「親のカタカナ英語を子どもに聞かせていると、間違った発音を吸収してしまい、同じようにカタカナの発音で英語を覚えてしまいます。」







「親のカタカナ英語を子どもに聞かせていると、間違った発音を吸収してしまい、同じようにカタカナの発音で英語を覚えてしまいます。」
これまでバイリンガル育児のことを少しずつ書いていますが、
ここに書いている情報は
信頼できる文献からだったり
尊敬している先生からの教えだったり
そして英語講師の視点からだったり
そういうものを整理して
偏らないように
書くようにしています。
バイリンガル育児は、
家庭によって状況は 本当に様々なので
「これが正しい!」とは言い切れないので、
傾向を示したり 提案を書くようにしています
「バイリンガル育児」
「親子英語」
「英語育児」
「おうち英語」
「早期英語教育」というキーワードで、
今は色んな情報が
たくさん手に入る時代になりました。
そんな中で
どの情報を信用すればいいのかな?
そんな風に思うこともあるかもしれません。
バイリンガル育児を進める上で
大切なのは、こういった要因を
考慮して 子どもに合った取組みを見つけること。
一見、取り入れやすい
一面的な情報やノウハウに
惑わされることがなくなれば、
膨大な情報の渦の中にいても
うまく取捨選択できるんじゃないかと思います。
言語習得理論だけじゃなくて
子どもの心に寄り添った視点で
バイリンガル育児をまとめてくださっているYoshieさんも
多角的な視点から 情報を提供してくれる・・・
・・バイリンガル育児の
心強い存在の一人だと思います。
3歳になる前(幼稚園に入る前)から英語の取組みを続けてきて
この時点で発話がある子の
バイリンガル育児について
数記事に渡って考えてきました。
英語環境を整える
アルファベットの音(phonics)
を意識し始める
第一言語とのバランスを調整する
今回は について考えてみたいと思います。
これは 言語力のバランスではなく
アイデンティティにおけるバランス感覚のお話です
以前の記事で、
3歳というと、お喋りも上手になり、
好き嫌いの好みもはっきりしてくる時期。
それに伴い、知らない言葉やモノに対する
心の垣根も生まれやすい
・・・と書きました。
英語が上達し、英語で話すことが
心地よくなりすぎると、
今度は逆のパターンも発生することが
英語は好きだけれど
日本語はイヤ!
という状態です。
小学校はインターナショナルスクールに進むとか、
海外の学校に行くとか
英語がメインの生活になるのだったら また話は変わってきますが
日本の小学校へ進学することを考えているのなら、第一言語は日本語になります。
(「母国語」は言わば、公用語。「母語」は生まれてから自然に身に付いた言葉です)
小学校での学校生活を円滑に進めるために、
第一言語とのバランスは 3歳くらいから整えておくとスムーズなのかなと思います。
もちろん、
バランスを取る=50% 50%にする
ということではありません。
どういうことかというと、冒頭にも少し書きましたが
その子の軸を見つけやすいように、
その子が生きやすいように環境を整える
・・・というイメージでしょうか。
3歳あたりになると しっかりアイデンティティも育ってくる年齢だと思うのです。
一度、「わたし(ぼく)は英語の人!」となり
それが固まってしまえば、
もう片方の言語が心地悪くなる可能性も出てきます
でも親の工夫次第で、
「英語・日本語」両方のアイデンティティが
日本にいても健やかに育つことは可能だと思っています
ご家庭により環境は様々。
子どもの性格も様々
なので、ここでは2点だけ意識したい点を書きたいと思います。
人・場所・状況で言語を切り替えられるようにする
誰からも教わらなくても、人を見て言語を切替えられる子もいると思います。
それでも日本語環境で
英語が出てしまったり、
逆の状況で日本語になったり・・・
低年齢であればそれがまだ安定していません。
裏を返せば、3歳くらいからその点をしっかり親が誘導してあげると、
日本語を話すべき環境ではしっかり日本語、
英語環境では英語、
というように言語の切替えがスムーズになるのではないかなと思います。
一つの方法としては、語りかけ
日本語環境で英語が出てきたら、
子どもの言うことを受け入れながらも
ひたすら日本語で返す。
これでも直らなければ、
「今は日本語(英語)の時間だよね」と
