快眠アドバイス『子供の体内リズムを整える方法を悩みに応じて考えてみる』 | ウメナ寝具の快眠BLOG

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静岡県三島市の「睡眠と寝具のお悩み相談室ウメナ寝具本店」の【店長(睡眠健康指導士・sleepdesigner)】が書くブログです。睡眠の話、睡眠に絡めた寝具(布団)の話、お店の情報などを載せています。

先日、お母さん向けの子供の睡眠セミナーを行って、その時に色々な【質問(悩み)】を頂きました。

今回の快眠アドバイスはその【質問(悩み)】に対する『私からの答え(改善方法)』を紹介したいと思います。


ただ、その場でパッとお答え出来なかった内容もあり、それは三島市の担当職員さんにお願いしてこらから受講生の皆さんに資料をお渡し出来たら良いなと思っています。




ではまず大前提として知っておいて欲しい事を確認します。


それが体内リズムを整える基本中の基本は『体内時計を正確に動かす事』。つまり、自然の昼夜のリズムと体内時計を合わせる事です。




その為には『光の浴び方』が大切になります。体内時計は外部からの光を感じてリズムを作るからです。


そして『子供は光の感受性が高い』という点も重要です。光の感受性が高いという事は悪い意味で体内時計は乱れやすく、良い意味で改善させやすいとも言えます。


さて、体内時計を正確に動かす「光の浴び方のポイント」がこちらの5つになります

朝起きたらまず太陽の光を浴びる
(照度の非常に高い明るい光を浴びる)

日中は出来るだけ屋外で遊ぶ
(室内で遊ぶ場合は窓際の明るい場所で)

日没後(夜)はオレンジ色の照明の部屋で過ごす
(可能なら徐々に暗くしていく)

日没後(夜)はスマホやゲーム等の電子機器で遊ばせない
(画面が目に近い電子機器は特に要注意)

寝る時は寝室を暗くする
(真っ暗が怖い場合は低い場所に灯りを設ける)



※スマホやゲーム等の使用時間は家庭でルールを作りましょう。


尚、これは大人にも言える事ですよ。


この光の浴び方を基本に、セミナーで頂いた【質問(悩み)】に対して体内リズムを整えるこんな改善方法を考えてみました。


Q,1
【朝、起きて欲しい時間にカーテンを開けても起きてくれない。】

A,1
『カーテンを開ける時間を起きて欲しい時間よりも1時間早くしてみる。』


人は瞼を閉じていても光を感じていて、夜明けの外が少し明るくなってきた位のタイミングで起きる準備を始めます。その「準備の時間」を作ってみてはどうでしょうか。例えば7時に起きて欲しいなら6時にカーテンを開けてみる感じです。




その時間に起きるのは親自身が辛い(睡眠時間を確保したい)ならスマホと連動して「自動でカーテンを開ける機械」を使ってみるのも良いでしょう。「カーテン」「開ける」「自動」で検索すれば色々と出てきますよ。


ちなみに遮光カーテンで光が全く入らない寝室だと起きるのが難しい理由も同じですね。遮光カーテンを使っている方は必ず朝陽が入り込む隙間を作って眠りましょう。


Q,2
【昼寝をしてほしい時間に寝てくれない】

A,2
『そもそもお子さんは昼寝が必要かどうかを見直しましょう。3歳位から昼寝を必要としない子供はいますよ。』


1~2歳の間は午後の早い時間帯に昼寝をするのが望ましいですが、この午後の早い時間帯で寝てくれない場合は、まず「起床時刻」を確認しましょう。起床時刻が遅ければ、その分だけ昼寝のタイミングも後ろにズレます。


自然のリズムや社会のリズムに合わせていくなら7時までには目覚めたいですね。もし子供の起床時刻が7時よりも遅いなら、6~7時の間に起きる様に部屋を明るくするタイミングを調整しましょう。【Q,1】を参考にしてみて下さい。




起きているのは7時前、でも午後の早い時間帯に寝てくれない。この場合は「午後の遅い時間帯(夕方)の状態」がポイントになります。


1~2歳の子供の場合、十中八九夕方に寝てしまっていると思います。この場合は次の項目【Q,3】をご覧下さい。そうじゃなく、夕方も寝ないで夜の長い睡眠だけで一日活動出来ているなら無理に昼寝をさせる必要は無いと思います。


