マルチチャンネルSP 入れ替え計画 11 Rh問題


マルチch SPで、自分なりに問題を発見し、多くの問題を解消できた。

まず、セッティングの場所で、音場の正確な再生を、一定程度確保できた。
2層 5.1chのリプレースで、音色の統一感を確保できた。

だけれど、ゴールにはたどり着いていない。


しっくりこない理由を、もう少し明確化するために、いろいろ試してみると、大きな要素が見えてきた。

前回のブログで掲載したグラフに答えがあった。

Rhが、我が家でのマルチchにおける、ボトルネックであったのだ。

このグラフでは、フロントよりも音量が出るチャネルは、サラウンド、サラウンドバック、リアハイが際立つことがわかったのだが、


もっと多くのケースで、
フロント2chがかなりの音量を出すシーンに限定して、他のチャネルのスペクトラムを測定したところ、一番最初に限界の音量に達するのは、Rh(リアハイ、サラウンドchの真上)のスピーカーだ。

心配していたセンターは、全然余裕なのである。

これは意外であった。

結局、せっかく買いそろえたKEFであるが、音色がどうしても合わないので、取り外した。

代えて、パイオニアの同軸ユニットだけのスピーカーに代えたところ、音色の統一感は解決した。

でも、リアハイが、音量が大きい時についてゆけない。

なんと、フロントchより 数dBは大きな音を要求されるのである。

その瞬間のスペクトラムを見ると、中心周波数は200Hz以上である。

当然、もっと低い音も入るので、200Hz以下をLFEに担当させると振幅は楽になる。

その分を担当するスーパーウーハは、持ちこたえられるか?

デノンのAVアンプのマニュアルを見ると、リアハイの低音は、後方のサブウーハ1台が担当する。


でかい音量を入れて、音圧が出るか、スーパーウーハを試してみる。

あらら、まったく問題ない。ひと安心。
 

では、さっそく、Rhのクロスオーバーを最適化する。

このスピーカーの最大音量の状態を聞く。

 

当然に、アンプの最大出力を超えていないことも確認しないと、アンプのせいでSPが壊れる。

 

音量とSP能率からアンプの出力は逆算できるので、余裕があるかどうかは、事前に計算できる。

よし、大幅に余裕があるので大丈夫だ。

 

アンプの余裕があっても、SPは限界音量で動くので、この状態を長続きさせると、SPが壊れる。

 

注意しながら、200Hzから、少しずつ下げてゆく。

なるべく短時間だけ聞いて、音が歪まない事を確認し、しばらくしてから、また、もう少し下げてみる。

しばらくしてから、というのは、耳の保護と、スピーカーの熱を冷ます、という両方の保護のためだ。

辛抱強く、これをくりかえす。

歪まない範囲でなるべくクロスオーバーを下げるのである。

最適なクロスオーバを設定すると、100Hzもしくは120Hz。

デノンのアンプでは、100Hz以下は10Hz刻みだが、100Hz以上は刻みがもっとラフになるので、
110Hzという設定はできない。

ピュアオーディオ機材ではないので仕方ない。

とはいえ、瞬間であれば、100dB位まで出せることがわかった。

チューニングしないKEFでは、せいぜい90dBであったので、10dB程度は稼げたことになる。

機材を壊すので、なんどもできることではない。

これで良し、にしよう。

 

前回は、マルチch(昨日はAuro-3D)における、各chの、ソースに入っているピークのスペクトラムをupした。
前回の資料を、わかりやすく、平滑化した曲線で、かつ、すべてのchを、自分の備忘録として一枚のグラフにしたものがこれだ。



これをみると、Rh Sb Cの各チャネルは、100-200Hzの再生能力を特に求められていることがわかる。
僕のシステムでは、前方2本、後方1本の3本のサブウーハがあり、近傍のサラウンドスピーカーの低域も担当する方向性onの設定をしているが、この特性を見ながら、手動で各スピーカーごとに、クロスオーバー周波数をそれぞれ最適化している。

こうした細かな作業によって、小型SPで頑張っているサラウンドチャネル群の低域における分担を減らすことができるので、再生系全体としての、最大再生音量を極大化できるのである。