促してもいいかもしれません。
「言語に優劣はない」というメッセージを子どもに伝える
これは、わたしもバイリンガル育児をする上で
とても大切にしていることなので
3歳くらいでも早すぎることはないのかなと思い、
この記事に加えてみました。
英語でのお喋りが上手になり
周りから「すごい!英語話せるの?!」と言われると
「英語を話す=すごい」となるのは自然のこと。
自尊心が育つことは
もちろん良いことだと思います。
でもバイリンガル育児の難しいところは、
英語がどんどん上達するにつれ
「すごい 英語を話す自分が優れている」
という図式にもなりやすいところ。
そうなると、そこには自尊心ではなく
優越感・劣等感という感情が関係してきます。
言語に優劣はない。
人、人種、国、文化にしても同じ。
そのことを分かってもらうには、
やっぱり小さい頃から
子どもに対して
そういうメッセージを
発信し続けていくしかないのかな と。
娘が2歳半くらいのときだったでしょうか。
誰かの英語を聞いて、
”◯△’s English is silly.(◯△の英語は変だね)”と言ったんです。
もちろん、この時の娘に全く悪気はありません。
いつも聞いている英語の発音と違うから、
純粋に「違う」と思っただけ。
この時 わたしは
「皆んな、アクセントが違うし、
違っていて当たり前。
英語を話さない人だってたくさんいるよ」
と娘に伝えました。
それ以降も、機会があるごとに
「英語を話すのは普通のこと。
話さなくても普通のこと。」と伝えています。
こうやって大人が
「みんな違っていていい」ということを発信し続けることで
子どもたちも、自分と違う人や文化に対して
あるいは英語を話す自分自身に対して
特別視しなくなるのではないかなと思っています。
「バイリンガル育児」を続けるからには
やっぱり 言語だけに限らず、
文化やアイデンティティ形成に
おいても多様性を育んでいきたいですね
体調を崩していて、
昨晩は寝ながら昔の動画を観ていました
娘が赤ちゃんだった頃の動画が出てきたので
今日はそれをアップします
本格的な英語での語りかけを始める直前なので
日本語で話しかけていますね
1歳7ヶ月のときの動画です。
下の記事でも書いていますが、
語りかけを始める前までは
歌
絵本
これが中心でした。
でも、歌は こんな風に
いつでも どこでも
娘と一緒に歌っていました。
こうやって娘が歌詞を覚えて
一緒に歌ってくれるだけで
嬉しかったのを覚えています
赤ちゃんの頃はこうやって
お母さんの真似をして
一緒に歌ってくれる場合が多いです。
かけ流しももちろん良いですが、
一緒に歌うとダイレクトに伝わり
赤ちゃんも もっと嬉しい
Twinkle Twinkle Little Star
は
数多くある歌の中でも
好きになる子が多いようですね
以前の記事で、フォニックスは
語彙力がある程度ついてから始めると
スムースだと書きました。
(詳しくは『3歳のバイリンガル育児: 発話がある場合②』を参照ください)
「ある程度」というのは、
基本的な物の名称、
気持ちを表す言葉、
動作を表す言葉を
大体 英語で分かっているくらい。
お子様の性格や文字への関心度を見ながら
フォニックス導入を意識し始める
といいのかな と思います
フォニックスには 大きく2種類あります。
アナリティック・フォニックスと
シンセティック・フォニックス
また別記事で2つの方法について
書いてみたいと思いますが、
今回はメソッドにこだわらず
両方を少しずつ取り入れた
やり方を紹介します。
フォニックスの歌で
アルファベットの名前と音を親しむ
シンセティック・フォニックスでは、子どもが混乱してしまうことから、アルファベットの名前(エー・ビー・シー)は後になってから教えるようです。ジョリーフォニックスでも歌はありますが、アルファベットの名前は出てきません。
YouTubeで"Phonics Song"で
検索すると色々出てきますが
わたしは途中から
自分で勝手にアレンジして
いつでも どこでも娘と歌っていました
色んな物の 最初の音を意識する
フォニックスの歌に慣れたら、
今度は、身の周りの物を使って、
その最初の音(beginning sounds)に
意識を向けます。
例えば、バスを指差して、
"B, B, Bus. What letter does it start with?"
