※当稿が、令和7年最後の更新となります。自分自身の環境の変化で、更新が不定期になったり、更新スパンが広がったりした1年でした。来年は、大きな変化が無いこととを祈り、定期的に更新できたらと考えています。
それでは、皆さま、良いお年をお迎えくださいませ<(_ _)>
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本来ならば、特捜隊の現存作品をすべて視聴・観賞したうえで、出演された女優について書いていくべきだと思います。しかし、【スペシャルセレクションシリーズ】が発売されたことで、かつて東映chで放送された特捜隊現存作品全作をリフレイン再放送される可能性は遠のきました。
そこで不充分ながらも、【第3回再放送】【第4回再放送】【スペシャルセレクションシリーズ】を観た状態で、特別機動捜査隊・女優篇を書いていくことにしました。ただし、万が一、特捜隊現存作品全作のリフレイン再放送、新たに【スペシャルセレクションシリーズ】発売がなされたときは、それら作品視聴録を優先して、特別機動捜査隊・女優篇は一時中断することにいたしますので、その点はご了承くださいませ。
なお以下では、人物敬称略で書いていきます。
かつて、
にて、ご本人様にインタビューしたことはあるものの、これはあくまでも例外であり、おそらく自分自身の主観が中心となった原稿になると思いますので、その点も、ご了承のほどお願いいたします。
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今回取り上げる女優さんは、
◎ 万里昌代 (ばんり まさよ)
になります。

(#478 謎の女での、万里昌代)
(#693 情熱の海での、万里昌代)
万里昌代は新東宝出身、倒産後に大映に移籍、勝新太郎主演の座頭市シリーズでの好演(奇しくも、新東宝出身の天地茂も共演!)が認められ、ネームバリューがあがったことが著名で、大映退社後はフリーで映画・テレビへと出演を続けました。なお、新東宝所属初期作品には「万里昌子」名義のクレジットも見受けられ、wikiにも万里昌代の項目(1937年3月29日生まれ)が立てられています。。
そして、自分には万里昌代といえば新東宝のイメージが強い。新東宝時代には、「スター毒殺事件」(1958年、画像①)で天地茂を錯乱させる魅力を持つ役を演じ、今にして思えば、特捜隊の#632 赤い魔女は「スター毒殺事件」へのオマージュを感じさせる作品でもありました。
さらに、三原葉子と共演した、アレクサンドル・デュマの「巌窟王(モンテ・クリスト伯)」を原作とした「女巌窟王」(1960年、画像②)では、エキゾチックな雰囲気に溢れた役をこれまた好演。非常に魅かれる存在感を持つ女優さんです。
(画像①=万里昌代)
(画像②、左から三原葉子、万里昌代)
東映映画作品への出演は1967年頃から目立ち始め、その縁で、特捜隊への出演に繋がっていったのかもしれません。ところが、万里昌代の情報は特大筆されるわけでもなく、目立つところでは、元大映社員の中島けんブログ「映画が中心のブログです!」、アメブロでの「お宝映画・番組私的見聞録」で見かけられるくらいか?