具体的には、13chそれぞれを
F
C
Sr
SB
FW
Fh
Rg
TM
Ch
Ts

という系統にわけて、最大音量でも担当チャネルの低域が確保できるよう、音圧計とスペアナを観ながら、クロスオーバーをチューニングする。

 

音圧が確保でき、かつクロスオーバーが低い、という2つの矛盾する要素を最適化するものである。

音の方向性は、100Hz以下ではわかりずらいとされているが、人によって感じ方が異なるので、事前に、自分の耳で、何Hzまでは方向感を感じるか、テストしておくとよい、その周波数以下がクロスオーバの目標値と一致する。僕の場合は、80Hzを目標にした。

このチューニングを行うと,音質の破綻なしで最大音量を6dB程度、上昇させることができる。

だからとても重要な作業なのだが、AVアンプにオマケでついているマイクを使った自動計測の機能では実装されていない。こうした単純極まる作業こそ、自動化してほしいものだ。

ところで、各サラウンドチャネルの名前は、ドルビー、デノン、Auro-3Dなど、各社各様で、よくわからないので、僕が使っているデノンのマニュアルとAuro-3Dのホワイトペーパ―で作成した、スピーカー端子と設置位置を番号でリレーションを示す図も張り付けておいた。


スピーカ- ケーブルにも番号を振っておき、こうした図と照らし合わせることで、AVアンプにあれこれ配線する際に
効率的にワイヤリングできる。

こうした下準備もまた、やるとやらないでは、トータルの作業や、メンテナンスに要する効率が変わってくると思う。

マルチch再生時の、それぞれのチャネルに、どの程度の出力が出ているのか計測したものを備忘録を兼ねて掲載する。


マルチchソース(BD)を、HDMIにてAVプリメインに入力し、そのプリ出力をパソコンのスペアナソフトで表示したものだ。
パソコンのDA変換ボードへの入力はインピーダンスマッチングをしており、f特は±0.2dB精度でキャリブレートしている。

この測定時は、プリ部の各種フィルタDSP処理はスキップし、通常は行う低域のLFEへの分担を一切行なわない、設定とした。
なので、ソースに入っている素の音量と帯域を記録しているはずだ。

曲は、手持ちのソースでできるだけ広帯域で極力ピークに大きな音で入っているものを利用した。

UNAHQ2009 Death and Maiden allegro(シューベルト、死と乙女 第一楽章)  Auro-3D(11ch)
 

アトモスでも入っているが、Auro-3D 13chで計測。Auro-3DのTOP、および、Chの2chに音が入っている13chソースは市場に存在しないのでAVプリ部の拡張モードでAuroのロジックが創造した音を拾っている。


Auro-3Dフォーマットが世に出て、ずいぶん経過しているにも関わらず、未だにフルフォーマット13chのソースが存在しない情けない状況では、このフォーマットの将来は見えているのだけど、ね。


スペアナなので、同じある瞬間、を切り取ることもできるが、せっかくピーク記録ができるので、曲を通してのピークを描いた。各chの帯域とピークスペクトラムがわかりやすいからだ。

手持ち機材はdenon ACV-1Hで、プリ出力できる17.4ch (アトモス 15.4ch,Auro-3Dの13.4ch)すべて測定しているが、Auro-3Dに関係するchだけを載せておく。
 

L/Rの音量差は音楽ソースでは発生しないので、LRの区別はしないでLchのみ、とした。

f 

c

Sr

Sb

Fh

Rh

 


Ch

 

 

VoG


1 どのチャネルにも凄い低音成分が入っている
2 各ch間ではフロントと差がないほど、同等の音量が求められている
3 設置場所がハイトか否か(高さ)ではなく、自分の前にあるか、後ろにあるか、で要求される音量と帯域が変わる

ということはすぐわかる。
みる人がみれば、さらに、いろいろなことがわかると思う。

 

以前の我が家のシステムであれば、圧倒的に2chステレオ装置で再生する方が音が良かった。
いまはどうか。

 

まだ暫定的とはいえ、新しいSPレイアウトでマルチchもずいぶんよくなった気がするので

いまのマルチチャネル再生の実力を試してみる。

アランパーソンズプロジェクトの作品は、どのアルバムも録音が良い。
本格2chオーディオで聞くと、とても楽しめるし、いくつかのアルバムはマルチチャネル化もされている。
だが、僕の知る限り、このアルバム Vulture culture はまだマルチチャネル化されていないと思う。


