☆歪んだ蝸牛 田中経一 幻冬舎 (2015/04)☆ | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。



テレビ業界のことってぼくはよくわからない。



魑魅魍魎が蠢いているとか!?




「生激撮!その瞬間を見逃すな」は、警察のガサ入れを生放送するという過激な内容が受け、毎回高視聴率を叩き出す大人気看板番組だ。



生放送ならではのハプニング満載がスリリング。



これってあったら面白いけれども、ありえるようでなさそうな番組だな。




その番組のプロデューサー五味剛がこの本の主人公。





「紫陽花にカタツムリ」を置くぐらいのやっていいヤラセと、けっしてやってはいけないヤラセがあることを、彼は彼の自身の中でしっかりと線引きがなされています。



やらされ感のない内容が続く後半の読むスピードがけっこう上がりました。




著者さんは、フジテレビ『料理の鉄人』等を手がけた超演出家。




テレビ業界の裏事情とやらをじっくりと楽しめますよ。







◎1962年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、テレビ業界へ。その後、フリーの演出家として独立。数々のテレビ番組の演出を手がけ、多くの受賞歴を持つ。現在はテレビ番組制作会社(株)ホームラン製作所を経営し、テレビ番組や食に関するイベント等を演出している。2014年、『麒麟の舌を持つ男』(幻冬舎)で小説家デビュー







◎20P

「結局さ、平和に暮らす市民がちょっと見下しながら、気味の悪いものを覗き見する。それくらいでテレビはちょうどいいんだよ」







◎101P

「私を、番組のレポーターの一人に使ってください」

入社して一か月ほどの新人アナウンサーを現場で使うことなど、前例がなかった。凛の話には説得力があったが、簡単に了解するわけにもいかない。

五味は躊躇したが、最後には凛の申し出を引き受けた。

その一番の理由は凛の目だった。

力強い目だった。この意志の強い目でカメラに語り掛けたら、どんなに凄いレポートになるだろう。恐らくそれは、しゃべりの技術不足を補ってあまりあるものになると思えた。テレビ屋の魂が、凛の魅力に吸い寄せられている感じがした。

凛は「取り引き」という言葉を使ったが、最後に結論まで導いたのは五味の直観だけだった。

いつ凛をデビューさせるかは決まっていない。しばらくは教育係としてディレクターの上杉を宛がい、タイミングを見て現場に出そうと思った。





◎263P

敵は必ず、身近なところにいる。生まれて初めて胸に刻まれた教訓だった。