朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -125ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

文芸評論家の高山樗牛(ちょぎゅう)がニーチェの言葉を引用したという。「汝の立つところ深く掘れ、そこに必ず泉あり」

片岡鶴太郎さんの大好きな言葉だ。

 

彼は、モノマネ芸人、プロボクサー・トレーナー、俳優、画家、書家、ヨギ(ヨーガをする人)などといくつもの顔を持っています。

 

「毎朝、起きるのが楽しみだ」と断言できる人生を歩んできて、常に現状に甘んじることなく、新しいことにチャレンジしてきた成果だ。

チャレンジすると「魂の歓喜」が待っています。

5-6P

誰もが心の中に、自分の魂を歓喜させる“シード(種)”を育んでいます。ただその存在に気づいていないだけ、あるいは気づこうとしてないだけです。

まずは自分の心に「私の魂は何をすれば歓喜するのか」と問いかけてシードの存在に気づくことです。そして、やりたいことのシードを見つけたら、毎日コツコツと水やりをしていくことです。すると、やがて芽吹き、魂の歓喜がもたらせることになります。

 

自分に問い合わせてみて自分が喜ぶかどうか、楽しいかどうかが、鶴太郎さんの人生を方向付けてきたのです。

ぼくは、ワクワク、ドキドキするかどうかで選択をしてきたけれども、この上に魂が歓喜するかどうかを付け加えたい。

 

 <目次>

はじめに

序章 “ものまね”からスタート

1章 62歳、まだまだやりたいことだらけ

2章 画家として立つ

3章 「思い」を「実行」に移す

4章 どうやって身を立てるか

5章 自分の魂を喜ばせるために何をするか

6章 新たなことをはじめる勇気

おわりに

 

1954年東京都西日暮里生まれ。幼少の頃より役者になることを夢見て、学校ではモノマネのうまい人気者として親しまれた。高校卒業後、片岡鶴八に弟子入り。3年後には声帯模写で独り立ちし、東宝名人会、浅草演芸場に出演する。その後、テレビのバラエティ番組を足がかりにして広く大衆の人気者となり、1988年にはボクシングのライセンスを取得した。1995年、東京にて初の個展「とんぼのように」を開催。現在は幅広いキャラクターを演じる役者として、ドラマ・映画・演劇など様々なメディアで大活躍。1989年、映画『異人たちとの夏』(大林宣彦監督)で第12回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞。その他、毎日映画コンクール新人賞、キネマ旬報助演男優賞、ブルーリボン助演男優賞など、受賞多数。2014年は齢四十から始めた画業が20周年を迎えるとともに、自身の還暦が重なる記念すべき年となる。2015年3月、書の芥川賞と言われる「第十回手島右卿賞」を受賞。

「人生楽しんだもん勝ち」

逆らわず、いつもニコニコ、従わず、今できることで一番楽しいことを追求し、なるようになるさという生き方をしていくなど。

漫画家・弘兼憲史さん流の人生を上機嫌に歩んでいけるヒント集です。

 

人生100年時代とされるいま、高齢者が楽しく生きて行くための上機嫌になる方法が四つ提案されています。

 

・家族や社会との関係を見直して自立する

・現実を受け入れて自律する

・どこまでも人生を目いっぱい楽しむ

・何か社会に役立つことをして逝く

 

41P 相手を立てて、褒めて、譲る

人望を熱くする、相手も自分も良い気分になる、心の余裕となるため

 

人生を先に歩んでおられる弘兼さんなどの先輩たちを参考にして上機嫌に生きてゆきたい。

 

 <目次>

序章 上機嫌の作法

第1章 上機嫌な人づき合い

第2章 妻と子どもから自立して上機嫌

第3章 上機嫌な「死に方」

第4章 上機嫌に健康長寿

第5章 最期まで上機嫌で楽しむ

終章 自分たちの世代の責任を果たそう

 

1947年山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、74年に『風薫る』で漫画家デビュー。『人間交差点』で小学館漫画賞、『課長島耕作』で講談社漫画賞、『黄昏流星群』で文化庁メディア芸術祭優秀賞と日本漫画家協会賞大賞を受賞。2007年には紫綬褒章を受章