オーディオ評論家の傅さんが、アランパーソンにインタビューをした記事をオーディオ雑誌でみたことがある。
確か、傅さんはアポジーを使っていた時代だった。アランパーソンは、ち密な音作りをしているので、高級なステレオで聞くとより楽しめる、的な話をしていたと思う。

さて、このアルバムが、アランパーソンのアルバムとしては最も音数が多いので、Auro-3Dで疑似マルチch再生をしてみる。


音数が入っていると感じるのは、2曲目Separate Livesから3曲目Days Are Numbers にかけて。
特に2曲目は、Separate Lives音楽にはあまり関係ない効果音があちこちにちりばめられていて、きちんとステレオ再生すると、音粒が空間に浮かび上がる。

これを、Auromaticで再生すると どうなるか。

なるほど、事前に考えていたより、良い。

いや、かなり良い。

2chでも、音粒空間に飛び散る。
ためしてみるとよいが、多くの、普通の2chステレオでは、まったく飛び散らない。
多少飛び散れば、立派だ。
もっと飛び散れば、さらに素晴らしいが、ここまで来るには、多くのリソースの投入が必要だ。

ところが、だ。
Auromatic化すると、2chで感じる空間に奥行感が出る。
さらに加え、高さ感も出る。
いわゆる、サウンドステージの、奥行きや高さがわかりやすく感じるのだ。

言い換えると、2chの方は空間の制限がないので無限さがあるといえばあるのだが、Auromatic化された音の方が密度感があり、音粒の出る場所の3D的表現が優れている。

うまく書けないが、この再生音は、大変に好きだ。

図示するとこんな感じ




力入れて サラウンドSPを設置したかい があったというものだ。

ただし、いままでの経験上、こうした成功確率は、1割以下だ。
9割以上のソースは、むしろ悪くなる。

特に最初からリバーブ(エコー成分)を多用するソースはまずうまく再生できない。
それが、Auromaticの欠点であり、しょせん疑似再生の限界でもある。

AuromaticによるCDの視聴

イマーシブ感 ★★★★★
オリジナルソースのステレオ感 ★★★★☆

まだ完成していないマルチチャネルSPのインストールではあるが、一応、数が揃った。

今までも、Auro-3D用に、スピーカーを設置していたのだが、完全に寄せ集めであった。

- 寄せ集めで何が悪いのか?

なにも悪くはない。
音だって、13チャネルできとんと出る。

寄せ集めでも、そこらの(と言っても、新宿にある業界でもなかなかい良い店である..)AV店よりは、マシな音だった。
そもそも、店より良いのはあたりまえで、店ではAuro-3Dとして周到に設置はしていないわけだから、そりゃそうなる。

 

よく検討された機材を、正しく設置されたシステムでAuro-3Dの再生を、Auro3Dさんの良いおとを、

聞いてしまったから、僕も出したいぞ、と思ったのが、スタートだった。

 

GW明けくらいだったかな。

強い気持ちで、わが音を改善したいと思ったのだった。

年内に追い付こうと今年の目標を定めたのである。

改善する前のレベルを、10点とした。

(ということは、販売店は10点以下であるということだ)
100点満点である,100点を現実に実現できる範囲での最高の音、と頭で想定している。

(フォーカルの本社視聴室では体験できる)。

ちなみに欧州ではFocalブランドでAVプロセッサーが出ているがストームのOEMだ。

 

今回の改善のプロセスをまとめてみた。

3段階になる。

stop0 予備

      これからの作業のため、部屋全体を整理し、じゃまなものは外に出す.掃除もする。
      これがすべてのstepで一番大変だった
      ちなみに、スクリーンもこの機会に張りなおした。

 
step1 スピーカーレイアウトを、推奨値に完全に準拠

  アトモスは無視するわけではないが、どのようなSPレイアウトでも再生できるはずなので、

 SPレイアウトを厳密に要求しているAuro-3Dを手本とした。

      特に、2層のスピーカーと1層のスピーカーの上下の関係

      これは、鉄骨がむき出しの部屋なので比較的楽に達成できた。
   この段階で、10点が30点にupした


step2 1層みなおし

     家と同じように、低層からしっかり組み立てることを考え、1層をスピーカー構成、位置を、見直した。

     サラウンドバックとセンターの合計3スピーカーが、フロントLRと違和感があったので、違和感のない

     モデルにリプレースした。
      サラウンドバックを、キャバスの小型スピーカーに、センターSPを自作(と言ってもキット)SPに代えた.
      これに合わせて、セッティング位置を好ましい場所に変更
      ルームアコースティックトリートメントもみつめなおし、アブフューザーやデフューザーの位置や角度の微調整、