Q,3
【夕方に寝てしまって夜眠るのが遅くなる】

A,3
『夕方に寝てしまうのは子供も大人も基本的にNGです。夕方に眠ってしまう場合は午後の早い時間帯に昼寝が出来る様にしましょう。』


通常、昼寝の際の環境は自然のリズムに合わせて明るい環境で行う方が良いですが、この場合は既に乱れている体内時計を直していくという観点から、あえて「暗く静かな寝やすい環境」を作ってあげましょう。


その時の遊びもテレビや動画の視聴、ゲーム等ではなく、おもちゃや絵本といった「目に光が入らない遊び」をさせて下さい。




夕方に寝てしまう状態は、体は眠りたがっているけど眠れる環境じゃないからと捉えてもらって良いかもしれません。暗くて静かで落ち着く環境にあれば寝てしまうと思います。


ただ眠ってくれたらスグに部屋を明るくして、室内の光環境を自然の明暗のリズムと合わせましょう。


福岡県の進学校に昼寝(午睡)をする時間を設けている高校がありますが、この高校に話を聞いた際に、昼寝による効果は午後の集中力を上げるだけじゃなく、夕方のうたた寝が減り生活リズムが安定する事も話していました。これは子供にも当てはまるんじゃないかと思います。


Q,4
【昼寝からなかなか目覚めてくれない】

A,4
『起きやすいタイミングで起こしてみましょう』


子供の睡眠サイクルの特徴はノンレム睡眠の第3~4段階が多い事が挙げられます。この段階はいわゆる深い眠りで、非常に起きにくい(起こし辛い)タイミングでもあります。しかも、子供はスグにこの深い眠りに到達します。




なので、起こす時は「このタイミングを外す事」を意識してみましょう。睡眠サイクルの基本は眠るとノンレム睡眠の第1段階、第2、第3と深くなっていき、第4段階に到達した後は第3、第2と浅くなっていきます。そして第1段階の後にレム睡眠があって、またノンレム睡眠に入るのを繰り返します。


この一連のサイクルは当然個人差はありますが大人になると約90分で落ち着きます。


また、その約90分のサイクルになる年齢も5歳ぐらいでそうなると言う方もいれば、1~2歳の段階で既にそうなると言う方もいますので、おくまで覚えておいて欲しいのは「起きにくいタイミングと起きやすいタイミングがある」という事です。


昼寝に入り、そろそろ起きて欲しいのに起きない場合は無理に起こそうとせず、10~15分位待ってから起こしてみるちょうど起きやすいタイミングに合わさるかもしれません。




もし起こして子供がグズッても可哀想と考えず優しく対応して下さい。そのまま寝かせて体内リズムがズレる事の方が子供にとって悪影響ですからね。


ちなみに、大人の場合は深い眠りに到達するまで時間があるので、深い眠りに到達するまでに起きるための15~20分位の昼寝がオススメだと言われているのです。(中高生の場合は5~10分位です。)


それ以上眠ると眠りが深くなって、起きた時に頭が重たく感じたり目覚めが悪く感じるのです。


これは余談ですが、大人の場合は昼寝ではなく「午睡(ごすい)」と考えて頂きたいと思っています。中高生や大人に昼寝が推奨されている理由は午後のパフォーマンスの向上ですが、これは寝なくても構いません「脳に休み時間を与える事」が目的なので、脳に与える情報を少なくすれば目的が達成されるからです。




つまり無理に寝る必要はなく、「目を閉じて耳を塞げばOK」って事です。目を閉じて視覚からの情報を無くして、自宅なら部屋を静かにして聴覚からの情報を無くして下さい。学校などの場合は耳栓がオススメです。


※午睡は寝るよりも瞑想に近いですね。


昼寝という言葉を使うとどうしても、寝なきゃいけないと思ってしまうみたいで、昼寝が出来ないという相談も良く頂きますし、私の奥さんも苦手です。もともと昼寝ではなく午睡と表現されていた経緯もありますしね。個人的にこれからは「午睡」と表現していきたいと思っていますし、皆さんも「午睡」という言葉と方法を覚えて欲しいです。


