サラウンドスピーカーは、KEFとした。

在庫を聞いたら、いくらでもある、ということだったので、
設置を含めて販売店にお願いした。なんと、明日ならいける
ということで、すでに設置が終わっちまった。

まる一日かかったけれど、自力でやったら1週間くらいかかっただろう。さすが、プロは違う。

そこまでは良しとして、なんだか、期待と違う。

Auro-3Dでいろいろなネイティブソースをかけても、今まで方がずっとよい。

音そのものが悪いわけではない。

透明度がある音声も、重々しい音も、再生音としては出る。

だけれど、何か今までの方がよかった。
ヴォーカルをかけると、突然音が悪くなる。

声色が、サラウンドをかけると大きく変化するのだ。

スピーカーが新品なので、時間がかかるのか。

たぶん、この違和感は、違う理由である気もする。

KEFはツィーターがアルミなので、メインスピーカーと異なる。

メインが奏でる楽器や声と、サラウンドが出す質が異なる。

それが理由である気がして、ならない。

この段階では、デジタル補正をかけていない。

なるべく、スピーカーの素顔の状態で、あれこれ調整して、そのあとに、必要に応じてデジタル補正をかけるべきなのである。

デジタル補正をかけて、声質がそろったとしても、それはまがいものである。

念のため、インストーラーにも聞いてもらったが、違和感はないという。

 

良い音ですよ、といわれた。
失礼なオレの声>(こいつ、耳が悪いな)

これなら、今までの方がよかった。

直感が、KEFを変えるべきである、と言っているのだ。

ツィーターを、チタンにせよ、と言っているのだ。

もしかすると、イギリスのスピーカーはキライ、とフランスのメインSPが言っているのかもしれない。

この時、頭をよぎったのは、パイオニアの同軸だった。

B&Wも、KEFも合わないのは、ツィーターのせいではないか。

そういえば、どちらも英国だな。

もしかして、英国のSPだからかもしれない。

 

直感が僕の行動を支配した。

インストーラーが帰る前に、planBを実行することにして、仕事をお願いした。

KEFはそのままにして、パイオニアもインストールする。
しばらく比較して、どちらかを残す。

これがplanBだ。

これしかない。

しかし、そもそも、パイオニアのSPなんて、手に入るのか?

入るのだ。

あれこれ聞いた範囲では、なぜか新品やら新古品やらが、全国に散らばって存在しているのだという。

さっそく、必要数を手に入れることにして、インストールをお願いする。

おもしろくなったのはなった。

 

が、時間がなくなってきた。

年内と自分で定めた期限は、もう2か月を切った。

いま、センターSPを確定し、残るSPたちを選定している。

フロントL/R、および、Rear(sideと言った方がわかりやすいのだけど)、TSは気に入っているのでいまのまま、
 C決定済み。

Auro-3Dにフォーカスを絞ると、残るSPたちとは、Ch(1本)、 Fh(2本) Rh(2本)、Sb(2本)
計7本である。FWもあるけれど、ATMOS専用なのでどうでもよいとしても加えると9本もある。
 

前面に位置するSPなので、見栄えの統一感も欲しいから同一モデルが良い。
 

候補を絞っているが、どうもKEFしかない。

KEFは先進的なR&Dで有名であり、技術的なアドバンテージを売りにしていると思っていた。

でも、なぜかHPでは、技術的な解説をしていない。

客に対して、スペックでアプローチをかけようとしていないのだ。

1980年代の日本のオーディオメーカーがこぞって、スペック争いをしていた日本の黄金時代と違う。

ただし、少し英文を検索すると、KEFが発表しているホワイトペーパーが見つかる。

ホワイトペーパ―は、いわゆる白書だ。
政治経済では、マクロレポートを意味する。

オーディオ業界においては技術的な考え方、製品までの経緯、測定データなどを

網羅する読み物で、特にLS50Metaに関してのペーパーは読みごたえがある。

B&Wは、ノーチラスにおいて、消音テクノロジーを確立しているが、

KEFもまた、ツィーターのアブソーバーを売りにしているようだ。

LS50Metaにおいては、詳細なスペックも提示されていて、

再生帯域 47Hz-45KHz(-6dB),79-28KHz(±3dB)
能率 85dB
最大音圧 106dB(1m)
インピーダンス 8Ω
ツィータはアルミ
7.2kg(小型なのでずっしり感がある)
 

などと書いている。

アルミだから、高域特性は限界があるが、おそらく素直に減衰しているはずだ。

できればチタンかマグネシウムが良いんだけどなぁ。

ん。まてよ。

ま さ か 。

85dB であるにもかかわらず106dBまでの音圧を再生できる

というの本当か?

ホワイトペーパーなので、ウソは書かないだろう。


peakとは書いていないから、連続だろう。

前回書いた公式に沿って計算すると、

このSPで106dB(軸上1m)を出すには、連続 126Wの入力が必要である。

そんな大出力に、本当に耐えるのか?