      吸音材調整なども行った。

      これで 40点にupした

step3 2層,3層みなおし
  2層3層5.1chをリプレースする。いま、この段階にいる.

     ついでに、アトモスでしかつかわない 1層(Fw) スピーカーも同じ機種にしてしまう計画。

      暫定段階ではあるがKEF をいれた現在、50点にupした。

だいたい、60点はとらないと、試験には合格しないものだ。

合格には、まだ距離がある。

あと10点は上げたい。

# 問題を出すのも、回答するのも、僕自身なのだけれど。

 

サラウンドスピーカーは、KEFとした。

在庫を聞いたら、いくらでもある、ということだったので、
設置を含めて販売店にお願いした。なんと、明日ならいける
ということで、すでに設置が終わっちまった。

まる一日かかったけれど、自力でやったら1週間くらいかかっただろう。さすが、プロは違う。

そこまでは良しとして、なんだか、期待と違う。

Auro-3Dでいろいろなネイティブソースをかけても、今まで方がずっとよい。

音そのものが悪いわけではない。

透明度がある音声も、重々しい音も、再生音としては出る。

だけれど、何か今までの方がよかった。
ヴォーカルをかけると、突然音が悪くなる。

声色が、サラウンドをかけると大きく変化するのだ。

スピーカーが新品なので、時間がかかるのか。

たぶん、この違和感は、違う理由である気もする。

KEFはツィーターがアルミなので、メインスピーカーと異なる。

メインが奏でる楽器や声と、サラウンドが出す質が異なる。

それが理由である気がして、ならない。

この段階では、デジタル補正をかけていない。

なるべく、スピーカーの素顔の状態で、あれこれ調整して、そのあとに、必要に応じてデジタル補正をかけるべきなのである。

デジタル補正をかけて、声質がそろったとしても、それはまがいものである。

念のため、インストーラーにも聞いてもらったが、違和感はないという。

 

良い音ですよ、といわれた。
失礼なオレの声>(こいつ、耳が悪いな)

これなら、今までの方がよかった。

直感が、KEFを変えるべきである、と言っているのだ。

ツィーターを、チタンにせよ、と言っているのだ。

もしかすると、イギリスのスピーカーはキライ、とフランスのメインSPが言っているのかもしれない。

この時、頭をよぎったのは、パイオニアの同軸だった。

B&Wも、KEFも合わないのは、ツィーターのせいではないか。

そういえば、どちらも英国だな。

もしかして、英国のSPだからかもしれない。

 

直感が僕の行動を支配した。

インストーラーが帰る前に、planBを実行することにして、仕事をお願いした。

KEFはそのままにして、パイオニアもインストールする。
しばらく比較して、どちらかを残す。

これがplanBだ。

これしかない。

しかし、そもそも、パイオニアのSPなんて、手に入るのか?

入るのだ。

あれこれ聞いた範囲では、なぜか新品やら新古品やらが、全国に散らばって存在しているのだという。

さっそく、必要数を手に入れることにして、インストールをお願いする。

おもしろくなったのはなった。

 

が、時間がなくなってきた。

年内と自分で定めた期限は、もう2か月を切った。

いま、センターSPを確定し、残るSPたちを選定している。

フロントL/R、および、Rear(sideと言った方がわかりやすいのだけど)、TSは気に入っているのでいまのまま、
 C決定済み。

Auro-3Dにフォーカスを絞ると、残るSPたちとは、Ch(1本)、 Fh(2本) Rh(2本)、Sb(2本)
計7本である。FWもあるけれど、ATMOS専用なのでどうでもよいとしても加えると9本もある。
 