「講釈師見てきたような嘘をつき」

話芸についつい引き込まれてしまう様子をうまく表していると思います。

講談師は、迫真の語り口で堂々と演目を飾ります。

 

「古事記」、稗田阿礼が語り太安万侶が書き記した日本最古の歴史書。

この稗田阿礼が最初の講談師であり、これが講談の始まりだと言われています。

落語と講談を比べてみると、似ているようでいくつもの差異があります。

それぞれの理由は本に書かれてあるとおりですが、

見習い期間を、落語は「見習い」、講談では「空板」と言います。

真打になると、落語は「師匠」、講談では「先生」と言われます。

落語は「会話」で話が進み、講談では「説明」が加わります。

 

講談師で人間国宝の神田松鯉さんが講談の魅力などを丁寧に説明しています。

講談の歴史や軍記や時代物の演目など、普段では分からない講談の世界が広がります。

はじめて講談を聞きたい人にとっては、機会を見つけ先にこれを読んで会場に行ければ楽しめると思います。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 講談と落語はどこが違うのか

第2章 講談の魅力

第3章 講談はどこで聞けるのか

第4章 講談の有名な話は

第5章 講談師の修業とは

第6章 講談の歴史

第7章 講談古川柳

おわりに 

 

1942年生まれ。群馬県前橋市出身。講談師・人間国宝。日本講談協会、落語芸術協会所属。日本講談協会では名誉会長を、落語芸術協会では参与を務める。1970年、二代目神田山陽に入門。1973年、二つ目に昇任して「神田小山陽」と改名。1977年、真打ちに昇任。1992年に三代目神田松鯉を襲名。1988年、文化庁芸術祭賞を受賞。長編連続物の復活と継承に積極的に取り組み、講談の保存・継承だけでなく、後進の育成にも努める。長年の講談界全体への貢献と功績が認められ、2019年、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された.。

樺沢紫苑さんの本は、一回目では分からずに何回も読んでみてやっとわかる国語辞典のように手元に置きたい。

また身体にじわっと滋養強壮がついてくる栄養剤のように、やる気を出し活力をつけて意味を噛みしめるように時々読みたくなります。

 

こころとからだの健康に繋がる秘訣が書かれてありました。

共通しているのは、適度な運動や睡眠、バランスが取れた食事などの良い生活習慣、そして細く長く社会とつながりを持ち続け社会の役に立つことです。

病気や新型コロナに罹らないようにするための免疫力アップにもつながります。

これらを知ったら実践するのみです。

 

 

86P 運動のすごいメリット

運動するだけでほしいものはすべて手に入る

幸福物質と呼ばれる「ドーパミン」や「セロトニン」が分泌され「幸福感」に満たされます。

 

運動で得られるメリット

・ダイエット効果 やせる、体重減少

・身体の健康効果 病気の予防、寿命が延びる、健康寿命が延びる

・脳の活性化 頭がよくなる、仕事力のアップ、学校の成績がよくなる、脳の老化防止

・疲労回復の効果 睡眠改善効果、疲労回復効果

・メンタル改善効果 感情の安定化、メンタル疾患の予防、治療効果、ストレス発散効果、考え方がポジティブ、前向きになる

・魅力が高まる 男性・女性の魅力が高まる

 

100P 成長ホルモンを出す方法

睡眠と運動。しんどいときが踏ん張りどきが成長ホルモン分泌のチャンス

 

成長ホルモンの効果

脂肪の燃焼、ダイエット効果。筋肉をつくる、筋力アップ。骨を強くする。新陳代謝亢進、美肌効果。アンチエイジング効果。免疫力アップ。疲労回復効果。糖尿病予防

 

成長ホルモンの分泌

1 運動すればするだけ出る

2 つらい、きついと成長ホルモンが出ている

3 筋肉量が多い 筋トレが成長ホルモンを十分に分泌させるために不可欠

4 空腹で運動する 満腹の状態(血糖値が高い状態)では分泌が抑制される

5 インターバルトレーニング 強い強度の運動と軽い運動(短い休憩)とを反復

 

はじめに 

序 基礎知識

1 睡眠(日本人の4割は睡眠不足、睡眠不足は、「命」を削る―睡眠不足のデメリット1 ほか)