(B、B、バス。何の音で始まる?)
と言った感じ。
ブレンディングを取り入れた遊びをする
「大体のアルファベットの音が入ったな」
と思ったら、取り入れるといいかなと思います。
例えば、上のバスの例で言うと、
"B---U---S. What did I say?"
(B---U---S. なんて言った?)
という風に、目にしたものや 周りにあるものでゲーム感覚で聞きます。
これで子どもが
"B--U--S"とリピートするだけだったら、まだブレンディングできてないサイン
"Bus!"と言えれば、ブレンディング出来たサイン
こんな風にフォニックスを
本格的に取り入れるまでは、
教材を使わなくても身の回りのもので
アルファベットの音を意識させることができます
また、アナリティック・フォニックスにするか
シンセティック・フォニックスにするかは
そこまで深くこだわらなくても良いのかな と。
それよりも子どもが
アルファベットの音に気付いたり
文字に興味を持ったり
その状態にもっていけるよう
環境を整えることが大切だと思います
フォニックスは、そこのカリキュラムにも
よりますが、英会話スクールで
体系立てて効率的に学ぶことができます。
3歳前から英語の取組みを続けてきて
この時点で発話がある場合の
バイリンガル育児について
数回に分けて書いてきました。
アルファベットの音(phonics)を意識し始める
母語とのバランスを調整する
今日は
アルファベットの音(phonics)を意識し始める
について考えてみたいと思います。
「意識し始める」としたのは、
あくまでもフォニックスに入る前準備であって、
フォニックスを本格的に始める時期
という訳でもないから。
では、この時点で発話がなかった場合、
前準備を始めてはいけないのでしょうか?
もちろん、そんなことはないと思います。
でも、
発話は一つの目安になります。
どうしてかというと、
後々、フォニックスを進めるにしてもそうでないにしても、
語彙力は必要だから。
ある程度の語彙力がついていると、
いったん、
フォニックス読みが定着してしまえば、
文脈や絵からも推測して
どんどん読み進めることができます。
この推測力が
文章を理解するのにも重要になってきます。
娘が自分の力で英語を読み始めて
2ヶ月ほど経った頃でしょうか。
Dr. Seussの"Hop on Pop"を
読んでいた時、
BALL
WALL
Up on a wall.
"wall(壁)"という単語は、
フォニックス読みではまだ読めなかった単語ですが、
本の中の絵と、
最初の音(beginning sounds)から推測して
"wall"と読んでいます。
語彙力がある程度ついていれば、
こういった推測読みもしやすい。
だから この時期に
まだ発話がないのであれば
一生懸命 フォニックスを教えるよりも
"wall"といったような基礎単語を
体で理解し、言えることの方が大切だと思うのです。
なので、もし低年齢で
フォニックスを取り入れるのであれば、
インプット
ある程度の語彙力
アルファベットの音を意識し始める
フォニックス
という流れがスムースなのかなと考えます。
もちろん、発話がなくても語彙が身に付いているケースもあるかもしれません。
「3歳」のカテゴリーで
フォニックスの前準備について書いていますが、
決して
「○歳から始めるといい」ということではなく、
基礎語彙力を目安に
考えるといいのかなと思います。
(無理に読みを始めなくても
就学くらいまで待っても全く遅くはありません)
じゃあ、実際に
「アルファベットの音を意識し始める」ってどういうこと?
