それぞれの出来事と意味するものがわかってくると自然に涙腺が緩む四話の物語集。
テーマは「嘘」
嘘をついてまで守りたいものがあるんだ。
愛する人を想う気持ちが生み出した不器用でやさしい4つの「嘘」。
例えば、大切な人を亡くしてしまったときに深い後悔の念を胸に抱きます。
もっとこうしてあげていればよかった。
自分があんなことをしなければよかった。
あのときこれを伝えておければよかった。
たとえ自分の周りの人からそんなことはないと否定されたとしても、
悲しみの中にいる人には、慈しみの言葉がこころになかなか届かないものだ。
もし届くことがあるならば、それは亡くなった人からの直接の言葉を聴けたならば。
1 過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2 過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
3 過去に戻れる席には先客がいるその席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4 過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
5 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
これらの一定のルールを踏まえて、過去や未来の相手に会うことができるというルール
もしもこのような喫茶店があったなら、ぼくは誰に会うだろうか、会いたいだろうか。
まさにこんな喫茶店が存在すること自体があり得ない思ったり。
前作の「コーヒーが冷めないうちに」からの流れがあり。
物語がこれからもずっと続いていく予感がする。
<目次>
プロローグ
第1話 親友 22年前に亡くなった親友に会いに行く男の話 7
第2話 親子 母親の葬儀に出られなかった息子の話 101
第3話 恋人 結婚できなかった恋人に会いに行く男の話 179
第4話 夫婦 妻にプレゼントを渡しに行く老刑事の話 233
大阪府茨木市出身。1971年生まれ。元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。代表作は「COUPLE」「夕焼けの唄」「family time」等。本作の元となった舞台、1110プロデュース公演「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞。デビュー作の『コーヒーが冷めないうちに』は、2017年本屋大賞にノミネート
234P
厳しい冬を乗り越え、春の訪れを感じると、人は幸せになる。
だが、春は突然にはやってこない。昨日まで冬で、今日からは春という明確な線引きがあるわけではない。
春は冬の中に隠れている。人の目が、肌が、感覚が、春を見つけ出す。新芽に、心地よい風に、陽の暖かさに春を見つける。
春は冬とともにある……。









