本日、サントリーホールのコンサートを観た。

ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
フルシャ/都響、Vn 五明佳廉

という、素晴らしいプログラム。

この曲は、個人的に思い入れがあり、あちこちで良く聞いたが、

本日聞いた演奏は、突出して素晴らしかった。

指揮するフルシャは,出身地でもある地元のチェコフィルの
首席客演指揮者だが、来シーズンから英ロイヤルオペラの
音楽監督に就任するから、現代最高の指揮者の一人である。

そして、都響。日本ではN響と並ぶ最高のオケだろう。
コンマスは久しぶりの矢部くんで、いう事なし。

一糸乱れぬオケ、力の入った素晴らしい指揮。
五明佳廉の、愛用の1703年製のストッド「Ex Foulis」による圧巻の演奏。

日本で,こんなレベルの高い、素晴らしい演奏を聴けるとは。

感動して涙が出た。

でも、ここでの主題はそれではない。

サントリーホールだ。

このホールは、永穂先生が手掛けた最高傑作だ。

ワインヤード形式の名ホールであり、

これほど音響が良いホールは、世界でもそう多くはない。

そのホールをあらためて観察すると、音響が3階建てになっている。

おぅ、これは、Auro-3Dと同じではないか。

1Fは、人工大理石のような材質で、直線的な塀のように平面性が高い。

だから特に拡散や吸収することはないはずだ。

鏡のように音は反射する。


高さでいうと、演奏者の頭から下くらいの高さが1Fとなっている。

そこから上の2Fは、木材で構成されており、三角錐のヒダで拡散される。


この木材は、ウィスキーの樽につかわれるホワイトオーク。

さすがサントリー。


3Fは天井であり、白い色の材質。

内側に凸にわん曲していて、音を拡散させる。

材質はたぶん軽量発砲コンクリートだと思う。
吸音も期待で、音響的にも良いから。

0Fに相当するグランドフロアと椅子はオークが使われ、響きが
コントロールされている。

サントリーホールは、

0F 1F 2F 3Fの素材は、すべて異なるわけだ。

高さ方向(z軸)だけではなくy軸に相当する列 
正面のステージと、背面の入口の形態も素材も異なる。

唯一、ホールの座席行だけは、左右対象性があるから、

Sbとか、Fhとか、それぞれ対となるSP 2chが同じSPであればよい事になる。

これを見て、僕はAuro-3Dに用いるSPは、

「全ch同一である必要はない、1Fと2Fは似た音である必要もない」

のではないかと思った。

この世に、どの面も同じ材質で同じ響きで拡散させるホールなんてあるのか?