フォニックスを
教えるほどじゃないけれど
日常の中で
アルファベットの音に親しむ・・・
・・そんな風に
気楽に考えるくらいでいいのかなと思います。
では、実際 どんなことから始めればいいのか?
長くなってしまったので
「フォニックス」のカテゴリーで
別記事に整理して書いてみたいと思います。
今回は、3歳になるまで英語の取組みを続けてきて
この時点で発話がある子の
バイリンガル育児について考えてみたいと思います。
ある程度、自発的な発話がある子に対しては
主に3つの点を意識すればいいのかなと思います。
英語環境を整える
アルファベットの音(phonics)
を意識し始める
母語とのバランスを調整する
今日は、 英語環境を整えるについて考えてみたいと思います。
インターナショナルスクールや バイリンガル幼稚園に通えば、
ある程度の英語環境は確保できます
(スクールによっては、子ども同士のやり取りは日本語になるなど、英語の環境を維持するのが難しい場合もあります)
でも そうでない場合、
日本語に囲まれた環境で
バイリンガル育児をするというのは
とても大変なこと 。
そのため、英語が心地のよい言葉であり続けるように、
英語環境を維持し、整えることはとても大事になってきます。
これには色んな方法があると思います。
今回は日本語の保育園や幼稚園に通っている場合で 考えてみたいと思います。
英語で遊べる環境を定期的に作る
子どもに合った動画・かけ流し音源を選ぶ
質の高いインプットに触れさせる
絵本の読み聞かせ時間を維持する
・・・などなど。
最初の「英語で遊べる環境を定期的に作る」というのは、
日本語に囲まれる時間が増える中で、
英語を続ける意味合いを持たせるためでもあります。
そして英語を話すのは特別じゃない
ということも感じられるのかな、と。
英会話スクールだったら、
「英語仲間がいる」というのも
モチベーションに繋がるし、
気の合うお友達がいたら、
プレイデートも良いと思います
ただ、3歳くらいは英語の発話があっても、
まだ「一緒に遊ぶ」という感じには
ならないかもしれないので、
「一緒の空間で遊んでいる」くらいに
構えていた方が親も気楽かもしれません。
2番目の動画やかけ流しに関しては、インプットの記事でも少し書いたように、
他のインプットに比べてインタラクションのないインプットなので、質をきちんと考えて使うと効果的なのかな と考えます。
動画の内容に関しては、年齢的に不適切ものもあるので、どんな英語表現が使われているのか、
見せる前に確認するといいかもしれません。
3番目の「質の高いインプットに触れさせる」ですが、
英語だとhigh-quality input。
必ずしも英語ネイティヴの英語に触れさせるということではありません。
良質のインプットを与えるということなのですが、それってどんなインプットなのでしょう?。
3歳くらいから、生活圏は、家の中から、
少しずつ外へ広がっていきます。
それに伴い、家庭内で使う表現以外の表現も必要になってきます。
家庭内で使う表現
学校で使う表現(学習で使う表現)
友達との遊びの中で使う表現
場面場面で、使う英語表現は違います。
そのやり取りの中で与えられるインプットが
その子にとって(あるいは社会的に)
意味があるものか?・・・というのが
良質のインプット(high-quality)かどうかの決め手になるそうです。
このことを踏まえて考えると、
良質インプットというのは、
と考えることができます。
最後の「絵本の読み聞かせの時間を維持する」というのは、
この先、子ども自身の読書に繋がる大切なステップ。
「本は楽しいもの」と少しでも感じてくれれば
読書へのハードルは下がると考えているからです。
次回は、
『3歳のバイリンガル育児: 発話がある子の場合②』( アルファベットの音(phonics)を意識し始める)
について 書いてみたいと思います
今日は3歳より前から英語を始めたのに話さない場合について考えてみたいと思います。
0歳から語りかけをしたり、
英語サークルに通っていたり、
英語のプリスクールに通ったり、
動画やCDのかけ流しをしてきたり、
幼児英語教材を買って家で使っていたり、
色々な取組みをしてきたけれど、
まだ自分で文を作って話し始めない・・・
そんなケースも意外と多く聞きます。
どうしてなんでしょうか?