メーカーに聞いても そんなマニアックな質問に即答しないしだろう。

2本手に入れたので、自分で試してみることにする。

音圧を図るには、サイン波ではなく、ホワイトノイズをオクターブバンドフィルタで
減衰させて測定するのが正しいはずだが、ピンクノイズをいれてもかまわない。

いきなり大音量でガンガンやると怖いので、サイン波で予備的に試みる。
サイン波1kHzを、10Wづつ増加しながら、歪をみる。

パワーアンプの出力は、アキュフェーズのA65というアンプをもっているので、
ブリッジ接続で240w /8Ω(480w /4Ω)の出力が可能となる。

正確なwメータも便利だ。

スピーカーに接続し、音を出す。
マイクで拾ってパソコンにいれ、スペアナで音圧を測定する。

スペアナで計測するdBは、正確な音圧計で校正しているので、0.5dB精度で計測できる。
スペアナでひづみ率も測定できる。

サイン波で少しづつ、音出ししながら軸上1mで計測してみる。

ひづみは十分に低いが、音圧をupすると少し低くなり、再び上がる。

正常な反応だ。

 

85dBを超えたあたりから、歪は1%を超えてきた。

90dBを超えると、2%歪。

97dBを超えると、5%を超える。

ここまでやれば、このSPは、できれば85dBまでの音量で使うべきであるとわかる。

がんばっても、90dBだ。

 

このあたりが、このSPの限界かな、と思った。

 

97dBを超えるはじめると、明らかに変調された変な音になる。
 

これで終えても良かったのだが、ここからが本番。

シグナルをピンクノイズに切り替え、さっそく最大音圧まで挑戦する。

カタログデータの106dBまでの耐性を測定してみることにした。
 

90dBからスタートする。

97dBでは、ピンクノイズの音が明らかに変調されて汚い音になる。

103dBで、ボイスコイルが振幅の限界にきて、ブツブツいうようになった。

パワーアンプの出力は、80Wを超えている。

計算上は、104dB出るはずだが、103dBしか出ていない。

リニア性がもう出ていない領域なのだろう。


この状態になると、ボイスコイルは許容できる振幅をすでに超えて、前後の壁にぶつかりながら
ビリビリ動いており、おそらくは、ダンパーの制御を超えている事をしめしている。

かなりやばい状態だ。

この状態で数分は継続していたので、
too lateかな。

壊れていないにしても、これはもう、使い物にならない可能性が高い。
 

ええぃ、どうぜなので、106dBの限界までさらにボリウムを上げる。
予想通り、煙が出た。
さすがに火はふかなかった。

パワーアンプのプロテクターも働いた。
おおう。

 

やりきった感があった。

1本失ったが、役に立つ計測ができたので良しとしよう。

このSPの良さを生かすには、85dBを超えない範囲で使うのが良いという事になる。
これを、Fhに使う場合、85dBの音圧が出る時、FL/FRは、たかだか、95dBしか出ない。

まぁしかし、十分な大音量だろう。+5dBのトレランスはある。

このSPを必要数手に入れることにして、販売店に納期を確認してみることにする。

失った1本の補充も必要なので、6本になる。FWchも入れると8本か。
なるべく近いシリアルが良い。

もう、ゴールが見えてきた。

あとは、どうやって天吊りするかだが、軽いスピーカーなので、なんとでもなる。
こんな感じになるかな。

 

マルチchスピーカーを選定するにあたり、フロントLRの音を基準にする方針でいま進めているのだが、これは必要条件であり、質に関しての条件はすでに述べたが、もうひとつ、重要な必要条件がある。

量に関するものだ.


部屋で聞く音量の、特に最大音量時に、サラウンドSPもフロントLRの音量に負けずに追従する必要がある。

どの程度の音量を最大とするかは人それぞれだし、部屋や装置の性能にもかなり依存する。

ただ、日本音響家協会では、最大音量は、110dBで10分以下、を提唱している。

110dBというと、音楽ライブの最大音量に相当するもので、ライブ時は曲間に休みがあるし、ピークが継続する曲なんて存在しないので、連続ピークが持続する時間は、せいぜい1分だ。

ちなみに、映画館は、最大音量は案外小さく、最大95dB程度だし、恐怖とか驚き、あっても爆撃などの衝撃音であって、数秒の時間である。

110dBの音を家で再生することを仮の目標としておこう。

まず近所迷惑を優先に考える。

その場合、我が家では遮音性能はDr-55で設計したので、55dBは部屋で吸収される。残り55dBは外に漏れるのだが、これは通常の事務所にいるときの静かさであり、近所に迷惑はかからない。

110dBの音量を出しても、部屋の性能としては対応できるはずだ。

ところで、そもそも、スピーカーは110dBの音圧を出せるだろうか。

我家の場合メインスピーカーは、効率94dB(4Ω)で、最大500wまで入る。
計算上、8Ω換算で250wの出力である。その時、音圧を計算で出すと、SPは118dBの音圧が軸上1mで出力されるが、これがスピーカが出せる最大音量だ。

スペックをみると、最大SPL 118dBと書いているので、正確に計算と一致する。
118dB出すとき500wなので、110dBであれば、それに対し-8dBなので、アンプ出力は80w(4Ω)でよい。

ちなみに、音圧とスピーカーアンプの関係はこうだ。

SPL= SPの効率 + 10log( P/D^2)

SPの効率 (dB/wm)
P:w
D:SPとLPの距離(m)