あるはずはない。

どのみち、録音するホールでさえ、面によって音が異なるのだ。

いや、武道館とか、国技館とか、プラネタリウムであれば、
どの面も同じ響きかもしれないが、例外的だろう。

ならば、再生するSPだって、それぞれに設置面によって、
SPが異なったところで、問題ないはずだ。

そう思った次第である。

ところで、全SPを同じものでそろえるのは、小型SPを
使えば簡単だ。

実際、NHKに行けば必ず体験できる22chのデモとか、
Auro-3Dであれば、Genelic Japanでも
小型SPの環境が構築しており、誰でも視聴できる。

僕も体験したが、小型SPでの再生は、リアリティがなく、
ダイナミクスにだいぶ劣る。

再生スケールが小さく,せいぜい、50インチTVまでが限界で、
スクリーンが大きいと画像に負ける。

はっきり言って音がしょぼいのだ。

sonyの360°リアリティを使ったヘッドホン再生の方が
「遥かに」優れているように思う。

僕が、部屋に設置する17chものSPを、同じSPで
そろえることができない言い訳でもある。

しかし、同じSPでそろえることがどれだけ意味があるか
に対する反論でもあるのだ。
 


スピーカーのマルチチャネル配置で必ず
出てくる言葉に、ITU-Rというものがある。

正確には、ITU勧告ITU-R BS.775-1 というようだ。

そもそも、勧告だって。 

おそらく英語を知らない人が誤訳したのだと思う。

翻訳がいかにもまずい。

勧告というと、忠告、警告という意味合いがある言葉である。

勧告とは、日本ではこんな時につかう。

離党勧告
停船勧告
違反勧告

つまり、上から目線の命令、と捉えるべき言葉である。

言語はRecommendationだから、推奨、と考える方が適切だろう。

このように、そもそも訳からしていいかげんなので、
中身もいい加減ではないかと思った。

内容は、めんどくさいので図はわざわざ掲載しないが、
これを、自社開発の都合の良い方式に合わせて、各社各様、
勝手に方言を出している。

ATMOS(dtsと同じ)
SACD
Auro-3D

日本人の英語は、日本語なまりの英語であり、
それでも立派に通じるのだ。

そこで、方言のおすすめ。

一般社団法人 日本オーディオ協会が発表している、スピーカー配列を
アレンジした調査がある。

https://www.jas-audio.or.jp/network-hometheater/itu-r-speaker

これはおもしろい。

こんなことが書いてある。

一言でまとめるとこうだ。

「あれこれ、スピーカー配列を変えてみて、82サンプルの調査結果
を得た。悪化するケース、変化がわからないケースがある」

 

結果だけ、僕のことばで意訳するとこうなる。

「リアスピーカーは、少し高い位置でも、どうせわからないので問題ない。
また、Frと10%程度距離がずれても問題はない。
ただし、真横に置くと臨場感が低下する。

センタースピーカーは、20°以内であれば、

どうせわからないので問題ない


これを参考に、自分でもやってみて、自分の耳を信じてアレンジすると、
設置自由度が上がるはずだ。

自分の装置なのだ。自由に使ってよいのである。

と、今まではそう思い込んでいた。

Aurp-3Dだけは、どうも違う。

正しい配置で一度試してみると、やっぱり、正しい配置が
良い結果をもたらしている。

完全に準拠するのは不可能なのだけれど。

最後は、英語はクィーンズを学べということか。

今回は、DVDaudio(trueHD96k 5.1ch)で出ている盤を聞く

アリスクーパーが1973年に出し作品だ。

この時代、glamorous Rock(グラムロック)というジャンルがあった。

 ハデなメイクをして衣装もキラキラ。聖飢魔Ⅱとかキッスを想像すると、
メイクや衣装はわかりやすいと思う。

代表的なミュージシャンは、Tレックス、シルバーヘッド、デビッドボウイだ。
米国ではアリスクーパーしか頭に浮かばない。

こうしたアーティストたちは、中身がないかというと大間違い。

どのバンドも、素晴らしい音楽性であった。

アリスクーパーの場合、さらに首に蛇をまいて登場していたというから、
とにかくすごいのだ。

さて、このアルバム、ロック アルバム番付というものが仮にあったら、

3役クラスには入っているはずの、ものすごい名盤だ。

LPレコードでは、変形ジャケではないが、アリスクーパーの写真や
お札のポスターなどが入っていた。



DVDでは、当然にポスターなんて付録しない。

プラスチックケースに入っているだけで、なんともつまらない。

 

さっそく3曲ほどピックして聞いてみる。

Billion dollar babiesは、ボーカル、ギターが時折サラウンドchに出現するが、
本来はもっとシンプルに聞くべき曲である。

fレンジは、スペアナで見るかぎり、十分に広い。

でも、LPで聞いても似たようなものである。

 

frontRch(DVD-A)

 

でも、実際に聞くと、ドラムスやベースの低音の重さが不足していて物足りない。

スーパーウーハーが目に見えてブルブル震えるほどにmixしてほしかった。
 

unfinished sweetは、このアルバムでは唯一、サラウンド感がある。
右側のサラウンドchで擬音が浮かんで、なんだか耳がかゆくなる感じがあって堪能できた。

 

DVD-A SR Rch

なんと50Hzまで伸びている。

 

no more Mr.nice guyでは、ほとんどサラウン感がないmixとなっている。
時々のハーモニー音声では、サラウンドchで出しているが、音量が控えめ

でもあるし、前方に定位しているボーカルを邪魔するしで、

特に意味を感じない。
 

全体を通して、5.1chストレートに聞くのが良く、もとの2chのものよりは

多少は良い程度。

 

