※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#494  娼婦の流れ唄】

 

(本放送)1971年4月21日

(再放送)2015年8月27日

(脚本)佐々木武観

(監督)天野利彦

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、山口刑事(山口暁)、

西本係長(鈴木志郎)、山崎刑事(高島新太郎)、岩井田刑事(滝川潤)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

白木マリ、千葉裕子、瀬里ナツル、中庸介、山波宏、市村昌治、下野涼子、

佐藤京一、真城千都世、増田順司、浮田左武郎、上野山功一、城所英夫、

近藤宏

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

シンガポール帰りの麻薬中毒患者が消された。

元麻薬捜査官だった三船主任は、麻薬を憎み、

単身横浜のナイトクラブに潜入、捜査を始めるのだった。

そして、そこでは、麻薬で甘い汁を吸う者と、

1度麻薬の味を覚えズルズルと泥沼に足を踏み入れていく者が、

ひしめきあい頑なに口を閉ざし、杳として手がかりは得られなかった。

折も折、別に潜入していた山崎刑事が、

その正体を見破られ、危機が迫って来るのだった。

次回の特別機動捜査隊、「娼婦の流れ唄」に御期待ください。

 

 

(備考)

 

 

(視聴録)

夜の街をさまよう女・志津(瀬里ナツル)が、屋台店主・山本平作(森野五郎)に絡んでいるところに西洋小刀が飛来、平作は死亡した。連行した志津は麻薬中毒であり、所持する写真に一緒に写っていた女の線、あるいは平作の過去の行状の線から、三船主任、山崎刑事の麻薬組織への潜入捜査が始まる。

山崎刑事は女の線から当たるが、女はあけみ(白木マリ)といい、瑞枝(真城千都世)がマダムの横浜ナイトクラブ・ロートレックで歌手をしていた。クラブには、先生と呼ばれる増本(増田順司)や出入りの爺さん(浮田左武郎)が足繁く通うが、クラブ経営者・須田(近藤宏)、部下2人(城所英夫、玉川長太)、バーテン・戸崎(山波宏)など、何やら胡散臭さも漂う。

三船主任は山崎刑事とは別ルートで、麻薬売買の線からロートレックの須田に現在服役中の橋場(上野山功一)の名を出し接近。須田は了解するものの、なぜか橋場の妹・みどり(千葉裕子)を三船主任にあてがう。

その後、橋場が出所、屋台店主殺害に端を発した事件は、大きく展開するのだった。

 

予告篇のナレーションに若干誤りがありますので、訂正も兼ねて上記のようにやや詳細に書いてみました。恒例の三船主任潜入捜査に、「#491  最後の道化師」風アレンジが加わった形で、当作は刑事アクションものとして面白い出来だったと思います。謎解きとしても、屋台店主殺害事件の実行犯(映像を見ていれば誰かは歴然とはいえ)があやふやになった点はありますが、真の黒幕にまで追及するところが当世風でしょうか。

 

また、山崎刑事と船員たち(佐藤京一、中庸介、市村昌治)との喧嘩から食堂に移るシーン、事務所で組織の裏切り者を指摘するシーン、犯罪者の逃走中に立ちはだかる三船主任と犯罪者たちの格闘シーンなど際立つ場面も見受けられ、ここ数作の天野利彦監督とは思えない作りです。特捜最前線での演出もそうでしたが、当作題材との相性がいいのかも?

また、脚本の佐々木武観も、最後に一気にまとめるやり方ではなく、今回はうまく前半・後半バランスをとっていたようです。

 

瑞枝役の真城千都世、このひとは市川雷蔵主演の「薄桜記」に出演、主人を想う若嫁を演じたのが記憶に残ります。松竹歌劇団から大映に移りました。どことなく、三田登喜子に似ているような似ていないような・・・。まだ現役で、舞台、朗読劇を中心に活動とのことです。

また、みどり役の千葉裕子も、当作ではなんともない役柄ですが印象的に演じてくれました。ブランクがありましたが、1970年代後半から再活躍、2007年くらいまでテレビ出演歴がありますが、タレントデータベースには画像・経歴なども残っているので、まだ現役でやられているのだと思います。ちなみに、こちらも松竹歌劇団出身とのことです。

 

(2017年11月25日、全面追加)