フロントchは110dBは問題なく出せることはわかった。

ほかのchはどうなるか。

Auro-3Dにおける、各サラウンドchは、複数の手持ちソースで計測すると、ピーク時はこんな出力になる。
Fr  0dBを基準とすると、

C  +7dB
Sr -10dB
Sb -5dB
Fh -10dB
Rh -2dB

なんと、センターchはフロントchより最大7dBも大きい音が入っている。

導入したばかりのセンターSPのスペックは、効率 88dB/w(8Ω)、最大入力100wであるので、
最大108dBまで音圧が出る。

センターchを使う限り、これが我が家で出せる最大音量となる。
C ch=108dB(peak)のとき、
 

他のチャネルは、こうなる(peak)。L/Rch 101dB
Sr 98dB
Sb 103dB
Fh 98dB
Rh 106dB

センター,LRを除いて、最も大型のスピーカーを置く必要があるのは、Rhだった。
後方のchだが、フロントに対し、わずか-2dBしか違わない音量で再生できないといけない。
Sbもフロントと-5dBしか違わないほどの音圧を出力せねばならぬ。

 

106dBを再生できるSPは、なかなか、ないように思うが、

KEFのLS50MataなるSPを1セット、購入したので、どこまで音圧が出るのか、さっそく試してみることにする。

マルチチャネルの、二層を構成するスピーカー。

ぱっと思い浮かぶのは、キャバス、ギャロ、KEF。日本だと、TADもしくはパイオニア。

ギャロは、確かスコットランドに本社があったと思う。いまは僕が思っていたスピーカーを作らなくなったようだ。
除外。

キャバスは、フランスのメーカーだ。眼玉の形でスフィアという同軸4wayのものが日本にも入っていた。
これ。


実物は巨大だ。ウーハの直径は55cmで、全体の大きさはその倍の直径で、巨大な球体だ。
 いまでも、この会社のSPはフランスでよく見かける。この会社、政界財界に顔が聞くのか、フランス唯一の空母に納品したり、ルノーのカタログにもメーカーオプションで掲載される.ポルシェだとブーメスターのステレオをオプションで選択できるが、フランスのそれ版だ。レクサスも、アキュフェーズが選べると面白いと思うな。

 なお、現在、キャバスは日本に入っていない。別にフランスで買えばよいのだが、とにかく、この目玉はおおきいし天吊もできぬ。小さい同軸2wayのスピーカーも出ているが、B&W 802のような形でウーハもついていてダサい。眼玉ではないが、小さいスピーカーもあるので、こんど聞きにいってみよう。

KEFは、2wayの同軸だけのモデルがある。
日本でも海外でも、どこでも売っているし手軽な値段で候補だけど、やたらに同じような機種が多く、それぞれの違いがよくわからぬ。ツィータの素材も公表されていないので、買ってみて音が気に食わないという結果になるのが怖いので、ひとまず除外する。

TADも、必ずウーハがついているので、だめだった。
TADの技術を利用したと思われるパイオニアは、もう会社がない。当然スピーカーは作っていないので、これまたボツだ。

 

結局、全部ダメ。

 しいて言えば、パイオニアの新古品とか、中古でも良い状態のものがあれば、少しづつ入手して数が揃ったところでインストールする、という手はある。

 

でも、僕には時間がない。そんな悠長に構えてはいられないのだ。今年中には、一式、設置まで終えるという目標をかかげているのだから。

 

それに、そのほかにも、マルチチャネルSPとして満たすべき条件もあった。

 

それも考える必要がある。

 

 

二層のスピーカーを選定する過程にいる。

そのためもあり、いま、ツィーターについて、勉強しなおしている。

最初は、高域は伸びれば伸びるほど良いと思っていた。

仕組みは、一択、ドーム型。

最も伸びる仕組みは、リボンツィーターだ.
100kHzまで楽に伸びる。
テクニクスは、120kHzまで伸びるリーフツィータを作っていたはずだ。
ただ、独特のリボンの金属音色は、スコーカーとなかなか、つながらないし、指向性も鋭いので
セッティングが難しい。

一方、効率はあればあるほど良い。
最も効率が良い方法は、ホーン型である。
110dBある。
しかし、高域は伸びない。固有の癖もあり、スコーカーとなかなか、つながらない。

リボン型は天吊りには絶対に向かない。ちょこちょこ微調整することができないからだ。

ホーン型は論外。単純に嫌いな音だ。

ドーム型が無難に違いない。

素材も重要だ。

軽いという点では、紙とかシルクは優れている。

しかし、こうした素材では20kHzまで出すのは難しい。

分割振動するので、高域はついてゆけず、歪がおおきくなる。

高域を伸ばすためには、固くて軽い振動板が望ましい。

軽くてかたい(曲がらない)素材が理想である。

古くから、いろいろなメーカーがいろいろな素材や製法を競ってきた。

ヤマハがNS-1000Mで採用したベリリウムは、軽くてかたい点では、群を抜いている。

固いだけだったら、ボロン、ダイヤがあるが、重いのである。

しかも、伝達音速が早いという点で、現在でも、最も優れている素材のひとつだろう。


音速が早ければ、なぜ良い振動板と言えるのかはあまり理解していない。

音速は、密度と弾性率で決まるのだが、ダイヤトーンの主張では

ボロンは音速が世界一だから優れている、という売り文句だった。

ベリリウムは、優れている。12000m/sもあり、これはアルミ 6420、チタン6070、マグネシウム 5770 の倍以上ある。

ボロンの音速も12500というからベリリウムに匹敵するが、案外重い素材なので、インパルスレスポンスは悪いはずだ。
そもそも、成型する技術がむずかしいらしく、僕の知る限り、スピーカーで実用化に到達したのは三菱電機だけだ。