オリジナルマスターテープを駆使して力を入れてマスタリングしたもの

ではない感じである。

 

なぜ、わざわざDVD-Aで出したんだろう。

もしかすると、ライブ映像付をエサに売りたかっただけではなかろうか。

 

unfinished sweetだけは、イマーシブ感があったが、特に傑作と言える曲でもない。

他の曲は5.1化の価値を見出せなかった。

 

Auromaticで13.1ch化しても、5.1chと大きな変化はない。
 

イマーシブ感 ★★★ (DVD-A dolby true HD 96k5.1ch)
イマーシブ感 ★★★☆(DVD-AをAuromaticにて13.1chに拡張)
オリジナルソースのステレオ感 ★★☆

 

KORGが、live extreamを行っている。

特に、6月にすでに収録したNHKホールのイベントを8月16日から有料配信される。
上原ひろみも登場する。Auro-3Dのフルch(13.1ch)でも配信されるという。

ここからが、問題。

Auro-3Dで受信するには、難題が待ち構えている。

配信シグナルは、PCM7.1chであり、その中にAuro-3Dの信号を入れ込んでいるのだが、なかなか、13.1chでの再生にたどり着かないのだ。

原因は5つある。

1つめ、配信側が指示するPC環境設定。
Korgのサイトには、設定方法が書いている。
https://www.live-extreme.net/auro3d-win

windows10での設定なので、windows11とは異なる。

この説明だけで、いっぱつで再生できる人は半数程度と思う。

あとの半数は、脱落するか、
迷路に入るか、
どちらかである。

脱落したら、この配信サービスとは無縁になるだけだ。
(このサービスが破綻すると残念なので、わざわざ解決方法を文字に起こしたのだ)

迷路に入ると、次々に問題が出てくる。

2つめ、アンプの操作
 Auro-3Dのシグナルは、dtsという殻の中に入っているものと思っていたのだが、
これはBDの場合であって、配信はdtsの殻は使えないらしく、PCMの殻に入れる。
今回初めて知った。

これは重要な情報で、したがって、それを理解してアンプを操作する必要がある。
でも、どこにも書いていない。

僕の場合は、DENONだが、メーカーのサポートセンターに聞いても、
PCM信号の中にAuro-3Dが入っていても再生できない、
と返事された。

3つめ、当事社からの無責任ある回答
 Korgに、(これこれをやってもdenonでは再生できないが)と報告をしても、
Korgではマランツで動作確認しているので、DENON固有の問題である、と
返事されて、一蹴されて終わった。 

 この配信が失敗して困るのは、DENONではなくKORGなんですけどー。


4つめ、個人のPCスキル
 パソコンを特殊な設定で使う以上、問題解決にはハイレベルな知識は必須である。
今回、あれこれ合計5台ものPCと3つのグラフィックスボードを試した。

こんなことをやらされるとはトホホ。めちゃくちゃな迷路である。

 

5つめ、Goalがどこにあるか

 Auro-3Dは、どのような音声であれ、Auro-3Dに変換して13.1chで再生するという

Auromaticと呼ばれる凄い技術がある。

 これもまた、Auro-3Dだ。ネイティブなAuro-3D信号を再生した時も同じAuro-3D

である。

 両者の区別を行えないと、正解にたどり着かない。PCMをAuromaticで13.1ch化したものを、

(真のAuro-3Dとまちがえて)そのまま聞いてしまう可能性があるのだ。

 

 本物のフランス料理の写真と、ロウ細工で作った写真の区別が難しいことと似ている。
AVアンプ側で何を表示させたらGoal(Auro-3Dのネイティブ13.1chデコード)か,これは重要だ。

 

 so what ?

