6月にベッドマットレスや枕など、寝具一式をご購入頂いたお客様のお話です。
まず、ご購入頂いたベッドマットレスはマニフレックスの「オクラホマ」と「ヴィロブロックトッパー」です。
実はこのお客様、当店に来店しないでメールでのやり取りの中から寝具を選びました。連絡を頂いた時は海外にいらっしゃって、日本に帰国したその日から寝具を揃えておきたいというご希望だったのです。
その為、実物への試し寝が出来ない状態でした。そこで、購入後に色々な寝心地を作れる組み合わせをご提案したのです。オクラホマはリバーシブル仕様で表と裏で寝心地が変わりますのでまず2パターン、ヴィロブロックトッパーを使った場合と使わない場合で2パターン、合計で4パターンの寝心地を作れる組み合わせになります。
配達した現場でどの寝心地が良いかを決めたのですが、一番柔らかくなる(フィットする)組み合わせ【オクラホマ表とヴィロブロックトッパーを使う】になりました。
枕は感触の好みだけ先にお聞きして、配達した現場に枕のサンプルをお持ちし、現場で試し寝をしながらマッチングを行いました。その結果、枕は同じくマニフレックスの「バイオシェイプピロー レディースタイプ」となりました。
ちなみに使うのは男性です。枕の名称がレディースタイプでも男性が使って何も問題はありませんよ。
最初、ご本人の想定としてはマニフレックスの「ピローグランデ」や「エア・トスカーナ」って枕を考えていたみたいです。
けれどベッドマットレスがオクラホマにヴィロブロックトッパーを重ねて使うレイヤースタイルになってフィット感が非常に良い寝心地になりました。
フィット感の良いベッドマットレス(敷寝具)を使うと体はベッドマットレスに沈む様な状態となります。すると首や頭との間に生じる隙間は狭くなりますので、適切な姿勢を保てる枕は薄く(低く)なります。その為、薄め(低め)のバイオシェイプピローレディースタイプが合ったのです。
柔らかい感触を望まれたのでマニフレックスの枕の中で合わせましたが、硬めの感触が好みなら当店オリジナルセミオーダーメイド枕から選んでいた事でしょう。
納品が完了し寝具を実際に使い始めてから、数日経ってこんな相談を受けました。
横向き寝をする時に肩が潰れてしんどい
肩に圧力が集中してしんどく感じるのは薄い(低い)枕を使った場合に良くある事ではあります。
この場合、枕に厚み(高さ)を出したら解決しそうですが、それは間違いです。仰向きで良い姿勢を作れる様に合わせてあるので、厚みを出す(高くする)と仰向きが悪い姿勢になってしまいますからね。
この時の対処方法は通常ですと敷寝具(敷ふとんやベッドマットレス)に肩の圧力を和らげる(肩が沈む)柔らかい層を作ります。
ただ、今回のケースでは敷寝具に既にそれなりの柔らかい層が出来上がっています。オクラホマは表と裏で硬さが異なる仕様ですが、表の柔らかい層がある方を使っていますし、その上に更にヴィロブロックトッパーという柔らかい層を付け加えてありますからね。
もちろん更にトッパーを加えるという選択肢もありますが、それだと柔らかい層が増えすぎて仰向きの際の寝姿勢が悪くなる可能性があるのでオススメ出来ませんでした。もし使う方が痩せ型ならそれでも良いんですけどね。
そこで『横向きに寝る理由』と『起きた時の体調』についてお尋ねしました。
まず横向きに寝る理由ですが、スマホを使うのに仰向きだと疲れるからだそうです。
寝具の中でスマホを使う。これは皆さんも身に覚えがありませんかね。
横向きだとしんどくなるので、寝付く時は仰向きになって眠るそうです。
そして起きた時の体調ですが、体調に特に問題は無く、肩とか首が痛い様な事も無いそうです。本人の感覚では良く眠れているとの事でした。
ベッドの上でスマホを見たり、使う事を想定して当店は寝具を勧めてはいません。起きた時に体に不調があるなら何か対策を考える必要はありますが、それも無いみたいです。
もちろん実際に眠っている間に寝返りをして横向きになっているタイミングはあるとは思いますが、しんどく感じるほど長時間では無いのでしょう。血流が滞らない為に寝返りをうちますので、少し動いて姿勢を少し変えるだけでも充分なんです。
そんな今の状態を総合的に考慮し「もし寝る前のスマホの為に寝具に何か手を加えたり、替えたりすると逆に睡眠の質が落ちるかもしれませんよ。」と、お伝えしました。
「ベッドの上でスマホを使う事は睡眠に対して悪影響しかありません。それをやめればもっと睡眠の質が上がりますよ。」とも、お伝えしました。
どうやらお客様本人も「そう言われるだろうな」って、思っていたみたいです。
