快眠アドバイス『本当に寝る子は育つ!大量の努力から質の良い努力へ』 | ウメナ寝具の快眠BLOG

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静岡県三島市の「睡眠と寝具のお悩み相談室ウメナ寝具本店」の【店長(睡眠健康指導士・sleepdesigner)】が書くブログです。睡眠の話、睡眠に絡めた寝具(布団)の話、お店の情報などを載せています。

今年から高校生に睡眠指導を行っている事や姪っ子が増えたりなど、個人的に子どもに関わる時間が増えたので、改めて子どもと睡眠に関する記事をまとめたいな~と思いました。


このテーマは今月初めに発行したウメナ寝具通信2018秋号でも取り上げたのですけど、少し手も加えてBLOGに記事として載せます。なので、今回はアドバイスというよりもコラムに近いもしれません。


【睡眠は脳も身体も育てる】



睡眠は人の行動を司る「脳の修復・発達の時間」です。日中の体験、得られた知識、体の動かし方等を記憶として定着させる役割を持ちます。つまり子どもの言葉や文字の覚えるスピード、運動神経の良し悪しに大きく影響するのです。


それから睡眠中には「成長ホルモン」と呼ばれる物質が分泌されます。この物質は文字通り身体の成長を促す物質です。子どもが身長を伸ばしたい、体を大きくしたいなら食事(栄養)だけでなく、きちんと睡眠を取る事も重要なのです。


ここで1つ研究報告をご紹介します。

《 三角形を描ける5歳児と描けない5歳児 》


これは15年ほど前の聖徳大学短期大学部保育科 鈴木みゆき助教授(当時)の報告です。


キレイに三角形を描けるかどうかは発達の目安とされ、5歳頃には描ける様になっているのが一般的だそうです。


生活リズムを整えしっかり睡眠を取ってきた5歳児の描いた三角形が左側です。キレイに描けていますね。


一方、右側は生活リズムが乱れ睡眠がきちんと取れていなかった5歳児の描いた三角形です。キレイに描く事は出来ていません。更に、三角形を描けない子ども達は落ち着きが無かったり、左右の手を振って歩けない等の行動も見られました。


もしこのままの状態で年齢を重ねると学力や体力などで同学年の子と差が出てしまったり、そもそも学校生活に馴染めない可能性も考えられます。


日本には「寝る子は育つ」という格言がありますが、この格言の信憑性はかなり高いと言えるでしょう。


【子どもの睡眠の特徴】



そんな子どもの睡眠の特徴ですが、大人より必要な時間が長い事が第一に挙げられます。


生まれたての赤ん坊の時はそれこそ一日のほとんどを眠って過ごしますよね。これは日中に脳が受け取る刺激・情報が新しいと、睡眠中に行うその処理に時間が掛かるからです。


大人も普段と違う非日常の一日を過ごした夜はたっぷり眠れるものです。子どもは毎日が非日常と言っても過言じゃないぐらい、毎日新しい経験を積んでいます。脳が経験を整理するために睡眠時間をたくさん欲しているのです。


そして発汗量の多さも特徴に挙げられます。代謝の良い子どもは睡眠中の汗のかき方が大人と違います。子育ての経験がある方なら、子どものパジャマやシーツが一晩で汗ダクになった覚えがあると思います。この発汗量の多さは子どもの寝具選びの際に大切なポイントになります。


加えて、先述しました睡眠中に分泌される成長ホルモンですが、その分泌が集中する時間帯と発汗が集中する時間帯は同じです。発汗を快適に行う事が質の良い睡眠をもたらし、成長ホルモンの分泌を促進すると考えられます。


【光を味方に、親子一緒に】



現代の子ども達が睡眠時間を削ってしまう大きな要因にゲームやスマホといった電子機器があります。単純に遊びや交流に夢中になってしまうだけじゃなく、これらの機器は画面から光を発するので、夜に使うとその光が寝つきを悪くし、睡眠の質を落とします。


電子機器は日中に使い終える様な工夫、家庭内でのルールを設けましょう。ちなみに、ゲームは朝起きて遊ぶ方が脳がスッキリしているので良い結果が出やすいです。


また、夜に過ごす部屋の照明の光も同様に睡眠に悪影響を及ぼします。複数の光源を設けて明るさの調整が出来る様にしたり、最新のLED照明は明るさや光の色をリモコンで調整出来るタイプがあります。夜にコンビニやスーパー等へ子どもを連れて行くのも睡眠に悪影響が生じます。


寝る時の照明の明暗だけじゃなく、日が沈んでから寝るまでの時間の光の浴び方がポイントです。徐々に暗くしていく。光の色をオレンジ色に変える等の工夫が大切です。


電子機器や照明そのものが悪いのではありません。睡眠への影響を知り、体に優しい効果的な使い方を覚えて下さい。


最後に、子どもの生活習慣改善を促す際には、身近なメリットを強調してみましょう。しっかり眠れば「頭が良くなる」「スポーツが上手くなる」「身長が伸びる」「キレイになる」などの具体的で身近なメリットを教えてあげて下さい。


そして出来るだけ親子一緒に取り組みましょう。「親の背中」の効果はやっぱり絶大です。


メリットに関するこんな調査結果もご紹介しておきます。




日本睡眠教育機構が発行する「ティーンのためのねむり読本」という冊子に載っています。


《 睡眠と学力 》


(図)Wilson&Carskadon,出典1998

これはアメリカの高校生を対象に睡眠時間と就床時刻が成績にどの様な関係を持つかを調査した結果です。アメリカの成績判定ではA評価が最優秀を指します。


就床時刻が早く、睡眠時間の長い高校生に成績優秀者が多い事が分かりますよね。これと同じ様な睡眠時間と学力に関する結果は日本でも昔から存在します。


私自身、現在進行形で高校に睡眠指導に行っていますが、この睡眠時間と学力に関する報告は正しいと思います。


《 睡眠とスポーツ 》


(表)Cheri, et al, Sleep, 2011

これはアメリカのスタンフォード大学男子バスケットボール部員を対象に1ヶ月間睡眠指導とサポートを行い、充分な睡眠時間を確保した後の運動能力の差を調査した結果です。


走力は上がり、シュートの成功率も上がっています。疲労度に関する自己評価も格段に下がって元気になっています。


この調査の重要な点は、睡眠指導とサポートを終え、元の睡眠不足生活に戻すと結果も元に戻った点です。つまり、その期間の練習で上達したのではなく、睡眠時間の増加が良い結果をもたらした事が分かったのです。


子どもの健やかな成長はもちろん、学生の成績アップ、アスリートの能力向上にも、きちんと睡眠を取る事が大切なのです。


勉強や練習など、何事にも努力する事はとても大切だと私は思います。


でも単純に努力に多くの時間を費やせば良いという訳じゃないと私は思います。


これからの時代は睡眠時間を削る大量の努力ではなく、睡眠時間を活かす質の良い努力の時代だと私は思います。


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by sleepdesigner:圭(睡眠健康指導士・ダウンプロフェッサー)


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