当初は、チタンの土台に、ボロンの湯気を吹きかけて蒸着して作っていたと思う。

DS-1000zやその上位機種では、ボロン単体での製造に成功して、いまは、さらに良い製法で作ることができるらしい。

ただ、固くて曲がらない点では素晴らしいが、ちょっとしたことでスグ割れるようだ。

実際、DS-1000シリーズの、特にB4Cのユニットは、、ヤフオクなどをみても多くがすでに割れている。

僕もサイドchにDS-1000zを使っているが、高域の独特の癖がある。

その癖は僕には違和感がなく、むしろ長年耳になじんで気に入っているので、使い続けている。


世界でいま、もっともポピュラーなのはダイヤモンドだろう。

これはたぶん世界ではビクターがSX-1000labで商品化したのが最初だったと思う。

デザインは最低だった。

ただの四角いバッフルに、縦に3つ、並べただけの日本独特の直方体デザイン。

当然評判は良くなかった。

(テレオンで聞いたことがあるが、音は良いと思った。今にして思えば安い価格だったと思う)

ダイヤを伝わる音速は、地上最高で13000もある。

その後、ビクターは会社が傾斜してスピーカーは紙に戻った。

アバロン、B&Wなどがツィータにはダイヤを採用しているし、805D4にも使われているが、僕には音が悪く感じる。
100kHzまで伸びているのは本当だろうが、無駄に伸びているだけではなく、15KHz-18kHzに固有の強い癖を感じる。

子音が強調され、thの発音の直後に、ヒーヒーする付帯音がある。

これは、空気感とは関係ない、明確な歪だと思う。アンプのせいでもない。

たぶん、ボロンと同様、重いので劣っているのだ(とみている)。
 

こうしたスピーカーは、クセが気に入ればフロントLRに良いと思うのだが、二層の雑魚SP用途には合わない.

今回のセンターSPの選定でよくわかったのだが、LRより高域特性の良いSPをあてがうのは、失敗のもとなのである。

フロントの影武者になりきれず、主役としてアピールしすぎる.

結局、2層のスピーカーには、1層で使うスピーカーより高域が劣るのが良いと思う。

そうしたスピーカーを〇×式に一気にスクリーニングするのは、ツィーターの素材で行うのが手っ取り早い、と考えた。

いま使っているAV用のメインスピーカーのツィーターはチタンだ。

なので、そのチタンを超えない、程度のスピーカーをマルチチャネルSPにあてがう、ことが自分にあっている。

たぶん、チタンが最適であろうが、金属だとアルミ、マグネシウムあたりは同格だ。

また、TADを試して良い結果が出たように、同軸という構造も魅せられる。

しかしTADは、同軸に加えてウーハーがついていて、蛇足である。

同軸の良さは、1つのユニットをスコーカー兼ウーハユニットと、中心部にビルトインされているツィータで音を出す、点音源ということである。

点音源ゆえに定位が良い、のだ。

ちなみに、ただ同軸だから位相が揃っていると考えはいけない。

ツィータにはアッテネーターも必ず入るから、必ず位相は回転し、つまり、位相は狂う。
しかも、高域は必ずウーハがホーンとして働き、ウーハ振動板の動きで高域はゆさぶられる。

 

確実にいえるのは、同軸で設計したツィータは絶対にスコーカーと同相で駆動される設計になっているはず。

全ユニットが正位相に決まっているので、点音源と合わせて定位には確実に有利である。

でも TADは、せっかく同軸ユニットは点音源なのにウーハがあるため点音源ではない。
しかもウーハの分重くなり、天吊りできない。
同軸2wayだけの1ユニットでよいのだ。

