以前の我が家のシステムであれば、圧倒的に2chステレオ装置で再生する方が音が良かった。
いまはどうか。

 

まだ暫定的とはいえ、新しいSPレイアウトでマルチchもずいぶんよくなった気がするので

いまのマルチチャネル再生の実力を試してみる。

アランパーソンズプロジェクトの作品は、どのアルバムも録音が良い。
本格2chオーディオで聞くと、とても楽しめるし、いくつかのアルバムはマルチチャネル化もされている。
だが、僕の知る限り、このアルバム Vulture culture はまだマルチチャネル化されていないと思う。


オーディオ評論家の傅さんが、アランパーソンにインタビューをした記事をオーディオ雑誌でみたことがある。
確か、傅さんはアポジーを使っていた時代だった。アランパーソンは、ち密な音作りをしているので、高級なステレオで聞くとより楽しめる、的な話をしていたと思う。

さて、このアルバムが、アランパーソンのアルバムとしては最も音数が多いので、Auro-3Dで疑似マルチch再生をしてみる。


音数が入っていると感じるのは、2曲目Separate Livesから3曲目Days Are Numbers にかけて。
特に2曲目は、Separate Lives音楽にはあまり関係ない効果音があちこちにちりばめられていて、きちんとステレオ再生すると、音粒が空間に浮かび上がる。

これを、Auromaticで再生すると どうなるか。

なるほど、事前に考えていたより、良い。

いや、かなり良い。

2chでも、音粒空間に飛び散る。
ためしてみるとよいが、多くの、普通の2chステレオでは、まったく飛び散らない。
多少飛び散れば、立派だ。
もっと飛び散れば、さらに素晴らしいが、ここまで来るには、多くのリソースの投入が必要だ。

ところが、だ。
Auromatic化すると、2chで感じる空間に奥行感が出る。
さらに加え、高さ感も出る。
いわゆる、サウンドステージの、奥行きや高さがわかりやすく感じるのだ。

言い換えると、2chの方は空間の制限がないので無限さがあるといえばあるのだが、Auromatic化された音の方が密度感があり、音粒の出る場所の3D的表現が優れている。

うまく書けないが、この再生音は、大変に好きだ。

図示するとこんな感じ




力入れて サラウンドSPを設置したかい があったというものだ。

ただし、いままでの経験上、こうした成功確率は、1割以下だ。
9割以上のソースは、むしろ悪くなる。

特に最初からリバーブ(エコー成分)を多用するソースはまずうまく再生できない。
それが、Auromaticの欠点であり、しょせん疑似再生の限界でもある。

AuromaticによるCDの視聴

イマーシブ感 ★★★★★
オリジナルソースのステレオ感 ★★★★☆