かつて、「女巌窟王」共演の三原葉子(註・特捜隊には、出演歴有るも万里昌代とは未共演)が約12年前に逝去されたニュースがありました。それもあったのか、三原葉子の記事が特集され、それ以前の紹介記事も含めると、三原葉子の記事の多さは驚くべきものでした。
ならば、(逝去したとは限りませんが)三原葉子と並んで新東宝の一翼を担った女優・万里昌代にもう少しスポットライトをあてても良いような気もするのですが、これは業界内での機運を待つしかないのでしょうか。。。
このこともあり、万里昌代の姿を特捜隊【第3回再放送】【第4回再放送】で観たとき、非常に懐かしさをも感じたわけでありました。
さて、自分が観た万里昌代の特捜隊作品群は、視聴順・観賞順に以下のとおりです。
なお、「※主演格」とはエンディング表記でトップ表記されていることを指します(註・トップ表記が複数列のときは、一番上のこと)。
①【第3回再放送】
東映ch=2015年4月2日~2017年2月16日
(1) #478 謎の女 ※主演格
(本放送・1970年12月30日、脚本・小川記正、監督・天野利彦、立石班)
(2) #546 四匹の牝猫 ※主演格
(本放送・1972年4月19日、脚本・島津昇弌、監督・伊賀山正光、三船班)
(3) #564 男がつぶやく 子守唄 ※主演格
(本放送・1972年8月23日、脚本・元持栄美、上岡由呼、監督・中村経美、三船班)
(4) #590 愛の崖 ※主演格
(本放送・1973年2月21日、脚本・西沢治、監督・鈴木敏郎、三船班)
(5) #647 三船の野郎が憎い ※主演格
(本放送・1974年3月27日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦、三船班)
②【第4回再放送】
東映ch=2019年3月14日~2020年8月20日
(6) #684 十津川絶唱
(本放送・1974年12月11日、脚本・樋口静生、監督・天野利彦、三船班)
(7) #693 情熱の海 ※主演格
(本放送・1975年2月19日、脚本・元持栄美、監督・天野利彦、三船班)
③【スペシャルセレクションシリーズ】
DVD観賞=2020年12月13日~2025年7月27日のブログ更新年月日
出演回は無し
④ 未収録回・欠番回のため未見
(8) (第383回)涙を忘れた女 DVD未収録回 ・※主演格
(本放送・1969年2月26日、脚本・小川記正、監督・中村経美、立石班)
振り返ると、未見回も含め出演全8回のうち7回が主演格表示されており、堂々たるものがあります。1937年3月29日生まれですから、当時としてはトウが立ったともいえるのでしょうが、映画出身女優として脂の乗り切った時期の、32歳~38歳の出演作品群とみるのも可能です。
自分が特捜隊での万里昌代を初めて観たのが #478 謎の女で、自分の脳裏には新東宝時代の作品群がまだまだありました。冒頭、和服女性の後ろ姿が料亭に入っていくのですが、そこでは賭博が開帳されており、和服女性を演じるのが万里昌代。なまめかしい雰囲気で賭場の男性に声をかけたかと思えば(画像①)、賭場を抜け2階の一室を観察したりと(画像②)、謎の行動をとります。そのうち警察の手入れが入るとともに、万里昌代は料亭から脱出するのですが、料亭ではチンピラの岡田(東隆明)が刺殺され、その仲間とみられる大島(未詳)も料亭の外で射殺体で発見されます。
立石班は、万里昌代の存在には気づかず捜査を行なうのですが、聞きこみ先にこっそりと現われたりと(画像③)、視聴者には神出鬼没な行動を見せます。
(画像①=万里昌代)
(画像②=万里昌代)
(画像③=万里昌代)
そのうち、容疑者として井上(中原功二)がクローズアップされ、恋人・清子(中千鳥)のいる仙台にむかう井上を立石班はマークします。しかし、井上を追うのは立石班だけでなく、貞吉(大原譲二)と仲間2人(中庸介、剣持伴紀)、謎の男2人組(日恵野晃、三島一夫)、さらには万里昌代と、3グループがありました。万里昌代は、仙台に着くなり井上を尾行(画像④)。貞吉と仲間2人も同様ですが、これに旅行社員と名乗る男も絡み(天野新士、画像⑤)、ストーリーは混沌としていきます