答えが見えてきた。

同軸2way一発、ツィータの素材はチタン,アルミ、マグネシウムとする。

専用の天吊り金具が出ているれば なおよし。

金具がない場合は、穴をあけて天吊りするので、側面だけで自重を支えられる程度の強度も必要で、
重さは10kg程度が限界であろう。

いくつか、思い当たる会社、機種がある。

さっそく、手配にかかっている。

正解に近づいた気がする、

センタースピーカーは決まった。
良し、よし。

 あとのスピーカーは、言ってみれば雑魚。

どうでもよいのだが、せっかく用意した 805D4 sigとかUtopiadiabloは、

2層を構成するフロントの真上、および、サラウンドの真上に天吊りにすることにした。

天吊りしてみないと視聴ができないので、まずは天吊り作業を行う。

どんどん作業を進める。

こうした高級小型スピーカーは、専用のスタンドを使って床に設置するようにできている。

構造的には、ナットが下面に埋め込んであるので、合致するボルトを上からはめ込んで、
そのまま天吊りにできるかな、と考えていた。

よーくみると、このボルトはSP本体に外からダボ穴を切って,
その穴にボンドを流して止めているだけであった。

穴は2つの種類が切ってある。

ひとつは、スパイク用で、M6のボルト

もうひとつは、専用スタンド向けの、落下防止のM4くらいのボルト。

M4はナベのフタを止めるような細さで、20kgを支えることはできまい。

M6であれば、20kg程度は楽に吊るす強度がある。

そこで、予備テストとして、1個のナットにボルトを固定し、
そのボルトを上から丈夫なヒモ(ケブラー)で吊ってみた。


なんと、数分もたずに、ボルトはずっぽぬけた。
1本だけで支えられないのだ。

3本で支えたとしても地震を考えると落下は免れまい。

20kgもある本体の重さにボルトがすっぽ抜けてそのまま落下するに違いない。

だめだ。

B&Wも、Focalも、このボルトを使って天吊りすることは考えていないはずで、

一応販売店とメーカーに確認したら、やはり、そう言ってきた。

ちなみに、自作スピーカーメーカーである工房zも、同じことを言ってきた。
天吊りするな、と。
ここまでは、想定内。

もともと、横面のリュート型になっている面にM8の穴を3か所あけ、
それにボルトを貫通させて吊り下げることを考えているのだ。
こんな感じ。




気持ちわるい仕上げとはいえ、高級そうな塗装をした表側から穴を
M8の穴を3つもあけるのはメーカーに悪い気はする。


でも、自分のものだし、どうせ天吊りだ。下からは見えまい。
ましてや、命の危険には代えがたい。落下して頭に落ちたら死ぬのだ。
SPに当たって死ねれば本望、のはずはない。

ただ、スピーカーの横面は平面ではなく、水滴型に複雑にゆがんだ面。

真上から正確にドリル穴をあける必要がある。

幸い、我が家にはフライス盤があるので、自分で行える。

とにかく、試してみるしかない。

やるぞ。


805D4の横から、3つ、あけた。

さすが、フライス盤。

ドリル歯は ゆっくり回りトルクが強い。垂直に静かに下げることができるので、
正確な穴があく。

すっごい簡単。

その穴に、ボルトを内側から貫通させて、そのボルトに外からナットを締める。

ひとまず、そこをケブラーをひっかけて、むきだしの鉄骨にくくりつけて天吊りする。

ふっふっふ。
ここまでやって、これではダメだ、なんてことになっても嘆く必要はない。

もしダメでも、穴を木片か何かでうめて、どこかで使うことはできるのだ。

しばらく、外出するので、この状態で中断。

しばらくのち、視聴前に無事かどうか確認してみると、問題が起きていた。

リュートの形が歪んでいる。

スピーカー内部のマトリクス補強構造が、ブカブカ浮いている。

自重に負けて、ブレーシング材料が剥離していたのだった。

 

がひーん。


リュート型ではないが、音工房zのSPも重い。

同じような結果になるだろう。

自分で作ったのでよくわかる。
内部は、ボンドでくつけているだけなのだから。

 

うーん。
 

一応、視聴はこの状態、つまり補強材が剥離してブカブカ状態で行ったが、いつ落ちるかヒヤヒヤしながらなので、きちんとは視聴できていない前提で書くことになるが、

マルチch(ATMOS)用ソースで視聴。


以前のボロいSPと印象は変わらない。

LCRの3つのスピーカーは、代えたらスグわかるほどに変化が大きいのだけど、

上方に設置する2層のスピーカーは、変化がわかりずらい。
全体に対する支配力が小さいようだ。

 

特にセンタースピーカーと比べると、ツィーターの質の差は出ない。

高域は音圧としては一定レベル出ているはずだが、距離も通い=二次反射の影響が強い、
せいだろうか。

もちろん、ボロいSPと良いSPの差として、(音ではなく)見た目が違うのだけれど。

いまの段階でわかったのは、

1高級なSPは、重いので、二層に設置するにはいまいち、ハードルがある。
2低級なSPからアップグレードしても、がんばって設置する割には、差がわかりにくい、

ということである。

 

当然に、悪いスピーカーより良いスピーカーの方がいい音がするのだろうけど、その差がわかりにくいのだ。

 

雑魚とはいえ、マルチchを構成する以上、ボロに戻すのはいやだし、ブカブカのSPもこのままの状態でもいられまい。

 

次の策を考え中だ。

 

いま、805は吊り下げの刑期を終えて、内部のブレースを木工ボンドで修復中だが、リュート型の面が、

凹みが凸の方向にやや変形していて、もとには戻らないかもしれない。

せっかく傷ものになったのだから、傷ついでに、底面に穴開けてボルトを貫通させて、吊り下げて試すか。

 

 

 

 

フロントスピーカーが、もう20年も前のモデルであり、それをgivenとする限り、
センタースピーカーに現代最先端のスピーカーをあてがうことは、高域が出過ぎで
無理があることがわかりはじめた。
結構長いみちのりだったけども。

古いフロントスピーカー、これが最大のネックになっているようなのだ。

でも、気に入っているのだから仕方ない。

 

いままで、多くのハイエンドスピーカーは聞いてきたが、僕にとって、

これより魅力的なものは、ほとんどなかった。

 

このスピーカーを前提とする限り、今後さらに候補スピーカーを買い付けて、どんどん試すのは無駄であろう。
いつかは出会いがあると思うが、僕には時間の制約がある。

年内にこのシステムを、完成したいのだ。
 

だからもう、センタースピーカーに関しては市販のスピーカーは、期待しない。

実は、以前から考えていた、バックアップソリューションがある。

自作スピーカーだ。

自作といっても、市販キットになっている。

音工房zという、マニアでは有名な工房の、ハイエンド機 Z800-DW168HR.

