【No.421】裏が、幸せ。酒井順子 小学館(2015/03) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「光があるから影がある。影があるから光が際立つ」

表と裏とは、陽と陰であり、お互いがあるからこそ、それぞれの魅力をアピールすることができる。

 

まずは、表紙に面白いと興味を持った。

表紙は、日本海を下に、太平洋が上に広がっている。左手側が東北地方であり右手側が九州地方となっている。

これは、富山県が作成した逆さ地図ではないのか。

 

太平洋に面した表日本ではなく、日本海に面した裏日本の府県に関する、文学、鉄道、観光、演歌、盆踊り、美人等々を取り上げている。

これらの魅力が文中から満ち溢れ出てきているのだ。

 

ちゃんと裏日本に足を運んで光を当て目を向けて書かれた本だ。

一度、気に入った府県に訪れてみて、ちょっと来てみてと誘われているように感じた。

 

112P「隠すところが多ければ多いほど色気は増幅するということ」

そうだったのか!

見せるよりも見せないほうが魅せられるということ。

外見だけでなくあまりにも自分の心までさらけすぎたならば。

それでは。ワクワク、ドキドキしなくなる。

人にはわからない裏(陰)があるほうが、神秘的であり興味を抱くのかもしれない。

 

 

 <目次>

はじめに 「裏」性の魅力

陰翳―闇に浮かぶ金沢の金箔、能登の漆

民藝―鳥取と新潟の名プロデューサー

演歌―なまり色の日本海ソング

仏教―浄土真宗と一向一揆

神道―「裏」の大社、「表」の神宮

美人(日本海側美人一県おき説;越後と出雲、最強美女伝)

流刑―佐渡と隠岐、流されるロマン

盆踊り―顔を隠すエロティシズム

文学(「表」の男と「裏」の女の物語『雪国』;泉鏡花と金沢;水上勉における不幸の利用)

田中角栄―新潟のポップの日本改造

鉄道Ⅰ―北前船、ローカル鉄道、北陸新幹線

鉄道Ⅱ―陽から陰へ、陰から陽へ

幸福―軒並み「日本でいちばんいい県」

原発―水上勉が憂いた「過剰文明」

金沢―暗い空に照り映える色彩

観光―陰があるからこそ光がある

あとがき

 

 

1966年東京都生まれ。立教大学社会学部観光学科卒業。広告代理店勤務を経て執筆業に専念。「負け犬の遠吠え」で講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞を受賞。