センタースピーカーは決まった。
良し、よし。

 あとのスピーカーは、言ってみれば雑魚。

どうでもよいのだが、せっかく用意した 805D4 sigとかUtopiadiabloは、

2層を構成するフロントの真上、および、サラウンドの真上に天吊りにすることにした。

天吊りしてみないと視聴ができないので、まずは天吊り作業を行う。

どんどん作業を進める。

こうした高級小型スピーカーは、専用のスタンドを使って床に設置するようにできている。

構造的には、ナットが下面に埋め込んであるので、合致するボルトを上からはめ込んで、
そのまま天吊りにできるかな、と考えていた。

よーくみると、このボルトはSP本体に外からダボ穴を切って,
その穴にボンドを流して止めているだけであった。

穴は2つの種類が切ってある。

ひとつは、スパイク用で、M6のボルト

もうひとつは、専用スタンド向けの、落下防止のM4くらいのボルト。

M4はナベのフタを止めるような細さで、20kgを支えることはできまい。

M6であれば、20kg程度は楽に吊るす強度がある。

そこで、予備テストとして、1個のナットにボルトを固定し、
そのボルトを上から丈夫なヒモ(ケブラー)で吊ってみた。


なんと、数分もたずに、ボルトはずっぽぬけた。
1本だけで支えられないのだ。

3本で支えたとしても地震を考えると落下は免れまい。

20kgもある本体の重さにボルトがすっぽ抜けてそのまま落下するに違いない。

だめだ。

B&Wも、Focalも、このボルトを使って天吊りすることは考えていないはずで、

一応販売店とメーカーに確認したら、やはり、そう言ってきた。

ちなみに、自作スピーカーメーカーである工房zも、同じことを言ってきた。
天吊りするな、と。
ここまでは、想定内。

もともと、横面のリュート型になっている面にM8の穴を3か所あけ、
それにボルトを貫通させて吊り下げることを考えているのだ。
こんな感じ。




気持ちわるい仕上げとはいえ、高級そうな塗装をした表側から穴を
M8の穴を3つもあけるのはメーカーに悪い気はする。


でも、自分のものだし、どうせ天吊りだ。下からは見えまい。
ましてや、命の危険には代えがたい。落下して頭に落ちたら死ぬのだ。
SPに当たって死ねれば本望、のはずはない。

ただ、スピーカーの横面は平面ではなく、水滴型に複雑にゆがんだ面。

真上から正確にドリル穴をあける必要がある。

幸い、我が家にはフライス盤があるので、自分で行える。

とにかく、試してみるしかない。

やるぞ。


805D4の横から、3つ、あけた。

さすが、フライス盤。

ドリル歯は ゆっくり回りトルクが強い。垂直に静かに下げることができるので、
正確な穴があく。

すっごい簡単。

その穴に、ボルトを内側から貫通させて、そのボルトに外からナットを締める。

ひとまず、そこをケブラーをひっかけて、むきだしの鉄骨にくくりつけて天吊りする。

ふっふっふ。
ここまでやって、これではダメだ、なんてことになっても嘆く必要はない。

もしダメでも、穴を木片か何かでうめて、どこかで使うことはできるのだ。

しばらく、外出するので、この状態で中断。

しばらくのち、視聴前に無事かどうか確認してみると、問題が起きていた。

リュートの形が歪んでいる。

スピーカー内部のマトリクス補強構造が、ブカブカ浮いている。

自重に負けて、ブレーシング材料が剥離していたのだった。

 

がひーん。


リュート型ではないが、音工房zのSPも重い。

同じような結果になるだろう。

自分で作ったのでよくわかる。
内部は、ボンドでくつけているだけなのだから。

 

うーん。
 

一応、視聴はこの状態、つまり補強材が剥離してブカブカ状態で行ったが、いつ落ちるかヒヤヒヤしながらなので、きちんとは視聴できていない前提で書くことになるが、

マルチch(ATMOS)用ソースで視聴。


以前のボロいSPと印象は変わらない。

LCRの3つのスピーカーは、代えたらスグわかるほどに変化が大きいのだけど、

上方に設置する2層のスピーカーは、変化がわかりずらい。
全体に対する支配力が小さいようだ。

 

特にセンタースピーカーと比べると、ツィーターの質の差は出ない。

高域は音圧としては一定レベル出ているはずだが、距離も通い=二次反射の影響が強い、
せいだろうか。

もちろん、ボロいSPと良いSPの差として、(音ではなく)見た目が違うのだけれど。

いまの段階でわかったのは、

1高級なSPは、重いので、二層に設置するにはいまいち、ハードルがある。
2低級なSPからアップグレードしても、がんばって設置する割には、差がわかりにくい、

ということである。

 

当然に、悪いスピーカーより良いスピーカーの方がいい音がするのだろうけど、その差がわかりにくいのだ。

 

雑魚とはいえ、マルチchを構成する以上、ボロに戻すのはいやだし、ブカブカのSPもこのままの状態でもいられまい。

 

次の策を考え中だ。

 

いま、805は吊り下げの刑期を終えて、内部のブレースを木工ボンドで修復中だが、リュート型の面が、

凹みが凸の方向にやや変形していて、もとには戻らないかもしれない。

せっかく傷ものになったのだから、傷ついでに、底面に穴開けてボルトを貫通させて、吊り下げて試すか。