前面に位置するSPなので、見栄えの統一感も欲しいから同一モデルが良い。
 

候補を絞っているが、どうもKEFしかない。

KEFは先進的なR&Dで有名であり、技術的なアドバンテージを売りにしていると思っていた。

でも、なぜかHPでは、技術的な解説をしていない。

客に対して、スペックでアプローチをかけようとしていないのだ。

1980年代の日本のオーディオメーカーがこぞって、スペック争いをしていた日本の黄金時代と違う。

ただし、少し英文を検索すると、KEFが発表しているホワイトペーパーが見つかる。

ホワイトペーパ―は、いわゆる白書だ。
政治経済では、マクロレポートを意味する。

オーディオ業界においては技術的な考え方、製品までの経緯、測定データなどを

網羅する読み物で、特にLS50Metaに関してのペーパーは読みごたえがある。

B&Wは、ノーチラスにおいて、消音テクノロジーを確立しているが、

KEFもまた、ツィーターのアブソーバーを売りにしているようだ。

LS50Metaにおいては、詳細なスペックも提示されていて、

再生帯域 47Hz-45KHz(-6dB),79-28KHz(±3dB)
能率 85dB
最大音圧 106dB(1m)
インピーダンス 8Ω
ツィータはアルミ
7.2kg(小型なのでずっしり感がある)
 

などと書いている。

アルミだから、高域特性は限界があるが、おそらく素直に減衰しているはずだ。

できればチタンかマグネシウムが良いんだけどなぁ。

ん。まてよ。

ま さ か 。

85dB であるにもかかわらず106dBまでの音圧を再生できる

というの本当か?

ホワイトペーパーなので、ウソは書かないだろう。


peakとは書いていないから、連続だろう。

前回書いた公式に沿って計算すると、

このSPで106dB(軸上1m)を出すには、連続 126Wの入力が必要である。

そんな大出力に、本当に耐えるのか?

メーカーに聞いても そんなマニアックな質問に即答しないしだろう。

2本手に入れたので、自分で試してみることにする。

音圧を図るには、サイン波ではなく、ホワイトノイズをオクターブバンドフィルタで
減衰させて測定するのが正しいはずだが、ピンクノイズをいれてもかまわない。

いきなり大音量でガンガンやると怖いので、サイン波で予備的に試みる。
サイン波1kHzを、10Wづつ増加しながら、歪をみる。

パワーアンプの出力は、アキュフェーズのA65というアンプをもっているので、
ブリッジ接続で240w /8Ω(480w /4Ω)の出力が可能となる。

正確なwメータも便利だ。

スピーカーに接続し、音を出す。
マイクで拾ってパソコンにいれ、スペアナで音圧を測定する。

スペアナで計測するdBは、正確な音圧計で校正しているので、0.5dB精度で計測できる。
スペアナでひづみ率も測定できる。

サイン波で少しづつ、音出ししながら軸上1mで計測してみる。

ひづみは十分に低いが、音圧をupすると少し低くなり、再び上がる。

正常な反応だ。

 

85dBを超えたあたりから、歪は1%を超えてきた。

90dBを超えると、2%歪。

97dBを超えると、5%を超える。

ここまでやれば、このSPは、できれば85dBまでの音量で使うべきであるとわかる。

がんばっても、90dBだ。

 

このあたりが、このSPの限界かな、と思った。

 

97dBを超えるはじめると、明らかに変調された変な音になる。
 

これで終えても良かったのだが、ここからが本番。

シグナルをピンクノイズに切り替え、さっそく最大音圧まで挑戦する。

カタログデータの106dBまでの耐性を測定してみることにした。
 

90dBからスタートする。

97dBでは、ピンクノイズの音が明らかに変調されて汚い音になる。

103dBで、ボイスコイルが振幅の限界にきて、ブツブツいうようになった。

パワーアンプの出力は、80Wを超えている。

計算上は、104dB出るはずだが、103dBしか出ていない。

リニア性がもう出ていない領域なのだろう。


この状態になると、ボイスコイルは許容できる振幅をすでに超えて、前後の壁にぶつかりながら
ビリビリ動いており、おそらくは、ダンパーの制御を超えている事をしめしている。

かなりやばい状態だ。

この状態で数分は継続していたので、
too lateかな。

壊れていないにしても、これはもう、使い物にならない可能性が高い。
 

ええぃ、どうぜなので、106dBの限界までさらにボリウムを上げる。
予想通り、煙が出た。
さすがに火はふかなかった。

パワーアンプのプロテクターも働いた。
おおう。

 