そして、立石班も仙台に到着しますが万里昌代はこれを監視しつつ(画像⑥)、井上と接触、何やら怪しげな取引を持ちかけます(画像⑦)。そこに貞吉と仲間2人が乱入、力づくで井上から「あるもの」を奪おうとしますが、万里昌代が撃退(画像⑧)、事なきを得るも、井上は万里昌代と共闘するそぶりはみせませんでした。
(画像④=万里昌代)
(画像⑤=天野新士)
(画像⑥=万里昌代)
(画像⑦=左から中原功二、万里昌代)
(画像⑧=万里昌代)
そして、舞台は鳴子へと移るのですが(画像⑨)、井上を追う万里昌代(画像⑩)を見つけた貞吉と仲間2人は、万里昌代を気絶させ、浴槽に放置するとともに水栓を開き溺死させようと企てます(画像⑪)。そして、清子を拉致した貞吉と仲間2人は、井上に再度「あるもの」を要求、そこに謎の男2人組も現われ、果たして事件の結末はどうなるのか? 立石班はどのように動くのか? 万里昌代の運命は? 果たして万里昌代の正体は何者だったのか? これらを見どころとして、ストーリーはクライマックスへと進んでいきます。
当作のストーリーは、ひとつの動きが別の動きを誘発させるアクション篇であり、後年の傑作#562 真夏の逃亡者(本放送・1972年8月9日、脚本・横山保朗、監督・田中秀夫)を思い起こす出来であります。ただ、#562 真夏の逃亡者を超える出来かといわれれば、物足りなさがあるため?がつくのは否めませんが、当作の面白さに万里昌代の存在感が貢献したのは間違いなく、数々の場面でのアクション場面は新東宝時代の「暴力五人娘」(1959年)を思い出し、ストーリー構成も、後年の「プレイガール」(1969年4月6日~1976年3月29日)に影響を与えたともみえます。
(画像⑨=万里昌代)
(画像⑩=万里昌代)
(画像⑪=万里昌代)
また、万里昌代は、特別機動捜査隊・女優篇(2)高野ひろみ(高野ひろ美)で触れた高野ひろみと同様に、畑野刑事(宗方勝巳)との絡みが印象深い女優さんでもあります。数は少ないですが、#546 四匹の牝猫での60年代フランスギャング映画を思い起こすコケティッシュな役柄(画像⑫)、特捜隊最終出演回となる #693 情熱の海でのミステリアスな役柄(画像⑬、画像⑭)など、初見時は驚いて映像に見入ったものです。
(画像⑫=左から宗方勝巳、万里昌代)
(画像⑬=左から万里昌代、宗方勝巳)
(画像⑭=左から万里昌代、宗方勝巳)
しかし、それらよりもっと印象に残ったのは、シリアス路線とでもいうべき#564 男がつぶやく 子守唄で、キャバレーホステスの由美子という役柄を演じたことです。なお当作では、特別機動捜査隊・女優篇(5)夏海千佳子(夏海かず子、可能かず子)で触れた夏海千佳子と共演しており、#546 四匹の牝猫でも共演しています。
キャバレー池袋ハワイでの、歌手・夏子(白川奈美)の歌が流れるなか(画像⑮)、それを見つめる接客中の万里昌代(画像⑯)、離れた席では弘子(夏海千佳子)が笑いながら接客しています(画像⑰)。そんな中、店を訪れた田畑(梅津栄)は1枚の写真(画像⑱)を握りしめながら、店内の1点を見つめていました(画像⑲)。
(画像⑮=白川奈美)
(画像⑯=万里昌代)
(画像⑰=夏海千佳子)
(画像⑱=左から佐々木功、夏海千佳子、川島尊志、未詳)
(画像⑲=梅津栄)
事件は翌日、万里昌代が接客していた奥田(井上博一)が殺害され、死体が公園で発見されたことから始まります。三船班は、トルコ嬢・晴美(三好美智子)と恋人・進(堀部隆一)とが駆け落ちしようとしていたこと(画像⑳)に、奥田が関係していたことを見い出します。
さらに、奥田が万里昌代に求婚していたことにも着目、アパートに聞きこみに訪れますが、万里昌代は本気で言っているのかわからない男の小言と割り切り、相手にもしたくないようでした(画像㉑)。そこに、大家が万里昌代に電話の取次ぎに現われると急ぎの内容だったのか、聞きこみを切り上げ都下へ出かけます(画像㉒)。これを三船班は尾行するのですが、行先は親類宅で、どうやら預けていた我が子を親類が勝手に養子に出したことで、万里昌代が驚きと非難の表情になります(画像㉓)。しかし、親類にも事情があるから致し方無しと、無理に納得しようとしてもなかなか割り切れるものではありません(画像㉔)・・・。
(画像⑳=左から三好美智子、堀部隆一)
(画像㉑=万里昌代)
(画像㉒=万里昌代)
(画像㉓=左から未詳、万里昌代)
(画像㉔=万里昌代)
