朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -160ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「夢持ち続け日々精進」の髙田明さん。

彼が成功した秘訣と多くの名言がこの中にありました。

髙田さんにお会いしたことがないけれど、まるで彼から直接お話を聴いたかのような感覚となりました。

 

お客様に伝えようとすると、熱くなるのはわかります。

上擦ったあの声が聞こえてくるよう。

相手に大切なことを伝えようとする気持ちがこちらにも熱く伝わってきました。

だから心が強く揺り動かされました。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 今を生きる(今を生きる。過去にとらわれない。未来に翻弄されない、家業のカメラ店を手伝う ほか)

第2章 どんなこともつながっている(どんなことも、どこかでつながっている、三丁目の夕日の世界で育つ ほか)

第3章 できる理由を考える(ラジオショッピング幕開け、救世主現る―ラジオショッピングの全国展開 ほか)

第4章 伝わるコミュニケーション(スキルとパッション、そしてミッション、ミッション―感動を届ける ほか)

第5章 自己更新(問題から逃げない―顧客情報流出事件、100年続く企業にする ほか)

おわりに 夢持ち続け日々精進

 

 

ジャパネットたかた創業者、A and Live代表取締役。1948年長崎県平戸市生まれ。大阪経済大学卒業。阪村機械製作所に入社。入社2年目からヨーロッパに駐在し、機械営業の通訳に従事。74年平戸へUターンし、父親が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売から事業拡大し、86年に分離独立して株式会社たかたを設立、代表取締役に就任。90年からラジオショッピング、94年にはテレビショッピングに参入し、通信販売事業を本格的に展開。

2016年1月にはMCとしての番組出演「卒業」。

現在は地方創生への想いから「おさんぽジャパネット」というおさんぽ番組にのみ出演。

 

 

 

 

2P

私は大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、そんな夢をいだいたり、目標を持ったりしたことは、一度もないんですよ。毎日毎日、その日しなければならないこと、その日できることを、一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けて来た。その日、そのときをただ「今を生きてきた」。それだけだったんです。

 

 

 

 

3-4P

「なぜ、ジャパネットたかたでは商品がこんなに売れるんですか?」

こんな質問を何度もいただきました。そんなことを訊かれても、どうお答えすればよいのか、よくわかりませんでした。私はただ、自分が素晴らしいと思った商品を、どうすれば売れるかな、お買い上げいただくためには商品の魅力をどんなふうに紹介すればいいのかなと、そればかり考えてはあれこれ試し、誠心誠意、一生懸命紹介していただけでした。

何度も同じ質問を受けているうちに、ひとつ気がついたんですよ。それは、私たちが商品の本当の魅力を、お客さまに「伝える」ことだけではなく、その魅力が「伝わる」ことを本気で考えていた、ということでした。それが、ジャパネットたかたのショッピングが、皆さんに受け入れられた理由だったかもしれない、と思ったのです。

 

 

 

112P 私は、やらなかった失敗はあっても、一生懸命にやった失敗はないと思っているんです。

 

 

113P 失敗というのは一生懸命にやらなかったことだと思っています。一生懸命やっても結果が出なかったときには、失敗ではなく「試練」という言葉を使います。そういう試練を乗り越えて、人も会社も大きくなっていくのではないでしょうか。

 

 

 

149P 私は何より心掛けてきたのは、上手くではなく、わかりやすく伝えることです。

 

203P 伝えなければ、ないのと同じ

 

217P 逆境にあって守りに入らず、攻めの姿勢で、今できる最高の努力をする。

 

235P できないと決めているのは、その人自身だ。

 

239P 社員の満足がなければ、顧客満足は得られない。

 

262P 人生、何を始めるにも遅すぎることはない。

 

中島 輝さんは、読書家。

お話しているとジャンルを問わずいろいろな分野の本を読まれていることがわかります。

この巻末に書かれてあった参考文献から読書量が半端じゃないと気づきました。

 

 

 

47P「自分が活躍できる場所(ドメイン)を見つけよう」に関して、

堂々と逃げる技術を使って行くところには、ぼくにとっては、朝活や読書会、ウォーキングなどの「サードプレイス」になるものと考えています。

 

 

 

 