2 運動(運動のすごいメリット、運動不足のすごいデメリット ほか)

3 朝散歩(「朝散歩」で文章が3倍速く書ける、朝日が幸福物質「セロトニン」を活性化する ほか)

4 生活習慣(喫煙者は、喫煙したときしか集中力がない、タバコの害を帳消しにする方法 ほか)

5 休息(「自己洞察力」アップが最大の健康法、孤独は健康に悪い ほか)

おわりに 

参考・引用図書

著者プロフィール

 

精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。30冊以上の著書がある。著書に「学びを結果に変えるアウトプット大全」など。

歴史家の小和田哲男さんは、戦国時代の歴史研究の第一人者です。

著書は多数あって、歴史番組の出演も多いのでよく拝見しています。

NHKで現在放映中の大河ドラマの「麒麟がくる」を含めて、時代考証を七度も務めておられます(ちなみに「麒麟」は令和3年2月7日まで放映されるとのこと)。

時代考証には、出演者のセリフや言葉遣いを戦国時代に実際に使われていたものか、名前の改名が多かった時代にその年月にはその名前が実際に使われていたのか、呼ばれていたのか等々その時代の史実に基づき、詳細に検証して大河ドラマをさらにリアルに反映させる玄人も唸るような重要な役割です。

 

「腹八分目」など満腹を戒めることばがありますが、辛勝だったならば、えぐりだすようなことをして反省するので、「勝って兜の緒を締めよ」と慢心にならないようにということです。

4P 七分勝ちを説いた信玄の真意

「勝負は完勝より辛勝のほうがいい」などといえば、おかしなことをいうと一笑に付されてしまうかもしれないが、歴史からすると、そのようないい方になる。完勝した結果、驕りの気持ちが生じ、そのために家を滅ぼしてしまったケースが多いからである。

 

「名将とは、一度大敗を喫した者をいう」

徳川家康が武田信玄に負けた三方ヶ原の戦いなど、どうして負けたのか反省をすることで、次の戦いには負けないようにしようと作戦を練り上げさせることができて負けん気根性が強くなります。

人は、挫折の経験が必要であるということです。

50P 朝倉宗滴が重視した大敗北の経験

失敗したり、負けたりすることはいやなことである。ところが、昔の人はそういう経験が必要だと説いている。挫折をし、壁にぶちあたることで、人間として一まわり、二まわり成長することを知っていたのである。

 

「昨日の敵は今日の友」人の心や運命がうつろいやすく、あてにならないものであります。

徳川家康は滅ぼした武田信玄や今川氏、北条氏などの家臣団を組み込んでいることから、敵に対する恩讐だけではなく、敵を憎まない勝者の寛容さがあり日本人の叡智というしかないのでは。

78P かつての敵将をどう遇すべきか

西洋発祥のチェスは、取った駒は使えない。しかし、日本の将棋は手駒として使える。戦国時代、武将たちは敵と戦った場合、その破った敵とどう向き合うかは大きな問題だった。織田信長の殲滅も辞さないというやり方はどちらかといえば例外で、ふつうは、敵を憎まず、味方に加えていることの方が多い。敵とは、絶対に相いれない相手ではなく、自分にないものを学べる存在だったことを知っていたからである。

 

諫言を言える家臣を忠臣とするならば、よいことばかりを挙げたり、イエスマンや胡麻をすってばかりいる家臣は寵臣と言えます。寵臣ばかり囲まれた戦国大名は没落していくのです。

「良薬口に苦し」忠言や諫言は聞きにくいが、身のためになります。

これは、現代においても活かせることです。

特に総理大臣や社長などのトップの方には、歴史から真摯に学んでほしいと思います。

87P 諫言が活かされる組織づくり

他人から批判されたい人はいない。ほとんどの人は、あまり耳の痛いことは聞きたくないと思っていて、偉くなるほどその傾向はあるようである。しかし、聞く耳をもたなくなったために没落したり、衰退していったことも歴史的事実で、耳の痛いことをいってくれる部下がいることの重要性は昔の人も気づいていたのである。

 