眠る前に光を浴びる行動は睡眠の事を考えたらNGです。スマホじゃなくてゲームとかタブレット、パソコンも同じです。ご年配の方はテレビを観ながら眠ろうとする方もいますけど、これもNGです。
眠る前に光を浴びる行動は寝つきを悪くするだけじゃなく、熟睡感にも悪影響を及ぼしますよ。なんでそうなるのかは分からないですが、寝相も悪くなる気がします。
もし、スマホは使わない、テレビも見ない、ただ寝ようとしているけど寝付く姿勢が横向きになる方は敷寝具や枕が合っていない可能性がありますね。
人が眠る時に一番自然な寝姿勢は『仰向き』です。その為、敷寝具や枕は通常仰向きで眠る事を想定して設計(モノづくり)されています。
寝付く時に横向きでも眠りに入ると寝返りで仰向きになり、実際は仰向きの状態で寝ている時間の方が多いなんて事もよくある話です。
そんな人が仰向きで眠る理由は2つ。
1つは『呼吸』です。
人の生命維持における原理原則の1つが呼吸です。
人工呼吸(心肺蘇生)をする時にどうしますか?対象の方を仰向けにしますよね。横向きにもうつ伏せにもしませんよね。肺を圧迫しない姿勢、気道を確保しやすい姿勢が仰向けです。
また人は緊張感の無いリラックスした状態を作ろうと思うと、呼吸のしやすい姿勢(仰向け)を作ろうとします。
当然、眠る時はリラックス状態になりたいので、その状態となる環境(仰向きで眠れる環境)を整えないといけません。
もう1つは『体への圧力』です。
立っている時は足の裏が全体重を支えますが、寝る場合は足の裏ではなく体の多くの部位で全体重を支え合います。そして体を支える部位の多い方が圧力を分散出来るので各部位の負担が減ります。
そうなると仰向きと横向きで寝た場合にどちらの方が体の部位を多く使って体を支える事が出来るでしょうか?
仰向きですよね。横向きの時は体の側面で支える事になりますが、仰向きなら体の背面で支える事が出来ますから。
長時間立っているのがしんどい様に、圧力が分散出来ない状態はしんどいです。体を休める事が目的の1つである睡眠中は一番圧力が分散出来る姿勢(仰向け)を取ろうとするのです。
なので、本能として仰向けで寝ようとする以上は自分に合った寝具を見つければ仰向きで眠れる様になりますよ。
尚、妊娠しているとか、体にケガを負っているとか、災害の不安がある状態とか、戦禍の中で眠る場合等、特殊な状況下(緊張状態)では話が違ってきます。
それとケガまでいかなくても、普段から悪い姿勢が常態化していたり、運動不足(筋力不足)だったりすると体が歪んできます。その状態でも話が違ってきます。
体の歪みの改善は寝具では無理です。その改善には運動(ストレッチ)や筋力アップ(トレーニング)、姿勢改善の意識が求められますよ。
過去の快眠アドバイスでも紹介しましたが睡眠や寝具を評価する時の一番のポイントは『起床後』にあります。
起床後の体の状態に問題が無ければ、その寝具は自分にとって快適な寝具です。寝付きの良さが全く関係無いとは言いませんが、寝付きの部分だけで寝具や睡眠の良し悪しを評価するのは間違っています。
後、そもそもですが眠くなってから寝具に入り(床に就き)ましょう。実は時間で眠るタイミングを決めるのはNG行動なのです。必要な睡眠時間はその日の活動量(脳の疲労具合)によっても変化します。早めに眠たくなる日もあれば、そうじゃない日もあるのです。
疲れていない(眠たくない)のに眠ろうとすると、眠れないモヤモヤした時間を寝具の中で過ごす事になってしまいます。医師によっては「そういう時間を寝具で過ごすと、その寝具を眠れない場所だと脳が捉えてしまう」とも指摘していますね。
眠くないのに寝具に入る(床に就く)と、眠れないので何かしたくなりますし、何となく姿勢を変えたくもなります。つまり、スマホを弄りたくなるし、横を向きたくもなります。
少し眠るのが遅くなっても、翌日の起床時間さえいつもと同じにすれば生活リズムは乱れません。睡眠時間が短いその日は少し眠く感じるかもしれませんが、その分その日の夜は早く眠たくなります。
最後にそんな眠たくない夜を過ごす場合は、過ごす場所の明るさにも注意して下さい。明るい部屋で過ごしたら意味がありません。もっと眠れなくなります。もちろんその時にスマホを使ったり、テレビを見たりしても同じです。
そんな時はオレンジ色の薄暗い部屋の中で少し難しい本(電子書籍はNG)でも読んでみましょう。スグに眠くなりますよ。
現代人は夜に光を浴び過ぎています。昼行性動物であるヒトは太陽の出ている明るい時間に活動し、太陽が沈んだ暗い時間は休息する様になっています。休息したい、眠りたいなら暗い時間を作りましょう。
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