 <目次>

プロローグ 「逃げる」ことが選択できない人々

第1章 なぜ、追い詰められても、「逃げない」のか?(若い労働者が絶望する国、日本、「逃げられない」のではなく、「逃げない」 ほか)

第2章 周囲に合わせて生きる自分から「逃げる」技術(自分の価値観や信念を知ることからスタートしよう。「自分の価値観を知るための診断テスト」 ほか)

第3章 本当の自分に「逃げる」技術(本当の自分を見つける生き方とは?、自分にかかるブレーキを知ろう ほか)

第4章 追い込まれない自分を創る、心の整え方(自分の感情に振り回されない、中島式マインドフルネス一分間瞑想 ほか)

 

 

 

心理カウンセラー、メンタルコーチ、国際コミュニティセラピスト協会代表。5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、小学4年から躁鬱病・パニック障害・統合失調症・強迫性障害・不安神経症・認知症・過呼吸・胃潰瘍・大腸炎・円形脱毛症・斜視に苦しむ。25歳から10年間、パニック障害と過呼吸発作が原因でまったく外出ができなくなる。また、家業が何十億という負債を抱えてしまい、自殺未遂を繰り返すような毎日を送る。困難な精神状態の中、自分で何とかするしかないと、心理学やセラピーを学び、自ら実践

 

 

 

 

6P「追い込まれても逃げられない人、追い込まれたら逃げられる人」

逃げられる人は、ありとあらゆる道や隠れ家、退避場所を用意しておいて、追い込まれるような事態があったら、そこへ退避するということを繰り返して、前に進んでいるのです。

 

 

 

 

47P「自分が活躍できる場所(ドメイン)を見つけよう」

何かに挑戦してみる。

ドメインが変われば、本当の自分だけの居場所ができます。そこへ、どうにもならなくなった時に逃げればいいのです。

会社員である自分とまったく異なる仲間を持っている人は、逆境に対する「心」のしなやかさが違います。本当に疲れた時には、自分がどういう心の状況になっているのか、なかなか理解できないと思います。そんな時に仕事関係以外の仲間と話し合うことで、なぜ自分をそこまで追い込んでしまったのか、ということに気がつくことができるのです。

 

 

 

188P

「逃げる」というのは、他人の目を気にする自分、周囲に合わせている自分から「逃げる」ということなのです。人生の目標を達成するために、目の前に追った壁から「逃げる」ということではありません。

人生の目標が見つかれば、自分の人生の主人公として生きることができます。そうすると、今まで大変だと思っていたことが、「楽しい」ことに、「苦しい」と思っていたことが、「幸せ」に感じられる人生を過ごすことができます。

綺麗な世界。雪国が幻想的に描かれていて現実離れした世界観がある。

繊細で透明で美しく哀しい。

人の心理や情景描写などをこれほど豊穣に描く力がすごい。

叙景や思惑などの表現が色彩豊か。

いまではあまり見られない美しさや豊かな表現を心地よく感じる。

 

8P「結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている」

指ひとつだけで色を感じさせられる。

その向こうにある女性との関係を思わせる表現に鳥肌が立つ。

露骨な性的な描写ではなくそれを隠すことが美徳。

艶かしさが漏れ出てきて、連想がどんどん膨らんでいく。

あとは読者の想像に委ねられて。

 

最後の火事のシーンでは、自然美と女性美。火の赤と雪の白など、情景や色合いの対比があり素晴らしい。

 

この作品をきちんと理解するためには、ある程度の人生経験と知識が必要。

青春時代に読んでいたとしても、この内容を深く理解できなかっただろう。

 

 

親譲りの財産で、きままな生活を送る島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。許婚者の療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない――。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。ノーベル賞作家の美質が、完全な開花を見せた不朽の名作。<本の説明より>

三姉妹の日常的な会話がとても心地よい。

穏やかな気持ちになれます。

柔らかく、優しい気持ちになれます。

おっとりと、のほほんとして響いてくる京都弁が懐かしく感じます。

京都で生まれて京都で育ち京都で就職して家族一緒に暮らしていると、このような感じになるのかな。

祇園祭、大文字、お正月、八坂神社、嵯峨、渡月橋……等々

京都の風景や名所がたくさん出てきます。

過ごした日々が身体の中に息づいています。

見えない力で、出ようとしても、やさしく押し戻される、旅で行くのと住んでみるのとでは違う京都。

 

