(もう絶滅しつつあるけれど)AV雑誌をみると、新機種や新ソフトの評論ばかりである。
雑誌=新製品のPRという面があるので、当然ではある。
残念ながら、イマーシブサウンドの正しい再生というのは、なかなか接する機会がない。
これは、日本だけではなくって、英国でも、米国でも同じ状況だ。
マルチch再生、正確にいうなら、5.1chや7.1ch(1層)の情報は十分にあった。
しかし、これはドルビーデジタルの時代の情報で止まっている。
ATMOSとかDTS-HD、Auro-3Dの再生に関する、正しい情報は、ほとんどない。
現代マルチチャネルは、立体的なスピーカーレイアウトになっていて、2層,3層まである。
スピーカー設置や音響調整のバリエーションは、1層という平面に比べると2乗,3乗に膨れ上がり、
次元が変わっているのだ。
正しい情報なんて、雑誌をきちんと購入していた僕自身も知らなかったから、
なかなか手に入らない、と断言できる。
情報なくして理解はない。
興味ある人は、webで文献を探せばかなりヒットする。
でも、大半が論文や白書で、しかも、英文だ。
と思っていたのだけど、
WOWOWのスタジオ(たぶん日本で一番優れたマルチch再生が聞けるスタジオ)で、
プロが再生技法について教えてくれるという。
講師は、wowowのエグゼクティブディレクターである入交さん。
凄いぞ。
入交さんといえば、冨田勲の遺作、『源氏物語幻想構想絵巻』とか、
昨年末に 出たばかりの Mr.BIGの『Finish live』 の録音を手掛けた方だ。
高名なオーディオ評論家もゾロゾロ参加するので、行けばおもしろい話が聞けるだろう。
価値があるこのセミナー、なぜか無料。
これで行かない、などという選択肢はあるまい。
2/2もしくは2/3に都内のwowowのスタジオで開催される。
詳しい案内を張り付けときます。
万難排していくべし。

欧州(&米国)と、日本の文化が違うなぁ、ということが、終わりと始まり、で強く感じる。
たとえば年末年始の音楽。
日本では年末にベートーベンの第九がどこでも演奏される。
欧米だと、年末に第九、という感じはない。
あれはお祝いの音楽であり、年末に〆の音楽ではないのだ。
と思っていたら、昨年末、ロイヤルフィルの演奏で、第九があった。
なんとLSOの本拠地、バービカンホール。
クリスマスフェスというタイトルだったから、〆ではなく、
クリスマスのお祝いだったのだろう。
なるほど。
ドイツに限定するならば、年始の音楽になっている。
新年のお祝いということであれば、やはり、お祝いの音楽ともいえる。
戦後、1951年にバイロイト音楽祭は再開されたが、こけら落としは第九だった。
バイロイト祝祭合唱団をフルベンが振ったその録音は、第九の中でも特別な音源だ。
サントリーホールの落成記念でも第9が演奏された。
サバリッシュがN響を振ったと記憶している。
週の終わりと始まりという点では、仕事の流儀としても違いがある。
欧米流では、週の終わり、金曜日に1週間のサマライズを行う。
アジェンダがメンバーから出るので、それに関して必要に応じてシェアするなり、ディスカッションしてoutput(=意思決定)が行われる。
だから、週末はゆっくり、仕事のことを気にせずに過ごせる。
気分もあらたに、週初からアゲーの気持ちで仕事に入れる、というものだ。
日本流だと、シェアなり、ディスカッションは、週の最初、月曜に行われる。アジェンダもない。
月曜日は、週のスタートであり、特に午前は連絡ごとが最も多いので、そんな忙しい中で、意思決定を伴わない、意味のない社内会議に午前から参加するのは効率が下がる。
週の最初から、サゲーの気持ちが入るのだから、どうしようもない。
先進国最悪のビジネス効率の悪さが、こんなところにも出ている。
いままで、音楽をステレオで再生することに注力していた。
その延長で、AVアンプでマルチチャンネル再生も一応やっていたけれど、あくまでも映像のおまけとしての音声を再生するだけであり、ソースに対する理解がまるでなかった。
昨年から、音楽もマルチチャネルで再生することに興味をもちはじめ、いまさらながらなのだけれど、マルチチャンネル再生における基本を勉強している。
いろいろな文献がwebで公開されていて、論文やホワイトペーパーもあって読みごたえがある。