 

結局、僕自身いろいろ試してAuro-3D友の会の(素晴らしいメンバーの)知恵も借りて

解決に至ったので、せっかくなので、ここに記録しておきたい。


1 PCの環境

正しいAuro-3Dでの受信は、KorgのPC環境に加えて、以下を注意すること。

(1) ディスプレイ解像度は2k以下にする
  安いnotePCが良い。
 4kが常識のdesktopではうまくいかなかった。
  ということは、この配信では4k動画はAuro-3Dで受けられないのではないか。

(2) 高級なグラボはだめ
 高級なグラボをDENONに直接HDMIでつなげると、アンプの出力解像度がVGA(640x480)に落ちる。
その瞬間、すべての操作が画面からできなくなる。
Nvideaでいうと、RTX40シリーズ、30シリーズはだめだった。

理由は不明。
(DENONなんて、しらねーぜ。怪しいからVGAにしておくぜ)
とグラボ側が思うのかもしれない。

2 HDMIケーブルの長さ
 ケーブルは、HDMI 2.1対応だけではダメ、1mのものは皆失敗した。80cm以下で成功

3 アンプ側のHDMI入力にも依存する(かも)
我が家では、HDMIportによって結果が異なった。
 DENON AVC-A1Hでは 背面向かって右(No7)から試して右から4番目(ちょうど真ん中のport)
 Game1で成功。アースから一番近いのかもしれない。


4 アンプの操作。最初はPCMで受ける
DENONのアンプでは仕様上portごとに前回のフォーマットを覚えている。
それはリモコンの赤ボタンで変更できるが、最初からAuro-3Dにしておくと

PCMの殻からAuro-3Dの信号を取り出せない。

 だから、まずは、stereo (あるいはPCM multi)で受けてPCMの入力で音が出る

ことを確認したうえで、あらためて赤ボタンでAuro-3Dに変更すると、

Auro3Dの信号を認識できた。
これを知らないと、永久にAuro-3D 13.1chに到達できない。

5 Goal 

 AuromaticとネイティブAuro-3Dの区別は、明確にできる。

input信号の情報をみるのだ。デノンマランツであれば、リモコンのinfo、本体のstatus

でわかる。

こんな具合に情報が出る。

 

 

Goalは、これ

input信号にAuro-3D/PCMと出ること (左上のピンク枠)

input信号のch数が13.1chであること(左下のピンク枠)

 

input信号にAuro-3Dの文字がないと、まだ道途中である。

でも、PCMとだけ出る場合でもGoalは間近だ。

4に戻ってトライすると解決する可能性が高い。

 

                      *    *    *
メーカーや配信会社も、このくらいまでブレイクダウンしてくれると、
客としてはありがたいのだが。
 

いま、Euro2024なる欧州選手権(国別対抗戦)が独で開催されている。
僕も先ほどまで、イタリアvsクロアチアの試合をみていた。

その内容もすばらしかったが、大画面で見た人も多いだろう。

音声をAuro-3Dで再生するとさらに良いのだ。
 

ブラウザでパソコンを使ってみる人も多いと思うが、僕はアマゾンスティックを
つかってプロジェクターで見ている。
やはり大きなスクリーンに映写してみると試合が手に取るようにわかり面白い。

この一連の試合はwowwowですべて生中継されていて、

その場の音だけが2chステレオで配信されている。

(解説は特につかないが、ダイジェストでは英語でついている)

これを、アトモスとか、AVアンプ各社が持つ適当なサラウンドモード

(スタジアム、とか、アトモスとか、なんでもよい)を使うと空間の

広がりが出て、臨場感に囲まれてさらに良い。

ところで、一部の、これぞ、という試合だけは日本のスタジオから特別に解説も入る。
選手ひとりひとりの紹介があったり、所属チームの情報とか、過去の記録などの説明
があって大変に助かる。
 

でも、この音声が入る時にサラウンドをかけると、せっかくの解説音声が聞き取れなくなる。

ステレオではセンターに位置した日本語が、サラウンド音声となって音声の音量が
相対的に下がるうえにお風呂の中でしゃべる感じで再生されるので、言葉が聞き
取れないのだ。