戦国時代の娯楽には、囲碁、将棋、太鼓、小鼓、笛、尺八、音曲、謡のほか、和歌、連歌などがありました。

茶の湯は、主客同座、一味同心。

主客無刀で招いた側の亭主と招かれた客人の主客が同座して茶を点ててそれを飲む。茶室という狭い空間に主客が同じ空間を共有する、同室で膝を突き合わせるようにして座る、茶を点ててそれを飲みながら世間話をすることにより、心のふれ合い、通い合いが生まれてくるのです。

茶の湯は、連帯感を強めて相手の心のうちを確かめ合う戦場以外での慰みの場であったのです。

117P 緊張を解きほぐす茶の湯の効用

自動車のハンドルに「遊び」があるように、人間にも「遊び」は必要だった。いつも緊張してばかりいると長続きしないわけで、そのことは先人たちも気がついていた。ここでは茶の湯を通して、戦国武将たちのストレス解消の実態に目を向けたい。

 

 <目次>

はじめに 

第1部 戦国武将のリーダーシップ(「七分勝ち」を説いた信玄の真意、刀狩りから元和偃武へ、「名を惜しむ」という武士の美学 ほか)

第2部 戦国大名の人材活用術(かつての敵将をどう遇すべきか、諌言が生かされる組織づくり、武辺咄に学ぶ若手の育て方 ほか)

第3部 戦国日本の文化と教養(ものまね文化で発展した戦国日本、おみくじを合戦に活用した島津義久、戦国時代の教養と遊び方 ほか)

初出一覧

 

1944年静岡県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。静岡大学名誉教授。専攻は日本中世史。NHK大河ドラマ等の時代考証も手がける。

著書に「明智光秀・秀満」など多数。

 

【No.678】戦国武将の叡智 人事・教養・リーダーシップ 小和田哲男 中央公論新社(2020/05)

適度なストレスは、人にとって必要です。

ヤーキーズ・ドットソンの法則のとおり、適度なストレスでパフォーマンスは最大化します。

お酒は睡眠を悪化させます。ギャンブルやショッピング、ゲームなどは常習化や依存症になる人もいますから、間違ったストレス解消法ではなおストレスを悪化させます。

楽しい、やめられないの緊張、興奮の交感神経と、のんびり、ゆったりのリラックス、休息・休養の副交感神経の急緩が必要だと思います。

 

例えば、柳に風のように、糠に釘のように、暖簾に腕押しのように、

ストレスをしなやかに受け流せるようになるために、人間関係やプライベート、仕事、健康、メンタル、生き方などあらゆる視点からのストレスフリーになる方法がとりまとめられています。

重要な箇所が太字で書かれてあるほか線がひかれていたり図にまとめられていたりして言葉の説明がわかりやすいのです。

また必要な箇所や興味があるページから読むことができるので辞典のように何度も繰り返し参照して使えます。心理学用語も素人にもわかりやすく紹介されてあります。

 

生きていく上での人生のあらゆる悩み・不安・疲れをなくすために、他人ではなく自分を変える、仲間と家族を活力にする、疲れない体を手に入れるなど、実施できることがたくさんありました。

 

幸福になるためには、笑顔と瞑想をすることがセロトニンとドーパミンの共通するところです。また、オキシトシンを分泌するには、感謝すること、親しい人と触れあいコミュニケ―ションをとることです。

健康によるセロトニン的な幸福とつながりや愛など人間関係によるオキシトシン的な幸福を得る基本的な土台を踏まえて、社会的なビジネスの成功などのドーパミン的な幸福を摑まないと、最高に幸福な状態になれないとのことです。

 

330P 「幸せ」を手に入れる方法 脳科学的に幸せになる。

 セロトニン→オキシトシン→ドーパミンへ 

1 セロトニン やすらぎ、癒やし、気分の幸福感。

笑顔、朝散歩(朝日、リズム運動、咀嚼)、瞑想、座禅、マインドフルネス、腹式呼吸

2 オキシトシン つながりの幸福感

 心臓血管系の病気リスクを下げる。ストレス低下や細胞の修復促進効果あり。

 スキンシップ、コミュニケーション、ペットとの触れ合い、親切、社会貢献、ボランティア活動

3 ドーパミン やる気の幸福感 

 お金を稼ぐ、社会的成功、スポーツや大会などでの活躍。優勝、目標設定と目標達成、運動(有酸素運動、筋トレ)、笑顔、瞑想。

 