ものすごく数が多い文献を読み漁ったが、知っておいた方がよいことを、ピックしてメモしたので、それを自身の備忘として記録した。
ここでは、それを紹介しておきたい。
<LFE>
ディスクメディアに記録される帯域は、ドルビーでは上限は120Hz, DTSでは80Hzに制限される。欧州のデジタル放送でも、ドルビーに準ずる。
つまり、それ以下の音声は、LFEとして記録するので、再生時には、LFEが必須となる。
これは、2chステレオには存在しない制約条件といえる。
<再生周波数特性>
ダビングスタジオや映画館では、Xカーブが基準となっている。
Xカーブとは、63Hzから2kHzまでがフラット、63Hz以下は40Hzで-2dBまでリニアに減衰、2kHz以上は、10Khz で-7dBまでリニアに減衰、10kHz以上になると、減衰量が少し増して16kHzで-11dBまで減衰するカーブだ。この周波数特性を、自分の部屋のリスニングポイントで実現するのは、ひとつの基準になると思う。
<スピーカーの距離>
LPとの距離は3m以上が理想。それが難しくても、2m以下になると、不安定になりやすい、としている。
各SPがリスニングポイントからの距離差が8mmを超えるばあい、20kHz以下にディップが生じる。
30cm以上の距離差がある場合、近い方の音源に定位を強く感じるハース効果が起こる。
SPとサブウーハとの距離差が1mを超える場合、ディップを生じる。
こうした問題を解決するために、タイムアライメント調整と、ベースマネジメントが必要になる。
<タイムアライメント>
普通AVアンプ自動調整するのだけど、8mmの精度となると、レーザーポインタで測定して、自分で距離を手入力するのがよいことになる。
<ベースマネジメント>
アンプ側で用意されるLFEのローパスフィルタは、24dB/oct に固定される。
(AVアンプでは、クロスオーバー周波数が各SPごとに設定できる事が多いが、-24dB/octということになる)
LFEにはメインchに対して+10dBのゲインが要求される。
プロが行うミキシングの過程では、80Hz以上のLFE信号は定位感が出やすいために避けられており、ローパスフィルタは80Hz になることが多い。
ということは、できれば、マルチchを再生するすべてのSPに対して、LFEを80Hzで設定できるのが理想になると思う。実際には、部屋のスペースや天井に吊る設置上のサイズや重量の制約もあって、難しいとは思うけれど。
このとき、ベースマネジメントで改善が図れる帯域は、80Hz以下であり、それ以上の低域帯域では、室内音響処理が必要である。
<マルチchのレベルバランス>
このように調整される。
5ch(L C R )における音圧レベルを85dBとする。
音圧は、サウンドプレッシャーメータ(slow , c特性)で測定する。つまり、単位はdBCとなる。
レベルバランスは、ベースマネジメントを終えた後にを行う。
LS Rsに関しては、音楽ソースでは 85dBC、映画ソースでは82dBCとする
これは、映画再生時と音楽再生時は、マルチチャネル音量バランスは異なることを意味する。
こんな重要なSP設置調整時の約束事は初耳であった。
僕が使っているDENON AVC-A1Hでは、同じソースに対して、音楽モードのサラウンドモードと、映画モードのサラウンドモードで、(たとえばDTS-HDモードとして)、音楽モードでは映画モードに対してLs/Rsが3dB下がっているかどうか、こんど確認してみたい。
2つのチャネル間のタイムアライメントは、8mm(0.025msec以下)精度で調整する.
ここまで追い込んでディレイを調整する必要があるのか。うーん、DENONでは難しいかもしれない。
なるほど、ね。
いやはや、参った。
Dirac が、残念なことになっている。
11月のブラックフライデーに買ったライセンスが、いまだに稼働できないでいるのだ。
必要性を感じないソフトなので買わなくてよいものだが、試してみようと思ったのが運の尽き。
問題満載なのである。
まず、購入できなかった。
Diracというこの会社、dirac liveなるソフトを売って食っている会社であるが、
ライセンスを買おうにも、日本発行のクレジットカードを受け付けていない。
Visa, Master, JCB.