ドルビーアトモスとか、dtsのいくつかのモードにしてもこの欠点は解消されない。

ところが、Auro-3Dにすると一発で解決する。

Auromaticなる、疑似サラウンド化技術が、他社比で飛びぬけて素晴らしいのだ。

日本語音声はセンターにビシッと定位し、日本語の発音もクリアに浮かぶ。
誰から誰にパスがいって、、、とかいう説明も助かる。

臨場感あるスタジオの雰囲気は、サラウンドチャネルから響き、試合は盛り上がる。

僕がAuro-3Dを導入して最もよかったと思うのは、映画でも音楽でもなく、
スポーツ観戦である。

7月からオリンピックが始まる。

大相撲7月場所もある。

そのうち、欧州CLもまた始まるが、サラウンドで聞くアンセムは格別だ。
 

野球も大きなスクリーンで、イマーシブ化した音声でみると素晴らしい。

Auro-3Dは、スポーツを見るには最適な再生方法なのである。

サッカーファンは、いや、スポーツファンは、Auro-3Dを導入せよ。
 

いま、センタースピーカーをどうしようか、あれこれ頭で考えている。

いまのセンタースピーカーはしょぼいので、交換したいのだ。

いまの考えでは、ラインアレイを取り入れたい。

それを説明する。

普通のスピーカーは、(例えば)10m先では点に見えるので、点音源という。

音は、球面状で伝搬してゆく。

この絵のような感じだ。

 

点音源だと、球面形、つまり四方八方に音が飛び散る。
当然壁に反射するので、1次反射の影響を大きく受ける。

波の干渉が多々発生し、明瞭度が下がる。

この一次反射の影響を極力ないように音源をいじって調整するのが、
ルームコレクション技術である。

 

距離が倍になると、伝わる最先端の面、その表面積が4倍になる。

100インチのプロジェクターの投射距離を倍にすると
200インチに拡大されるが、その時、表面積は4倍になり、
単位面積当たりの光の量は1/4になるのと同じ考えだ。

倍の距離における単位面積のエネルギーは1/4になるのだ。

音量としては-6dBになる(-3dBではない)。

これに対し、ラインアレイのスピーカーは、多数のスピーカーを縦に
並べて、同じ音を出す。

主に業務用のPAスピーカーで使われているが、

ハイエンドオーディオでも数は少ないが作品はある。

ただちに思い浮かぶのは、チェロのStrad Grand Masterや
インフィニティのIRS Vだ。マッキントッシュもXRT290(だと思う)があった。

音は点ではなく線を構成し、円筒状に音は進む。
 

こんな感じ



この時、音は直進し、上下には(あまり)進まないので、一次反射は(あまり)しない。


距離による減衰は点音源の半分で済む。

この配列が意味をもつのは、L/R/C、特にCだと思う。

 

LRが出す音に対して、無駄に干渉しないように、アレイスピーカーにすると
よい気がするのだ。


ラインアレイに関しては、数値解析が進んでいて、文献も多い。

アレイスピーカーは、理論的には、ユニット数は多いほど良い。

そして、長さも長いほど遠くまで円筒効果が及ぶ。

スピーカー間隔も、一定の計算で設計するようだが、

スピーカー口径は小さいほど良い。

10cm口径では大きい。

かといって、ヴォーカル音域を再生するのだから、一定の低域も
再生する必要があり、5cm-8cmあたりの口径になるだろう。

先ほど挙げた、ハイエンドオーディオのラインアレイSPはいずれもディスコンである。
もうない。

仮にあったとしても、大型すぎて部屋には迎え入れできない。

 

AVマルチチャネルに使えるラインアレイスピーカーを探しているが、

なぜか見たことがない。

 

自作か、何か適当なものをいくつか縦に並べて、ラインアレイもどきに仕立てて、

試験的に、ぜひ試してみたいと思っている。

 

