「人間はそもそもまったくの空であり、何もない存在である」
人は、本来無一物として生まれてきたという。
あの世に旅立つときにも何ひとつ持っていくことができない。
裸で生まれて裸で死んでいく存在だと。
悩みや不安な日々があるのは仕方がない。
価値観や常識が揺らいでいるような不安定な時代であり。
何か目に見えないものにすがりたい気持ちはよくわかる。
自分の背中をちょっと押してくれるようなきっかけがほしい。
前に向かって行動するための一歩となれればと思った。
特に以下の三点をしっかりと胸に刻んで歩んでいきたい。
40P「好事も無きに如かず。順調なときほど気をつけなさい」
順境は逆境に変わる。好事に執着していると、判断や行動を誤る。
調子に乗っていると大ケガをすることがある。好事こそ落とし穴だと思い、さっさと忘れること。
51P「余りの生なんか、どこにもありはしません」
人は生きている限り、何歳になろうが現役。「余生」など、ない。
気がついたら、いつの間にか八〇歳を超えていました。いまも早起き、坐禅、掃除、仕事と、動き回っています。
135P「足るを知ることで心は満たされる」
欲をなくすことはできないが、欲を少なくすることはできる。小欲知足で生きれば患いなし。
足るを知る人は、たとえ貧困でも心が満たされ、足るを知らない人は裕福であっても苦しみが多い。
<目次>
はじめに
第1章 行動することで逆境を乗り越える(向き合い方を変えればつらい状況も楽になる、両親の離婚で訪れた逆境。天皇陛下の学友から寺の小僧へ ほか)
第2章 主人公として生きれば幸せになれる(「おーい、主人公。しっかりやってるか?」、自由とは自らに由ること。主人公でないと自由になれない ほか)
第3章 煩悩を捨てる勇気を持てば楽になれる(苦しかったり、悩んだりするのは心が何かにとらわれているから、「自分が一番エラい」と思っていませんか? ほか)
第4章 一日一日を丁寧に暮らす生き方(質素な食事が無上の食事に変わる、特別なことは必要ない。日々の暮らしをつつがなく ほか)
1933年、東京生まれ。臨済宗相国寺派第七代管長。鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)の住職も兼任。京都仏教会理事長。八歳で大分県日田市の岳林寺にて得度。京都相国寺の専門道場に入門、修行。現代日本の仏教界を代表する禅僧。著書に「『臨済録』を読む」など。
