2003/05/14 (Wed)横濱俳句倶楽部の文章から
最近は、春夏秋冬を問わず、苺は売られているが
今頃の苺は、一段と匂いも濃く、やはり旬のもの、という感じがする。
イチゴの名前の由来は、あるサイトに、
野生の木いちごが「魚(いお)の血のある子のごとし」といわれたことから、
魚の[い]、血の[ち]、
子のごとしの[こ]をとっていちごと呼ぶようになったといわれています。
・・と書かれていた。
そして、苺という漢字は、苺の形が乳頭に似ているからとも書かれていた。
本当かなあ、と、思う。
苺は、石器時代からヨーロッパからアジアにかけて野生のものがあり、
人々に食べられていたと見られるそうだが、今のように品種改良されたのは、
18世紀のオランダで、
南アメリカ原産のチリ種と北アメリカ原産のバージニア種が交配たことによるそうだ。
当時のイチゴは学名は、フラガリヤ・アナナッサといわれ、アナナスとは、
鳳梨夏と漢字で表し、
オランダ語で、パイナップルということから
パイナップル苺とも、呼ばれていたそうだ。
日本には、江戸時代に、オランダから船でやってきたそうだが、
その実の赤さから、最初の頃は鑑賞が目的とされ、
食用になるまでには至らなかったという。
日本で始めて苺を栽培されたのは、
1899年に、新宿御苑に勤務していた福羽逸人によって、だったそうだ。
それでも、この苺は、御料苺として、天皇家に献上され、
庶民の口に入るのは
戦後、アメリカから入ってきたダナーという種類が主流になってからのことだとか。
苺と呼ばれるものは、ほとんどがバラ科の植物だか
ブルーベリーはツツジ科のコケモモ類である。
赤くなる木苺のことを英語ではラズベリーといい
フランス語では、フランボワーズ、という。
港が見える丘の、海側の崖にも、木苺が生っていた。
子供の頃食べた木苺は黄色くて、とても甘い味がしたが
今口に入れても、それほど甘いとは感じられない。
そして、記憶のもっと奥に、父の郷里、鹿児島で摘んだ野苺もある。
多分苗代苺だったのだろうと思うが、やはりとても美味しかったと記憶している。
苺の赤さが怖いと思うのはあの蛇苺の色なのかもしれないと思う。
舗装されない農道の道端に生える苺は
何処と無く蛇を誘うようなそんな気配を感じさせる。
俳句の季語では夏のものとして
覆盆子という文字も当てている。これは枕草子からきてる。
因みに韓国では、この名前のお酒は
飲むと、とても、精力が付いて
盆(お小水を入れる甕)がひっくり返るほどだ,という意味なのだそうだ。
枕草子の覆盆子の意が
キイチゴの実は熟すと食用になる部分がすっぽりとれ、跡にすり鉢状のくぼみが残
ります。その様子がひっくり返した盆(壷)のようだ
というのだから、通じるものはある。
遠く日本書紀では、いちびこ(伊致寐姑)といわれ
平安の時代にはいちごといわれたという。
どれも、木苺のことだ。
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先日、5月15日はイチゴの日という広告を見たが
全国いちご消費拡大協議会というものによると1月15日が苺の日らしい
今はハウス物が主流の苺の旬は1月から3月ごろになるそうだが
俳句では初夏の季語になる
いちご自体はほぼ一年中出回り、一番多く消費されるのは
クリスマスの頃なのだとか
嘗ていちご白書という映画があったが
学生たちの運動を、理に適う理由が無ければ
それはイチゴ好きな生徒が多数か否かの問題と定義付けた
学長の言葉に由来するとか
苺はやっぱり、初夏の、今の頃の、香りの高い旬のものが一番美味しいと思う