 

四季折々の京都に会いたくて行きたくなるような綺麗な小説でした。

文学的に素敵な表現がいたるところで垣間見れて気に入りました。

「私をくいとめて」―別の綿矢さんの作品も読みたい。

 

 

 

 

82P

京都の伝統芸能「いけず」は先人のたゆまぬ努力、また若い後継者の日々の鍛錬が功を奏し、途絶えることなく現代に受け継がれている。ほとんど無視に近い反応の薄さや含み笑い、数人でのターゲットをちらちら見ながらの内緒話など悪意のほのめかしのあと、聞こえてないようで間違いなく聞こえるくらいの近い距離で、ターゲットの背中に向かって、簡潔ながら激烈な嫌みを浴びせる「聞えよがしのいけず」の技術は、熟練者ともなると芸術的なほど鮮やかにターゲットを傷つける。

普段おっとりのほほんとして響く京都弁を、地獄の井戸の底から這い上がってきた蛇のようにあやつり、相手にまとわりつかせて窒息させる呪術もお手のものだ。女性特有の伝統だと思われている向きもあるが、男性にももちろん熟練者は多い。嫌味の内容は普通に相手をけなすパターンもあれば、ほんま恐ろしい人やでと内心全然こわくないのに大げさにおぞけをふるうパターンもある。しかし間違ってはいけないのはこの伝統芸能の使い手は集団のなかにごく少数、学校のクラスでいうと一人か二人くらい存在しているだけで、ほとんどの京都市民はノンビリしている。

 

 

表紙の写真が、カッコイイ。

 

数十年に渡って多くの本を出版されています。

村上春樹さんの本は手に取りますね。

今月24日「騎士団長殺し」も発売されましたが、自分のペースで丁寧に書かれているのがすごいな。

 

世界に翻訳されるなど職業小説家として世の中に多くの影響を与えています。

そんな村上春樹さんをリスペクトするのは当然かな。

 

 

村上さんのことを知りたくて読みました。

彼を知るためには、その彼について書かれた本を読めばいいなと。

彼自身が書いた自伝があればなおさらそれがよい。

本人の言葉で書かれてあることが大切。

何を考えて今までどのように生きてきたのか興味があり。そういうときに手に取った本です。

彼のこころに少し寄り添えるような内容でした。

 

 

村上さんの生き方を垣間見て思ったことです。

村上さんも一人の人間なのだな。

考えながら悩みながら人生を歩んでいることを。

流されずに自分の考えを貫く姿勢、いくつになっても自分の幅を広げようとするフロンティア精神などは、平凡なぼくにも十分に見習うべきことが多いなあ。

 

 

 

あとがきより

308P「つまりこれらは出版社から依頼を受けて書いた文章ではなく、最初から自発的に、いわば自分自身のために書き始めた文章だということになる」

310P「これらの『語られざる講演録』を文章のかたちで出したのは、これまであちこりで述べてきたことを、系統的にひとところに収めたいという意味合いもあったからだ。小説を書くことに関する、僕の見解の(今のところの)集大成みたいなものとして読んでいただければと思う。」

 

 

 

311P

「本書は結果的に『自伝的エッセイ』という扱いを受けることになりそうだが、もともとそうなることを意識して書いたわけではない。僕としては、自分が小説家としてどのような道を、どのような思いをもってこれまで歩んできたかを、できるだけ具象的に、実際的に書き留めておきたいと思っただけだ。とはいえもちろん、小説を書き続けるということは、とりもなおさず自己を実現し続けることであるのだから、書くという作業について語り出せば、どうしても自己というものについて語らないわけにはいかない。」

 

 

312P

「でもたまたま小説を書くために資質を少しばかり持ち合わせていて、幸運みたいなものにも恵まれ、またいくぶん頑固な(よく言えば一貫した)性格にも助けられ、三十五年あまりこうして職業的小説家として小説を書き続けている。そしてその事実はいまだに僕自身を驚かせている。とても深く驚かせる。僕がこの本の中で語りたかったのは、要するにその驚きについてであり、その驚きをできるだけピュアなままに保ちたいという強い思い(たぶん意志と呼んでもいいだろう)についてである。僕のこの三十五年間の人生は結局のところ、その驚きを持続するための切々たる営みであったかもしれない。そんな気がする。」

 

 

 

 <目次>

第一回 小説家は寛容な人種なのか

第二回 小説家になった頃

第三回 文学賞について

第四回 オリジナリティーについて

第五回 さて、何を書けばいいのか?