マルチチャンネルを構成するスピーカーは、フロントは、LRのほかに、
もう1本、センターというやっかいな存在がある。

リスニングポイントを1点決めて「その位置で必ず」聞く
(このとき、
リスナーは1人に限定される)ばあいに限り、センタースピーカーは必要ない。

センターchは、AVアンプがフロントL/R chに振り分けてくれるので、
なくても問題ない。

しかし、2人以上で聞く場合は、センターSPは必要になる。

2人で映画を見ても中抜けがない音を作るためだ。
 

映画のばあい、一人で見る場合でも、あった方が良い。
センターchがないと、なんとなく、左右の音の移動が不自然なのだ。

ここで問題が発生する。

スクリーンを使う限り、スクリーンの前にセンタースピーカーを置くことは
難しい。

がんばってスクリーンより手前に上下に置く方法はあるけれど、
そんな設置はちょっと考えれば棄却される。

スクリーン手前というのは、普通の部屋では歩く場所であり、不用意に
床にSPなんて設置したら足元が暗い中での部屋の移動に邪魔だ。

では、スクリーンと同じ水平面に上下に置くとどうか。

僕は今、その設置でごまかしている。
Auro-3Dを導入していなかった段階では、これが最適解である。

でも、これではAuro-3Dが要求する設置条件に合致しない。

その条件とはなにか。

1 センタースピーカーは、耳の高さにそろえる。
 Auro-3Dでは、耳より上の高さにスクリーンを設置するという絵が描いてる。
聞く時はこれでよい。


見る時は、こんな感じになるはずだ。


これはやってみればわかるが、つらい

2時間の映画鑑賞後は頚椎のがずれて、首痛を起こす。

毎日こんなことをすると、正常な生活ができなくなる。
 

北欧にはサウナがあるから、毎日サウナに入ると済むのかもしれない。

2 センタースピーカーは、LPから等距離とする
フロントスピーカーを3.5mという適正な距離を保てるばあい、センター
スピーカーも3.5mの距離をとる。しかし、良いスピーカーは、必ず奥行も深い。

この状態を絵にするとこうなる。


 

このとき、スクリーンの横幅は円の半径3.5mと一致する。
 

LRのスピーカーの奥行きが邪魔をして、スクリーンサイズがしょぼくなるのだ。

3.5mの幅はスクリーンの物理サイズなので、実際のスクリーンはもう一回り小さい。

この幅を確保できるということは広い部屋だが、140インチくらいがmaxになる。

かつ、1の条件により、140インチを入れると天井高は3.5m必要になる。

仮に一般的な部屋の2.5m程度しかない部屋では、どんなに部屋が広くても、

100インチ程度が限界サイズとなる。

サウンドをとるか。
ビジョンをとるか。

常人はビジョンを優先するかな。


3 センタースピーカーとセンターハイトSPの仰角は30°を確保すること

これは、スクリーンの高さ1に対して、LPまでの距離は√3=1.73になることを示す。

 

センタースピーカーまで1.73mの距離をとるとき、センターハイトまでは2mの距離になる。

これは小学生でもわかる話だ。
 

あれ、センターSPとセンターハイトは、LPから等距離にならないじゃないか。

結局、非現実的な基準をユーザに押し付けて平気でいるのだから、
どうでもよいルールである、と解釈したい。

普通に考えると、耳から等距離に全SPを配置するのが理想なので、この際、センタースピーカーを無視して
このセンターハイトをLRと等距離に置くのが良いのではないだろうか。

1-3の条件を極力満たすべく、いろいろ考えたところ、良い解があることがわかった。

床があるから、限界がある。

そこで、堀ごたつを作り、その穴にすっぽり入って、聞く。


せっかくだから、お風呂にもしよう。

こんな絵になる。





そう、豪華客船のデッキで、ジャクジーに入って観て聴くのに、Auro-3Dは適しているのである。

 

 

アランパーソンズプロジェクトとしては4thアルバム。

1stを例外的な作品とすると、2枚目のアイロボットから、
ポップな作りとなっているが、これも同じ路線上にある。

まずジャケットが素晴らしい。
アルバムアートもヒプノシスの手によるものだ。

表ジャケはこのblogのトップにいれている。

裏はこんな感じ。


LPでは見開きのジャケで、内側にはアランパーソンズが顔を出している。

全体を通して曲も良くできている。

美しいプログレ風味のメロディ、シンセやオケを効果的に利用した
完成度の高さ。

 特に最後の曲 、
if I could change your mind
は、アランパーソンズプロジェクトとしては珍しく女性ボーカルが歌う。
歌い手はLesley Duncan。

