朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -148ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「あの日、あの時、あの場所で君に出会えなかったら……」

ラブストーリーは突然にの曲中にある僕の好きなフレーズだ。

 

学生時代に友人から「いいよ!」と紹介されて意図的に聴いた歌。

FMラジオから流れてきた曲だった。

 

「思いのままに」

 

~ 誰にも

ぼくのゆく道を

止められない そうだろう

行かせてほしい

 

君は君の歌を うたえ

ぼくはこの想いを

調べにのせて ~

 

あの日、あの時、あの場所で

ぼくがあの澄み切った声を聞かなかったら……。

本当に本当に本当に、ぼくは小田さんを好きにならなかったかもしれない。

 

プロの歌手として音楽の道へと進むことを決めた

伝説の修士論文「建築への訣別」から、

オフコースとして、小田和正として活躍したこと。

世界の青木功さんのキャディーを務めたこと。

映画の監督としてメガホンを取ったこと等々……。

 

小田さんは、そのとき、そのときにしたいことを考えてそれらをしてこられたように思える。

 

1998年、小田さんはアーティスト生命の危機といえる交通事故を経験する。

鎖骨と肋骨三本を骨折、首の骨がずれ、神経を圧迫する絶対安静の重症だった。

 

ぼくを含めたファンより

「とにかく生きていてくれただけでよかった」

 

小田さんより

「ああ、こんなふうに思ってくれるんだから、喜んでもらわなきゃ」

 

 

144P

お客さんの近くへ物理的に近づくと、とっても喜んでくれることがわかった。ちょっと客席に下りてみたりすると、本当に喜んでくれて、みんな、「あ、こんなに喜んでくれる」ってわかる笑顔なんだよね。

 

 

 <目次>

メッセージ

過ごしてきた時間をふりかえって―聖光学院のグラウンドで

少年時代にふれた音楽―歌謡曲から賛美歌まで

オフコースの原点―聖光学院のホールステージから

建築と音楽―ものをつくるということ

プロへの道―音楽を選んだ理由

五人になったオフコース―大ヒット曲「さよなら」の先に

オフコースの終焉―「言葉にできない」想い

ソロ活動への決心―ドラマ主題歌の爆発的なヒット

曲をつくる―メロディ、そして歌詞が生まれるとき

自分をさらけ出す―映画製作を通して広がった世界

ファンの思いに応えたい―交通事故で変わった人生観

音楽の力を信じて―災害を乗り越え、国境を越え、世代を超える

時はきっと待ってくれる―夢を求めつづける人に

100年後へメッセージ

 

 

 

1947年、神奈川県横浜市出身。東北大学工学部建築学科卒業。早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻(建築学)修士課程修了。1969年、オフコースを結成。70年、プロとして音楽活動を開始。89年、オフコースを解散。その後、ソロアーティストとして活動。

広島から期間勤務の研修医として葉山に来た碓氷は、小さい頃、借金を残して失踪した父に対するわだかまりに縛られていてお金にとても執着があった。

脳に腫瘍という爆弾を抱えて余命いくばくもなく、さらに誰かに命を狙われている大金持ちの患者ユカリ。

彼らこころに傷を持つ者同士がいつしか心を通い合わせていくのだ。

でも、そんな単純なラブストーリーでは終わらなかった。

 

「人はいつか必ず死ぬ」ということを思い出させてくれた。

平穏な普通な毎日を過ごしていることが、患者の立場から考えるとなんて幸せなのかと気づかせてくれた。

 

前半に伏線があって、後半には思いもよらない展開になかなか頭がついていけなかった。

例えば、碓氷がユカリの遺書を発見するところなど少々無理のある設定と思うところもあったが、ぼくは時を忘れて最後まで読み終えてしまった。

読み応えのある恋愛医療ミステリーでした。

 

碓氷の元彼女の冴子について一言。

医者でもある彼女は、ピリリと効いた一味のように、この小説を冴えるミステリーにさせた重要な脇役だった。

 

 <目次>

プロローグ

ダイヤの鳥籠から羽ばたいて

彼女の幻影を追いかけて

エピローグ

 

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒。日本内科学会認定医。島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞した「誰がための刃」で作家デビュー。

二人の母と三人の父。

愛でバトンがつながっている。

ラストの結婚のくだりが秀逸。

もう涙腺が緩んでしまう。

 