さまざまな理由があると思いますが、
主には、3つ考えられます。
子どもがインプットの要素に気付いていない
インプットが足りていない
発話する機会がなかった
以前の記事『インプットって何?』に書きましたが、
与えられるインプットは、
難しすぎてもダメ
易しすぎてもダメ
そして何より大事なのが、
子どもがそのインプットの要素に
気が付かないと
言語習得は起きにくいと考えます。
娘の発話例で言語習得の仕組みを説明します。
下の発話は、娘が2歳5ヶ月のときのものです。
- Can you pick it up package?
"Could you pick it up?(拾って?)"は、
スプーンやらコップやらを
わざとテーブル下に落とすのがブームだった娘に対して
わたしが毎日のように使っていた言葉。
拾う動作を娘に見せながら、
繰り返し言っていました。
そのため娘は"pick it up"を
チャンク(かたまり)で覚えていたと考えられます。
チャンクで覚えるということは、
一つ一つの単語の意味は分かっていないということ。
「pick up= 拾う」
「it = それ」
という 単語一つ一つの意味は、
この時点では分かっていなくて、
音としてしか認識していません。
[pikelup(ピケラップ)]= 拾う
こんな感じで
音のセットで覚えている感じでしょうか?
この時点で単独で意味を認識しているのは、
"package(小包)"だけ。
だから、
”Can you pick it up package?”
のような間違いをしているのです。
でも、
わたしや他の誰かとのやり取りを繰り返す中で、
"it"は「それ」という意味があることに気付きます。
それは例えば、
- Can you see it?(それが見える?)
- Is it hot?(それ、熱い?)
- It's a cat.(それは猫だよ)
というように、
色々な文の中でitを繰り返し耳にしたから、
itの役割を何となく気付くような感じ。
その役割に気が付いたら、
そこで "it"というインプットが内在化し、
自分の中での言語ルールを修正します。
そうして
"Can you pick up the package?"のように
正しい文を作れるようになるのです。
インプットを大量に与え続けても、
子どもがインプットの要素に
気が付かなければ、
習得には繋がりにくいと考えられるのは
こういう理由から。
動画やかけ流しで、
自分で気が付く子もいますが、
やっぱり大事なのは、誰かとの
インタラクションがあること。
インプットが与えられ、
そのインプットを使う場がある。
それを誰かから言い直されたり、
正しい文を繰り返し耳にすることで
この気付きが起こります。
のケースは、
この気付きが起きる状況が
足りなかった可能性が考えられます
じゃあ、どうすればいいのでしょうか?
まずはインプットのレベルを下げることを考えます。
(語りかけで例を出したので、その例で考えてみます)
"pick up"という
明確なインプットを与えるため、
代名詞は使わず、
(拾う動作を見せながら)Pick up!
(拾う対象物を見せながら)Chopsticks.