彼女は、名作狂気でThe Great Gig In The Skyのバックコーラスを
務めた人でもある。

  Duncanは、このEVEのレコーディングを最後に、公のレコーディング
から姿を消している。好きな声だったので、残念だ。

ところで、アランパーソンズプロジェクトの作品は、ATMOSや5.1chが入る
BDのbox、はたまたLPなどで再発されている。

お約束のように初回プレス限定なので、結構高価にもかかわらず、すでに
入手できなくなっていることもある。

なるべく手に入るものは僕も買い求めているのだが、アランパーソンに限らず、
買ってよかった、と思うことは、ほぼない。

5.1chを聞いて、新しい発見は多少あるものの、感動がないのだ。

感性の問題なので人それぞれに異なるものだろうが、
たとえば、真横から音が槍のように刺さってくるのはおもしろいとは
思うが、そんなものは、本来の音楽とは無縁だし当初からの意図なんて
なく、特に感動はない。

その点、最初からマルチチャネルを意図して制作されたであろうピンク
フロイドあたりとは全く異なる。

そもそも、CDを良いステレオ、つまり正しく2chで聞く限り、2chだけで
音場はきちんと提示される。

せっかくキチンと再生されている2chと比べると、大半の5.1ch盤は、
1枚を通して音楽として楽しめるレベルに到達していない。

マルチchはあくまでもおまけ、トッピングオプション的なものだ、と思う。

とはいえ、せっかくAuromaticで聞ける環境をもっているので、
ここでは、無理無理13.3chに拡張してDuncakの歌をきいてみる。

もとのフロントchは、このように十分にレンジは広く、ロックとしては最上級の
録音だと思う。

13,1chでのオーケストレーションの効果音は、サラウンドとして部屋全体を
ふわっと包む。

でも、肝心の声が盛大にリバーブがかかる。
リバーブがかかりすぎて、歌詞も聞き取りづらい。

しかも、デパートの迷子のアナウンスのようにあちこちのSPから
響くものだから、気持ちが悪い。

1曲を通しては聞き続けられなくなったので、途中修了。
これは普通に2chステレオで聞くのが正解だ。

AuromaticによるLPの視聴
イマーシブ感 ★★
オリジナルソースのステレオ感 ★★★★☆

グルダは、クラシックの特にモーツァルトやベートーベン弾きとして

知られている名ピアニストだ。

 

このWingsという作品は、LP片面全部をつかう18分を超える
オリジナル大作で、バイオリン、クラビール、ドラムス、
声楽まで入っている。

 彼は、ジャズやロックなども好んで演奏する人で、
モーツァルトを弾くコンサートのあとにジャズの
ライブハウスに登場したこともあるようだ。

とりわけjazzは録音も多く、バードランドなどライブハウスでの
録音も多い。

 チックコリアとのピアノの競演でもLDを残しているので、見たことある人も

けっこういると思う。

 

ロックでは、あまり録音は残っていないが、ドアーズのハートに火を
つけて、を好んで即興のベースにしていた。

彼は、LPでの録音は多々あるのだが、いかんせん、あまり売れる人
でもないので、CD化は一部しかできていない。

とても残念だが、映像はBDでは出ていない。

ましてや、マニアックな現代曲やジャズともなると、BDどころか、

CD化されていないソースも多く、必然的にLPに頼ることになる。

この作品は、たまたまCD化されているので、

今回は、これを2chとAuromaticで聞く。

 

まずステレオで聞くと、ピアノはon過ぎるほどのオンマイクで、
バックの演奏はoff すぎるほどのオフマイクで収録したことがよくわかる。
 一応ステレオなので、サウンドステージは提示されるが、
定位は甘く、バックはおまけでいる感じがある。
ミキシング時のバランスは不自然だ。
 