第六回 時間を味方につける―長編小説を書くこと

第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み

第八回 学校について

第九回 どんな人物を登場させようか?

第十回 誰のために書くのか?

第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア

第十二回 物語があるところ・河合隼雄先生の思い出

あとがき

 

 

◎1949年生まれ。作家、翻訳家。著書に「1Q84」「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」「女のいない男たち」など多数。

 

 

 

 

26P

二十年、三十年にもわたって職業的小説家として活躍し続け、あるいは生き延び、それぞれに一定数の読者を獲得している人たちには、小説家としての、何かしら優れた強い核のようなものが備わっているはずだと考えるからです。小説を書かずにはいられない内的なドライブ。長期間にわたる孤独な作業を支える強靭な忍耐力。それは小説家という職業人としての資質、資格、と言ってしまっていいかもしれません。

 

 

 

67P

「真の作家にとっては、文学賞なんかより大事なものがものがいくつもある」ということでしょう。そのひとつは自分が意味のあるものを生み出しているという手応えであり、もうひとつはその意味を正当に評価してくれる読者がきちんとそこに存在するという手応えです。そのふたつの確かな手応えさえあれば、作家にとっては賞なんてどうでもいいものになってしまう。そんなものはあくまで社会的な、あるいは文壇的な形式上の追認に過ぎません。

 

 

 

◎159P

自分の書いた作品が優れているかどうか、もし優れているとしたらどの程度優れているのか、そんなことは僕にはわかりません。というか、そういうものごとは本人の口からあれこれ語るべきことではない。作品について判断を下すのは言うまでもなく読者一人ひとりです。そしてその値打ちを明らかにしていくのは時間です。作者は黙してそれを受け止めるしかありません。今の時点で言えるのは、僕はそれらの作品を書くにあたって惜しみなく時間をかけたし、カーヴァーの言葉を借りれば、「力の及び限りにおいて最良のもの」を書くべく努力したということくらいです。どの作品をとっても「もう少し時間があればもっとうまく書けたんだけどね」というようなことはありません。もううまく書けていなかったとしたら、その作品を書いた時点で僕にはまだ作家としての力量が不足していた―それだけのことです。残念なことではありますが、恥ずべきことではありません。不足している力量はあとから努力して埋めることができます。しかし失われた機会をとり戻すことはできません。

出だしの文章から心構えることができました。

なにかちょっと重くるしい空気が漂よう物語が始まってくるような予感。

 

優しい言葉が、水を飲むようにさらさらと身体の中へ入っていきます。

恋愛と結婚。新しい題材ではなく凝った表現もあまりない。

テーマも普遍的だけど、妙に心に染み入るのが素晴らしい。

例えば、結婚という形を取らずにずっと一緒にいようと思うのは、容姿や性格の良さでなく、お互いの相性のよさじゃないかなと気づきました。

 

亮太と小春が恋人として過ごした大学時代。

さらに突然の別れと再会。

結婚生活と小春の病気。

10年ほどの二人の物語が語られます。

突拍子もなく妙に外したりしても、二人の会話が楽しくてのめりこんでします。

軽いんだけどいい加減ではなくて、しっかりと暖かくて優しい。

 

何でもないように暮らしている人たちにも、それぞれの過去や思いがあるのだろうなって。

「いろんなことを平気にしてくれる」

「なんでも大丈夫にしてくれる」

そんな人に出会えたなら幸せなんだろうか。

自分のことをすごくわかっていると言ってくれたら、それだけで心が強くなれますね

 

 

 <目次>

米袋が明日を開く   

水をためれば何かがわかる   

僕が破れるいくつかのこと   

僕らのごはんは明日で待ってる 

 

 

 

1974年大阪府生まれ。2001年「卵の緒」で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー。11年に退職するまでは中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行ない、05年「幸福な食卓」で第26回吉川英治文学新人賞を、08年「戸村飯店青春100連発」で第24回坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞する

 

 

 

