テレビ業界のことってぼくはよくわからない。
魑魅魍魎が蠢いているとか!?
「生激撮!その瞬間を見逃すな」は、警察のガサ入れを生放送するという過激な内容が受け、毎回高視聴率を叩き出す大人気看板番組だ。
生放送ならではのハプニング満載がスリリング。
これってあったら面白いけれども、ありえるようでなさそうな番組だな。
その番組のプロデューサー五味剛がこの本の主人公。
「紫陽花にカタツムリ」を置くぐらいのやっていいヤラセと、けっしてやってはいけないヤラセがあることを、彼は彼の自身の中でしっかりと線引きがなされています。
やらされ感のない内容が続く後半の読むスピードがけっこう上がりました。
著者さんは、フジテレビ『料理の鉄人』等を手がけた超演出家。
テレビ業界の裏事情とやらをじっくりと楽しめますよ。
◎1962年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、テレビ業界へ。その後、フリーの演出家として独立。数々のテレビ番組の演出を手がけ、多くの受賞歴を持つ。現在はテレビ番組制作会社(株)ホームラン製作所を経営し、テレビ番組や食に関するイベント等を演出している。2014年、『麒麟の舌を持つ男』(幻冬舎)で小説家デビュー
◎20P
「結局さ、平和に暮らす市民がちょっと見下しながら、気味の悪いものを覗き見する。それくらいでテレビはちょうどいいんだよ」
◎101P
「私を、番組のレポーターの一人に使ってください」
入社して一か月ほどの新人アナウンサーを現場で使うことなど、前例がなかった。凛の話には説得力があったが、簡単に了解するわけにもいかない。
五味は躊躇したが、最後には凛の申し出を引き受けた。
その一番の理由は凛の目だった。
力強い目だった。この意志の強い目でカメラに語り掛けたら、どんなに凄いレポートになるだろう。恐らくそれは、しゃべりの技術不足を補ってあまりあるものになると思えた。テレビ屋の魂が、凛の魅力に吸い寄せられている感じがした。
凛は「取り引き」という言葉を使ったが、最後に結論まで導いたのは五味の直観だけだった。
いつ凛をデビューさせるかは決まっていない。しばらくは教育係としてディレクターの上杉を宛がい、タイミングを見て現場に出そうと思った。
◎263P
敵は必ず、身近なところにいる。生まれて初めて胸に刻まれた教訓だった。