ハイエンドユニットを使った最高のスピーカー、
であり、
BW 805を寄せ付けない
数百万円の既製品に負けない

とHPでは豪語している。
 

実際、自作SPで良い音を出している友人がいるので、自分でも試してみたかった。

ここのSPは以前から興味があったので、完成品もあるけど、自分で組み立てるのも楽しいと思い

すでに購入し、キットで組み立てているのだ。

キットなので、数時間で組み上げられるけれど、実際には接着が乾くまで1週間はかかる。

配線も、丁寧にやるので、案外時間がかかった。

いま、ネットワークを配線して、まさに組み込んだところだ。

いずれは、ネットワークを外に出して、金属削り出しのシャーシで外付けとするが、

まずは、音を聞きたいぞ、と思ったもので。

ところで、ムンドルフのネットワークをオプションで追加したのだが、

ムンドルフ社の高級パーツは、美しい。ほれぼれする。


これ。SP内部の大きさは、23cm x24cm程度

パーツがいかにでかいか、わかる。




とにかくでかい。

いかにも良い音の出そうなパーツではないか。

 

で、音を聞いた途端、おどろいた。

音色が、グランドユートピアとそっくりなのだ。

いや、微視的にみると、低域は伸びていないし、中域の厚みも足りない。

でも、まずは文句のない素晴らしい音。

他のスピーカーでは、こんなことを思ってもみなかったけれど、
2chで、片方をグランドユートピア、片方がこのスピーカーとして、
音量をそろえてステレオ再生すると、きっちり、サウンドステージが表れ、ボーカルも定位する。

こんどは、LRの真ん中に置いて聞く。

すばらしい。

リンダは、一人しか現れない。

成功だ。

センタースピーカーは、これで決まった。

フォーカルの言う通り、高域がLRと同じ程度で収まったスピーカーの方が良いらしい。

考えてみると、このセンタースピーカーのツぃーターはチタン。

グランドユートピアも、硬化処理しているとはいえ、同じチタン。

わずかにグランドユートピアの方が特性は広域まで伸びていると思うが同等だろう。



これ、案外お安いので、このスピーカーを必要なだけ作って、天吊りしたらオシマイ、
フッフッフ。

と思ったのであるが。。。

 

最初にセンターchを入れ替える。

今までも、間に合わせにセレッションのSPをスクリーンセンター上下に設置していたのだけれど、

本気でまじめにセンターSPを設置したことがないので、まずは、ちゃんとしたSPをあてがい、効果を試したい。

なぜセンターSPを最初にしたかというと、プロがミキシング時につかうモニターSPをみると、センターSPだけは左右2chとメーカーとモデルを合わせている事が多いからだ。
#アビーロードスタジオもそうだ。

しかし、僕の部屋ではそうはいかない。

左右LRのスピーカーが巨大なので、真ん中にもう1本入れることは不可能なのだ。

妥協案として、小型で良質のものを考えることにする。

用意したSPは、音が良い(はず)と自分で思った3つ。これら。


B&W 805D4sig

Focal Diablo
TAD CR1tx

前者2つは、まだ箱からは出していなかったけれど、3カ月前に購入済だ。

TADは高いのでお店からの借り物。


さすがに、この3つのどれかにきまるだろうと思った。

最初に、それぞれをステレオできいて、音の特徴を確認する。

フロントchと合うだろうか??

3つそれぞれが、良い音だが、不安がよぎる。


ダメだとしても、もう遅い。前に進もう。


音を理解した後に、センタースピーカーとして設置してみる。


マルチchのスピーカーレイアウトをフロント3ch、それにリアを加えた5chとして、シンプルに視聴をする。


視聴は、センターとして正しい位置に設置して、


正しい位置とは、フロントL/Rの中点だ。当然にスタンドの上に置く。


すでに周波数特性は測定済み、測定上はいずれ劣らず優れたSPだ。

B&Wは、高域が出過ぎだ。

高域の音自体は、どこまでも伸びて美しく魅力なのであるが、自然の音は、こんなに高域は強調されていない。

低音も、高域に対してかなり不足している。ドンのない、シャリ、という音。

雲一つないカリフォルニアの青い空の下で話す会話のような、妙に解放された音に聞こえる。

致命的なのは、フロントLR(フォーカルのSP)と、まるで音が違うことだ。ボーカルをフロントと混ぜて一緒に聞くとコーラスのように聞こえる。

気持ち悪い音だ。

しかも、色が最悪。

バールという仕上げを買ったのだが、テカテカ光る模様が、病気持ちのトラの皮のようでもあり、アマゾンに生息する蛇のようにも見える。

なんて、気持ち悪い色。

音も、色も、気持ち悪い。


このSPは、裏からみるデザインの方が、放熱板のすっきりした線が出ていて美しい。


失敗した。

これ、他のサラウンドchなり、リビングかどこかで使うことにして、まずはセンターSPとして却下。

重さは、15kgもあるので、天吊りできなくはない。

やや重い気がするが、他の二機種にくらべてマシではある。


Focalを試す。

実は本命だった。

LRと同じメーカーで、同じユートピアラインだから、合ってあたりまえ、と考えていた。

確かに、低域はB&Wよりたっぷりしていて、単体で聞く限りとてもよいのだが、、、

ただ、それでも低音は足りないし、なんだか違う。

高域が伸びすぎているのだ。B&Wに近い音だ。

思うに、同じユートピアラインでも、グランドユートピアやユートピアと、
それより小さいモデルは、音の造りが違うのだと思う。

それに、新しいモデルであるから、家にあるフロントSPと作られた年代も15年違う。


ヴォーカルの音色も、癖が強すぎる。
子音が耳に突き刺さる。

LRと合わせて鳴らすと音がまざって変だ。

これはエージングで取れてゆくものではない。

欠点とはいいずらいが、この大きさで20kgも重すぎる.