6P

少しずつ時間を重ねるうちに、なんとなく忘れられそうな気がする。そのくせもう大丈夫だと奮い立とうとすると、またあの日々が驚くくらい鮮明によみがえってくる。

別れは生きていく上で逃げられない。そんなことはあちこちの歌でドラマで映画で描かれていて、百も承知だ。でも、自分の意志に反して起こる別れを、自力で消化しなくてはいけないなんて無茶だ。

 

 

 

121-122P

慌てて書店のロッカーで着替えていると電話が鳴った。鈴原さんだ。

「そうそう、さっき言い忘れてた」

「何?」

「好きって」

耳から伝わった言葉が巡るころには、俺は舞い上がってすべてがうまくいきそうな気がしていた。

 

 

 

 

137P

桶も花もポカリも兄貴の前に置いたままで追いかけると、上村はもう墓地を出て通りを歩いていた。去っていくスピードはいつも速い。

「ちょっと待って」

「葉山君、面倒くさすぎるよ」

上村はこれ以上ないぐらいうんざりした顔をしながらも、足を止めてくれた。

「わかってる。だけど、教えて」

「何を?」

「どうして別れることになったのかって。ずっと気になってたんだ」

「今更?」

「うん、今でもすっきりしない。もう別れられたんだから、本当のこと教えてくれたっていいだろう?」

「まあ……そうなね」

上村はあきらめたように息をついてから、

「太陽みたいな人と付き合わないとって、おばあちゃんに言われたんだ」

と言った。

「どういうこと?」

「自分のこと棚に上げてだけど、家族で苦労してるのに同じような影を抱えてる人と一緒になるのは賛成できないってね」

 

 

 

 

217P

流れていく景色は色づいているし、薄い雲を通り越して届く日差しもまぶしい。思い描いていた未来のいくつかを手放したはずなのに、目の前にはこんなにもたくさんのものが芽吹いている。

「帰り道って、わくわくするね」

小春も窓を開けた。やわらかい風が、中に滑りこんでくる。俺たちの家はすぐそこに待っている。俺は心がはやるのを感じながら、車を走らせた。

 

あのコクヨさんの名前の由来を知っていますか。

コクヨ創業者の黒田善太郎(富山県生まれ)が「越中国の誉れになる」と決意したことにより「国誉」⇒コクヨになったとのこと。

 

 

日本で一番ノートを売っている会社「コクヨ」さんの社員が編み出した、結果を出すノートに変わる100のコツをわかりやすく絵を使うなど図式化して紹介しています。

 

下記のように!参考となるものがたくさんありました。

 

早速、日々活用・実践していきたい。

 

 

 

 

<目次>

はじめに 

Prologue ノートで仕事は「シンプル」になる

~あなたの仕事・人生のサポーターとなる3つのポイント

1自由に書くのを楽しもう

2パフォーマンスを高めるルールをつくろう

3ノートは「行動」で分けよう

 

Section1 方眼ノート ~シンプルメソッド50

・疑問や重要事項は吹き出しで明示

・案件ごとに1ページにまとめる

・ノートをタテに3分割して使う

・ブロック単位に記述して構造化する など

 

Section2 横線ノート ~シンプルメソッド30

・走り書きはメモ用紙ではなく、ノートの終わりから

・マスキングテープでノートを拡張する

・企業名と個人名は略語でスピードアップ など

 

Section3 無地ノート ~シンプルメソッド20

・必要と気分に応じて、タテにヨコに使う

・ページの色味で内容を判別する

・右ページをメインに使う など

 

 

 

12P「アウトプットを意識しながら書いてみる」

目的を持つことで、ノートにメモする内容が変わってきます。

たとえば、「あの人に教えよう」「次の会議で話してみよう」などと、その後の行動を意識しながら書くと、単なる記録ではなく、伝えることを前提にした強弱のあるノートになります。関連して自分が発想したことを付け加えて書くことも多いはずです。

 

 

13P「あふれる情報を整理して、優先順位をつける」

「情報の順位づけ」を最重要視して、自分なりのルールを決めている人、色や記号を使ったり、書く位置を工夫したり、優先順位を表示するルールを決めて書いている人がたくさんいます。

「ノートの中で、いかにメリハリをつけて書くか」ということは、ノートを活用していくうえで大きな鍵となるのでしょう。

情報がありすぎて、ただ平坦に書いていると、大事なことが埋没し、見逃してしまう可能性があるということです。

ノートの中で、あれこれ模索や整理ができるしくみをつくりましょう。

 