実のお父さんからの手紙や、森宮さんの早瀬さんのお母さんへの手紙、梨花さんの数々の愛情、泉ヶ谷さんの安定感等々で、徐々に気持ちが盛り上がる。

主人公の優子が、何度も家庭の形態が変わる中でもみんなに受容されて愛されて生きていく。

たとえ血がつながっていなくても遠慮がちにも、優子のことを一番にと考えながら周りの人たちは支え合って生きている。

 

久しぶりにこころ震わせられたし心地もよかった。

こんなピュアなハートを持った人たちは、小説の中だけであってはもったいないよ。

 

372P

「笑顔で歩いてくださいね」

スタッフの合図に、目の前の大きな扉が一気に開かれた。

光が差し込む道の向こうに、早瀬君が立つのが見える。本当に幸せなのは、誰かと共に喜びを紡いでいる時じゃない。自分の知らない大きな未来へとバトンを渡す時だ。あの日決めた覚悟が、ここへ連れてきてくれた。

「さあ、行こう」

一歩足を踏み出すと、そこはもう光が満ちあふれていた。

 

 

1974年、大阪府生れ。大谷女子大学国文学科卒。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を、2009年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞を受賞。

あのナポレオンが愛読した本だと訊いている。

数百年以上も前に書かれた物語がいくつもの外国語に訳されている。

現代にも読み継がれていて読者に愛されているのは、それはそれで素晴らしいことだと思う。

 

ゲーテ自身が「二十代の恋は幻想である、三十代の恋は浮気である、人は四十代に達してはじめて真のプラトニックな恋愛を知る」と言っている。

 

読んでいないなら一度は読んでみたらと僕は思う。

恋愛は、片方だけでは成立しないもの。

両思いになれるようにできるだけ努力はするものだ!

美貌の女性ロッテにはすでに約束されたパートナーのアルベルトがいたのにかかわらず、ウェルテルはロッテを好きになってしまう。

 

ロッテへの遺書で「あなたはもうぼくのものだ!」という風にウェルテルは書いています。

この矛盾を書かねばならなかった彼の心情を斟酌するのは、はなはだ傲慢かもしれない。

人生において感じる苦悩の究極的な形だから。

ゲーテ自身が自らの体験基づいて書かれたのなら、ほらもう見事と言うしかないな。

 

When in Rome do as the Romans do.

大リーグとは違う野球が日本にあったと気づいた彼は、技術だけではなく文化や思考までも日本の野球に順応させた。

だから、2千本安打を達成し名球会入りするなど日本で成功したのだ。

大リーグや日本プロ野球の体験を踏まえて説明されているのでわかりやすく納得しやすい。

横浜DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレスさんの人材育成と組織論。

 

 <目次>

はじめに

第1章 監督「ラミレス」の誕生(ベイスターズをAクラスにするためのプランを持っている、選手の起用法 ほか)

第2章 現役時代の学び(日本の野球に対する無数の「Why?」、「アイーン」はコミュニケーションツール ほか)

第3章 横浜DeNAベイスターズ(目指すはリーグ制覇と日本一、大和の加入 ほか)

第4章 ラミレス野球(恩師の教え、私が手本とする2人の監督 ほか)

第5章 頂点へ(多くを学んだ1年目のシーズン、悔し涙 ほか)

おわりに 

 

1974年10月3日生まれ、ベネズエラ出身。1998年メジャーデビュー。インディアンス、パイレーツを経て、2001年東京ヤクルトスワローズに入団。その後、読売ジャイアンツ、横浜DeNAベイスターズでプレーした後、2014年にはBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスに入団。同年10月、現役引退。首位打者、本塁打王、打点王、最多安打など、タイトル多数。2016年シーズンより、横浜DeNAベイスターズの監督に就任。チームを2年連続Aクラスに導く。2017年シーズンは、CSを制し、日本シリーズにも進出する。

 

CHANGE! 人とチームを強くする、ラミレス思考 アレックス・ラミレス KADOKAWA(2018/03

生活保護に絡むサスペンス。

陽の当たる日常とは違った日陰の部分があることを知った。

負のスパイラルは加速していくもの。

落ちていくならば、行きつくところまで落ちていくもの。

生活保護の不正受給者とケースワーカー。

ネグレストとシングルマザー。

万引きや覚醒剤、ヤクザなど幾重にも絡んだ闇と闇が重なり合う悲劇が続く。

ある一定の吐き気と気分が悪くなるとともに、各種の出来事にも目を覆いつくしたくなるくらいの悲惨さを感じた。

 

1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションに勤務し、ミュージカル、舞台演劇のプロデューサーとして活動。「悪い夏」で第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞。

 

平安時代に編まれた仏教説話集「日本霊異記」

それを素材にした摩訶不思議な八つの物語。

ちょっとほの暗くせつない奇蹟もあり。

なるほど!と読み応えあり。

 