FocalのSPであれば、ワンランク下のライン当たりの方がセンターSPとしては主張が少ない分、良いかもしれない。

ちなみに、EUで買うと15500€なので、日本と値段は変わらない。
これ、どこで使うか考え中。

TADは、単体での音は、最も素晴らしかった。

はたして、センターSPとしてはどうか?

とても良い。音色も、LRと違和感を感じない。不思議だ。

同軸ドライバーが、優れているのだろうか。

ただし、二機種と異なり、低域は出過ぎでだぶついている。

無駄にウーハーがついている分、だぶつくのだろう。

3wayのウーハ帯域は蛇足である。

純粋に、2wayの同軸ユニットだけで十分だ。


それに、小さいくせに重すぎる。

実に46kgもある。キチガイじみている。

いや、小さいという言い方は正しくない。高さが60cm以上ある。奥行も45センチある。

こんな大きなものを、センターに持ってくるというのは、我が家ではできない。

普段はスクリーンの裏になる場所でAV用として使い、オーディオだけのマルチチャネル視聴の時だけ、
気軽に(必要に応じてスクリーン位置より前に)移動する使い方をしたいので、この1/3度の重さ、15kg程度が限界だ。

とはいえ、音は、3つの中でも最もよかった。

買っちまったものであれば、仕方ないから使うところだが、これだけは、まだ買っていない。
こんなに大きいのであれば、まったく欲しいと思わない。

これの、ウーハなしで同軸ユニットだけのモデルはないものか。

ちなみに、B&Wの蛇柄のように趣味の悪い仕上げのものが、新発売されている。
趣味の悪い色を喜ぶ人が多いと見える。

売れるのかな。

それにしても、うーん。ぜんぶ、ダメだった。

想定しない事態に陥ってしまったようだ。

帯に短し、たすきに長し。困った。

早くも行き詰ったか。

久しぶりに日本にやって来た。
滞在中に、ぜひやりたい作業がある。

自宅にある、マルチチャンネル再生用システムの、サラウンドchスピーカー構成の再構築だ。

 一応、いまの再生システムでも、ATMOS再生用に15.1chのレイアウトにはなっている。
 フロントchおよび、リアchに関しては、Auro-3D 13.3chに準拠したレイアウトに近づけていて、特に上下関係は真上真下の関係を保っている。

でも問題がある。

いまは、2ch単位で、まちまちのスピーカーの寄せ集めで構成している。

メーカーは統一されていない。
さらに、マルチchを構成するSPのグレードがちゃちだ。

# ちゃち、という点では統一されているとも言えるのだが、

要するに、この機会にグレードアップを図りたい。

さて、マルチchのスピーカーのメーカーを、モデルを、統一しないと問題か。
統一すると、問題はないのか。

どちらも、否、と考える。

 ドルビーでは1層、2層にわけて、さらにAuro-3Dでは3層までSPをレイアウトするが、理想は、全chの同一モデルであることは、知っている。

でも、僕はフロントchに大型のSPを使っているので、それをさらに13個も部屋に設置できっこない。

実は、この点に関しては、Focalというスピーカーメーカーの視聴室にお邪魔して音を聞かせてもらったときに、サウンドエンジニアと話してきた。

フォーカルの最高ラインであるユートピアは、小型モデルを含めて天吊りするようには考えられていない。
床に設置してつかわないと危険である(重いのでアタリアマエ)、という話にはじまり、

1層、2層、というレイヤーで同じモデルを設置するのは机上では良い考えだが、部屋での再生、ということを考える限り、設置基準面(高さ)によって、同じスピーカーでも音は大きく変わる。つまり、同じモデルを設置できたとしても、労多いわりに効果はないだろう。

また、多数の壁に密接しないでスピーカーを設置するのは現実的には不可能であり、むしろ小さいスピーカーの方が自由度が上がり、位置やルームアコースティクスの調整をするにあたって都合が良い。

フォーカルでは、7.1chでグランドユートピアでマルチchでオーディオショーでデモンストレーションしたことがあるそうだが、低域が出過ぎて、失敗したそうだ。

その時に使ったアンプは、なんと、ソニーのAVアンプ(パワー部がデジタルアンプ)だったそうな。

しかし、プロの映画向けの現場では、フロントを除くサラウンド用には、フロントchと同じメーカーの、同じ時期の、同じラインでそろえるのが常識だ。

 映画館でいえば、 工事を一気にまとめて行うので必然的にそうなる、あえて異なるメーカーのSPを入れてまで、音の細かな設定を気にするのは本筋ではない、という理由が大きいものと想像する。

