛布になってノンノンを暖めた。

 他のオス猫が近づいてきたら、ボクは勇士になって蹴散らした。ノンノンはボクだけの宝物。

 いつしか、ボクらにかわいい小猫が三匹生まれた。

 ボクはノンノンとこの子猫たちを必ず守ると心に誓った。

 夜空の星たちがボクらの未来をキラキラと照らしてくれていた。

                                    おしまい