みな、ダメだった。
日本の窓口はない。一応、日本人向けのメールアドレスは公開されているが、返事は1カ月ない。
仕方がないので、フランスのFocalに連絡をとり、欧州の窓口を聞いて、連絡した。
Diracに知らせると、1カ月間気が付かなかったようだ。
ということは、ブラックフライデーのセールでは、日本人は誰一人として買わなかったということになる。
デノマラのユーザは、あるいは、パイオニアやオンキョーのユーザは、誰一人として、
少なくともこの1カ月間、Dirac liveを買っていないわけだ。
こんな状況では、当然給料が出せないのであろう、
パーマネントな社員もいない感じの対応である。
もう会社が傾いている感が満点である。
一応、英国発行のカードは、受け付けたので、買うことはできた。
せっかくライセンスを買ったので、iOSのブラウザからdiracのsiteにloginし、
ライセンスキーを入力してアクティベートしてみたら、できた。
カネを払ったのであるから。ここまではアタリマエ。
でも、ここからが再び問題。
Diracのサイトにloginしてアクティべートする、という作業とは別に、
Dirac liveのソフトをPCにinstallして、PCソフト側からアクティベートを確認するという作業が独立していて、
同じパソコンで行わなくてはいけないのだ。
僕の場合、iPADでアクティベートしたのだが、僕のipadには指定のUSBマイクが接続できないので、マイクを
付けて測定できない。
そこで、dirac live ソフトは、iPADではなく、windows PCにインストールした。
installした後にライセンスを確認する画面があるが、なんと、ライセンスを買えというメッセージ。
PCを変えたら再度購入するようにできている。
PCが壊れたら、あるいはOSをアップデートしたら、PC機種を変えたら、
またDiracをあらたに買え、ということである。
そんなアグリーメントにはなっていないぞ。
DENONにも知らせておいたが、DENONによると、PC1台ではなく、アンプ1台に対して、1ライセンスになっている「と思う」が、要するに、よくわからんと。
無責任な会社であるが、DENONのせいではないので、責められない。
Dirac は、日本でサポートする窓口もなく、デノンもマランツもサポートはしない。
一応、Diracのサポート係は欧州に存在はしているし、返事は来ている。
曰く、ライセンスをリセットしたので、再度installからやり直せ、という。
やってみると、やはり、dirac liveはライセンスを認識しない。
よく見ると、機種がdenon AVC-A10Hになっている。
おれの機種A1Hとは違う。
(似てるけど)
これ、機種登録されたあとは、自分では変更できないのだ。
バイト以下のアホな対応をされた。
今後、あれこれ、メールでやりとりはできると思うが、時間切れ。
もう、このアンプを触ることは、しばらく、ない。
もうイギリスにも戻らないといけないもので。
安さに目がくらんで、Dirac liveなんぞに手を出したのがいけなかった、ということか。
Diracに手を出す人の要件はこうなる。
『
英語でのやりとりを十分に正確にこなせる必要があり、
かつ、
問題解決に2カ月もの時間軸で、たっぷり時間をつかえる人。
』
こんな人が日本に何人いるかわからぬが、この要件を満たせない人は、使うべきではない。
こんなクソ会社の製品を担ぐDENONもひどいものだ。
ぷんぷん。
北の富士さんが亡くなった。
18日は、LSOパッパーノ指揮のガーシュインやチャイコの小曲をバービカンセンターで鑑賞する
つもりだったのだけど、予定を変更して日本に来た。
北の富士さんの、お別れ会に参列するためだ。
八角部屋に久しぶりにうかがったが、角界の有名力士が勢ぞろい、TVで見る政治家も来ていた。
僕は、何度かお会いし、あれこれ話をしたこともある。
両国場所だと、ラジオやらTVやらの解説の仕事で忙しい方で、話をできる状況にないのだけど、名古屋場所あたりで
あれば、夜は時間があるということもあり、食事に行ったこともある。
もう2年前の話だが、ロンドン巡業でもあれば、きてください、案内しますよ、と話したこともあった。
なんと、数カ月前に、おお相撲のロンドン巡業が本当に決まったので、来年の秋には、
ロンドンでもご案内したいと考えていたのだった。
しかし昨年1月以降ほぼ2年、顔も見ていない。
親しい人とも会っていなかったという。
げっそりした姿を、人に見せたくなかったのだろう。
伊達政宗も最後期はそうだったという。
そういう人なのだ。
昭和の、破天荒な、とにかく面白い方だった。