 

130P「056 箇条書きで、できる限りメモをとる」その場では大量にメモし、ノートを見返すときにまとめ上げる。

左上に日付、顧客名、同席者を書きます。もし、初対面の人が何人もいるような場合は、その人が座っている位置をメモしたり、顔の特徴をメモすることもあります。

 

 

144P「063 セミナーの振り返りは、黄色マーカーを使う」大事なところを絞り込んでからマークする。

「これだけは絶対覚えておきたい」「絶対に身につけたい」と強く思った部分に絞り込むように意識しています。文字全体に色をつけるので文字が眼に飛び込んできますし、黄色だとコピーをとっても文字がつぶれません。

 

 

164P「073 考えや伝えたいことを図式で構造化する」図式化して伝えると相手が納得→合意に至りやすい

大きめのふせんに図式を書いて指示を出すこともあります。

 

 

172P「077 ノートのトップには自分のビジョン、行動指針、目標を貼る」目標が一つクリアできたら、次の目標を一つ貼る。

一つのふせんには一つだけ。日々の心がけのようなものを貼る。

 

No.332】コクヨのシンプルノート術 たった1分ですっきりまとめる コクヨ株式会社 KADOKAWA(2016/12

 

 

初森見登美彦さん作品

 

 

 

プロットや着想の巧さだけでなく、それを適切な形できちんと小説化する森見さんのリズム感のよさを感じました。

 

 

 

京都で学生時代過ごした仲間6人が鞍馬の火祭りの夜に久しぶりに集まります。

ちょうど10年前、同じメンバーでこの祭り見物に来たときに、仲間の1人の女性(長谷川さん)が行方不明となり、以後ずっと消息が知れないままなのです。

鞍馬の宿で参加者それぞれが旅先で体験した不思議な出来事を語りあいます。

一連のストーリーではなく、登場人物がそれぞれのエピソードを語りあっています。

それらは「岸田道生」という画家が遺した「夜行」という銅版画の連作に関して。

それが、行方知れずになった女性(長谷川さん)と関係があるのですが……。

 

 

「夜行」と「曙光」に象徴される二つの世界を結び引き離した鞍馬の火祭り!

隠された謎に迫るごとに夢中にさせる文章の凄みがありました。

 

 

 <目次>

第一夜 尾道

第二夜 奥飛騨

第三夜 津軽

第四夜 天竜峡

最終夜 鞍馬

 

 

 

 

1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒業、同大学院修士課程修了。2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞を受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞を受賞

 

 

 

 

 

 

116P

ふいに夫が私の手に触れました。

「そろそろだよ」

長いトンネルを抜けると、夜の底が白くなりました。

まるで別の世界へ迷いこんだように車窓の眺めが一変し、私は息を飲みました。窓の向こうに広がっているのは白い衣をまとった山野でした。雪に埋もれた家々の明かりは懐かしい童話の挿絵のようで、たとえ分厚い車窓に隔てられていても、冬の山里を包む夜の静寂が想像できます。車窓から射す仄かな雪明りが客室を青白く染めて、何もかもが神秘的に感じられる一瞬でした。

「あの風景の中に立ってみたくなるね」

私は雪景色を眺めながら溜息をつきました。

 

 

 

 

 

252P

「……大橋君なのか?」

その声はひどく懐かしかった。私は深く息を吸って、「おはようございます」と言った。そのときほど朝を朝だと感じたことはない。

ただ一度きりの朝―。

その言葉を思い返しながら、私は東山の空を見上げて目を細めた。眩しくて涙が出そうになった。

山向こうから射してくるのは曙光だった。

 

笑いやユーモアを持ちながら、人生を歩んでいきたいものです!