セミナーの当日に頂いた質問はこんな所です。


他に寝具の使い方(おねしょシーツとか)なんかも質問を頂きましたけど、今回はBLOGのテーマに沿わないのでね。紹介は控えます。


そうそう、後日セミナーを受講して頂いたお母様が当店に買い物にいらしてくれて、「皆さん昼寝のタイミングに悩んでいるんですね」って話をしたら、こんな事を教えて頂きました。


【幼稚園が14時までで、帰宅すると14時30分位、家に着いても興奮していてスグには寝てくれずに夕方に力尽きて寝てしまう】と。




なるほど、幼稚園って昼寝の時間無いですもんね。そうすると昼寝のタイミングを逃すのか。って勉強になりました。


ただ、幼稚園に通うという事は基本的に3歳以上です。つまり昼寝を必要としなくなる子供がいる事も事実です。必要としている子供とそうでない子供に柔軟に対応してもらうなんて理想論で、現実の幼稚園の保育士さんの事を考えると大変でしょうし。


かといって幼稚園に入るまでに昼寝を必要としない生活リズムを確立しておく。と、言うのは現状悩んでいる親御さん達はどうするんだってなりますよね。


例えば幼稚園に車で迎えに行く場合ですけど、「スグに帰宅せずに少しドライブしてみる」とかどうでしょう。車の中ってなんか眠くなりません?


起きると15時を過ぎてしまうかもしれませんが、家に帰って夕方に寝るよりは車の中で昼寝してもらう方がまだ良い気がします。ただ、自転車とか歩いて迎えに行く場合は少し難しいですけどね。




後はこのケースだと「幼稚園の無い時の生活リズム」も気になります。幼稚園が無い時は昼寝をしないのか、それとも午後の早い時間帯にしているのか、やっぱり夕方なのか。


この悩みについては、もう少し詳しい事を聞いてケースバイケースで改善方法を考えていかないといけない気がしますね。


ただ最終的に目指すは昼寝を必要としない生活リズムの確立なんだろうなって思います。もしかすると、正しい体内時計のリズムを持ち、夜に質の良い十分な睡眠が取れている子供は3歳で昼寝を必要としなくなるのかもしれませんから。


質の良い睡眠のために、光の浴び方に加えて「寝具の見直し」を行ってみてはどうでしょうかね。これは幼稚園(外部)に働きかけるのではなく、自分で出来る範囲の事ですから。


寝具の見直しについてはこちらの快眠アドバイスを参考にして下さい。

★当BLOG ⇒ 快眠アドバイス(2017年5月23日)
『子供(赤ちゃん)の寝具選びで大切なこと』
こどもの眠り


それでは今回の快眠アドバイスの最後に、セミナーの中で一番強調した事を紹介させて下さい。


ずばり「日没後に過ごす場所の光環境」です。最初に体内時計を正確に動かす光の浴び方のポイントを5つ紹介しましたが、その中の③番です。


日没後(夜)はオレンジ色の照明の部屋で過ごす
(可能なら徐々に暗くしていく)





このセミナーをするにあたって子供の睡眠に関するWebサイトを色々と調べました。たまたまそうだったのかもしれませんが、日没してから寝るまでに過ごす場所に関する情報って少ないなって感じたので。朝ごはんとか、入眠儀式とか、お風呂とかは結構詳しく載っていても。夜の照明環境についての情報って「とりあえず暗くしましょう」位の軽い扱いに感じたんですよね。


正直、子供に限らず現代人の睡眠の悩みの原因ってほとんどが「日没後(夜)の光の浴び方」だと思っています。


地球では基本的に昼間は明るく、夜は暗いのが自然です。そういう自然の明暗のリズムを利用して体内時計を動かす遺伝子を持つ動物がヒトです。


今、キャンプがブームですけど、キャンプは良いですよ。グランピングとかじゃなく普通のキャンプなら夜は圧倒的に暗いですからね。キャンプに行ってまでスマホやゲームで遊ぶなんてしないでしょうし。キャンプって私達ヒトが生理的に求めている体内リズムに気付く絶好の機会かもしれません。




私の母は「子育ては"親育て"だ」ってよく話をします。子育てをキッカケに、自分のため(自分を育てるため)にも体内リズムを整えてみませんか?


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●その他の快眠アドバイス ⇒ 〔http://ameblo.jp/sleepdesigner/entry-11902557375.html

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