やりきった感があった。

1本失ったが、役に立つ計測ができたので良しとしよう。

このSPの良さを生かすには、85dBを超えない範囲で使うのが良いという事になる。
これを、Fhに使う場合、85dBの音圧が出る時、FL/FRは、たかだか、95dBしか出ない。

まぁしかし、十分な大音量だろう。+5dBのトレランスはある。

このSPを必要数手に入れることにして、販売店に納期を確認してみることにする。

失った1本の補充も必要なので、6本になる。FWchも入れると8本か。
なるべく近いシリアルが良い。

もう、ゴールが見えてきた。

あとは、どうやって天吊りするかだが、軽いスピーカーなので、なんとでもなる。
こんな感じになるかな。

 

マルチchスピーカーを選定するにあたり、フロントLRの音を基準にする方針でいま進めているのだが、これは必要条件であり、質に関しての条件はすでに述べたが、もうひとつ、重要な必要条件がある。

量に関するものだ.


部屋で聞く音量の、特に最大音量時に、サラウンドSPもフロントLRの音量に負けずに追従する必要がある。

どの程度の音量を最大とするかは人それぞれだし、部屋や装置の性能にもかなり依存する。

ただ、日本音響家協会では、最大音量は、110dBで10分以下、を提唱している。

110dBというと、音楽ライブの最大音量に相当するもので、ライブ時は曲間に休みがあるし、ピークが継続する曲なんて存在しないので、連続ピークが持続する時間は、せいぜい1分だ。

ちなみに、映画館は、最大音量は案外小さく、最大95dB程度だし、恐怖とか驚き、あっても爆撃などの衝撃音であって、数秒の時間である。

110dBの音を家で再生することを仮の目標としておこう。

まず近所迷惑を優先に考える。

その場合、我が家では遮音性能はDr-55で設計したので、55dBは部屋で吸収される。残り55dBは外に漏れるのだが、これは通常の事務所にいるときの静かさであり、近所に迷惑はかからない。

110dBの音量を出しても、部屋の性能としては対応できるはずだ。

ところで、そもそも、スピーカーは110dBの音圧を出せるだろうか。

我家の場合メインスピーカーは、効率94dB(4Ω)で、最大500wまで入る。
計算上、8Ω換算で250wの出力である。その時、音圧を計算で出すと、SPは118dBの音圧が軸上1mで出力されるが、これがスピーカが出せる最大音量だ。

スペックをみると、最大SPL 118dBと書いているので、正確に計算と一致する。
118dB出すとき500wなので、110dBであれば、それに対し-8dBなので、アンプ出力は80w(4Ω)でよい。

ちなみに、音圧とスピーカーアンプの関係はこうだ。

SPL= SPの効率 + 10log( P/D^2)

SPの効率 (dB/wm)
P:w
D:SPとLPの距離(m)

フロントchは110dBは問題なく出せることはわかった。

ほかのchはどうなるか。

Auro-3Dにおける、各サラウンドchは、複数の手持ちソースで計測すると、ピーク時はこんな出力になる。
Fr  0dBを基準とすると、

C  +7dB
Sr -10dB
Sb -5dB
Fh -10dB
Rh -2dB

なんと、センターchはフロントchより最大7dBも大きい音が入っている。

導入したばかりのセンターSPのスペックは、効率 88dB/w(8Ω)、最大入力100wであるので、
最大108dBまで音圧が出る。

センターchを使う限り、これが我が家で出せる最大音量となる。
C ch=108dB(peak)のとき、
 

他のチャネルは、こうなる(peak)。L/Rch 101dB
Sr 98dB
Sb 103dB
Fh 98dB
Rh 106dB

センター,LRを除いて、最も大型のスピーカーを置く必要があるのは、Rhだった。
後方のchだが、フロントに対し、わずか-2dBしか違わない音量で再生できないといけない。
Sbもフロントと-5dBしか違わないほどの音圧を出力せねばならぬ。

 