特にスポーツ紙のサイトでのブログは、ロンドンでも楽しみであった。
一つの時代の終わりを感じ、寂しさがこみ上げる。
今日は、相撲ファンと飲み明かしている最中だ。
合掌。
マルチチャンネルSP 入れ替え計画 11 Rh問題
マルチch SPで、自分なりに問題を発見し、多くの問題を解消できた。
まず、セッティングの場所で、音場の正確な再生を、一定程度確保できた。
2層 5.1chのリプレースで、音色の統一感を確保できた。
だけれど、ゴールにはたどり着いていない。
しっくりこない理由を、もう少し明確化するために、いろいろ試してみると、大きな要素が見えてきた。
前回のブログで掲載したグラフに答えがあった。
Rhが、我が家でのマルチchにおける、ボトルネックであったのだ。
このグラフでは、フロントよりも音量が出るチャネルは、サラウンド、サラウンドバック、リアハイが際立つことがわかったのだが、
もっと多くのケースで、
フロント2chがかなりの音量を出すシーンに限定して、他のチャネルのスペクトラムを測定したところ、一番最初に限界の音量に達するのは、Rh(リアハイ、サラウンドchの真上)のスピーカーだ。
心配していたセンターは、全然余裕なのである。
これは意外であった。
結局、せっかく買いそろえたKEFであるが、音色がどうしても合わないので、取り外した。
代えて、パイオニアの同軸ユニットだけのスピーカーに代えたところ、音色の統一感は解決した。
でも、リアハイが、音量が大きい時についてゆけない。
なんと、フロントchより 数dBは大きな音を要求されるのである。
その瞬間のスペクトラムを見ると、中心周波数は200Hz以上である。
当然、もっと低い音も入るので、200Hz以下をLFEに担当させると振幅は楽になる。
その分を担当するスーパーウーハは、持ちこたえられるか?
デノンのAVアンプのマニュアルを見ると、リアハイの低音は、後方のサブウーハ1台が担当する。

でかい音量を入れて、音圧が出るか、スーパーウーハを試してみる。
あらら、まったく問題ない。ひと安心。
では、さっそく、Rhのクロスオーバーを最適化する。
このスピーカーの最大音量の状態を聞く。
当然に、アンプの最大出力を超えていないことも確認しないと、アンプのせいでSPが壊れる。
音量とSP能率からアンプの出力は逆算できるので、余裕があるかどうかは、事前に計算できる。
よし、大幅に余裕があるので大丈夫だ。
アンプの余裕があっても、SPは限界音量で動くので、この状態を長続きさせると、SPが壊れる。
注意しながら、200Hzから、少しずつ下げてゆく。
なるべく短時間だけ聞いて、音が歪まない事を確認し、しばらくしてから、また、もう少し下げてみる。
しばらくしてから、というのは、耳の保護と、スピーカーの熱を冷ます、という両方の保護のためだ。
辛抱強く、これをくりかえす。
歪まない範囲でなるべくクロスオーバーを下げるのである。
最適なクロスオーバを設定すると、100Hzもしくは120Hz。
デノンのアンプでは、100Hz以下は10Hz刻みだが、100Hz以上は刻みがもっとラフになるので、
110Hzという設定はできない。
ピュアオーディオ機材ではないので仕方ない。
とはいえ、瞬間であれば、100dB位まで出せることがわかった。
チューニングしないKEFでは、せいぜい90dBであったので、10dB程度は稼げたことになる。
機材を壊すので、なんどもできることではない。
これで良し、にしよう。
前回は、マルチch(昨日はAuro-3D)における、各chの、ソースに入っているピークのスペクトラムをupした。
前回の資料を、わかりやすく、平滑化した曲線で、かつ、すべてのchを、自分の備忘録として一枚のグラフにしたものがこれだ。

これをみると、Rh Sb Cの各チャネルは、100-200Hzの再生能力を特に求められていることがわかる。
僕のシステムでは、前方2本、後方1本の3本のサブウーハがあり、近傍のサラウンドスピーカーの低域も担当する方向性onの設定をしているが、この特性を見ながら、手動で各スピーカーごとに、クロスオーバー周波数をそれぞれ最適化している。
こうした細かな作業によって、小型SPで頑張っているサラウンドチャネル群の低域における分担を減らすことができるので、再生系全体としての、最大再生音量を極大化できるのである。
具体的には、13chそれぞれを
F
C
Sr
SB
FW
Fh
Rg
TM
Ch
Ts
という系統にわけて、最大音量でも担当チャネルの低域が確保できるよう、音圧計とスペアナを観ながら、クロスオーバーをチューニングする。
音圧が確保でき、かつクロスオーバーが低い、という2つの矛盾する要素を最適化するものである。