 

 

たまにジョークも言いながら、その場の空気を柔らかくしていったほうが、精神的にもよいのですね。

 

 

「肩意地を張って生きていくと疲れますよ」と気づかせてくれました。

 

 

笑われる人になろう。

 

年輪の余裕や知識、経験を愛とユーモアで包んで。

 
 

 

 

「人生を豊かにするユーモアの力、笑いは違いを超えて、人をソフトにくっつける接着剤。老年の品格につながる、愛情を基盤としたユーモアや笑いについて綴ったエッセイ集」

 

 

 

1926年東京生まれ。東京大学文学部言語学科卒業。作家。文化庁長官などを経て、日本藝術院院長。第14回産経正論大賞受賞。文化功労者。著書に「箱庭」「不老の精神」など多数。平成29年2月3日逝去

 

 

 

「人生が楽になる笑いの3要素」おかしさを発見する三つのポイント

第一に、おかしさを発見するには、知識が必要である。

第二に、ユーモアのセンスは、広い視野を持つことだろう。

第三は、自分の視点を少しずらして見ることである。

つまり笑いの効用というのは、厳しい現状からの脱却であるが、その手段としては、

 

第一に、多くの体験をして、つまり老人の場合は自然に、そういう結果になるのだが、笑いの元となる矛盾の発見ができやすいための、豊かな経験の蓄積がある。(自体の総合的把握)

第二に、現在の状況から一歩引いた、冷静さを持つことである。そうすることで、直面している問題が立体的に見えてきて、そこに矛盾もそれへの対策も発見できる。(対象をより客観的に見ようとすること)

第三に、対象ではなく、現在の問題に苦しんでいる自分を第三者的に眺めて、その苦しみなるものが、習慣的なものであって、少し立場を変えて眺めれば、そこには芸術も笑いも生まれる、ということである。(自分を客観的に見ようとすること)

 

 

 

 

「違いに敏感になって、笑いを発見しよう」

つまり私たちはもっと、個人の、そして家庭の、地域の、職業の、あるいは社会の、国家や民族の違いについて敏感になるべきで、その違いを見て見ぬふりをするのではなく、その違いに積極的に関心を持ち、その中で、自分は、そして、わが社は、そしてわが国はどう行動すべきかを考えるとき、そこに深刻な問題を見出すのではあろうが、やはり笑いを発見するようにすべきであろう。

それが日本のこれから国際的に生きる道である。

 

最初に使った例、村松剛がズボンをはかずにバスに乗ろうとしたことは、当人にとっては、大失敗だし、どうやって、家までズボンをはきに帰ったかを思うと、同情せざるをえないが、やはりそれを笑いながらも、私たちもまたその種の失敗をしているのだと、自分をも笑うことで、つまり人生をより柔軟に生きる術を見出せることであろう。

ぼくにとって初島本理生作品。

 

自分を救ってくれるのは無償な愛なのか、

それとも見返りを求めている愛なのか。

 

期待すればするほどに裏切られることへの不安が募る。

 

比紗也の無邪気さや如月の無垢さ、真田の純粋さ。それぞれのイノセントの裏と表があって。誰かを好きになることと愛することの違いの大きさを感じた。

 

簡単に好きになれるけれども、相手をまるごと受け入れて愛することは、ものすごく難しいことなのかもしれない。

 

ラストに比紗也にも救いと希望があって、真田とのハッピーエンドがあってとってもよかったとぼくは思う。

 

 

 

1983年生まれ。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞

 

 

 

35P

夜の中で街の明かりに照らされた横顔を盗み見ると、数年前にくらべて輪郭がシャープになっていた。目元には大人の憂いと色気が足され、それでいてピンク色の唇はあどけなさを留めている。真田は悔しくなる。ますます好みの雰囲気になっている。

 

 

74P

酔うと香水よりもキツくなる男たちの口臭。欲情しながらも選別する眼差し。綺麗に着飾るほど、鏡の中の自分は醜く見えた。

 

 

289P

真田から腕をほどいて離れると、不安げな顔をしたので、軽く笑って手をつなぐ。指の間に指を入れ込むのは若者っぽくて慣れないと思いながらも、体がほぐれて力が抜ける。

訊きたいことが訊ける、言いたいことが言えるというのはこんなに清々しいことかと思った。一緒にいてもお互いずっと緊張していたことに気付く。傷に触れないように、訊いてはいけないことに触れないように。比紗也が強く手を握り

「ただいま」と呟いた。真田が念を押したくなる気持ちを堪えて、短く頷くと

「おかえり」とだけ返した。

 

 

298P

ゲートへ向かう人々は、夢を見終えた後というよりは、夢が叶った後のように高揚しているようだった。

車に戻った真田は、比紗也の目が涙に濡れていることに気付いた。