はじめに 「ストレスフリーな人」になろう

本書の特長

序章 すべてのベースとなる「解決法」―ストレスフリーの基本

1章 他人ではなく「自分」を変える―人間関係

2章 「仲間」と「家族」が活力となる―プライベート

3章 「天職」を求め、「やらされ仕事」から抜け出す―仕事

4章 「疲れない体」を手に入れる―健康

5章 心を整え、「新しい自分」にアップデートする―メンタル

終章 精神科医がたどり着いた「とっておきの考え方」―生き方

おわりに これから、どう生きるのか?

 

精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。

 

2014年1月から始めたこのブログも8年目に入りました。

継続していけるのもみなさんからの温かいご支援のお陰です。

誠に感謝しています。

ただ継続していくのではなく、変化を取り入れ前向きに改善をしていきたいです。

本年もお付き合いをどうぞよろしくお願いします。

みなさんのご活躍と健康を祈念しています。

 

【No.677】精神科医が教える ストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト 樺沢紫苑 ダイヤモンド社(2020/07)

美容外科医の橘 久乃からのインタビュー形式。章ごとに相手が変わっていく。

脂肪吸引を依頼に来た元同級生や地元の後輩にあたる格下アイドル、高校時代の元カレとその息子、元同級生の妹で自殺した女の子の中学時代の元担任、自殺した女の子の高校時代の元担任、元同級生で自殺した女の子の母親、そして自殺した本人。それぞれの語り。

このように人物が多く登場してくるから、それぞれの関係性が徐々に複雑になってくるので相関図を描いた方が楽しめる。

「告白」や「白ゆき姫殺人事件」のように、彼らの口からだんだんと事実が明らかになっていく。

明確な真相は語られずに、匂わすような形式になり、全て言い表せない様々な事情がボタンのかけ違いのように複雑に絡みあっていく。

独白で物語が進行するのに、嫉妬や妬みなど人の陰となる部分を引き出して、読み手を不快にさせてくれるのは流石湊かなえさん!

現実の同じ出来事があっても別々の角度から見てみたら違う景色が見えます。

自分の固定概念だけを通すだけでなく、柔軟に相手の気持ちも汲み取ることが大切だと思う。

 

282P

カケラとカケラがはまって、家族ができ、町ができる。そして、一枚の絵の一片となる。だけど、皆がうまくはまれるとは限らない。学校という名の絵、会社という名の絵、なぜだか、自分だけ浮いてしまっている。この絵の中で自分の居場所がないのかもしれない。とはいえ、簡単に次の絵を探すことはできない。

無理に押し込むと、周囲のバランスも崩れてしまう。

少し形を変えれば、うまくはまるのに。

283P

自分の作りたい絵に対しては不自然に思えるピースでも、そのピースがぴたりとはまる場所は必ずある。

逆に、自分がはまる絵を思い描くことができない、ということもあるかもしれない。そういう時にも、よかったらご相談ください。その絵を一緒に想像しましょう。

あなたというカケラがぴったりはまる場所は、必ずあるから―。

 

 <目次>

プロローグ

第一章 ロック・ジュウヨン

第二章 ドーナツの真ん中

第三章 似たもの親子

第四章 道徳とか、倫理とか

第五章 あまいささやき

第六章 あこがれの人

第七章 あるものないもの

エピローグ

 

1973年広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞、受賞作を収録した『告白』でデビュー。同作で09年本屋大賞を受賞。12年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門、16年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。18年『贖罪』がエドガー賞候補となる。その他の著書に『夜行観覧車』『白ゆき姫殺人事件』『母性』『山女日記』『リバース』『未来』『落日』など多数。

 

湊かなえさんの御本をもって、僕の読書納めとなります。

お世話になりました。

ありがとうございました。

また新しい年もお付き合いのほどよろしくお願いします。

教唆-1ある事を起こすよう教えそそのかすこと。2他人をそそのかして犯罪実行の決意を生じさせること。被教唆者が決意・実行したときは教唆犯として正犯に準じて処罰(刑法61条)。教唆方法は明示・黙示,直接・間接を問わない(デジタル大辞泉より)