一方、我々エンドユーザにとって、現実には、サラウンドスピーカすべてを同じスピーカーでそろえることができない。仮に同じメーカーで同じシリーズだとしても、違うモデルであれば大きさや構成が全く異なるので、同じ系列の音がするわけでもない。たとえば、ウィルソンやフォーカルは、KEFなどは、同じ会社でも同じラインでも、ぜんぜん異なる音を出す。
B&Wは似た音を出すので、メーカー次第であろうが。

ところで、オーディオコンポーネントは、それぞれが別々のメーカーの組み合わせで、好きに楽しむのが常識である。

僕のばあい、ディスクトランスポート、DAC、プリアンプ、イコライザー、パワーアンプ、スピーカー、ケーブル、すべて異なるメーカーである。

自分で考えた組み合わせで、自分なりに音を楽しむ。
それが民生オーディオの楽しみの一つなのだ。

結局、サラウンドスピーカーを入れ替えるにあたり、自分で使いたいスピーカーを選ぶことにした。


1 まず、使いたいスピーカーをピックアップする。
2 それを店で視聴する
3 気に入ったら、軸上1mでf得を測定させてもらい、特に低域性能を確認する
4 買う

最優先で解決すべきchは、今まで最も存在を無視していた、センターch    だ。

 

1週間前になるけれど、パルシファルを観てきた。
翌日は神々の黄昏、そしてトリスタンが今年のトリになる。

パルシファルはワーグナー最後の作品とされていて、これがまた、いろいろ制約がある作品だ。

まず、拍手はしてはいけない。
幕間はもちろん、終わった後でも、とかつては言われてきた。

でも、拍手するやつは必ずいる。
拍手が一人でもいると、周りからシーと言われ、へたすると睨まれる。

幕が終わると、パブロフの犬のように拍手をしたくなるのだが、強く強く、意識せねばならない。
いろいろな説があって、いまは、第一幕の後だけは拍手をしない、というのが通例になっていると思う。一応、他の幕でも、少なくとも、ファーストペンギンになるのは怖い。

また、この作品は、バイロイト以外で上演してはいけない。
メトやバイエルンで、見たことがあるぞ、BDも出ているじゃないか、という人、えらい。

詳しそうな人に聞いたところ、欧州で批准された法律で定められた、作曲家の著作権が
切れるのが30年。その30年が切れた時を待って、いろいろな歌劇場でパルシファルが上演されたらしい。NYでは、そんな法律は欧州と締結していなかったので、関係なく好きに上演されていたようだ。

ワーグナーを上演しない国としてはイスラエルが有名だが、これはヒトラーが好んだ作曲家であり、ワーグナー自身も反ユダヤ主義であったことによる。

 今でもイスラエル政府はワーグナーを敵視しているけれど、トスカニーニや、バレンボイム、メータなどのそうそうたるマエストロたちが、イスラエルフィルでワーグナーの演奏をすべく、いろいろなトライをしてきた。
 いずれも、観客、楽団、政府などから横やりが入り、歓迎されて演奏を完了したことはない。殴り合いのけんかにまで発展するので、命を懸けてまでそんなトライをする価値はない、のだ。

 パルシファルは、2023年のバイロイトの映像がBDになっているが、今年も昨年と同じ演出である。
NHKのロゴも入っているので、たぶんNHKでも放送されたのだと思う。
(知らなかった!.BDを買って帰ろう.
BDは、DTS-HDとATMOSのみ.Auro-3Dは欧州でパッケージソフトを見たことがない)


昨年同様、カサドの指揮だが、クンドリー役は、ガランチャではない。グバノヴァである。
どちらも有名な歌手ではあるが、グバノヴァは太めの人なので、パワフルだ。ガランチャはBDで確認できるので、比較できる。

メトはコンサバな演出が多いが、さすがにバイロイトは一味違う。

舞台にはカメラが入っており、その映像はバックスクリーンに映る。
王様の傷を治療するシーンまでスクリーンに出すものだから、ゲゲゲと思った。
白い巨塔のようなシーンだ。ここまで攻める演出は、たぶんなかなか、ないと思う。

用意されているビデオ画像は3Dにもなっていて、それを使うと、3D映像と舞台が融合する。
ただ、正面席にいる人しか3Dには見えないようで、メガネが配られた人だけ、の特典である。
なんだか、スタートレックの映像をみているような、錯覚になった。
まさに、イマーシブな世界。

あまり書くとネタバレになるので、やめておくが、バイロイトで何かを一夜だけ観るなら、
パルシファルが面白いとおもう。

ライトモチーフも、たくさん覚える必要もない。

幕間の休憩は長く、休憩をはさんで3幕全部を観て6時間を軽く超える。
疲れるので、休憩で息抜きをするのは重要だ。

ここは幕間の長い休憩時に、地下にある食堂で食事ができる。
両国国技館でも、地下でチャンコを楽しめるけれど、それと似ている。
広さも似たようなものだ。

独だし、料理はうまくない。国技館のチャンコの方がずっとうまい。

食いに来たのではないけれど、もう少しなんとかならんか。

 

これを書いている最中、バイロイト音楽祭の合唱団が解散するというニュースが入ってきた。
今後は、都度、オーディションを行うようだが、そんなやりかたで、クォリティが維持できるのだろうか。

エバーハルトフリードリッヒも合唱団監督を辞任したし、心配である。