東京に戻った万里昌代は、食堂に夏子を誘い、酒を飲んで管を巻いています(画像㉕)が、これを石原刑事(吉田豊明)、白石刑事(白石鈴雄)が張っています。そして、夏子が用事のため席を外すと、食堂の客・寺内(佐々木功)が寄ってきて(画像㉖)、互いに酒を飲みながら話し出します。寺内は季節労働者、どうやら万里昌代と同じような境遇で、すっかり2人は意気投合しています。その後、食堂には田畑がたまたま食事に訪れますが、2人に気づくと監視体制、寺内がひとり席を立ち外へ出ていくと追跡に移ります。しかし、これを見ていた石原刑事は、田畑が無銭飲食したと見なし、これまた追跡することになりました。
(画像㉕=左から白川奈美、万里昌代)
(画像㉖=左から佐々木功、万里昌代)
どうやら、寺内と弘子は夫婦で、幼な子の一郎(川島尊志)を巡り、いろいろとあったようで、これを万里昌代は弘子に確認しますが、歯牙にもかけない素振りをとられます(画像㉗)。しかし、子を持つ親として、同じ境遇の2人を何とか結びつけたいと考える万里昌代は、寺内にお守りを渡したり(画像㉘)、2人きりで弘子と会い説得したり(画像㉙)と奔走します。果たして、寺内と弘子は和解できるのか? 一郎と再会できるのか? そして万里昌代の心境はいかに・・・、というところを見どころに、奥田殺害事件の真相も併せ、感動的なラストへと続いていきます。
当作は、謎解き、アクションとは異なり、しっとりと親と子の心情をつづるシリアスドラマといってもよく、三船主任(青木義朗)も「動」よりも「静(あるいは情)」の部分を主体としています。そして、「女」の在り方について、万里昌代、夏海千佳子、三好美智子、山口千枝、白川奈美の女優陣の役割分担も良く、特に、万里昌代を引き立てる夏海千佳子の存在感もプラスになっています。ストーリー自体は、辻褄の合わないところも見受けられるのですが、感情的には、佳作以上の部類に入っても良いようにも思えます。
(画像㉗=左から白川奈美、万里昌代、夏海千佳子)
(画像㉘=左から万里昌代、佐々木功)
(画像㉙=左から夏海千佳子、万里昌代)
以上、いろいろと述べてきましたが、硬軟とも演じられる貴重な女優のひとりが万里昌代と確信できるものです。特に、自分は新東宝時代の作品群をDVD・ビデオ・テレビ・映画と観ていたため、懐かしさとともに「女優・万里昌代」を再確認できたのは大きい。そして、新東宝時代の共演女優・三原葉子が、#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)(本放送・1977年3月23日、脚本・西沢治、監督・天野利彦)で往年とは異なる姿で登場したのを観るにつけ、万里昌代の往年とさほど変わらない姿での登場は、幻想が崩れることも無く嬉しくもありました。
しかし、その後の万里昌代の消息は、社団法人映像コンテンツ権利処理機構に、
>「七瀬ふたたび」(1979/08/06~1979/08/18)に出演された万里昌代様を
>さがしています
と2012年6月23日掲載されたこともあり、wikiでは
>1970年代半ばは故郷の横浜で餃子店を経営していた。
>1980年代以降の動静は不明である。
と記されるのみにとどまっています。
おそらくは、特捜隊最終出演回 #693 情熱の海の後は女優業の第一線を退き、餃子店経営を軸として、強いオファーがあったときのみ特別出演として映像に顔を出す程度にとどめていたというのが、wikiの趣旨だろうと考えられます。
ただ、wikiでは、従前、
>万里 昌代(ばんり まさよ、本名:英 昌代、1937年3月29日 - )
とあったのが、2023年9月19日 09:41更新記事以降は、
>万里 昌代(ばんり まさよ、本名:英 昌代、1937年3月29日 - 不明)
となっていることから、何か新しい資料があったのか、単に社団法人映像コンテンツ権利処理機構から通知があったからなのか、未確定であるものの故人となられた可能性を示唆しています。
しかしながら、個人的には、これを否定するソースが出てきてほしいのと、特捜隊座談会なるものが開催されたら出てきてもらいたい女優さんのひとりであります。。。

























































