106dBを再生できるSPは、なかなか、ないように思うが、

KEFのLS50MataなるSPを1セット、購入したので、どこまで音圧が出るのか、さっそく試してみることにする。

マルチチャネルの、二層を構成するスピーカー。

ぱっと思い浮かぶのは、キャバス、ギャロ、KEF。日本だと、TADもしくはパイオニア。

ギャロは、確かスコットランドに本社があったと思う。いまは僕が思っていたスピーカーを作らなくなったようだ。
除外。

キャバスは、フランスのメーカーだ。眼玉の形でスフィアという同軸4wayのものが日本にも入っていた。
これ。


実物は巨大だ。ウーハの直径は55cmで、全体の大きさはその倍の直径で、巨大な球体だ。
 いまでも、この会社のSPはフランスでよく見かける。この会社、政界財界に顔が聞くのか、フランス唯一の空母に納品したり、ルノーのカタログにもメーカーオプションで掲載される.ポルシェだとブーメスターのステレオをオプションで選択できるが、フランスのそれ版だ。レクサスも、アキュフェーズが選べると面白いと思うな。

 なお、現在、キャバスは日本に入っていない。別にフランスで買えばよいのだが、とにかく、この目玉はおおきいし天吊もできぬ。小さい同軸2wayのスピーカーも出ているが、B&W 802のような形でウーハもついていてダサい。眼玉ではないが、小さいスピーカーもあるので、こんど聞きにいってみよう。

KEFは、2wayの同軸だけのモデルがある。
日本でも海外でも、どこでも売っているし手軽な値段で候補だけど、やたらに同じような機種が多く、それぞれの違いがよくわからぬ。ツィータの素材も公表されていないので、買ってみて音が気に食わないという結果になるのが怖いので、ひとまず除外する。

TADも、必ずウーハがついているので、だめだった。
TADの技術を利用したと思われるパイオニアは、もう会社がない。当然スピーカーは作っていないので、これまたボツだ。

 

結局、全部ダメ。

 しいて言えば、パイオニアの新古品とか、中古でも良い状態のものがあれば、少しづつ入手して数が揃ったところでインストールする、という手はある。

 

でも、僕には時間がない。そんな悠長に構えてはいられないのだ。今年中には、一式、設置まで終えるという目標をかかげているのだから。

 

それに、そのほかにも、マルチチャネルSPとして満たすべき条件もあった。

 

それも考える必要がある。

 

 

二層のスピーカーを選定する過程にいる。

そのためもあり、いま、ツィーターについて、勉強しなおしている。

最初は、高域は伸びれば伸びるほど良いと思っていた。

仕組みは、一択、ドーム型。

最も伸びる仕組みは、リボンツィーターだ.
100kHzまで楽に伸びる。
テクニクスは、120kHzまで伸びるリーフツィータを作っていたはずだ。
ただ、独特のリボンの金属音色は、スコーカーとなかなか、つながらないし、指向性も鋭いので
セッティングが難しい。

一方、効率はあればあるほど良い。
最も効率が良い方法は、ホーン型である。
110dBある。
しかし、高域は伸びない。固有の癖もあり、スコーカーとなかなか、つながらない。

リボン型は天吊りには絶対に向かない。ちょこちょこ微調整することができないからだ。

ホーン型は論外。単純に嫌いな音だ。

ドーム型が無難に違いない。

素材も重要だ。

軽いという点では、紙とかシルクは優れている。

しかし、こうした素材では20kHzまで出すのは難しい。

分割振動するので、高域はついてゆけず、歪がおおきくなる。

高域を伸ばすためには、固くて軽い振動板が望ましい。

軽くてかたい(曲がらない)素材が理想である。

古くから、いろいろなメーカーがいろいろな素材や製法を競ってきた。

ヤマハがNS-1000Mで採用したベリリウムは、軽くてかたい点では、群を抜いている。

固いだけだったら、ボロン、ダイヤがあるが、重いのである。

しかも、伝達音速が早いという点で、現在でも、最も優れている素材のひとつだろう。


音速が早ければ、なぜ良い振動板と言えるのかはあまり理解していない。

音速は、密度と弾性率で決まるのだが、ダイヤトーンの主張では

ボロンは音速が世界一だから優れている、という売り文句だった。

ベリリウムは、優れている。12000m/sもあり、これはアルミ 6420、チタン6070、マグネシウム 5770 の倍以上ある。

ボロンの音速も12500というからベリリウムに匹敵するが、案外重い素材なので、インパルスレスポンスは悪いはずだ。
そもそも、成型する技術がむずかしいらしく、僕の知る限り、スピーカーで実用化に到達したのは三菱電機だけだ。

