「光があるから影がある。影があるから光が際立つ」
表と裏とは、陽と陰であり、お互いがあるからこそ、それぞれの魅力をアピールすることができる。
まずは、表紙に面白いと興味を持った。
表紙は、日本海を下に、太平洋が上に広がっている。左手側が東北地方であり右手側が九州地方となっている。
これは、富山県が作成した逆さ地図ではないのか。
太平洋に面した表日本ではなく、日本海に面した裏日本の府県に関する、文学、鉄道、観光、演歌、盆踊り、美人等々を取り上げている。
これらの魅力が文中から満ち溢れ出てきているのだ。
ちゃんと裏日本に足を運んで光を当て目を向けて書かれた本だ。
一度、気に入った府県に訪れてみて、ちょっと来てみてと誘われているように感じた。
112P「隠すところが多ければ多いほど色気は増幅するということ」
そうだったのか!
見せるよりも見せないほうが魅せられるということ。
外見だけでなくあまりにも自分の心までさらけすぎたならば。
それでは。ワクワク、ドキドキしなくなる。
人にはわからない裏(陰)があるほうが、神秘的であり興味を抱くのかもしれない。
<目次>
はじめに 「裏」性の魅力
陰翳―闇に浮かぶ金沢の金箔、能登の漆
民藝―鳥取と新潟の名プロデューサー
演歌―なまり色の日本海ソング
仏教―浄土真宗と一向一揆
神道―「裏」の大社、「表」の神宮
美人(日本海側美人一県おき説;越後と出雲、最強美女伝)
流刑―佐渡と隠岐、流されるロマン
盆踊り―顔を隠すエロティシズム
文学(「表」の男と「裏」の女の物語『雪国』;泉鏡花と金沢;水上勉における不幸の利用)
田中角栄―新潟のポップの日本改造
鉄道Ⅰ―北前船、ローカル鉄道、北陸新幹線
鉄道Ⅱ―陽から陰へ、陰から陽へ
幸福―軒並み「日本でいちばんいい県」
原発―水上勉が憂いた「過剰文明」
金沢―暗い空に照り映える色彩
観光―陰があるからこそ光がある
あとがき
1966年東京都生まれ。立教大学社会学部観光学科卒業。広告代理店勤務を経て執筆業に専念。「負け犬の遠吠え」で講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞を受賞。