音の方向性は、100Hz以下ではわかりずらいとされているが、人によって感じ方が異なるので、事前に、自分の耳で、何Hzまでは方向感を感じるか、テストしておくとよい、その周波数以下がクロスオーバの目標値と一致する。僕の場合は、80Hzを目標にした。
このチューニングを行うと,音質の破綻なしで最大音量を6dB程度、上昇させることができる。
だからとても重要な作業なのだが、AVアンプにオマケでついているマイクを使った自動計測の機能では実装されていない。こうした単純極まる作業こそ、自動化してほしいものだ。
ところで、各サラウンドチャネルの名前は、ドルビー、デノン、Auro-3Dなど、各社各様で、よくわからないので、僕が使っているデノンのマニュアルとAuro-3Dのホワイトペーパ―で作成した、スピーカー端子と設置位置を番号でリレーションを示す図も張り付けておいた。

スピーカ- ケーブルにも番号を振っておき、こうした図と照らし合わせることで、AVアンプにあれこれ配線する際に
効率的にワイヤリングできる。
こうした下準備もまた、やるとやらないでは、トータルの作業や、メンテナンスに要する効率が変わってくると思う。
マルチch再生時の、それぞれのチャネルに、どの程度の出力が出ているのか計測したものを備忘録を兼ねて掲載する。
マルチchソース(BD)を、HDMIにてAVプリメインに入力し、そのプリ出力をパソコンのスペアナソフトで表示したものだ。
パソコンのDA変換ボードへの入力はインピーダンスマッチングをしており、f特は±0.2dB精度でキャリブレートしている。
この測定時は、プリ部の各種フィルタDSP処理はスキップし、通常は行う低域のLFEへの分担を一切行なわない、設定とした。
なので、ソースに入っている素の音量と帯域を記録しているはずだ。
曲は、手持ちのソースでできるだけ広帯域で極力ピークに大きな音で入っているものを利用した。
UNAHQ2009 Death and Maiden allegro(シューベルト、死と乙女 第一楽章) Auro-3D(11ch)
アトモスでも入っているが、Auro-3D 13chで計測。Auro-3DのTOP、および、Chの2chに音が入っている13chソースは市場に存在しないのでAVプリ部の拡張モードでAuroのロジックが創造した音を拾っている。
Auro-3Dフォーマットが世に出て、ずいぶん経過しているにも関わらず、未だにフルフォーマット13chのソースが存在しない情けない状況では、このフォーマットの将来は見えているのだけど、ね。
スペアナなので、同じある瞬間、を切り取ることもできるが、せっかくピーク記録ができるので、曲を通してのピークを描いた。各chの帯域とピークスペクトラムがわかりやすいからだ。
手持ち機材はdenon ACV-1Hで、プリ出力できる17.4ch (アトモス 15.4ch,Auro-3Dの13.4ch)すべて測定しているが、Auro-3Dに関係するchだけを載せておく。
L/Rの音量差は音楽ソースでは発生しないので、LRの区別はしないでLchのみ、とした。
1 どのチャネルにも凄い低音成分が入っている
2 各ch間ではフロントと差がないほど、同等の音量が求められている
3 設置場所がハイトか否か(高さ)ではなく、自分の前にあるか、後ろにあるか、で要求される音量と帯域が変わる
ということはすぐわかる。
みる人がみれば、さらに、いろいろなことがわかると思う。
以前の我が家のシステムであれば、圧倒的に2chステレオ装置で再生する方が音が良かった。
いまはどうか。
まだ暫定的とはいえ、新しいSPレイアウトでマルチchもずいぶんよくなった気がするので
いまのマルチチャネル再生の実力を試してみる。
アランパーソンズプロジェクトの作品は、どのアルバムも録音が良い。
本格2chオーディオで聞くと、とても楽しめるし、いくつかのアルバムはマルチチャネル化もされている。
だが、僕の知る限り、このアルバム Vulture culture はまだマルチチャネル化されていないと思う。

オーディオ評論家の傅さんが、アランパーソンにインタビューをした記事をオーディオ雑誌でみたことがある。
確か、傅さんはアポジーを使っていた時代だった。アランパーソンは、ち密な音作りをしているので、高級なステレオで聞くとより楽しめる、的な話をしていたと思う。
さて、このアルバムが、アランパーソンのアルバムとしては最も音数が多いので、Auro-3Dで疑似マルチch再生をしてみる。
音数が入っていると感じるのは、2曲目Separate Livesから3曲目Days Are Numbers にかけて。