こんな風に子どもにより伝わりやすいように
情報(インプット)を噛み砕いて与えます。
動画やCD掛け流しも同じです。
子どものレベルに合っているか
難しくないか、
今一度 見直ししてみるといいかもしれません。
そして大事なのは、子供が間違えた時に
「間違えてしまった」と感じさせないこと。
ポジティブな返しというのは
間違いを否定するのではなく、
褒めながら 正しい文を入れていくこと。
「間違えてもいいんだ」と思えることが
次の発話に繋がるからです。
3歳になると、バイリンガル育児も
子どもの性格や環境によって
進め方を変える必要が出てきます。
3歳と言っても子どもによって成長具合は様々。
母語が発達し、お喋りが上手になる子もいるかもしれません。
それに伴い生まれて来るのが、
知らない言葉やモノに対する
心の垣根。
言語学理論では、
Affective filter(情意フィルター)
と言います。
インプット仮説を唱えた
言語学者Krashen氏の説です。
(インプット仮説に関してはこちらを参照ください)
これは子どもの性格によっても左右されるもの。
新しい人や環境に入っても
全く問題なく楽しめちゃう
・・・という子は
英語でもフランス語でも何語でも
分からない時でも
「なんて言ってるのかな?」という風に
「分かろう」という意識が働きます。
逆に、人見知りで
新しい人や環境に慣れるのに
時間がかかる子、
もしくはお友達と違うことが嫌だと
感じてしまう子は、
自分に馴染みのない言語や文化に
対して心の垣根ができやすいと考えられます。
垣根ができてしまうと、
いくらインプットを与えても、
習得につながりにくいか
習得が遅くなる、と言われています。
そういった性格や環境による影響が出てきやすくなるのが、個人差はあるものの3歳あたりなのかなぁと。
幼稚園に通う子は、お友達との繋がりが出来る頃でもあります。
Yahooニュースの
という記事を読みました。
「致命的」なんていう強い表現が
タイトルに使われていたので
少し驚きました。
根拠の薄い主張もありましたが、
賛同できる点もあったのでシェアします。
「早くから習えば、苦労することなく英語ができるようになる」は幻想にすぎません。
子どもに英語を習わせるには、どのような学び方をするのか、誰がどのように教えるのかなどといった点を、親がきちんと見極めなければ意味がないのです。
(記事より抜粋)
確かに、
週1回1時間程度の英語のレッスンで
話せるようになるというのは、
それだけの技術と熱意を持った講師がいるか、
言語成長を助ける家庭学習の存在があるか、
その両方があるから、だと思います。
筆者が主張しているのは、
子どもと大人は学び方が違うということ。
子どもに英語を習わせたい場合、
親が理解しなければならないことは
3つあると言っています。
「これは自分にとって意味がある」と自ら選択する
自分が主人公となって学び、親は見守る
自分なりの動機やモチベーションを持てるように親が環境を作る
この3つの点が、大人と違って、
学びに大きく影響を与えると書いています。
この点は、その通りだなぁと納得。
でも賛同できなかった点は、
「早くから習えば英語ができるようになるという考えは幻想」
としているところ。
そこは一般化しすぎだなと感じました。
家庭により、
子どもの環境、性格、状況は様々。
早くに英語を始めて、
ちゃんとバイリンガルになっている子どももいます。
確かに早期英語教育を
過大評価する必要はないけれど、
早くから始める利点は、
〜
を取り入れやすい点。
英語に対する苦手意識が
生まれにくい状態は、
年齢が低ければ それだけ作りやすい
「早くから習えば英語ができるようになるという考え」
が幻想なのではなく、
その子に合った
正しい方法を知る
親の工夫と見極めが必要となります。
「正しい」=「正解」なのではなく、
子どもの性格や環境、
そして言語習得理論に基づいて、
その子に合った方法を
見つける工夫をする必要があるのかな と感じます。
バイリンガル育児をする場合は、
英語の取組みが
義務や強制にならないように工夫したり、
お母さんの負担になりすぎないように、
相談できるバイリンガル育児仲間や
信頼できる情報を見つけたりする。
語学スクールに通わせる場合は、
「楽しく英語に触れる」だけじゃなくて、
子どもが楽しみながらも
英語を学ぶことに意味を見出せるように
講師が意識してレッスンしているか
見極めたりする必要があるのかなと思います。
特には、語学スクールに通わせるにしても
家で取り組みをするにしても
大切な点だと思います
親のためでも他の誰かのためでもなく
「自分のために学びたいと思う」、
親はそういう環境を整えるだけであって
見守る存在であればいいのかなと思います。