周波数レンジは、非常に狭い

それを、Auromatic 13.3chで再生してみた。

全体的な音の感じは、2chとほぼ変わらない。

しかし、バックの演奏は少し遠くに行き、ピアノも
いくぶんサウンドステージの後ろに下がる。

サウンドステージ全体を濁らせるので、ピアノとピアノ以外の区別は、
改善される。

つまり、2chの再生よりも自然に聞こえる。

ライブなので、会場の音も入っているはずだが、臨場感がない点は同じ。

会場の音は、最初と最後の拍手程度を除いて、ミキシング時に
控えめな音量までカットされていると思う。


Auromaticでイマーシブ感が増幅されるわけではないので、2chで聞く方が
グルダの演奏は楽しめる。

音楽的な話であるが、これを最初に聞いた時は腰を抜かした。

NHKの、午後のFMで聞いたのが最初だ。

その音源を求めて、FM誌の該当番組を切り取って、あらゆるレコード屋を
探したものだったが、売っていなかった。

欧州でも、何度もトライしたが、どこにも売っていない。

でも、ひょうんなことから買ったLP boxにたまたま入っていた。

いまだと、CDでは手に入る。

ルネサンス、ムーディ・ブルース、ラッテ・エ・ミエーレなどの
シンフォニックロックが好きな人には大変にお勧めしたい。

というより、全てのプログレ好きに聞いていただきたい、
素晴らしい作品なのである。

音楽作品としては★5つである。

でも、イマーシブという観点から見るとお勧めできない。

イマーシブ感 ☆
オリジナルソースのステレオ感 ☆

前回のblogで、Auro3Dさんからコメントをいただいた。

この凄い空間を音で満たすための条件を考えよ、ということであった。

音、というのは、音が作る場(ば)のことだ。
界(かい)ともいう。
英語ではfieldで通じる。

したがって、音場は、おんば、と読むべきなのである。

さて、fieldは、物理学では、理論的に計算できる。

ガウスの発散定理として知られている。


最もよく使うのは、空間の1点(Aとしよう)電荷が存在するときの、
電界の計算だ。

これによると、点Aから距離rが離れると、
電荷Qが点であった場合、Qが作る電界Eは 球面で広がり
強さはr^2に反比例して弱くなる。

電荷Qが線であった場合、Qが作る電界Eは
円筒面で広がり rに反比例して弱くなる。

電荷Qが面であった場合、Qが作る電界Eは
平面で伝わり、距離に限らず一定となる。

音も同じである。

たとえば、空間の1点にスピーカーが存在するとき、
その量や形状で、そのスピーカーが出す音は、
計算することができる。

スピーカーが小さな点を見なせるばあい、音圧は1/(距離^2) に比例して弱くなる。
スピーカーが一つの線としてみなせる場合、音圧は1/距離 に比例して弱くなる。
スピーカーが一つの面としてみなせる場合、音圧は距離とは関係なく一定となる。

ただし、音源が面を構成することはない。

仮にあるとしたら、一つの壁全体が振動板となって音を出す
面となるが、これでは複数の音源を設置できず、実現不可能だ。

次に、点音源であるが、
点として見えるような小ささの発音体ということになる。
10cmシングルコーンの小型スピーカーが典型的になる。

この音源で何mもの距離を置いて音を鳴らすと、低音は
まるで出ないので、オーディオ用としては使い物にならない。

しかし、スピーカーユニットが1つだけであるため、位相は正確に
再生される。

このメリットを生かすために、超近距離で聞く方法がある。

10cmが面とみなせる距離で聞くのだ。

たとえば1cmの距離で聞くと、理想になる。

そう、ヘッドホンである。

ヘッドホンは、ひとつの解になるのだ。

大きな部屋で、大きなスクリーンで、ヘッドホンで聞く。

SONYの、360 Reality Audioは、ヘッドホンやカーステ向けの
サラウンドフォーマットだが、オーディオに理想的なものだ。

いまはAuro-3Dに対応したヘッドホンは存在しないが、
そうしたものが出てくると、理想の音が再生できる。

まぁ、しかし、それではセコいので、次点の解決として、
線音源を設置することになる。

背の高いスピーカーは、線音源となる。

音圧は円筒の場を作りながら拡散、つまり音が広がる。

これが、Auro3Dさんの質問に答えるための前置きである。

疲れたので、続きはまた別の日に。