特に2曲目は、Separate Lives音楽にはあまり関係ない効果音があちこちにちりばめられていて、きちんとステレオ再生すると、音粒が空間に浮かび上がる。
これを、Auromaticで再生すると どうなるか。
なるほど、事前に考えていたより、良い。
いや、かなり良い。
2chでも、音粒空間に飛び散る。
ためしてみるとよいが、多くの、普通の2chステレオでは、まったく飛び散らない。
多少飛び散れば、立派だ。
もっと飛び散れば、さらに素晴らしいが、ここまで来るには、多くのリソースの投入が必要だ。
ところが、だ。
Auromatic化すると、2chで感じる空間に奥行感が出る。
さらに加え、高さ感も出る。
いわゆる、サウンドステージの、奥行きや高さがわかりやすく感じるのだ。
言い換えると、2chの方は空間の制限がないので無限さがあるといえばあるのだが、Auromatic化された音の方が密度感があり、音粒の出る場所の3D的表現が優れている。
うまく書けないが、この再生音は、大変に好きだ。
図示するとこんな感じ


力入れて サラウンドSPを設置したかい があったというものだ。
ただし、いままでの経験上、こうした成功確率は、1割以下だ。
9割以上のソースは、むしろ悪くなる。
特に最初からリバーブ(エコー成分)を多用するソースはまずうまく再生できない。
それが、Auromaticの欠点であり、しょせん疑似再生の限界でもある。
AuromaticによるCDの視聴
イマーシブ感 ★★★★★
オリジナルソースのステレオ感 ★★★★☆
まだ完成していないマルチチャネルSPのインストールではあるが、一応、数が揃った。
今までも、Auro-3D用に、スピーカーを設置していたのだが、完全に寄せ集めであった。
- 寄せ集めで何が悪いのか?
なにも悪くはない。
音だって、13チャネルできとんと出る。
寄せ集めでも、そこらの(と言っても、新宿にある業界でもなかなかい良い店である..)AV店よりは、マシな音だった。
そもそも、店より良いのはあたりまえで、店ではAuro-3Dとして周到に設置はしていないわけだから、そりゃそうなる。
よく検討された機材を、正しく設置されたシステムでAuro-3Dの再生を、Auro3Dさんの良いおとを、
聞いてしまったから、僕も出したいぞ、と思ったのが、スタートだった。
GW明けくらいだったかな。
強い気持ちで、わが音を改善したいと思ったのだった。
年内に追い付こうと今年の目標を定めたのである。
改善する前のレベルを、10点とした。
(ということは、販売店は10点以下であるということだ)
100点満点である,100点を現実に実現できる範囲での最高の音、と頭で想定している。
(フォーカルの本社視聴室では体験できる)。
ちなみに欧州ではFocalブランドでAVプロセッサーが出ているがストームのOEMだ。
今回の改善のプロセスをまとめてみた。
3段階になる。
stop0 予備
これからの作業のため、部屋全体を整理し、じゃまなものは外に出す.掃除もする。
これがすべてのstepで一番大変だった
ちなみに、スクリーンもこの機会に張りなおした。
step1 スピーカーレイアウトを、推奨値に完全に準拠
アトモスは無視するわけではないが、どのようなSPレイアウトでも再生できるはずなので、
SPレイアウトを厳密に要求しているAuro-3Dを手本とした。
特に、2層のスピーカーと1層のスピーカーの上下の関係
これは、鉄骨がむき出しの部屋なので比較的楽に達成できた。
この段階で、10点が30点にupした
step2 1層みなおし
家と同じように、低層からしっかり組み立てることを考え、1層をスピーカー構成、位置を、見直した。
サラウンドバックとセンターの合計3スピーカーが、フロントLRと違和感があったので、違和感のない
モデルにリプレースした。
サラウンドバックを、キャバスの小型スピーカーに、センターSPを自作(と言ってもキット)SPに代えた.
これに合わせて、セッティング位置を好ましい場所に変更
ルームアコースティックトリートメントもみつめなおし、アブフューザーやデフューザーの位置や角度の微調整、
吸音材調整なども行った。
これで 40点にupした
step3 2層,3層みなおし
2層3層5.1chをリプレースする。いま、この段階にいる.
ついでに、アトモスでしかつかわない 1層(Fw) スピーカーも同じ機種にしてしまう計画。
暫定段階ではあるがKEF をいれた現在、50点にupした。
だいたい、60点はとらないと、試験には合格しないものだ。
合格には、まだ距離がある。
あと10点は上げたい。
# 問題を出すのも、回答するのも、僕自身なのだけれど。