 

「作家刑事毒島」の前日譚として、毒島真理が警視庁捜査1課の警部補だったころのストーリーだ。

一話目の不倶戴天は、連続射殺事件。二話目の伏竜鳳雛は、爆破事件。三話目の優勝劣敗は、女性を狙った塩酸を顔にかける事件。四話目の奸佞邪智は、身内を殺した犯人への復讐殺人事件。五話目の自業自得では、全ての事件に絡む人物、犯罪を教唆する「教授」の正体が明らかになる結末。

途中に二転三転する展開は、予想されたがさすがどんでんがえしの中山七里作品だった。

 

毒島は、類いまれな洞察力があり、温和な表情に反した執拗に鋭く辛辣な物言いだ。

卑劣な犯人を崖っぷちまで追い詰める心理戦は、ほんと見事なくらいあっぱれだ。

警視庁随一の検挙率を誇るため刑事としては優秀だが、部下として、人としては信用・信頼が置けないタイプのようだった。

 

出世に興味があるこじんまりとした可もなく不可もないタイプよりも、饒舌で毒舌で変人であっても結果を残し、周りに何か大切な意味を与える毒島のような人物と時間を共有してみたい。

澱んだものを攪拌させて澄んだ空気が充満するような組織に活性化させる機能があると思うからだ。

 

 <目次>

不倶戴天    

伏竜鳳雛    

優勝劣敗    

奸佞邪智    

自業自得  

 

1961年岐阜県生まれ。花園大学文学部国文学科卒。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年1月デビュー。ほかの著書に「贖罪の奏鳴曲」「能面検事」など多数。

ティーチングは、答えを与える受動的な指導法であるのに対して、コーチングは自身に答えを考えさせる能動的な指導法だ。

 

期待されながら行き詰まり伸び悩んでいる刑事たちの元に、警視庁本部人事二課から人員一人が送り込まれた。

その男は、巡査部長の向井光太郎という。

捜査中のミスに悩む益山瞳や有名な俳優の取り調べに苦戦する所貴之、尾行に失敗する長身の西条猛樹。

彼らに付き添い適切な助言を与え自分自身に考え判断させる向井は、なぜ人事二課に所属しているのか?

終わりにはその理由がわかってくる。

地道に経験を積み信頼され成長して、各所轄署から本部に戻り同じ班となった彼ら三人は、コーチ向井との関わりを語り合い、女子大生暴行殺害事件とともに彼の過去を探り始める。

 

第一部でコーチ向井に鍛えられた刑事たちが、第二部では、緊迫感のある事件の下、地道に行動する姿勢で解決に導きもう一気読み。

 

 <目次>

第一部 

第一章 見えない天井

第二章 取調室

第三章 尾行

第二部

第一章 現場

第二章 難航

第三章 過去

 

1963年茨城県生まれ。読売新聞社勤務のかたわら小説執筆を開始。2000年に『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞。警察小説、スポーツ小説などで多くの読者を獲得している。また海外ミステリ・ファンとしてもその名を轟かせている。著書に「刑事・鳴沢了」シリーズ、「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなどの人気シリーズがある。

紙の知識においては一流の紙鑑定士の渡部圭と、伝説のプラモデル職人でプラモデラーの土生井昇。

この二人が人の生死に関わる大掛かりな犯罪を阻止できるのか!

互いの専門知識を駆使してそれをやってのけるからおもしろい。

それぞれが自分の専門分野については右に出るものがいないほどマニアックすぎてオタクの域に至る専門家の二人の蘊蓄にどこまで魅了されるかにかかっている。

それはどういうことなのかと質問しあい、納得しあう内容が事件解決に向けて前進できる流れとなっている。だから専門知識で読者が置いてきぼりになることはない。

やりとり自体がとても興味深くて読む原動力になっている。

渡部が実際に行動して、安楽椅子探偵らしく土生井が推理力を働かせて渡部に知恵を授けて問題を解決していく展開がとてもよい。

 

1963年、東京都八王子市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。出版社勤務を経てフリーの編集者、造形家。2019年に『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』で第18回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