 <目次>

サカズキという女  

髑髏語り   55

射干玉国   89

夜半の客   141

狐と韃   181

蛇よ、来たれ   215

塵芥にあらず   251

舎利菩薩   287

 

1963年大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部国文科卒業。「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞、「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞、「花まんま」で直木賞を受賞。

 

「人間はそもそもまったくの空であり、何もない存在である」

人は、本来無一物として生まれてきたという。

あの世に旅立つときにも何ひとつ持っていくことができない。

裸で生まれて裸で死んでいく存在だと。

 

悩みや不安な日々があるのは仕方がない。

価値観や常識が揺らいでいるような不安定な時代であり。

何か目に見えないものにすがりたい気持ちはよくわかる。

 

自分の背中をちょっと押してくれるようなきっかけがほしい。

前に向かって行動するための一歩となれればと思った。

 

特に以下の三点をしっかりと胸に刻んで歩んでいきたい。

 

40P「好事も無きに如かず。順調なときほど気をつけなさい」

順境は逆境に変わる。好事に執着していると、判断や行動を誤る。

調子に乗っていると大ケガをすることがある。好事こそ落とし穴だと思い、さっさと忘れること。

 

51P「余りの生なんか、どこにもありはしません」

人は生きている限り、何歳になろうが現役。「余生」など、ない。

気がついたら、いつの間にか八〇歳を超えていました。いまも早起き、坐禅、掃除、仕事と、動き回っています。

 

135P「足るを知ることで心は満たされる」

欲をなくすことはできないが、欲を少なくすることはできる。小欲知足で生きれば患いなし。

足るを知る人は、たとえ貧困でも心が満たされ、足るを知らない人は裕福であっても苦しみが多い。

 

 <目次>

はじめに

第1章 行動することで逆境を乗り越える(向き合い方を変えればつらい状況も楽になる、両親の離婚で訪れた逆境。天皇陛下の学友から寺の小僧へ ほか)

第2章 主人公として生きれば幸せになれる(「おーい、主人公。しっかりやってるか?」、自由とは自らに由ること。主人公でないと自由になれない ほか)

第3章 煩悩を捨てる勇気を持てば楽になれる(苦しかったり、悩んだりするのは心が何かにとらわれているから、「自分が一番エラい」と思っていませんか? ほか)

第4章 一日一日を丁寧に暮らす生き方(質素な食事が無上の食事に変わる、特別なことは必要ない。日々の暮らしをつつがなく ほか)

 

 

 

1933年、東京生まれ。臨済宗相国寺派第七代管長。鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)の住職も兼任。京都仏教会理事長。八歳で大分県日田市の岳林寺にて得度。京都相国寺の専門道場に入門、修行。現代日本の仏教界を代表する禅僧。著書に「『臨済録』を読む」など。

 

 

 

 

甘く冷たい戦慄が本能を歓喜させる。

小池真理子らしい男と女にまつわるお話。

しっとりとひんやりした幻想的で怪奇的な短編集。

どの物語にも共通するものが、こちら側とあちら側を繋ぐ異形のものたち。

この世のものではない彼らは、こちら側と隣り合わせでそこにいる。

こちら側に何かを訴えかけている。

怖くて背中がぞっとするだけではない。

それが愛おしい人だったら、どこか懐かしく妖艶なるものになるのか。

「森の奥の家」は、このなかでも特に哀しくて切ない結末だった。

 

 <目次>

  

森の奥の家   39

日影歯科医院   77

ゾフィーの手袋   121

山荘奇譚   163

緋色の窓   207

 

 

1952年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、96年『恋』で第114回直木賞、98年『欲望』で第5回島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)、13年『沈黙のひと』で第47回吉川英治文学賞を受賞

 

40P「夕食を食べ終えた頃、庭から叔母の嬌声が聞こえた」

 

「桃」

日常におけるあるときを取り上げて話が進んでいく。

当たり前のようにあるこのひと時が、実は当たり前ではなかった。

官能の秘密を抱えながらときが過ぎていく。

なにか可笑しいような非日常に興味を抱くのは自分だけじゃないはず。

読んだ後にもう一度その箇所を読み返したくなるような余韻が残る短編集。

 

 <目次>

鈴の音

ナイフ

空に住む木馬

青空クライシス

王と詩

 

 

1966年徳島県生まれ。二松学舎大学博士後期課程修了。博士(文学)。四国大学教授。「青空クライシス」で第14回三田文学新人賞受賞。