当初は、チタンの土台に、ボロンの湯気を吹きかけて蒸着して作っていたと思う。

DS-1000zやその上位機種では、ボロン単体での製造に成功して、いまは、さらに良い製法で作ることができるらしい。

ただ、固くて曲がらない点では素晴らしいが、ちょっとしたことでスグ割れるようだ。

実際、DS-1000シリーズの、特にB4Cのユニットは、、ヤフオクなどをみても多くがすでに割れている。

僕もサイドchにDS-1000zを使っているが、高域の独特の癖がある。

その癖は僕には違和感がなく、むしろ長年耳になじんで気に入っているので、使い続けている。


世界でいま、もっともポピュラーなのはダイヤモンドだろう。

これはたぶん世界ではビクターがSX-1000labで商品化したのが最初だったと思う。

デザインは最低だった。

ただの四角いバッフルに、縦に3つ、並べただけの日本独特の直方体デザイン。

当然評判は良くなかった。

(テレオンで聞いたことがあるが、音は良いと思った。今にして思えば安い価格だったと思う)

ダイヤを伝わる音速は、地上最高で13000もある。

その後、ビクターは会社が傾斜してスピーカーは紙に戻った。

アバロン、B&Wなどがツィータにはダイヤを採用しているし、805D4にも使われているが、僕には音が悪く感じる。
100kHzまで伸びているのは本当だろうが、無駄に伸びているだけではなく、15KHz-18kHzに固有の強い癖を感じる。

子音が強調され、thの発音の直後に、ヒーヒーする付帯音がある。

これは、空気感とは関係ない、明確な歪だと思う。アンプのせいでもない。

たぶん、ボロンと同様、重いので劣っているのだ(とみている)。
 

こうしたスピーカーは、クセが気に入ればフロントLRに良いと思うのだが、二層の雑魚SP用途には合わない.

今回のセンターSPの選定でよくわかったのだが、LRより高域特性の良いSPをあてがうのは、失敗のもとなのである。

フロントの影武者になりきれず、主役としてアピールしすぎる.

結局、2層のスピーカーには、1層で使うスピーカーより高域が劣るのが良いと思う。

そうしたスピーカーを〇×式に一気にスクリーニングするのは、ツィーターの素材で行うのが手っ取り早い、と考えた。

いま使っているAV用のメインスピーカーのツィーターはチタンだ。

なので、そのチタンを超えない、程度のスピーカーをマルチチャネルSPにあてがう、ことが自分にあっている。

たぶん、チタンが最適であろうが、金属だとアルミ、マグネシウムあたりは同格だ。

また、TADを試して良い結果が出たように、同軸という構造も魅せられる。

しかしTADは、同軸に加えてウーハーがついていて、蛇足である。

同軸の良さは、1つのユニットをスコーカー兼ウーハユニットと、中心部にビルトインされているツィータで音を出す、点音源ということである。

点音源ゆえに定位が良い、のだ。

ちなみに、ただ同軸だから位相が揃っていると考えはいけない。

ツィータにはアッテネーターも必ず入るから、必ず位相は回転し、つまり、位相は狂う。
しかも、高域は必ずウーハがホーンとして働き、ウーハ振動板の動きで高域はゆさぶられる。

 

確実にいえるのは、同軸で設計したツィータは絶対にスコーカーと同相で駆動される設計になっているはず。

全ユニットが正位相に決まっているので、点音源と合わせて定位には確実に有利である。

でも TADは、せっかく同軸ユニットは点音源なのにウーハがあるため点音源ではない。
しかもウーハの分重くなり、天吊りできない。
同軸2wayだけの1ユニットでよいのだ。

答えが見えてきた。

同軸2way一発、ツィータの素材はチタン,アルミ、マグネシウムとする。

専用の天吊り金具が出ているれば なおよし。

金具がない場合は、穴をあけて天吊りするので、側面だけで自重を支えられる程度の強度も必要で、
重さは10kg程度が限界であろう。

いくつか、思い当たる会社、機種がある。

さっそく、手配にかかっている。

正解に近づいた気がする、